ふくろう医者の診察室

健康や病気のことを縦糸に、診療室でのエピソードを横糸に。訪問ありがとうございます。

顔・手足のイボ

顔・手足のイボ、増えたり広がったりしたら

ウイルスや紫外線・加齢が起因 自己判断せず皮膚科へ
顔や手足に現れるイボ。
多くはウイルス感染が原因だが、加齢や紫外線によるものもある。
見た目を気にするあまり、自己流のケアで悪化させる例さえある。
適切な治療には、皮膚科の的確な診断が欠かせない。
 
イボは手足や顔などの皮膚にできる小さな突起物。
医学的にはイボは「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、ウイルス感染によるものと、そうでないものがある。
 
イボが大きくなったり、数が増えたり、市販薬で治らなかったりした場合は、悪化を防ぐためにも早めに皮膚科を受診したい。
ウイルス性のイボはいじったり、自分で取ったりすると、逆に増えることもある。
皮膚科で適切な治療を受ければ、早いと1カ月ほどできれいに治る。
 
ウイルス性イボで最も多いのが、手足などにできる尋常性疣贅だ。
丸みをおびた形で表面はザラザラしている。
多くは肌色や白色、褐色で、痛みはない。
原因はヒトパピローマウイルス(HPV)。
ひっかき傷やささくれなど、皮膚の小さな傷口からウイルスが入り込んで感染する。
 
現在200種類以上のHPVが見つかっており、感染した型でイボの種類が決まる。
イボは良性腫瘍で、がん化の心配はない。
液体窒素を浸した綿棒を患部に押し当て、表皮の細胞ごと破壊して治療する(凍結療法)。

顔や腕などにできる平たいイボは扁平疣贅。
20〜40代の女性に多く、にきびだと思って自分でケアして、イボが増えるケースもある。
自己判断せず、皮膚科医の診断を受けたい。
イボに薬剤を塗って免疫を刺激する「接触免疫療法」を使うこともある(保険適用外)。
 
ハトムギ由来の漢方薬、ヨクイニンは体の免疫を活発にする作用があり、ウイルス性イボには効き目がある。
処方薬のほか市販薬でも100パーセントのヨクイニンエキスだと効果が期待できるという。
 
足の裏にできたイボは、タコやウオノメと間違えやすいため表面部分を少し削って見分ける。
イボは表面近くまで血管が通っていて、削ると赤い出血点が見える。
 
角質が厚い足の裏は凍結療法が効きにくいため医師が高濃度のサリチル酸軟こうを処方することもある。
周りにうつさないよう、スリッパや足拭きマットの共有は控える。
ただウイルスに接触してもうつらない人がいる。
あまり神経質にならなくてもいい。
 
外陰部や肛門周囲にできる、先のとがったイボは尖圭コンジローマ。
性感染症の一つなので、注意が必要だ。
有効成分のイミキモドが入った塗り薬(処方薬)で治る。
受診してしっかり治療しよう。
 
子供に多い水いぼは軟属腫ウイルスが原因。
表面がつるつるで光沢があり、中央が少し凹んでいる。
プールで肌が乾燥した子供にうつる例が多いという。
局所麻酔のテープを事前に貼り、ピンセットでつまんで取る。
 
ウイルスとは無関係のイボもある。
「老人性イボ」と呼ばれる脂漏性角化症は、紫外線や加齢が原因。
褐色や黒色でボタンのような形が特徴だ。
液体窒素の凍結療法で治療する。
 
中高年になって首や襟元などにできる褐色のポツポツ、スキンタッグ(軟性線維腫の一つ)を美容面から気にする人も多い。
皮膚科医がハサミで切り取ると、痕が残りにくい。
 
一人で悩まず、皮膚科医の診断を受けてタイプに合った治療を始めよう。

参考・引用一部改変
NIKKEIプラス1 2018.3.24


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認知症予防、誰でもなる可能性

認知症を治す方法が確立しないなか、予防への関心が集まる。
ただし確実な手段はなく、予防へのこだわり過ぎは患者への偏見にもつながりやすい。
「いつか誰でも認知症にかかる」のを前提に、リスクとなる要因を避けることで先送りをめざそうと考えたほうがよさそうだ。

要因の一つ、難聴は補聴器で対策認知症に・・・
認知症にかかる可能性を高める要因はいろいろ指摘されている。
最近注目されているのが聴力が低下する難聴だ。
認知症を招く要因の1割弱を占めるともいわれる。

難聴の人にとって補聴器は頼れる存在だが、つけただけでうまく聞こえるとは限らない。
聞こえない状態に脳が慣れ、補聴器を通じた音をうるさく感じやすいのだという。

いろいろな音の中から必要な音を聞き分けて情報として理解し、日常生活でスムーズに対話できるようにするのがリハビリの目的だ。

認知症のリスク要因として難聴が大きく注目されたきっかけは、英医学誌が昨年発表した報告書だ。
これまでの研究をもとに「(高齢者を含む)中年期以降の難聴は、認知症の要因の9%を占める」とされた。
難聴の人はそうでない人に比べ、認知症のリスクが1.9倍あるという。

難聴がリスクを高める理由はまだはっきりとはしていない。
聴覚からの刺激が減って神経の活動が落ちるといった直接的な作用や、聞こえないことで社会から孤立しがちになるなどの間接的な影響が考えられている。
ある調査によると、日本には65歳以上の難聴の人が約1500万人いると推定される。

