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新幹線撮影も好きでしたが、定年過ぎの爺さんは未だにワクワクしながら IT・サイエンス情報を追っかけています。

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 話題になっていることだけは知っていた。読んでみてマニアックだが深い。でも、途中あんまりにも深入りしていてそこは飛ばした。品川の車両留置線か。何度も見たことはある。あれが消えちゃうんだ

ダイヤ改正で最終列車が30分繰り上げられた山手線、その裏に隠された事情とは

梅原淳  | 鉄道ジャーナリスト
3/21(木)

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山手線の品川駅。写真右に廃止された車両留置線が見える。2015年3月に筆者撮影

品川駅に1時19分に到着していた山手線内回りの列車が姿を消す

 JRグループと呼ばれるJR鉄道事業者7社は、毎年春の恒例行事となっているダイヤ改正、要するに列車の運転時刻の改変を2019年3月16日の土曜日に実施した。今回が平成最後となるJRのダイヤ改正では、新幹線の開業といった大がかりな行事はない。しかし、北海道新幹線でスピードアップが実施されたおかげで東京駅と新函館北斗駅との間は最短3時間58分で結ばれるようになった。すでに放出(はなてん)駅と久宝寺(きゅうほうじ)駅との間が開業していたJR西日本のおおさか東線では、未開業であった新大阪駅と放出駅との間の11.0kmが今回開業して全線が開業という具合に、華々しい話題も数多い。

 民放のテレビ局のうち、在京のキー局各社にとって、このたびのJRのダイヤ改正で最も注目を集めた話題とは、東京の都心を一周するJR東日本の山手線での出来事だ。今回、山手線のうち、内回りといって大崎駅から品川、東京、上野、池袋、新宿、渋谷の各駅を経て大崎駅へと向かう最終列車に変化が生じている。言葉にすればこれだけではあるが、さすがに大都市東京の都心を走る鉄道だけあって大きく取り上げられ、筆者も日本テレビ、TBSテレビ、フジテレビの3局からコメントを求められた。

 肝心の変更点は次のような内容だ。ダイヤ改正前は池袋駅から品川駅までの間の最終列車は池袋駅0時51分・新宿駅1時00分・渋谷駅1時07分発、品川駅1時19分着の列車であった。少々くどい話ながら、この列車は池袋駅から大崎駅までは普電第2412G列車という列車番号で呼ばれ、大崎駅からは列車番号が変わって普電第112G列車という。

 この列車、つまり普電第2412G列車〜普電第112G列車はダイヤ改正によって運転区間が短縮され、1時16分着の大崎駅止まりとなった。つまり普電第112G列車となる大崎駅と品川駅との間が廃止されたのだ。

 ダイヤ改正後の3月16日以降、品川駅に到着する内回りの最終列車は池袋駅0時24分・新宿駅0時33分・渋谷駅0時40分発、品川駅0時52分着の列車である。例によって列車番号を記すと、池袋駅から大崎駅までは普電第2380G列車(土・休日は普電第2322G列車)、大崎駅から品川駅までは普電第2480G列車(同普電第2422G列車)だ。ダイヤ改正以前と比べると、各駅で軒並み27分早く列車に乗らなければ品川駅にたどり着けなくなった。

終電の繰り上げは車両留置線の廃止によるもの
 JR東日本によると、品川駅1時19分着の列車を大崎駅止まりとした理由は、営業していない車両を収容して留め置くための線路である車両留置線が品川駅から姿を消したからだという。従来、最終列車として品川駅の1番線に到着した車両は、乗客を降ろすと山手線の線路の西側、そして京浜急行電鉄本線の品川駅の東側に敷かれていた車両留置線に移されて翌朝まで過ごしていた。

 しかし、京浜急行電鉄本線の泉岳寺駅と新馬場駅との間で予定されている連続立体交差化の計画によって状況に変化が生じる。本線の品川駅を現在よりも東側に広げる計画が立てられ、車両留置線として用いられていた土地の一部は京浜急行電鉄の用地に転用されることとなり、車両留置線は廃止されたのだ。詳細は東京都、港区、品川区、京浜急行電鉄の4者が作成した「京浜急行本線(泉岳寺駅〜新馬場駅間)の連続立体交差事業について」に掲載されている5ページの図からうかがえる。

 車両留置線が使えないのであれば、そのまま品川駅の1番線に車両を置いておけばと考えたくなるが、こちらも難しい。早朝から深夜までほぼ途切れることなく列車が走る1番線の線路には、最終列車の運転が終わったら入念なメンテナンス作業が必要だ。その際に車両が停車していると作業に支障が生じてしまう。

 加えて、いまJR東日本は2022年ごろの完成を目指して品川駅の改良工事に取り組んでいる。そのあらましとは、現在階段とコンコースとを経由して行われている山手線外回りの列車と京浜東北線の大宮駅方面への列車との乗り換えを同一のプラットホーム上で行えるように改め、線路の上をまたぐように設けられたコンコースを増築するというものだ。改良工事は主に深夜の時間帯に実施しており、1番線に電車が停車していてはやはり作業に差し障りが生じてしまう。

