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国の原爆症認定のあり方に見直しを迫る判決が、仙台、大阪両高裁で相次いで言い渡された。

 両高裁とも、原爆症認定申請を却下した国の処分を違法と断じ、原告の被爆者計十一人の原爆症を認めるよう命じた。

 これで国側は地裁段階から同種の訴訟で八連敗となった。国は判決を真摯(しんし)に受け止め、被爆者を救済するために、認定審査方法を再検討すべきだ。

 とりわけ、大阪高裁での国側敗訴の意味は大きい。今春導入した認定の新基準について、司法が被爆者の実態に合致していないと判断したことになるからだ。

 原爆症の認定には、病気の原因が原爆の放射線にあるという「放射線起因性」と、現在も治療が必要だという「要医療性」の二つの要件をともに満たしていることが必要とされている。

 新基準は放射線起因性について、被爆地と爆心地との距離など一定条件に当てはまり、さらに、がんや副甲状腺機能障害など五つの疾病のいずれかを患っている場合に原則認定することにした。

 従来よりも条件は緩和されたものの、この五疾病以外は、審査基準が不明確な個別審査を受けなければならない。

 実際には、これらの疾病以外の病気を患っている被爆者は少なくない。大阪訴訟の原告でも、九人のうち五人がこうした人たちだ。

 従来の基準は実態に合わず、機械的と批判されてきた。判決が九人全員の認定を命じたことは、新基準でもなお、原爆症に悩む人たちを救いきれないことを明らかにしたと言えよう。

 要医療性が争点となった仙台訴訟でも、がん手術後の定期検査や手術による後遺症を、被爆にかかわる病気治療と認めなかった国の主張が否定された。原爆症に対する国の認識の低さを指摘したともとれる。

 仙台高裁は判決の中で「救済の精神に照らすと、いささか柔軟な対応に欠けていたといわざるを得ない」と国の認定行政を批判している。

 そもそも基準の見直しは、裁判での敗訴が続く中での政治的判断によるものだった。札幌など全国各地で続く訴訟の早期解決を目指すならば、基準を再度見直すか、より柔軟に運用すべきではないか。

 原告たちの高齢化は進んでいる。大阪訴訟の原告九人のうち、すでに三人が亡くなっている。国は救済を急がなければならない。

 裁判の場で、繰り返し違法性を指摘されながら、それを改めないならば、司法軽視と批判されることになろう。

(北海道新聞より引用)

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2008/5/31(土) 午後 9:04 [ ゆめおい ]


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