えばゆあぶろぐ

我が家は全員無事です。被災者の方々のご無事をお祈りするとともに、被災地や原発の危険地域で尽力されている方々に心から感謝します。

東日本大震災(東北関東大震災)

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2011年3月11日午後2時46分。

死者数は、16年前の阪神淡路大震災を大きく超え、
日本では戦後最悪の、世界的に見ても数百年に一度という自然災害が起こりました。


私自身や家族は無事でしたが、自身に被害がなかったぶん、
この書庫には、被災した方々にとっても、被災を免れた方々にとっても、
できるだけ有益かつ実用的な情報を載せていきたいと思っています。

ネットを通しての、デマや風評被害が問題になっていますが、
いたずらに不安を煽ることのないよう、情報を絞り、情報源を明確にするよう心がけています。
そのため、他の書庫の記事とは雰囲気が違いますが、ご了承くださいね★

今回の震災は、阪神淡路のときとはまた異なる種類の大災害で、
救出・支援活動や復興活動、ボランティア活動も難航しています。
地震から半月経ち、ようやく今回の災害の全体像が見えてきたように思いますが、
直接被災した方々にとってだけでなく、
多くの日本人にとって、この先、長い闘いになることは間違いありません。

でもいつか、皆に笑顔が戻ることを信じています。


『日本いのちの電話連盟』
毎月10日はフリーダイヤル 午前8時から翌日午前8時まで 0120-738-556

・岩手県 社会福祉法人 盛岡いのちの電話 019-654-7575 12:00〜21:00 日曜12:00〜18:00
・宮城県 社会福祉法人 仙台いのちの電話 022-718-4343 24時間
・福島県 社会福祉法人 福島いのちの電話 024-536-4343 10:00〜22:00
・茨城県 社会福祉法人 茨城いのちの電話 029-855-1000 24時間
・千葉県 社会福祉法人 千葉いのちの電話 043-227-3900 24時間
・東京都 社会福祉法人 東京いのちの電話 03-3264-4343 24時間FAX: 03-3264-8899
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ALL ABOUT「ストレス」ガイド記事 (2011年3月25日)
 
震災の被害を受けながらも命が助かった方は、その幸運による罪悪感に苦しめられることがあります。
この罪悪感は「サバイバーズ・ギルト」と呼ばれます。
安易な慰めの言葉で傷つけてしまうことがないよう、深い苦しみを抱える方の気持ちを少しでも理解し、
支えていくために必要なことを考えましょう。

震災を生き延びられた方の苦しみ「サバイバーズ・ギルト」 

震災生存者は命が助かったことによる苦しみを抱えることも多いのです。
 
2011年3月11日の東日本大震災から2週間を迎えた今日、地震、津波の被害による死者・行方不明者はあわせて2万7000人を超えると報道されています。
ご自分の命は助かったものの親しい方の安否が分からず、不安と心配で夜も眠れない毎日をお過ごしの方がたくさんおられることと思います。

震災では、一瞬の差が生死を分けると言われます。
今回の震災でも津波の第一波で助かった方のなかにも、その後に家に戻り、第二波で命を落とされた方や、職務を優先させて殉職された方、子どもやお年寄りを先に避難させて犠牲となった方々がいると聞きます。

そんな中で助かった震災生存者の方のなかには、自身の幸運に感謝しながらも、次のような罪悪感に苦しめられてしまう方もいらっしゃいます。

「私があの人の命を犠牲にしてしまった……」
「どうして私だけが助かってしまったんだろう?」
「私さえいなければ、あの人を死なせることはなかったのに」
「役に立たない私が援助をしてもらうなんて、申し訳ない」

このように、震災や事故などの被害に遭い、命が助かった幸運によって罪悪感にさいなまれることを
「サバイバーズ・ギルト」と言います。
'95年の阪神大震災や'05年のJR福知山線脱線事故に遭遇した生存者のなかにも、
このような罪悪感を抱える方が見られ、注目されるようになった問題です。