 大都市では近年、最終列車の運転がより遅い時間へと繰り下げられる傾向にある。大都市の通勤電車の代表でもある山手線で、しかも拠点駅となる品川駅に到着する内回りの最終列車の時刻が早まるのは異例の事態かもしれないが、いま挙げたようなやむを得ない事情によるものだ。

ダイヤ改正後も品川駅止まりの山手線の列車は7本も運転されている……
 さて、ダイヤ改正後の時刻を掲載した「JR時刻表」2019年3月号(交通新聞社)の720・721ページを見ると興味深い記述に気づく。品川駅に0時52分に到着するとして先ほども挙げた山手線内回りの新たな最終列車である普電第2480列車(土・休日は普電第2322G列車)はこの駅を終着と定めているのだ。この列車だけではない。1つ前の0時40分に到着する普電第2464G列車(同普電第2416G列車)も同様である。

 内回りとは逆向きに環状運転を行う山手線外回りの列車も見てみよう。平日では0時50分着の普電第2353G列車、0時56分着の普電第2317G列車、1時03分着(同0時58分)の普電第2419G列車、1時08分着の普電第2447G列車、1時16分着の普電第2405G列車の5本、土・休日では0時52分着の普電第2329G列車、0時58分着の普電第2305G列車、1時06分着の普電第2431G列車、1時16分着の普電第2415G列車の4本もすべて品川駅止まりである。

 車両留置線は廃止され、品川駅の改良工事も始められているから、平日であれば合わせて7本の列車、土・休日であれば合わせて6本の列車にそれぞれ用いられていた車両がこの駅で夜を明かすことは不可能だ。となるとどこかへ回送しなければならない。

 順序は逆だが、山手線の外回りの5本(土・休日は4本)の列車の動向は以前にJR東日本に確認したことがある。これらはすべて品川駅から次の大崎駅まで回送され、この駅から山手線の車両基地である東京総合車両センターへと入庫となるのだ。ダイヤ改正前でもこのような扱いであったから、引き続き大崎駅へと回送されるのは間違いない。

 山手線の内回りの2本の列車はどうなっているのであろうか。こちらはJR東日本に問い合わせたところ、0時52分着の普電第2480列車(土・休日は普電第2322G列車)はそのまま山手線の内回りの線路を池袋駅まで回送列車として走り、この駅の構内に設けられた車両留置線に止めておくのだという。

 いっぽう、0時40分着の普電第2464G列車(土・休日は普電第2416G列車)は山手線の外回りの列車として折り返して大崎駅まで行き、東京総合車両センターに入庫するそうだ。なお、品川駅では山手線の内回りの列車が外回りの列車として折り返すための線路も撤去されたとのことなので、そのまま東京駅方面へと走り、どこかほかの駅で折り返さなくてはならない。JR東日本の担当者によると、この作業をどの駅で行っているかまでは不明とのことだが、品川駅から1駅東京駅寄りの田町駅に該当する線路が敷かれているので、恐らくは田町駅まで行って大崎駅へと戻るのであろう。

車両留置線廃止との理由の裏には、工程上の都合という事情も隠されているのでは……
 いままで長々と深夜の山手線の品川駅での列車の到着状況を記したのには理由がある。これまで紹介した6本または7本の列車のようにほかの駅、車両基地へと回送すれば、品川駅に1時19分に到着する列車の運転を取りやめなくてもよいのではないかと考えられるからだ。

 実を言うと、品川駅1時19分着の列車の廃止は車両留置線の都合だけによるものではないらしく、ほかにも理由が存在する。筆者の推測を披露させていただこう。

 一つは利用者が少ないからだ。深夜に運転されているという要素もさることながら、1時19分着では品川駅で他の列車に乗り換えることができないというのが最大の理由と考えられる。

 『平成26年版 都市交通年報』(運輸総合研究所、2017年6月)を見ると、山手線の内回りの列車に乗って品川駅に到着する利用者数は普通乗車券と定期乗車券とを合わせて2012(平成24)年度に1日平均43万8189人が存在するうち、他の路線に乗り換えないでこの駅の外に出て行く人の数は8万7941人と20.1パーセントにすぎない。68.7パーセントの30万1131人は東海道線に乗り換えるとあり、うちほぼ半数の15万0994人は東京駅方面に向かうというから、要は山手線の電車にそのまま乗っているのだ。という次第で、深夜ということもあり、最終列車を繰り上げても影響は少ないとJR東日本は考えたのかもしれない。

 今回のダイヤ改正で最終列車となった品川駅0時52分着であれば、1時01分発となる京浜東北線の蒲田駅行き最終列車の普電第2327B列車(土・休日は普電第2315B列車)に接続する。先ほどの『平成26年版 都市交通年報』によると、山手線の内回りの列車から京浜東北線など東海道線の蒲田駅、横浜駅方面へと乗り換える人の数は1日平均15万0137人と、全体の34.3パーセントも存在しているから、深夜でも結構な数の利用者が乗っているのは間違いない。

