白兎-はくと-の小説・日記♪

時間を置くと見えてくるものがある

アーケイ国物語

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*アーケイ国神話*

 ある時、不思議な力を持った若者が、太陽と月の輝く土地をみつけた。空はとても美しいのに、太陽と月が照らし出すその土地は、荒廃していた。
 そこで、若者は思い立った。
『自分の力をこの土地で解放すれば、美しい土地ができるのではないか』と。
 若者はまず、この土地に力を解放することを許してもらうため、太陽と月に語りかけた。
 太陽と月は、快く承諾した。

 若者は、力を解放した。
 その力は、火と水と風と豊かな土をもたらした。
 やがて、その土地に、小さな命が芽生え始める。
 植物が生えたのだ。
 だが、すぐに枯れてしまう。
 若者は悩んだ。どうすれば、枯れずにいてくれるのか。
 そして、一つの結論にたどり着いた。
『この土地には、昼夜が無い』
 そこで若者は、太陽と月にお願いをした。
『光り輝くものが一緒にいると、強すぎる光が命を殺してしまう。だから、離れてみてほしい』と。
 そして、光の強い太陽が出るときは昼、光の弱い月が出るときは夜になった。
 生命は、どんどん増えていった。
 
 そして、とうとう人が誕生した。
 その時はすでに若者はおらず、その子の子の、そのまた子…と、多くの時間が経っていた。
 人は、若者の子孫を自分たちの王とし、知恵を振り絞り、住みやすい環境を作っていた。
 そんな頃、初めにこの土地を踏んだ若者が開放した力が、自分勝手に暴れまわるようになった。
 王は悩んだ。
 大量に膨れ上がった力を制するものが必要だった。
 王は、太陽と月に相談した。
 すると太陽と月は、力ごとにそれを統制するものを作り出した。

 それぞれの力を司った天使だった。
 王は、火の天使を南、地の天使を北、水の天使を東、風の天使を西に住まわせ、それぞれの土地へ天使に仕える人を住まわせた。
 こうして、この土地は四つの地域に分かれた。
 暴れまわっていた力は天使によって制御され、四つに分かれた民も、安心して暮らすことができた。

 だがある日、大飢饉がこの土地を襲った。
 王は、頭を痛めた。
『このままでは、みんな死んでしまう』
 そこで王は、太陽と月を司る天使を作り出した。
 そして、火の天使よりも南に太陽の天使を住まわせ、そこに自分も落ち着いた。
 月の天使は、地の天使よりも北に住まわせた。
 これにより、大飢饉は終わり、人々はまた元の暮らしに戻った。

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