一輪の花

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【インタビュー:加藤敦美さん(86歳 元予科練)】
『安倍路線に対抗できるのは、憲法9条の力ではないのか』

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12万人が国会周辺を埋め尽くした安保法制反対の8.30国民大運動。それを主導したのは学生団体SEALD'sだが、彼らの活動を励ましたのが、元予科練のこの人が朝日新聞に寄せた投稿だ。
「学生デモ 特攻の無念重ね涙」の一文はネットを通じて拡散し、国民的な話題になった。その後、シールズの中心メンバーの奥田愛基さんとの対談も実現している。


衆院で、安保法制が強行採決された直後、彼らの写真が新聞に載っていました。それを見て、涙があふれ出てきた。「おれたちはこんなふうに生きたかった」という思いがこみ上げてきたのです。なぜ予科練で特攻を目指していた私が、若い人たちの姿を見て泣いたのか。それは、何かのルサンチマン(恨み)だったと思います。「あんなふうに(反対運動をして)生きたかったな」という思いが心の底にたまり続けていたのでしょう。

予科練では「海軍通信学校」(山口県防府市)に入り、モールス信号を受信する訓練を受けました。九州の基地から出撃した特攻隊機が敵艦突入の際にハッする信号音を聞き取っていたのです。周波数を合わせると、「ピーーー」という音が聞こえたのですが、ふっと消える。その時に班長が「今のは特攻機が突っ込んでいった時の音だ」と私に告げました。聞こえなくなった時が死の瞬間だったのです。

最初は「ああ、そうか」と思っただけでした。音しか聞こえず、特攻機が突っ込んでいく映像を見ていないので、何の感情もイメージも湧かなかった。でも、パイロットが電鍵を押しっぱなしにしないと、電波は出ない。
特攻隊員は死ぬ瞬間まで「絆」「つながり」を断たないようにしていた。
そで「最後まで俺達を見捨てるな!」という魂の叫びに聞こえるようになりました。国も靖国神社も天皇も関係はない。「ただ誰かとつながっていない」というのが特攻隊員の本当の思いだったに違いないと。

武藤貴也衆院議員は、シールズの主張を「利己的」と批判しましたが、「また来たか」と思いました。私は満州で生まれ育ちましたが、小学生の時から「自分のことを首に考えるやつは利己主義だ、非国民だ」と散々言われました。同じことを武藤議員が言い出した。「国のためにおまえらの命をよこせ。イヤとは言わせないぞ」という意味としか取れませんでした。

当時は「死ぬことは美しいこと」と賛美され、「天皇陛下のために死ぬ。死んでも靖国神社に行って神になれる」と教えられました。そして日中戦争が長引くにつれて、ピカピカだった装備はボロボロになっていき、「このままでは満州での居場所がなくなる」と思い詰め、せき立てられるように予科練に志願し、合格しました。それでも満州を離れるとき、本音では入隊を誰か止めにきてくれないのか!」「助けてくれ!」と願っていました。「天皇陛下のために死ぬ」と考えても、恐怖で体の震えが止まらなかったのです。

予科練でも死ぬことしか教えられませんでした。上官にこん棒でぶん殴られ、怒鳴られたりして、消耗品のように扱われた。
百田尚樹の「永遠のゼロ」のような美化された世界ではない。実際、練習生隊長からは、「天皇や国のためなんかのきれい事ではない。お前たちは消耗品だ。命令されたら死ねばいいのだ!」と言われました。そして先輩や同輩たちは特攻で死んでいった。人間魚雷「回天」で亡くなった仲間もいた。

でも本当は「自分たちは生きたかった。死にたくなかった」と思います。もっと言えば、「愛されたかった。愛したかった」。

それで、朝日新聞の投稿には「人生には心からの笑いがあり、友情と恋が溢れ咲いていることすら知らず、五体爆裂し、肉片となって恨み死にした」と書き綴ったのです。愛し愛される機会が奪われていた海軍生活の中で、それでも仲間たちは「愛してくれ。俺も愛したい」「誰かとつながっていたい」と思いながら、「ピーーー」という音を残して亡くなっていったのです。


若者たちの反対運動を見ると、希望を感じます。と同時に、涙が出てくるのです。若者たちの運動と拡がりは、集団的無意識の結集体のようなものかもしれません。思いもよらない形で、平和を望む人々の思いが一定方向に動いているのではないか。私のうかがい知らないところで、朝日新聞の投書が広がっているのは、そのためかもしれません。

「安保法制=アメリカの傭兵になる」と考えています。安保法制が成立した途端、戦争が起こせるようになります。一番怖いのは「国家安全保障会議」で、メンバーは安倍首相と菅官房長官ら4人だけでしょう。
彼らが真珠湾攻撃や満州事変のようなことを企んでも、特定秘密保護法があるから、誰も知ることができない。ナチスドイツのような軍事国家の完成です。そして、いったん鉄砲をぶっ放してしまうと、国民の心はがらりと変わってしまうかも知れません。

でも、いまや憲法9条は日本のアイデンティティーですから、逆に安倍政権が総崩れになるかも知れません。「安倍路線に対抗できる力を持っているのは憲法9条ではないか」と思ったりもします。
そして「憲法を守れ」と訴えるシールズの運動が世代や地域を越えて広がっています。戦争をしないシールズの路線か、戦争法案をゴリ押しする安倍路線が激突しているともいえます。若者たちの運動を見ると、憲法9条そのものが話しているような気さえします。

憲法9条は、もはや日本だけのものではなく、世界の宝のような存在です。戦禍に見舞われている中東の人たちも、「憲法9条、平和憲法のある日本はうらやましい」「自分たちも憲法9条があったらいい」と言っています。だからこそ、日本国憲法を壊す権利は誰にもありません。ましてや、安倍首相にはないと思っているのです。
・・

8月22日、奥田愛基さんは京都市内の加藤さんを訪れた。「加藤さんは、僕らが投稿を読みあげることを知っていました。
『戦争体験者の押し付けではなく、戦争体験を全く知らない君たちが戦争反対を言い出した。勝手にやり始めて本当にありがとう』と涙ながらに言っていました」。世代を超えた連帯が安倍政権を追い詰めている。




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