 もう一つ推測される理由は、線路のメンテナンス作業なり、品川駅の改良工事にできる限り早く着手したいとJR東日本が考えたからだ。品川駅に1時19分に到着した列車を池袋駅に回送しようとすれば、品川駅から池袋駅までの間の線路はおおむね2時過ぎまで空けられず、その分メンテナンス作業に使える時間が減ってしまう。ならばと、田町駅まで回送した後、折り返して大崎駅へと向かわせようとすると、改良工事で忙しい品川駅にやはり2時ごろに回送列車を通さなくてはならない。どちらも工程上大変難しく、品川駅止まりの列車を1駅手前の大崎駅で打ち切らざるを得なくなってしまう。

 とはいえ、JR東日本は「作業を行っているから」とは言いづらかったはずだ。「乗客が工事の邪魔になる」と受け取られかねないからである。

 ならば「利用者が少ない」と公表しても角は立たないのではないかというのは早計だ。品川駅と田町駅との間に新たに開設される高輪ゲートウェイ駅という駅名で、JR東日本に対して多くの批判の声が上げられたことは記憶に新しい。あまり否定的な理由を挙げて沿線の人たちをこれ以上刺激するのは得策ではないとは素人目にも想像できる。

 車両留置線の廃止という、まずだれからも文句の来ない理由を前面に出したJR東日本の今回の行動は非常に賢明で、ニュースリリースの出し方としてほぼ満点であろう。なお、JR東日本を評価しているからとはいえ、拙記事の作成に当たって筆者は同社から利益の供与は一切受けていない点を付け加えておきたい。

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 これでようやく分かった。これまでの記事って暫定的に1年みたいに書かれていた。
上越新幹線のE7系は2階建てのE4系から置き換わる形で2年後までに11編成が配備される予定で、当面は東京と新潟の間を1日4往復、東京と越後湯沢の間を1日1往復運行されます。
新潟駅でE7系新幹線電車の車両展示会


上越新幹線に新たに「E7系」導入 新潟駅で出発式

2019年3月16日 14時27分

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JRのダイヤ改正に合わせ、上越新幹線に新たに導入された車両「E7系」の出発式がJR新潟駅で行われました。

4年前の北陸新幹線の開業に合わせ開発されたE7系は、グリーン車より上級の「グランクラス」の車両を含めた12両編成で、16日のダイヤ改正に合わせて、上越新幹線に新たに導入されました。

午前7時すぎからJR新潟駅の新幹線ホームで、上越新幹線のE7系の1番列車となる「とき308号」の出発式が行われました。

はじめにJR東日本新潟支社の今井政人支社長が「新潟の皆様、新潟を訪れる皆様に長くご愛顧いただくことをお願いしたい」とあいさつし、新潟市の中原市長らとテープカットを行いました。

そして、新潟駅の小池裕明駅長の合図で、稲穂やトキの羽をイメージしたシンボルマークやトキ色のラインが入った車体が東京に向け出発すると、ホームに集まった人や関係者は旗や手を振って見送りました。

上越新幹線のE7系は2階建てのE4系から置き換わる形で2年後までに11編成が配備される予定で、当面は東京と新潟の間を1日4往復、東京と越後湯沢の間を1日1往復運行されます。

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 あれは緩衝材でしょ。車両の揺れを緩和するという。他には枕木を沈ませない役割。なるほど


電車のレールに砂利が敷き詰められている理由

2019/03/15

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私たちが使う多くの電車のレールには、よく砂利が敷き詰められていますよね。
通勤の際、毎朝目にするという方もいるかと思います。しかし、なぜ砂利が敷いてあるのか疑問に思ったことはないでしょうか?
実はこの砂利、いろいろな役割を担っています。
例えばレールには等間隔に設置された「枕木」があり、レールが歪まないよう固定する役割を担っています。砂利には、この枕木を沈ませないようにする役割があるのです。

また、砂利には騒音・振動を和らげる効果もあります。砂利と砂利の間にある隙間がクッションとなり、騒音や振動を吸収してくれるのです。
コンクリートでも枕木の固定はできますが、このクッションの役割が砂利より劣るのだそうです。

ただ、砂利の隙間が詰まって来ると、せっかくのクッション効果が下がってしまうのでメンテナンスが必要です。
定期的にドリルのような機械で砂利をかき混ぜ、改めて隙間を作るのだそうです。
地下鉄ではこのメンテナンス作業が難しいため、コンクリートでレールを固定しています。地下なので騒音に気を遣う必要がないことも理由の1つだとか。

砂利は雨が降ったときも水はけがよく、排水が簡単です。また、土などと比べた場合、雑草の育成を防止しやすく、余計なメンテナンスも発生しにくいのです。

ただし、積雪の多い地域などでは、車両から落ちた雪や氷の塊が砂利を跳ね上げ、窓が割れてしまうこともあるそうです。
電車の通っている場所によって、臨機応変にアイデアが盛り込まれているのですね。