気の利いた言葉が逆効果のことも…注意すべき気遣いの言葉

「サバイバーズ・ギルト」のように強い苦しみを抱えた方の話を聞くとき、私たちはつい
「気の利いた言葉」を探してしまいます。
ところが、逆にその気遣いによって相手の心を傷つけてしまうことがあります。

以下の11の言葉は、
兵庫県こころのケアセンターが発行する『サイコロジカル・ファーストエイド 実施の
手引き 第2版』内の、家族や親しい友人を亡くした被災者を支えるときに「言ってはいけないこと」から
一部を引用させていただきました。
このように相手を思いやる気持ちから生まれた言葉も、当事者を傷つけてしまう恐れがあることを理解しましょう。

■ 家族や親しい人を亡くした被災者にかけるべきではない言葉
  • きっと、これが最善だったのです。
  • 彼は楽になったんですよ。
  • これが彼女の寿命だったのでしょう。
  • 少なくとも、彼には苦しむ時間もなかったでしょう。
  • がんばってこれを乗り越えないといけませんよ。
  • あなたには、これに対処する力があります。
  • できるだけのことはやったのです。
  • あなたが生きていてよかった。
  • 他には誰も死ななくてよかった。
  • もっとひどいことだって、起こったかもしれませんよ。あなたにはまだ、きょうだいもお母さんもいます。
  • 耐えられないようなことは、起こらないものです。
「サバイバーズ・ギルト」を例にとっても、浮かぶ思いは一人ひとり異なり、
その思いは各人の経験や感じ方の中でしか生まれないものです。
既存の言葉で解釈されようとしたり、文献から引用したような言葉をかけられたりすると、
逆に深く傷ついて、心を閉ざしてしまうこともあります。
そのため、震災生存者の方とお話をする際には、細心の心配りが必要になるのです。

では、どんなことに心を配って会話をしたらいいのでしょう? 次のページで考えてみたいと思います。
 

「かける言葉」ではなく「聴く」ことに集中する 

話を「聴く」際の3つの条件を理解することが大切
 
被害者の苦しみに寄り添うときには、「かける言葉」ではなく、
「聴く」ことに集中した方がいいと私は考えます。相手の話を熱心に聞くことを「傾聴」と言います。

傾聴の「聴」は「耳へん」に「十四の心」と書きます。
そのことから傾聴は、「“十四の心”ほどのたくさんの心遣いで、
相手の話に耳を傾けること」などと表現されます。
現代のカウンセリングの基礎を築いた臨床心理学者ロジャーズの説から、
傾聴は次の3つの基本姿勢によって成立すると考えられています。

1. 自己一致 (ありのままに純粋であること)
2. 無条件の肯定的配慮 (相手を無条件に肯定して受容すること)
3. 共感的理解 (その人の気持ちになって理解しようとすること)

被害生存者の苦しみなど、同じ経験に遭ったこともない人には想像もできないほど、深いものです。
しかし、聴く側が「元気づけてあげなければ」「救ってあげなければ」と身構えず、
「その人の深い苦しみは想像もできない。だからこそ教えてほしい」という純粋な気持ちで聴こうとし、
批評的にならずに全面的に受け止め、共感的な姿勢で話を聴いていると、
相手の方は「話をしたい」という気持ちになってくるはずです。

心への支援は「情報」ではなく「傾聴」 

具体的支援と心の支援との違いとは?
 
