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市川猿三郎 二輪草紙
歌舞伎役者 市川延夫改め二代目市川猿三郎。 公演などのご案内、過去現在にわたっての様々なことを思いつくまま書き綴ってまいります。

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明治座五月花形歌舞伎。

やっと終盤にさしかかり、最後の5日間 何事もなく 
無事に終わればいいなあ〜と 思いの他、


昨日、劇場より帰り際に、会社よりとんでもない事を 伝えられました。

坂東竹三郎さんが、昨日の出番終了後、体調不良を訴えられ 
本日より休演されるとのこと。


その為に、昼の部の『男の花道』の加賀屋東蔵のお役を 急遽、
私が代役を 勤めさせて頂く 運びとなりました。


猿之助さんより 

「大阪弁をなんなくしゃべれる人が少ないので 猿三郎さん できますか?」

と 聞かれ、動きは舞台稽古と 初日近くに何回か見せて頂いて居ましたので 
とりあえず「はい やらせて頂きます。」と 

前公演のDVDをお借りして、もう片付けようと思っていた今月の台本を 
もう一度引っ張出し 昨夜と今朝 劇場に入るまで 首っ引きで 見直しておりました。

私の演じておりました 頭取円八のお役は、一門の春猿さんのお弟子さん 若い喜楽さんが 
関西生まれという事で抜擢され 又替わりとなりました。


同じ場面に立っておりました舞台で 違うお役で上がる事になり 混乱しそうでしたが、
喜楽さんも頑張って 元の私のお役をこなし
私も負けられず!の気持ちで 猿之助さんと相対する東蔵のお役を
一生懸命 勤めさせて頂きました。


初日の今日は、多少 緊張で口が乾き 台詞の舌が回っていないところもございましたが
なんとか火事場の馬鹿力で乗り切れたかな? と ホッといたしております。

が、問題は明日からの4日間、気を引き締めて再度 舞台に臨みたいと思います。



思えば今月は、明け方4時と云う舞台稽古に始まり 1週間ごとに 
思いがけないイベントがあった月でございました。

最終週は何事もなく祈りつつも・・・(笑)

最後の最後で さらに思いがけない代役。
常に舞台に真摯に全力で向かって行かなくてはいけないのは 申すまでもありません。


竹三郎さんの境地には 一朝一夕で追いつけるはずもございませんが、
同じ上方歌舞伎という土壌で 生きて参りました役者の一人として、
何とか 偉大な先輩のお役を 勤められたらと思います。


幸い 竹三郎さんの体調は回復され 快方に向かわれているとの事 
貴重な生き字引のようなお方ですから 大事に至らなくて
本当に良かったと思っております。


加賀屋東蔵のお役 千穐楽まで代役ではなく 本役として
勤めさせて頂く事となりました。


この後、御観劇のお客様はなにとぞ 御寛容の御見物のほどを
お願い申し上げます。

また、喜楽さんへもご声援賜りますよう 心よりお願い申し上げます。

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