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 興味深く読んだ。初めて新幹線に乗った頃は、新大阪の近くに田圃が見えていたような… 万博で開発が進んだのかな。今、山陽新幹線からしたら、ホーム容量不足か。確かにのぞみで上から山陽に入る分には何とも思わない。まあ、凄くホームが増えたなと感心したぐらい。
 この話が具現化する頃には自分はいない。
 宮原操車場 ? かなり離れているが、まあ、東京駅の京葉線のホームまでの距離も凄いもんな。なんでここが東京駅なんだってぐらい

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新大阪駅、再開発で狙う西の「高輪ゲートウェイ」

新幹線地下ホームや阪急乗り入れの構想も

2019/03/15 5:10

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新大阪駅の正面口。将来、リニア中央新幹線や北陸新幹線、阪急新線が乗り入れる計画があり、大規模再開発が期待されている(筆者撮影)

大阪市北部に位置する新大阪駅は、東海道・山陽新幹線、東海道本線、大阪メトロ地下鉄御堂筋線が集結する巨大な乗換駅だ。3社の乗降客数は1日40万人を超える。3月16日には、JRおおさか東線新大阪―放出間が開業し、大阪府中南部や奈良駅から直通電車が乗り入れてくる。

近年、東海道・山陽新幹線が好調で利用者は増加傾向にある。リニア中央新幹線や北陸新幹線の乗り入れも決まり、国土交通省は新大阪駅地下に巨大ターミナルを整備するプランを打ち出した。

新幹線ネットワークの結節点として注目されている新大阪駅とその周辺の現況と将来像について見ていこう。

「大阪第2の都心」として開発

新大阪駅の周辺は大阪屈指のビジネス街で、マンションやビジネスホテルも集まっている。

新幹線や特急で東京や名古屋、福岡、金沢、山陰と結ばれているし、大阪空港や関西空港へのアクセスもよい。地下鉄で梅田や難波など大阪中心部への行き来が便利な点も重宝される。東京に本社のある企業の大阪支店、あるいは関西企業の営業拠点としての立地が多いのが特徴的だ。

駅と新幹線ができたのは1964年のこと。大阪市は新大阪地区を「大阪第2の都心」と位置づけた。中心部とつなぐ地下鉄と都市計画道路を整備、市内最大の土地区画整理事業を推進し、巨大な駅前広場を完成させた。

だが、新大阪エリアは、1970年代以降伸び悩む。駅の北西にビジネス街が形成されたが、核となる都市機能の集積が不十分なこともあり、あまり特色のない単調な街並みになってしまった。阪急電鉄は新大阪駅乗り入れのため新幹線ホームの北側に駅用地を確保していたが計画を凍結してしまう。

1990年代以降、新大阪地区のオフィスに空室が目立つようになり、賃料は大幅に下がった。駅構内や駅前広場は開業当時の面影そのままだった。大阪市議会で「陸の玄関があまりにもみすぼらしい」と辛辣な指摘もあった。

新大阪駅の周辺が変わり始めたのは、2010年代になってからだ。

まず、JR西日本は2011年から新大阪発の九州新幹線直通「さくら」「みずほ」の運転をスタートさせ、山陽新幹線の2017年度の運輸収入は2009年度比で30%、新大阪駅の乗車人員は32%増えた。また、利用の低迷していた関空特急の乗車人員がこの10年間で倍増したことで、新大阪駅で乗り降りするインバウンド客は着実に増えてきた。

一方、JR東海は、阪急の新線用地を使って新幹線27番線ホームを増設するなどして運行本数を増やした。東海道新幹線の2017年度の輸送実績(人キロ)は2009年度比で28%増となった。

ビジネス、観光両面で活況
東海道・山陽新幹線と新大阪駅の利用者の増加、そしてビジネス、観光の好調がエリアの活況をもたらした。

阪急が2012年に竣工した新大阪阪急ビルは、地上17階建てでエリアでは10年ぶりの大型物件だった。新駅用に確保していたスペースの有効活用を目指したもので、2階は新設されたJR新大阪駅北口と直結し、1階にバスターミナルがオープンした。2017年以降、駅周辺でビジネスホテルの着工が相次いでいる。

JR東海とJR西日本、地下鉄は相次いで駅構内の大幅リニューアルに取り組み、駅ナカ店舗も充実した。

次のターニングポイントは2023年春だ。新大阪と西九条を結ぶJR東海道線支線が地下化され、大阪駅北側の大規模再開発地「うめきた」地区に北梅田駅(仮称)が完成し、関西空港や和歌山方面行きの特急が乗り入れる。おおさか東線の北梅田駅直通が報道されたこともある。

続いて、2031年春、なにわ筋線が北梅田―JR難波・南海新今宮間に開業する。関空特急がJR東海道線支線・なにわ筋線経由で新大阪駅と関空を40分台で結ぶことになる。