「しっかり受け止めてもらえる」と感じ、心の中にある葛藤や混乱を話しきったときに、
人は大きく癒されるのだと思います。

産業カウンセラーである私は、
「技法に頼ってはいけない。一にも二にも傾聴だ」と叩き込まれましたが、その私ですら
「聴く」だけでは物足りないように感じ、ついつい「かける言葉」の方に意識を向けてしまいます。
しかし、そうして傾聴の基本姿勢から離れてしまうと、相手の心は確実に離れてしまうものです。

健康管理や生活再建などの具体的支援を求める場合には、
情報やアドバイスなどの「かける言葉」が必要です。
しかし、「心」を支援する場合には、言葉より先に、
相手に真剣に向き合い傾聴するという「姿勢」が大切なのだと思います。
 
ぜひ、震災に遭われた方の心に寄り添いたい、少しでも相手に楽になってほしいと願う場合には、
この「傾聴」を意識されることをお勧めしたいと思います。(引用終わり)
 
 
 
 
今回の震災・津波では、3万人に上る死者と行方不明者が出てしまいましたが、
それ以外に、「避難生活を送っている方々」の大半は、
自分自身は助かっても、身近な誰かを亡くされた方々です。
その数、24万人。
長く続く復興活動の中で、誰もが、その24万人の誰かと出会う可能性があります。
 
今後は物資だけでなく、『心のケア』が大事だと言われていますが、
直接ボランティアに参加する方々はもちろん、被災地から遠く離れて住んでいる方々にも、
この『サバイバーズギルト』は、ぜひ知っていただきたいなと思います。
 
 
難しいことのようですが、大事なのは「信頼関係」ではないかと個人的な経験からは思います。
相手を信頼してこそ、自分の心を開くことができるようになるのは、
被災者でなくても同じことです。
 
そして、相手を安心させ、こちらを信頼してもらうために最も大事なことは、
こちらが相手に対して「謙虚な気持ちを持つこと」ではないでしょうか
 
上から目線の人や押し付けがましい人に、言いにくい話など、たとえ聞かれても答えられませんよね?
その部分では、相手の国籍も言語も、関係ないと思います。
コミュニケーション全体の中で、言葉そのものが果たす役割はごくわずか。
しぐさや態度、声の調子などで、人は無意識に相手を見て、判断しています。
とはいえ被災された方々は、いつも以上に、言葉にも態度にも敏感になってしまっています。
そのため、接する際には、細心の注意が必要になってきます。
 
具体的に私自身が気をつけていることの一つは、「相手より目線を低くすること」です。
話を聞くときは、相手にできるだけ威圧感を与えないように、
座っている相手に、立ったまま話しかけることも、話を聞くこともないです。
それだけで相手に与える印象はだいぶ違います。
たとえば、天皇皇后両陛下の様子を見ていると分かると思います。
私は皇室に特別関心があるわけではないですが、
あの方々は、心の傷ついた人たちに話かけることについては、経験豊かだと思います。
 
幼い子どもに対しては、「家に帰るけれど、また来るからね」とか、「もう来れないけれど、元気でね、さようなら」
など、別れの際に、けじめをつけることも大事です。
いつのまにか誰かがいなくなってしまった、という経験をした子どもにとっては、
また会えるのか、さよならなのか、それを示すことが、子どもの安心感につながります。
また誰かがいつのまにかいなくなってしまうのではないか、という不安感を与えないためです。 
 
 
これから、さまざまなボランティア活動が始まると思いますが、
自分の性格にはどういうボランティア活動が合うのか、その見極めも必要になってくるでしょうね。
支援する側にも、それぞれ個性や得意分野があります。
 
バリバリ体を動かすことがしたいという方は、瓦礫撤去などの活動に参加したほうが良いと思いますし、
人の話を聞くのが得意な方は、被災者の方と直接関わる活動を選ばれたら良いかと思います。
それぞれが自分の特性を生かして、被災者の方々を支えていけたらいいなと思います。
 
 
そして、特にボランティア活動をする予定のない方々も、
義援金や、普段通りの生活をすることで、日本の経済を支えることができます。
それが回りまわって被災者のためになります。
 

教えないこと

カウンセリングマインド「話を聞く」というこは、「教えないこと」です。人を助けたいと思うような人は、やる気もあるし、経験や知識もあるし、そうすると、どうしても教えたくなります。
教えることが悪いわけではありません。でも、今はカウンセリングマインドを持って話を聞こうと思っていたはずなのに、いつの間にかあなたが話し始めている、教え始めていることがあります。
あなたが教え始めれば、相手は黙ってしまいます。

