JAXAとIHI、GX第2段用LNGロケットエンジンと、試験設備を公開 宇宙航空研究開発機構(JAXA)とIHIは8月24日、現在開発中のLNG(液化天然ガス)を燃料に使用するロケットエンジンと、その試験設備をIHI相生工場(兵庫県相生市)で公開した。LNGエンジンは、GXロケットの第2段のために開発中の新型エンジン。燃料にLNG、酸化剤に液体酸素を使用する。
GXロケットはIHIが主体となって官民共同出資の枠組みで実施されているが、同エンジンの開発はJAXAが主体となり、エンジン開発と、実際の打ち上げによる技術実証までを担当することになっている。 http://robot.watch.impress.co.jp/docs/news/20090826_310897.html
ロケットエンジンでは、高温の燃焼ガスがノズルの中を通過し、膨張する過程で推力が発生する。ノズルが大きいほどロケットエンジンの効率は向上する。しかし、ノズル内で膨張した燃焼ガスは圧力が下がる。このため地上の1気圧の環境で、あまり大きなノズルを装着すると、噴射ガスの圧力が大気圧に負けて、ノズルがつぶれてしまう。このため、地上燃焼試験は通常、ノズル下半分をはずして実施する。
今年に入ってから、相生工場のテストスタンドで合計12回の予定で一連の燃焼試験を実施しており、9月1日までに燃焼総秒時2,400秒を達成する予定だ。
液体水素の沸点はマイナス250℃と極低温であり、取り扱いが難しい。
1/3水素分子は非常に小さい(分子量2)ので、少しの隙間からでも燃料漏れを起こす可能性がある。 噴射ガスの主成分である水蒸気の分子量が小さい(分子量18)ので、大推力を発生させるのが難しい。 液体水素の比重は0.07と非常に小さく、十分な量の液体水素をロケットに搭載するためには大きく重い推進剤タンクが必要になる。 液体水素はすぐに蒸発するので、軌道上での長期保存が困難。打ち上げ後数時間のうちに使い切るようにしなくてはならない。 一方メタンが主成分のLNGは、液体水素ほどの高性能を出すことはできない半面、以下のような利点がある。 沸点が-160℃前後で、液体酸素の-183℃と近く、ほぼ同じ断熱装備で取り扱うことができる。 主成分であるメタンの分子量は16で、液体水素よりも大きく、漏れにくい。 噴射ガス主成分は、水蒸気と二酸化炭素の混合となり(完全燃焼時の平均分子量は約27)、分子量が大きい分、大推力を発生させやすい。 LNGの比重は液体水素よりも大きく(主成分である液化メタンの比重は0.43)その分推進剤タンクを小さく軽くすることができる。 液体酸素共々、軌道上で適当な熱遮蔽を行なうことで、長期保存が可能。 つまりLNGと液体酸素の組み合わせは、1) 大推力を必要とするブースター用エンジン、2) 軌道上で何度も再着火して様々な軌道に衛星を送り込む上段用エンジン――という2つの用途に向いている。これまで、このような用途では、ケロシン(灯油)が燃料に使われてきた。ケロシンは常温で液体のため取り扱いしやすい。しかしその一方で、完全燃焼しにくいという問題点もある。LNGは比較的低い燃焼圧力でも完全燃焼するという利点がある。 日本にとってLNGは、既存の液体水素と組み合わせて、より高性能の宇宙輸送システムを構築することが可能になる、是非とも実用化したい燃料なのだ。 つづき |
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