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「メリークリスマス!」
柔らかなオレンジの明かりに照らされた砂糖菓子のサンタクロースが、チョコレートクリームの上で微笑んでいる。隣で楽しそうに「消していい?」と尋ねてくる妹に頷くと、横で母親が「写メ撮るから待って」なんて突っ込みを入れたりして。
平和な、家族三人のクリスマスイブ。
日本では恋人たちの日と化しているような気がするけれど。本来これが正しいんだから、とかなんとか。そりゃあ、隣にいるのがあの人だったら……とか、ちらりとも思わない訳ではないけれど。こうやって久々にホールのケーキなんかを囲んで家族と過ごすのも悪くない。
写真撮影が終わり、妹が意外としぶとい蝋燭と格闘してから。
ようやくお待ちかねのケーキタイムだ。手際よくカットされたケーキを一切れずつ。紅茶もばっちり用意して、三人のいただきますが重なったときだった。
じゃかじゃかと―――この時ばかりは少々耳障りにも思えるロックが、私の携帯から鳴り響いたのは。
誰だよこのタイミングで、なんて思わず呟き。先に食べてるからね、という母親の声を背中で聞きながら、液晶画面に光る名前を見る。目に飛び込んできた名前に、彼は今現在“恋人たちのクリスマス”満喫中じゃなかったっけ、と思いつつ―――電話を取った。
「はいもしもし」
『今何してた―――暇?』
「……ケーキ食べるところでした」
ちょっとは不機嫌に聞こえただろうか。
基本的に相手の都合なんて無頓着な彼だけど。
私は今まさに楽しみにしていたケーキを口にしようとしていた所だったのだから。ちょっとくらい申し訳ない気持ちになってもらわなきゃ、という思考の元憮然とした声を出してみたのだけど。
返ってきた返事に、取りあえず絶句することとなった。
『ばーか』
「…………はい?」
『だから、ばか』
「いや、意味分かんないです」
なんで私がばかばか言われなきゃならないんですか。
そっちは今二人っきりでケーキ囲んでラブラブしてるでしょうに。
溜息をついて、そうまくし立てようとした時だった。
思いがけず、沈んだ声が耳に飛び込んできたのは。電話の向こうの彼がいつもと違うことに気付いたのは。
『ケーキ、ホールのやつ買っちゃったのに』
生憎一人みたいなんだよね、今年は―――とか。
「まさか」
すっぽかされちゃったんですか、という台詞はとっさに飲み込んだ。
『ホント、意味分かんないし』
さっき自分が発したものと同じ言葉が、力なく返ってくる。
「ひとり……なんですか?」
『だから、来ん? って言おうと思ったけど』
『もういいや』
「は? ちょっと待って」
『うん、ごめん』
飽く迄も、一方的に掛けられ切られた電話。
ああもう、冗談じゃない。
「―――ごめん、ちょっと先輩のところ行ってきて良い?」
「はぁ、どうしたの突然。ケーキは?」
ちょっと心配するところがずれているような気もする母に向かって苦笑する。
そういえば昨日焼いたスノーボールまだ残ってたっけ、と思考を巡らせ。
「このままじゃ心置きなく食べられなくなったの。一口だけ食べてくから取っておいてよ」
お預けになっていたチョコレートケーキにフォークを刺して一口。甘い。
バタバタと服を選んで、まだ残っていたスノーボールを手早くラッピングして。
こんな夜に一人にさせておけないよね、なんて。
自分のお人よし加減に少々呆れつつ。
一度くらいは、こんなイブもアリかもね、と。
即席にしては可愛らしくできた包みをかばんに入れて、私はサンタさんになるべく寒空の元へ乗り出した。
或る、満月のイブのことだった。
実話です。
某チョコレートな先輩から突如電話がかかってきまして。。
私ではない誰かさんのためのお寿司とケーキとシャンパンで、なんとも奇妙なイブを過ごしました。
何なんでしょうね……本当に^^;
私と彼の関係はこんな感じです。。ははは。
詳しくは……というかその後のお話は『考事』にて。。
ちなみにスノーボールも本当に作りました。初めてにしてはまぁまぁな出来栄えだったかと。
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24日
ここ数年簡素に過ごしていますが。。
愛情がひとかけらあれば
それでいい
いまは。。
2007/12/30(日) 午前 11:14 [ ヤナ・ヤヌー ]
明けまして おめでとうございます! 本年も 宜しくお願い申し上げます! / ご訪問 ありがとうございます。 檸檬さん 大変 ご無沙汰しております。 ・・・感極まる お話・・・わが身に 置き換え 受け止めております。 ・・・複雑なご心境 そのように察しますが 放ってはおけませんものね。 ・・・ ・・・ おふたりの間に 漂うもの ・・・ひと言では 言い表わせぬもの なのでしょうね。 微笑。
2008/1/1(火) 午後 2:03 [ taku_m_2 ]
ヤヌーさん>
実は家族以外の人と過ごしたイブの夜は初めてだったり。。
華やかじゃなくても。。
温かな灯と、ひとかけらの愛情が あればね^^
2008/1/2(水) 午後 5:15
takuさん>
明けましておめでとうございます^^
こちらこそ、今年もよろしくお願いしますね!