簡単には理解しないこと

カウンセリングマインド「話を聞く」ということは、「簡単には理解しない」ことです。あまたが良く経験豊富な人は、すぐ相手の話を理解してしまいます。わかったつもりになってしまいます。そうすると、相手の話が聞けなくなります。簡単には理解した気にならずに、しっかり話を聞きましょう。

相手のペースで話をさせること

カウンセリングマインド「話を聞く」ということは、「相手のペースで話をさせること」です。普通の会話は、お互いに同じぐらいの量を話します。でも、今日はあなたが聞き役です。
普通の会話では、相手に気を使い、冷静に順序良く話したり、相手を不愉快にさせないように、ユーモアを交えて話したりします。けれども、カウンセリングマインドを持った会話では、相手にこのようなことを要求しません。
泣きながらでもいい、怒りながらでもいい、ずっと黙りこくってもいい。すごい勢いで話し続けてもいい。その人が話しやすいように話してもらうのが、カウンセリングです。

カウンセリングマインドの効果

あなたが、カウンセリングマインドを持って、「あなたの話が聞きたい」という態度で、話を聞くことができるなら、相手はたくさん話してくれるでしょう。
あなあらが、カウンセリングマインドをもって、「あなたの気持がわかりたい」という思おいで話を聞くなら、一生懸命聞きながら、相手に共感することができるでしょう。
単に言葉を理解するのではなく、相手の気持ちを理解して話を聞けた時、それは大きな力になります。相手の人は、ただ話を聞いてもらっただけで、現実は何も変わっていないかもしれませんが、話をする前よりも、きっと少し心が軽くなっているでしょう。ほんの少し希望がわいていることでしょう。
それは、小さな変化かもしれません。でも、小さな変化は大きな変化につながります。時間はかかるかもしれませんが、その人の心も、きっと自由に、強くなり、癒されていくことでしょう。
 
***

カウンセリングマインドに関する本

 

カウンセリングマインドとは

カウンセリングマインドとは、カウンセリング的に人と関わろうとする人が持つべき態度、考え、心構えです。日本人が作った和製英語ですが、会話を通して人を助けたいと思っている人にとって、カウンセリングマインドは大切です。

カウンセリングとは

心理学や精神医学の専門家、臨床心理士や精神科医が行う心理療法としての「カウンセリング」は、簡単にできるものではありません。けれども、「カウンセリング」は、一般的にはもっと広い意味出使われています。結婚カウンセリングとか、カウンセリング化粧品といった使い方をしますね。
この場合の「カウンセリング」は、心理療法、セラピーではなく、個別に相談しながら、その人をサポートするために話をお聞いたり、情報を提供したりすることという意味でしょう。
また、カウンセリングとか、カウンセラーといった言葉を使わなくても、様々な場面で「カウンセリング的」な対応をしている人たちはいます。いろいろな人たちにとって、カウンセリング的な対応、つまりカウンセリングマインドを持った対応が求められることがあります。

カウンセリングマインドが必要な時とは

元気な人を相手にしているなら、激励や、アドバイス、時には叱責でも効果的でしょう。お説教も必要です。でも、これらのことがらは、心が元気なときでないと、受け止めることができません。
心が弱っているときにこそ、様々な場面でカウンセリングマインドが必要とされるでしょう。そして、カウンセリングマインドをもった会話によって、お説教やアドバイスでは起きなかった変化が起きることがあるのです。

カウンセリングマインドによる基本的態度とは

カウンセリングマインドとは、「あなたの話が聞きたい」「あなたの気持がわかりたい」と言うことです。
お説教やアドバイスは、「私の話を聞きなさい」「俺の話を聞け」ですが、カウンセリングマインドは逆です。難しく言えば、「傾聴」とか「受容」とか「無条件の肯定的関心」などと言いますけれども、一言でいえば、カウンセリングマインドとは「あなたの話が聞きたい」という態度なのです。
話を聞くだけなら簡単でしょうか、いえ、実はなかなかそうはいきません。
→続きを読む