新大阪駅を拠点とする鉄道新線計画も注目されている。

まず、2016年8月、JR東海の柘植康英社長(当時)がリニア新幹線の大阪側終着駅の場所について「新大阪駅」と改めて明言した。

さらに、2017年3月には、与党と国交省が、北陸新幹線の京都・松井山手(駅)付近経由での新大阪駅延伸を決定する。同年4月、阪急は、北梅田―阪急十三間の鉄道新線構想を打ち出した。なにわ筋線と連絡するとともに、新大阪への延長も視野に入れている。

こうして、新大阪を拠点とする4つの鉄道新線プロジェクトが動き出した。ただ、現状、4年後に開業するJR東海道線支線以外の計画は特に何も決まっていない。各社の構想を調整し、どうやってネットワークをつなげていくのか。それが次の課題となる。

JR西日本は、2018年3月に公表した「JR西日本グループ中期経営計画2022」で「新大阪広域ハブ拠点化」を打ち出した。北陸新幹線とリニア新幹線延伸開業を踏まえて、新大阪エリアに集まる交通ネットワークの強化を目指した。

また、国交省は、同年5月、「地方創生回廊中央駅構想」を発表した。新大阪駅の地下に、リニア新幹線と北陸新幹線、そして山陽・九州新幹線のホームを整備するプランだ。2019年度予算で地下ホームの調査費を盛り込んで、設計や需要予測、建設費の試算を行う。

新幹線ホームは容量不足

JRと国の懸念材料として「新大阪駅新幹線ホームの容量不足」がある。

現在の新幹線ホームを管轄するのはJR東海だ。20〜27番線まで8線分あり、規模では同社の東京駅新幹線ホームを上回るが、地上空間にはリニア新幹線が乗り入れるための拡張スペースはない。

一方、JR西日本は、山陽新幹線の運用に苦慮してきた。

新大阪駅始発の山陽新幹線の多くは20番線から出発する。博多方面へ折り返し運転できる唯一のホームということもあるが、1時間に2本程度しか入線できないので、新大阪始発の「さくら」「みずほ」を増発する一方、「こだま」は大幅に減便された。九州新幹線、特に長崎方面から新大阪駅への乗り入れ希望もあるが現状では難しい。

新大阪の新しい新幹線ホームは、どのようなイメージなのか。国交省の資料では、現状の高架ホームとは別に、リニア新幹線と北陸新幹線の地下ホームを造り、さらに山陽新幹線からの接続線も連絡させて、鹿児島や長崎からも乗り入れると示された。一体的に施工することで、総事業費を抑えようという考えもある。

あわせて、大阪市は、新大阪駅エリアが都市再生緊急整備地域の候補となったことを受けて、今年1月に関係者会議を開催した。新大阪駅から十三駅、淡路駅も含めた広いエリアでスケールの大きいまちづくりに取り組むという。会議には、JR西日本や阪急、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)の役員も出席した。

新大阪駅の周辺には未利用の市有地や民有地が広がっており、その有効活用が長年の検討課題となっていた。まちづくりと鉄道事業を一体的に推進することで用地を生み出し、国に容積率を緩和してもらうことで民間投資を呼び込みことが期待されている。

近未来SFのような地下ホーム構想。夢のある話だと思うが、気になる点が2つある。

新幹線新ホームはどこに?

1つ目は、新幹線新ホームの整備される場所だ。

大阪市が1979年に作成した報告書によると、北陸新幹線は新御堂筋(国道423号)の地下に敷設し、駅ホームは南側への延長も考慮するとされていた。ただ、ルートが亀岡市経由から京田辺市経由に変更されたので、40年前のプランは参考にならない。

現在の新幹線や各線との乗換のしやすさは最低条件である。駅周辺での用地買収が困難なことを考えると、既存の鉄道空間を活用することになろう。

注目したいのが、JR西日本宮原操車場(網干総合車両所宮原支所)。新幹線と地下鉄ホームのすぐ西側にある14.6haの車両基地だ。

歴史のある設備で、今も大阪駅や新大阪駅を発着する電車の折り返し設備や留置線として使われている。ただ、近年、基地としての機能は大幅に縮小され、広大な敷地で待機している電車は数えるほどだ。

似たようなシチュエーションなのが、2020年に暫定開業するJR東日本の高輪ゲートウェイ駅だ。品川駅に隣接する車両基地が大幅に縮小され、跡地の一部9.5haで品川開発プロジェクトが進められている。

宮原操車場も1990年代から再開発用地と期待されており、今年1月にも新聞報道があった。周辺で取材すると「リニアの新駅は宮原の車庫の地下にできるらしいで」と語る気の早い不動産関係者もいた。

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新大阪駅の新幹線ホーム西側にある宮原操車場。広大な敷地に停車する電車や客車は少なく、新幹線巨大地下ホームの候補としては適地かもしれない(筆者撮影)

