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主として芸能ニュースの字幕担当者がしきりに「ネチズム」という言葉を用いておられます。
開局以来,少なくとも今週まで,一貫して字幕に登場しています。
明らかにnetizenのことですが,画面にハングルの字幕や書き文字で네티즌と出ていても
頑として「ネチズム」と訳されます。
ネチズムという語もないことはないようですが,
おおむね下記の二つの用例群にまとめることができそうです。
(1) 韓国のnetizen(群)を特に区別して記述するために一部の日本人が用いる
※a. 掲示板やBLOGおよびコメント欄における韓国人の書込みについて
b. 多量のアクプルや激烈な政治的メッセージが見られる様,そして
c. 集団心理の働くその状況を批判的に見る場合に用いられることが多い
※おそらくネチズン+ナチズムというダジャ連想ではないか
(2) ネチズンの思考傾向・規範意識や行動を記述するために一部の日本人が用いる
※目新しい新造語を使って人目をひこうとするような寂しがりの評論家たちが
用いている様子
※この場合,ネチズンとネチズムは並列して(別の語として)とらえられる
韓国の番組で네태즌という語を使う場合,通例「人」「人々」を意味している様子で,
その限りでは(2)のような強度に抽象的な概念は整合しない。
また,(1)は基本的に韓国人を蔑んだり憎む感情に基づく造語なのだから,
だいぶ不適切と思うのですが。
「バックトゥザフューチャー」の「ジゴワット」,「未来世紀ブラジル」の「情報剥奪省」
が映画レビューなどで拡大再生産されたのと同じように
みんながネチズムという語を使うようになったらそれはそれで見物かもしれないが,
今のところは孤立して恥ずかしいだけなので,いいかげん再検討した方がよいのでは。
まあ,「ネチズン」という日本語は,それはそれで
日本でほとんど普及しないまま死語となっていて,
やむをえず使う時にはお尻がむずがゆくなるような気恥ずかしさを覚えるし,
上記(2)の主体となる人たちも,それこそ「古い」と称して使わないことだろうから,
「ネチズンはこのような反応を見せています」という訳もあまりよくないですね。
他局では「インターネット利用者」「ネットユーザ」などという訳を見ますが,
これはこれで,netizenという語のおおもとの含みを反映していないし,
インターネットを用いる人たち全体について述べるわけではない以上,却下。
そこで,「インターネット上では,このようなコメントが多く書き込まれています」
「このような反応が多く見られます」といった方向の意訳で
(もちろんもっとこなれた訳文で)字幕をつくるのがよさげでは。
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2010年03月21日
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