>>カウンセリングマインド2:話を聞くということは、
***

カウンセリングマインドに関する本

 

プロの心も傷つく:惨事ストレス

被災者はもちろん傷つきます。そして、被災地に入ったプロでさえ傷つきます。医師、看護師、消防士、自衛隊員、そしてマスコミの人々も傷つきます。
被災者は傷つくことが当然だと周囲も思いますが、プロは傷ついていてはいけない、頑張らなければならないと、周囲も本人も思ってしまいます。
しかし、いくらプロフェッショナルでも、大災害などそう何度も経験するわけではありません。プロも傷つきます。近年では、このプロの心の傷、惨事ストレスが一つのテーマになるほどです。このページでは、その中でも、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌など、マスメディア・スタッフのみなさんの心の傷、惨事ストレスについて考えます。

災害地に入るマスメディア・スタッフ

私は、新潟県内で、いくつかのローカル放送局のテレビ、ラジオに出演し、また別の局の番組審議委員をしています。長年番組のスタッフの人と仕事をしていると、幸いなことに、友人として話して下ることもあります。
新潟県中越地震の時も、今回の大震災でも、各局のスタッフからいろいろな話を聞きました。
今回東日本大震災で大きな被害がでた福島県の隣県である新潟県。各局スタッフは、現地に飛んでいます。

被災地に向かって

地震発生が、3月11日午後2時46分。そのわずか1時間後には、各局の中継車が現地に向かって走り出しています。まだどこに行くかもはっきりしないまま、ともかく被災地の方向へ向かって走れ!と言われて、出発です。
高速道路は通れない、どの道が通れるのかもわからない。走りながらも、次々と現地の情報が入ります。大きな余震もおこります。今回は、途中で地元新潟でも地震が発生。原発事故も起こります。
一晩中走り、翌日ようやく現地に到着です。東京キー局の中継車よりも早く現地入りした局もあったようです。
中越地震のように、道路が寸断されている様子はあまり見ないまま、阪神大震災のように地震で破壊された建物もあまり見ないまま、しかし角を曲がり、津波被害の場所に着いた途端、想像を絶する風景に出会います。

被災地で

車の中で寝泊まりしながら、冷たいおにぎりをかじりながら、ガソリンを地元局から少しずづ分けてもらいながら、取材は続きます。がれきの中へ、病院へ、避難所へ、スタッフは入っていきます。
被災地取材が初めてのスタッフは、見るもの聞くものすべてが衝撃的です。中越地震などの取材経験があるスタッフでさえ、今回の大震災の規模の大きさ広さを前にして、どこから取材して良いか分からなくなったほどだと言います。
マスメディアでは流れない悲惨な情景を見ます。メディアでは分からない「臭い」を経験します。彼らはまだ危険な被災地に入り、今深く傷ついたばかりの人にもアプローチます。視聴率欲しさに無遠慮に入っていくことなど、できるわけがありません。彼らも悩み苦しみながら、それでも足をすすめます。
ある局のスタッフは、五日間車の生活でふろにも入れず、仕事を続けたと言います。ある局のスタッフは、食事があっても結局あまり食べられなかったと言います。もちろん、被災者のように家や家族を失ったわけではありませんが、スタッフの心身に深くて重い疲労がたまっていきます。
それでも、交代要員が来るまでの数日間、彼らは取材を続けます。交代要員が来て、地元に帰った後、休みがもらえるスタッフもいれば、そのまま働きつづけるスタッフもいます。
現地に行っているあるフリーライターの人からコメント取材の電話をもらいました。10日間、現地にい続けていると話していました。
報道陣も、疲れ、傷つきます。
*被災地に入らなかった人々さえ、話を聞き、テレビでは映せない映像を見てしまい、心が深く傷つくことは普通のことです。