2つ目は、リニア新幹線の新大阪駅開業が2045年、北陸新幹線が2046年……と25年以上先とされていることだ。あまりにも遠い未来であるため、リアルな話だと実感しにくい。

関西各府県や財界は、国に対して2030年代の新大阪開業を要請している。

1つの目標年次は2037年だ。JR東海は財政投融資を活用した3兆円の長期借入を行い、リニア新幹線の大阪開業を「最大8年は前倒しする」方針を示した。北陸新幹線も敦賀開業直後の2023年度に着工すれば2037年に開業できるとの観測もある。

大阪市は、新大阪エリアのまちづくりに関して、リニア・北陸新幹線の「2037年開業」を前提としたスケジュールを示した。JR西日本は中期計画で「新大阪広域ハブ拠点化」の目標時期を2030年代としている。

リニアの計画は予定通り進むか
ただ、リニア新幹線は本当に2027年に名古屋まで開業するのか。用地買収の遅延、静岡県との対立など懸念材料が多い。工費は品川―名古屋で5兆4300億円、新大阪までだと9兆円とされるが、予算オーバーすれば新大阪駅延伸の時期にも響いてくる。

北陸新幹線敦賀―新大阪間の調査は3月で完了し、月末に大まかなルートと駅が公表されるが、開業時期を早めるための財源がないのが難題だ。工事中の整備新幹線3区間の開業時期を早めるために、40年以上先の線路使用料など5400億円分の財源を前倒しで予算化したからだ。2031年までは本格着工ができない。

さらに、金沢―敦賀間の予算超過も問題になっている。当初事業費の1兆1600億円から2割増の1兆4100億円に膨らんだ。残る敦賀―大阪間の事業費は2兆1000億円と試算されたが精査は必要だろう。

与党は大阪延長のための安定財源を2019年内に見つけると説明している。財務省は、10年以上、国費から新幹線に投入する金額を年700億円台で据え置きしてきたが、本当に今の整備スキームを見直すことができるのか。今後、JR西日本が線路使用料の増額という形で費用負担に応じるかどうかも1つの焦点だろう。

新大阪駅の巨大地下ホーム構想や再開発構想は、政治的な動きと切り離して考えることはできない。今年は統一地方選や参院選、大阪府知事選・市長選があるうえに、大阪都構想の住民投票、衆院選の噂も出ている。今後、どんなアイデアが出てくるのか注目していきたい。

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 国際線予約開始は360日前 ? そんなに早くから… ま、関係ないけど
 そんなに言うけどね、自分が20代の頃、こちらと東京の往復は5万円仕事だったんだ。JRに分割と飛行機との競争で半額になった…
 もっとも今だったら飛行機。新幹線だと広島まで向かうのが遠くて。ひとりだったら、鉄道好きだから新幹線でもいいけれど。

新幹線と飛行機の壁 「4時間」「1万円」より深刻な「1カ月前の壁」

3/15(金) 7:30配信

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3月16日のダイヤ改正で上下3本の「はやぶさ」が東京〜新函館北斗間で4時間切りを達成する

 2019年3月8日、元いすみ鉄道社長の鳥塚亮氏のコラム「新幹線の壁 本当に越えなければならないのは『4時間の壁』ではなくて『1万円の壁』という現実。」が話題となった。ざっくりと要約すると、「新幹線の高速化は重要かもしれないけれど、それだけでいいの? 飛行機に速度で対抗するよりも、価格を下げる努力をしたほうがいいよ」という提言のようだ。

このコラムだけではなく、コラムに寄せられた賛否両論の感想も興味深かった。賛成意見の多くは「新幹線は他の交通機関に比べて高い、安くしてほしい」で、否定意見の多くは「価格だけの比較に意味があるのか」だ。私見を述べると、「安さは正義」という価値観は理解できる。私も同じ商品やサービスだったら安い方を買いたい。しかし、商品やサービスの内容が異なれば、価格の比較そのものに意味はない。鳥塚氏の主張も賛否の意見も全て正しい、という結論になる。八方美人かもしれないけど。

航空業界の営業施策が洗練された理由

 鳥塚氏は英ブリティッシュ・エアウェイズの営業部門を経験された方で、航空業界の営業施策やマーケティングに詳しい。いすみ鉄道社長時代の鳥塚氏のブログでは、しばしば航空業界の経験が語られていた。これまで国際航空業界の仕組みを分かりやすく語る人は少なかっただけに、その内容はとても興味深かった。たいていは「洗練された国際航空業界と比較し、国鉄以来のJRのやり方にダメ出しする」というパターンが多く、JRに不満を持つ人々には痛快だ。

そして私は鳥塚氏の航空業界の経験談を読むたびに、亡父の言葉を思い出す。父はドイツのルフトハンザ航空の営業部門で勤務していた。1997年に早期退職制度を利用するまで約28年間の在籍だった。航空チケットは在庫を持てない商品だから販売の工夫や努力が必要だとか、国際航空運賃は高いと言うけれど、同じ距離をバスで移動したら1キロあたりの単価は同じくらいだとか、定価で3割の客を乗せたら1機あたりの損益分岐点達成だとか。今では相場も事情も違うだろうけれど、そんな話を聞かされた。