はい。まさに『複雑な』心境といった所です。
この間友人にも怒られちゃって^^;たぶん、あんまり褒められたことでは無いのだろうな、と思います。。それでも、放っておけなくて―――なんて。
本当は、私自身も手放せなくなっているのかもしれないです。
『一言では言い表せない』彼との空気を。あの場所を。。
2008/1/2(水) 午後 5:19
トラバありがとう^^
2008/1/4(金) 午後 6:04 [ ヤナ・ヤヌー ]
こちらこそ^^しんねん初とらば♪
2008/1/4(金) 午後 6:13
もしカウンセリングならなにか異議を唱えたかもしれない。。
されど
事実は奇なるもの。。
割り切れぬもの。。
2008/1/4(金) 午後 6:48 [ ヤナ・ヤヌー ]
未熟という名の美しさ。。
青い甘みと苦味を味わい
過去と未来のミックス住す
2008/1/4(金) 午後 7:19 [ ヤナ・ヤヌー ]
からだを進めるのは
割り切れぬ衝動
名前なんて無い 理由なんて無い
あるのは ひとひらの温もり
2008/1/4(金) 午後 9:43
脆く危うく
疼くように痛む指先
苦く甘く
シャンパンの泡が弾けた
2008/1/4(金) 午後 9:46
こんなクリスマスもいいかも。
きっと、神様が本当の愛を運んでくるでしょう
花音さんに
global
☆☆約1年半の花音さんの小説というかボクには日記のようにも思えますが楽しませていただきました。ありがとう。何か、あなたの秘密を覗いたような、若い人と一緒に過ごしたような奇妙な幸福感があります。それにしても、物凄い筆力ですね。ボクは物書き家でないから小説は分からないのですが、花音さんが、そのうち何らのテーマを見つけて、その感受性と筆力を武器にして、名作をものにするんだろうな、と思いました。テーマは、全ての人によって違うんだろうと思いますが、是非、人々の心に訴える、考えさせる、そういうものを見つけて発表して欲しいと思います。もうじき、3年生ですか?受験も大変でしょうが、全部、乗り切って、これからも逞しく社会のなかに生きていかれることを祈ってます。
global
2008/2/8(金) 午後 5:26 [ - ]
なかなかに悪くない―――楽しいクリスマスでした^^
ここの小説たちは、主に私が体験したことや、私の周りで起こったささやかな出来事たちをモチーフに作りました。
時に日記代わりだったり、秘密を吐露する場であったり・・・大切な人たちに分けてもらった切なさや温かさを書き留めておきたくて。
文章が好きで、書くのも読むのも好きで。本当に趣味のようなものなのですが・・・お褒めいただき光栄です^^『テーマ』なんて格好いいものでもないかもしれませんが、これからも感受性を閉じることだけはしないで、思うことたちを書き留めていきたいと思っています。
すべてのお話達を読んでくださったばかりか、一つ一つにコメントを頂けて・・・本当に嬉しかったです。ありがとうございました!
2008/2/25(月) 午後 5:01
thanks again
これからもご活躍お祈りします。
もう一度、訪問させていただき楽しいひとときを過ごせました。
ボクなりに教えられることも、・・
良き人生を歩まれるよう祈ってます
global
2008/2/26(火) 午前 9:18 [ - ]
こちらこそ、本当に教わることばかりな若輩者です;
globalさんから見ればまだまだコドモな考えばかりでしょうが、ご丁寧なコメントなど、とても嬉しかったです^^
globalさんにも実り多き日々が訪れますよう。
ありがとうございました。
2008/2/26(火) 午後 7:15