あるレポーターの話

彼女は若い新米のレポーターです。今までの仕事は明るく、元気な取材です。でも、地元で大地震。スタッフ全員が呼び出され、各地へ飛びます。彼女ももちろん、被災地へ行き、被災者にマイクをむけます。
数日後、彼女の心は疲れ果てます。もう被災者にインタビューができません。周囲のスタッフは彼女をいたわり、休むようにすすめます。でも、彼女は苦しい。地元でこんな大災害が起きたのに、被災者のみなさんはこんなに苦しみ、こんなに頑張っているのに、局のスタッフは総出で不眠不休で働いているのに、若い自分がリタイアするなんて! 彼女は自分を強く責めていました。

あるベテランアナウンサーの話

ある女性アナウンサーは、経験豊富で、有能です。有能なアナウンサーは実に「聞き上手」です。上手に私の話を引き出してくれます。でも、県内で大地震が起きた時、様々な悲しみや苦しみと出会ったいた時、いつもと違う彼女がいました。
リスナーは気づいてなかったかもしれませんが。一瞬彼女は、私の話を引き出すよりも、自分の思いを語ろうとしていました。語らずにはいられなかったのでしょう。
ある男性アナウンサーは、大地震で発生した土砂崩れの中から、数日ぶりに小さな男子が救出されるその瞬間を生放送で実況中継しました。その心の震えが伝わってきました。
今回の東日本大震災でも、何人ものアナウンサーのベテランらしからぬ様子が、しばしば見られます。どんなベテランも、心がざわめき、悲しみに打ちひしがれ、感動に震えます。 ベテランですから、その心の動揺の「表現」は、すぐに消しますけれども。


 


放送局の人々

被災地の人々は、自分自身も被災者です。でも、必死に仕事を続けます。ローカルメディアの人々にとって、現地の大事件では大活躍が求められます。東京のキー局からも応援が来ます。各地の系列局からも応援がきます。
もちろん、応援ですが。現地のスタッフにしかわからない、できないこともあり、時に応援に来てくれた人のお世話の仕事も発生します。
たとえば、今回。新潟ローカルの放送局からも現地に人と機材が向かいます。手分けしなければどうしようもない被害の大きさ広さです。
応援を出しているのですが、新潟でも地震がありました。さらに、3月、地震など起きなくても番組改編期の多忙期です。さらに地震直後から特別番組の連続です。番組編成が大変です。コマーシャルも、みなさんご存知の通り。放送局の営業の方は、スポンサーとの調整で飛び回っています。
ある新潟ローカルの放送局の東京支局の人が、たまたま地震発生時に東京キー局にいました。彼はそのまま東京キー局でお手伝いだそうです。だれが、どこにいたとしても、この状況ではそうなるだろうということです。
もちろん、大変な仕事をしている人は他にも大勢います。そうして、放送局もそうだということです。(自分たちがどんなに忙しく大変かを報道することはあまりないでしょうが。(私はしてもいと思いますが。))
現地に入るプロとして、消防士や自衛隊も惨事ストレスも大きなテーマです。同様にメディアスタッフも、現地に入り、その結果惨事ストレスを持ちかねないプロの人々です。現地に入るどのプロの人たちにも、私は、エールを送りたいと思います。

多くのスタッフが

今回、アナウンサーさんだけではなく、記者や技術さんなどのスタッフの方々とも話しました。私が、逆取材したかったこともありますが、普段は話さない人とも結構話しました。スタジオで、ロビーで、放送局の受付前で。
いつもは話さないような人とも。いいろいろ話しました。顔なじみの、心理学者で、スクールカウンセラーなどしている人間に、何かを話したいと思ってもらえたのかもしれません。

災害時のマスメディアスタッフの心(報道人ストレス研究会「惨事ストレスマニュアル」)

社会心理学者の松井豊先生、安藤清志先生らによる「報道人ストレス研究会」が、ネット上で「惨事ストレスマニュアル」を公開しています。 そこには、メディアのみなさんにも次のようなストレス反応が起こるとあります。