自宅にも昼夜問わず電話がかかってくるし、帰りは遅いし、週末は接待ゴルフばかり。仕事が楽しくて、営業接待費などを自腹で払ってしまうから、家には最低限の金しか入れない。典型的な昭和のサラリーマンで、家庭の父親としてはあきれた人格だけれど、私は営業マンとしての父を尊敬している。忌野清志郎の歌のように「昼間のパパはちょっと違う」のだ。

航空業界の施策の変遷を一言で表すと「温故知新」だ。これまで築き上げた施策を保ちつつ、格安航空会社(LCC)の台頭など、新しいサービスも生み出した。それができた理由は自由化と競争だ。78年に米国で国内航空業界の規制緩和が行われ、航空業界は激しい価格競争に突入した。それが国際航空にも波及し、日本でも航空規制緩和が行われた。航空業界は買収と破産の洗礼を受けて現在がある。今の航空サービスでさえ不満を持つ人はいるだろうけど、規制緩和前よりはずっとマシだ。

日本の鉄道はどうかと言えば、87年に国鉄が分割民営化されJRになった。これは規制緩和や自由化や競争とは関係ない。大きな嵐ではあったけれども、単純に破綻した組織を分けただけだ。国の様子をうかがう鉄道からお客さま本位の鉄道になったけれど、サービスの根幹は国鉄時代と変わらない。競争がなく、改善する必要がなかったからだ。鳥塚氏が「大好きな鉄道がサービスで航空に負けている」と感じる理由はココだろう。

航空業界の世界標準は360日前、JRは1カ月前

 航空業界はユーザー本位にどんどん進化していて、JRは追い付いていない。その端的な例を挙げると「指定席券の予約開始時期」だ。

日本航空が2月12日に発表した「国際線予約受付開始日の変更について」を読んで驚いた。4月1日から、国際線予約受付開始日を搭乗予定日の360日前にする。大胆な変更だと思ったら、従来は330日前だった。しかも360日前は「国際標準」だという。自分でチケットを手配して海外に出掛ける人たちには常識だろうけど、日本の鉄道ばかり乗って、10年以上パスポートを持っていない私には驚きだった。なんとも恥ずかしい。

驚きのあまり、JALに問い合わせた。そんなに前から予約しても、その便がダイヤ改正で消滅するかもしれない。どうするのか。答えは簡単だった。

「お客さまにご連絡して、代案を提供します。ご了承いただけずキャンセルとなる場合は、手数料なしで返金いたします」

航空券の予約は名前や連絡先も登録するから、こういう対応ができる。ちなみに、JALの国内線は2カ月前からだが、国際線に乗り継ぐ場合に限り、国際線ルールの360日前に予約できるという。

JRをはじめ、日本の鉄道事業者のほとんどは、予約開始日が「乗車日の1カ月前」だ。みどりの窓口で発券するJRの列車は1カ月前の午前10時から。これは10時直前にオンラインデータベースの更新が行われるからである。私鉄のうち、みどりの窓口で発券できる列車も同じタイミング。それ以外の私鉄では、黒部峡谷鉄道の「3カ月前から」などがある。インターネット予約が普及したおかげで、便利なサービスを提供する鉄道事業者が増えている。

指定席券の「1カ月前」というタイミングはいつから始まったかは定かではない。古い時刻表の営業案内を見ると、1961年は14日前だった。国鉄のオンライン予約システム「マルス」の運用開始1年後だ。当時のマルスの対応日数が15日間だった。それまでは台帳をもとにした電話のやりとりだったから、もっと短かったかもしれない。78年の時刻表では、駅の旅行センターや旅行会社では1カ月前、みどりの窓口は1週間前となっている。88年の時刻表では1カ月前に統一されている。つまり、少なくとも30年前から1カ月前のままだ。ちっとも進化していない。

「1カ月前の壁」による機会損失

 年末年始などに駅の窓口でさらに先の予約を受け付けている場合もあるけれど、これは予約の予約だ。実際の座席確保は1カ月前。ここに疑問を持ったJR関係者はいないのだろうか。いや、私も1カ月前が当たり前だと思っていたけれども、そういえば不便なことは多かった。

例えば、国内線航空機を組み合わせる旅だ。国内線航空運賃で早期割引を使うとする。JALは2カ月前から、ANAは355日前から予約できて、早いほど安い。そこで2カ月先の安いチケットを予約しても、列車のチケットは1カ月前まで購入できない。飛行機もホテルもレンタカーも手配できて、もし鉄道のチケットが取れなければ、他の予約も全てやり直し、あるいは取りやめだ。

私は鉄道が好きだから、はらはらしつつ1カ月前に列車の予約をするけれども、鉄道にこだわらない人なら、はじめから鉄道を当てにせず「飛行機とレンタカーのほうがいいや」となるだろう。政府が躍起になっている訪日外国人の旅行客はなおさらだ。航空業界の世界標準で360日前に予約しても、シンカンセンのチケットは取れない。1カ月前縛りのせいで、JRはかなり機会損失をしていると思われる。