ストレス反応

  1. 興奮状態が続く。
     
  2. 体験を思い出す。
     
  3. 思い出すことを避けようとする
     
  4. 周囲との摩擦
     
  5. 話せなくなる
ストレスに対する対応として、次のようなおすすめがあります。

ストレス軽減の方法

  1. 少しでも休養をとる
     
  2. ちょっと落ち着いたら、仲間や上司と話し合う
     
  3. 親しい方と共に過ごす
     
プロ心と体も疲れています。自分をいたわりましょう。普段は冷静沈着なあなたも、こんな時は信頼できる人の前で感情を表現しましょう。
ASD急性ストレス障害から、さらに長期にわたるPTSDになってしまうと、仕事ができない、仕事を辞めたいという思いまで出てきてしまいます。あなたがメディアから去ってしまうのは、大きな損失です。

マスメディアの人々の思い

善人ほど心が傷つき、苦しくなると、私は思います。視聴率や売り上げのためだけに仕事ができれば、楽かもしれません。しかし、そうではないから苦しいのでしょう。でも、苦しみには意味があると、私は思います。(感情的に共感しすぎて巻き込まれてはいけないとは思いますけれども)メディアの方々が感じた悲しみや、苦しみが、よりよい報道のエネルギーになればと思います。ポスト・トラウマティック・グロース:外傷後成長
そのための一つの方法が、自分の仕事に意義を感じることです。マスコミに文句を言う人はいっぱいいますけれども、言ううまでもなく災害時のマスコミの役割は、とても大きなものです。
私は知っています。大災害報道の中で、若手から、ベテラン、管理職まで、心あるメディアの人々が、自分たちの責任を感じ、良い良い記事、番組のために、奔走していることを。
*私が、東日本大震災の報道を見始めて、最初に涙が込み上げてきた場面は、変な話ですが、NHK教育テレビで、若い女性アナウンサーが、淡々と安否情報を読み上げているところでした。彼女の一生懸命さと、前におかれたマイクがちょっと古びていたことに、涙がこみ上げてきました。(人の心はおかしな所でスイッチが入るものです)
 
 
心理学総合案内こころの散歩道
2011.3.26
 

流言とは

流言とは、正確ではないのに、口コミを通して広がっていくことがらです。流言は、だれかがわざと広げようとしているのではありません。広げている人に悪意はなく、確信している場合もありますし、半信半疑ながら話題に出して、結果的に広がっていくこともあります。
様々な災害等で流言が生まれていますが、調査によれば、50〜80パーセントの人が、信じた、または半信半疑だったと答えています。

デマとは

デマとは、誰かが意図的に本当ではないとわかっていて広げていくものです。(ただし、流言という意味でデマという言葉が使われてしまうこともあります)

流言が広がる理由・流言と地震

流言が発生し、広がる条件として次の3つがあります。
  1. 重要であること。たとえば、命や財産にかかわるような重要なことであるほど、流言は発生しやすくなります。
     
  2. あいまいさ。はっきり分かっていることは流言が起きにくいのですが、良く分からない事柄に関して、流言は発生しやすくなります。
     
  3. 不安。人々の不安が高いほど、流言は発生し、広がっていきます。
     

地震・原発事故と流言

様々な災害の中でも、もっとも流言が起きやすいのが、地震災害です。地震の時に流言が出やすい理由は、他の災害とは違う次のような特徴があるからです。
  1. 災害の範囲が広い。広い範囲で、情報網やライフラインが分断され、正常な社会システムが失われます。このような状況で、人々が不安になり、流言が広がりやすい「流言集団」が出来上がってしまいます。
     
  2. 災害の反復性。地震は、実際に何度も余震がやってきます。そこで、大きな余震が来ると言った流言が発生しやすくなります。
     
  3. 情報の過剰。大きな地震は社会の注目度が高く、膨大な報道がなされます。マスコミからの情報が正しい情報だとしても、多すぎる情報の嵐が、「流言の種」を作りだしてしまうことがあるのです。
     
原発事故に関しても、地震と同じ面があるでしょう。東日本大震災の福島原発事故に関しても、被害範囲はとても広く、何度も建屋の爆発や煙の発生などがあり、そして膨大な報道がされています。
原発事故も、地震と同様、流言が発生しやすい災害と言えるでしょう。

流言の心理

悪意もないのに、楽しくない不安にさせるような流言が、なぜ広がっていくのでしょう。それは、いくつかの人間心理がからんでいます。
  1. 情報欲求の高まり。人々は、災害の中で、危険を避け、そして役に立つ情報をほしがっています。情報欲求の高まりが、正確な情報の収集にとどまらないで、不正確な情報である流言を広めてしまう結果を生んでしまいます。
     
  2. 伝達欲求の高まり。人は自分が知った新しい情報を人に伝えたいと思います。善意ではありますが、それが流言を広めます。また、人は不安を共有したいと思います。おしゃべりは、ストレス解消になります。またカウンセリングマインドを持って人の話を聞くことは、とても良いことす。しかし時に、伝達欲求による行為が、流言を広めす。
     
  3. 不安感情の正当化。大災害が発生し、人々は不安がっています。この自分の「不安」を、不安がっていても良いのだと人は思いたいのです。そこで、自分が不安がっても当然だと思えるような、不安になる話(流言)を広めてしまうことがあります。(認知的不協和理論
     
  4. 興奮状態によるチェック不足。災害発生時、人々は普段よりも冷静さを失い、一種の興奮状態になります。普段なら、疑ったり、真偽をチェックできたりするのに、その心の余裕がないまま、聞いた話をすぐに人に伝えてしまうために、流言が広まります。

流言の現代的問題(東日本大震災・インターネット・ツイッター)

2011年3月11日に発生した未曾有の大地震、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)は、とても広い範囲で、非常に大きな被害を発生させました。地震、津波、原発事故、日本中を巻き込む物不足が発生しました。
その中で、被災地での流言、日本中での風評被害が報告されています。
さらに、今回の大震災では、インターネットが有益に活用された反面、誤ったチェーンメールや、ツイッターなどインターネット上の不正確な情報の広がりなど、今までにない流言の問題も発生しています。
実は、近年の災害における流言は、多くの場合大きな被害を起こしていません。人々はそれほどおろかではなく、パニックを起こす前に流言の情報をテレビ、ラジオなどのマスメディアで確認をしていました。
しかし、これからも同じだとは言い切れません。メール、ツイッターなど、インターネットを通して、今までの口コミとは比較にならない早さで、流言が広がっていく恐れがあるからです。私たちは、流言に十分注意しなくてはなりません。
そのためには、人間が インターネットでどんな行動をとりやすいのかを、理解する必要があるでしょう。

流言を防止するために

流言を防止するためには、次のような対策が必要です。
  1. 政府、行政が、災害発生後できるだけ早く、マスメディアを使って、正しい情報を発信し続けること。また、情報の真偽の確かめ方を明示すること。情報が遅い、少ない場合に、流言は広がりやすくなります。
     
  2. 避難所など、人々が集まる場所では、心が安らぐような、明るく、前向きな、癒しの情報を伝える。もちろんウソはだめですが、感動的な救出劇や、進んでいる復興作業などの情報で、不安を下げることで、流言の発生を抑えます。
     
  3. これは、災害が起きてからでは遅いのですが、普段から正しい防災情報を学んでおくことです。
     
電子メールや、ツイッターなどインターネットを使う人は、特に情報をチェックしてから人に伝えることの大切さを、考えましょう。正しい情報は伝えましょう。でも、あなたが流言のもとになってしまってはいけません。間違ったうわさを広げてはいけません。
災害は起きてしまいました。地震や津波は天災です。しかし、災害後の混乱を避けるのは、人間の責任ではないでしょうか。情報を正しく伝えて、みんなの力で復興を進めて行きたいと思います。

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