実は、団体利用に限れば、JRの指定席は9カ月前から予約できる。JRの規則では、8人以上の同一行程の場合は団体割引ができる。その申し込みは9カ月前から14日前まで。旅行会社のパッケージツアーを検索すれば、確かに2カ月以上先の列車の旅の予約を受け付けている。この手順がマルスで9カ月前からできるのか、あるいは団体予約分を除いた空席を1カ月前にマルスに登録しているかは分からない。

国内航空券の座席数に比べると、JRの列車の空席情報は膨大だ。予約期間の制限はデータベースの容量に依存しているかもしれない。もしそうだとしても、データベースの容量を拡張し、団体以外にも9カ月前ルールを開放するだけで「1カ月の壁」は突破できる。ダイヤ改正のリスクがあるから、会員制のネット予約限定でもいい。

新しいシステムほど退化する「JRの壁」

 もう一つ、JRの指定券で不便がある。インターネットで予約した場合、JRの境界を越えるとチケットを受け取れない。これは私の周囲の人々から不満を聞く。例えば、JR東日本の「えきねっと」でチケットを予約したとする。インターネットでは予約と決済しかできなくて、切符は駅で受け取る必要がある。しかし、新大阪から東京へ戻る東海道新幹線の切符をえきねっとで予約しても、新大阪駅で受け取れない。なぜなら、新大阪駅はJR西日本、またはJR東海の駅だからだ。あらかじめJR東日本の駅で受け取る必要がある。

えきねっとは「全国の新幹線やJR特急列車の指定席券」を予約できる。しかし、発券は全国ではない。JR東日本エリア、えきねっとを共通化したJR北海道エリア、北陸新幹線の縁があるJR西日本の北陸エリアだけだ。JR九州やJR四国の特急列車や観光列車の指定席も予約できるが、現地では切符を受け取れない。往復に航空機を利用する場合は、出発する前にJR東日本エリア内で発券しておかなくてはならない。北海道に住む人がえきねっとで予約して、JR九州やJR四国の列車を予約したら、飛行機で移動する場合も道内で受け取るか、JR東日本の駅に立ち寄れというのか。あきれるばかりだ。 

JR西日本のインターネット予約は範囲が広く、JR西日本、JR四国、JR九州の駅と、JR東日本の東京都区内と北陸新幹線の駅で受け取れる。4月1日からJR東海エリアも対応する。ただし、JR東海エリアの場合は、JR東海エリアを含む切符だけ。JR東日本でも、JR東海の東海道新幹線を含む切符は受け取れないなど、制約がややこしい。

国鉄という、全国で一つの組織だった時代に作られたオンライン予約システム「マルス」によって、全国どこからでも指定席の予約と発券ができるようになった。今は廃止されたけれど、プッシュホンで予約して、予約番号を受け取れば、全国のみどりの窓口で切符を買えた。それがインターネット予約システムになったとたん、「JRの壁」ができた。

便利になったけれど、新たな不便ができた。オンラインシステムになって退化した部分である。ただし、この改善策は「全国どこでも発券できるように」ではない。一部の列車で対応しているように、一気にチケットレス化へコマを進めてほしい。予約したけれど、列車に乗る前に駅に行ったら、窓口や券売機の行列が長くて待たされて乗り遅れる。これは避けたい。

ユーザー本位に真剣に取り組め

 「4時間の壁」は技術や法令、環境への配慮など課題は多い。しかし、スピードアップの努力を怠ってはいけない。「1万円の壁」は実現しようと思えば簡単な話で、閑散期の空席が多い列車に対して、低価格の設定をすればいい。東海道新幹線にも「ぷらっとこだま」という低価格商品はあるし、JR東日本の「えきねっと」も航空券の早期割引に似た大幅な割引料金はある。

しかし、それだけがサービスアップではない。値下げしなくてもおカネを取れるところからきちんと取る努力をすべきだ。「1カ月前の壁」「JRの壁」は、正規料金で乗ってくれる見込み客を遠ざけている。

国際航空の歴史は1919年のパリ〜ロンドン便から始まる。日本で鉄道が開業してからわずか14年後だ。しかも国際航空業界は、人類最初の輸送手段の一つである船舶の営業や法律を手本としている。国際航空は国境を越え、さまざまなトラブルを経験し、早くから世界標準のサービスを構築した。洗練されて当たり前だ。

一方、日本の鉄道は外国を見習ったとはいえ、小さな島国で日本人向けに営業し、しかも民意より国の意向を重んじてきた。両者はそもそも文化が違う。だからといって日本の鉄道が旧態依然のままでいいはずがない。国際航空が船舶から学んだように、鉄道も国際航空から学び、サービスレベルを高めていくべきだ。

(杉山淳一)

ITmedia ビジネスオンライン

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