補聴器を使えば、難聴による認知症のリスクを減らせる。
そんな期待があるが、まだ結論は出ていない。

単に補聴器をつけるだけでなく、訓練してきちんと聞き取れるようになって初めて、認知機能へのいい影響が望める。
 
補聴器を使いこなせれば対話の機会が増え、やはり認知症のリスク要因とされる孤立や「うつ」を避けやすくなる。

難聴のせいで職場や家庭でコミュニケーションに支障があるなら、早めに耳鼻咽喉科を受診したい。
 
いまの技術では難聴そのものを治すのは難しい。
だから難聴にならないよう注意することにも意味はありそうだ。
 
騒音に長くさらされることは難聴を招く最大の要因。
工事現場など音の大きい環境で働く人には職場による配慮が第一。
ただ、個人レベルでも防護策を考えてほしい。
ヘッドホンなどで大音量の音楽を聴いたりするのは1日1時間以内
ほどにとどめたほうがいい。

発症の先送りめざす
いま認知症の治療に使われる薬は、症状の進行を抑えるだけで効かないことも多い。
予防への期待は高まるが、「これをすれば確実に防げる」といった方法はない。
有力とされている「よく運動する」も、科学的な効果の検証が十分とまではいえない。
 
英医学誌の報告書だと、認知症につながる要因のうち65%は対策ができない遺伝的要素などが占める。
対策可能な要因には「若いころの教育不足」(8%)など、高齢になってからではどうにもならないものもある。 
厚労省研究班の調査によると、認知症にかかる人の割合は65〜69歳では約3%だが、85〜89歳では41%、95歳以上では80%に達する。
このように、長生きをすれば認知症になる割合は増えるが、これをを避けるのは実際には現時点では難しい。
 
予防への思いが強すぎると「認知症になったら終わり」といった偏見に陥りやすい。
でも、認知機能が下がっても幸福感を抱く高齢者は少なくない。
自分もいつかは認知症になることを踏まえたうえで、その先送りをめざすのが予防だととらえるたほうがよい。
「自分もなる」のが前提であれば、偏見につながるおそれも減る。
 
運動をし、喫煙や生活習慣病を避けることは、がんや脳卒中、心身の活力が落ちるフレイルなどを防ぐことにもつながり、生活の質を上げる。
認知症を防げなかったとしても取り組む意味はある。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.8.1

<関連サイト>
認知症をもたらす要因と年代別割合
https://wsnoopy.wixsite.com/mysite/blog/認知症をもたらす要因と年代別割合

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iPS血小板の臨床承認 

iPS血小板の臨床承認 京大1年以内開始へ

厚生労働省の再生医療等評価部会は21日、血液の難病患者のiPS細胞(人工多能性幹細胞)から血液成分の血小板を作り、患者自身に投与する京都大の臨床研究計画を承認した。
iPS細胞から作った細胞を患者に移植する臨床研究や治験が国に認められたのは、目の難病や心臓病、パーキンソン病に続き4例目。
血液成分に応用した臨床研究は世界初となる。今後1年以内の開始を目指す。

京大iPS細胞研究所の研究グループが7月20日に届け出ていた。
計画によると、対象は血小板や白血球などが減少する「再生不良性貧血」を患い、体質による免疫の拒絶反応で他人から輸血を受けられない患者1人。患者の血液から作ったiPS細胞を血小板を生み出す「巨核球」という細胞に変化させ凍結保存。使う際に解凍して血小板を作り、5カ月間で3回に分け輸血する。血小板の量を徐々に増やし、計約1400億個を投与。安全性を確認すると共に有効性も検証する。

iPS細胞で作った組織はがん化のリスクが指摘される。血小板は細胞分裂に必要な核を持たないため増殖せず、増殖する細胞も輸血前に放射線照射で取り除くため、危険性は極めて低いという。
 厚労省などによると、この難病は血小板の減少などで出血しやすくなるほか感染症にかかりやすくなる疾患で、国内患者数は約1万人。このうち今回の臨床研究の対象者のような体質を持つ患者は全国で数人程度という。血液成分を作り出す幹細胞に異常が生じて発症するため、血小板を投与しても根治せず、重症の場合は継続的な輸血が必要になる。

拒絶反応抑制の特性生かす
京都大の研究チームが21日に国の承認を受けた臨床研究計画は、特殊な免疫型のために他人の細胞では治療できない患者が対象で、患者自身から作製することで免疫の拒絶反応を抑えることができるiPS細胞(人工多能性幹細胞)の特性を生かした計画と言える。

iPS細胞は体細胞に遺伝子などを導入することで、体のさまざまな部位の細胞になる能力を持たせたものだ。基本的な遺伝情報は体細胞の持ち主と同じで、持ち主にiPS細胞から作った細胞や組織を移植した場合、拒絶反応は起こらないと考えられている。
 
今回の患者は、免疫抑制剤を使ったとしても他人の血小板を輸血できない。
iPS細胞とほぼ同じ性質を持つES細胞(胚性幹細胞)も、他人の受精卵から作っているため利用できない。ただ、患者自身のiPS細胞を使う場合、コストが大きいという課題がある。
京大によると、今回の研究では約5000万円かかるという。
 
一方、免疫型が特殊ではない患者用として、コストを抑えるため他人由来のiPS細胞を使った血小板製剤の製造計画も進む。
ベンチャー企業が米国で今年度、日本でも来年度中に治験を始める予定だ。
「少子高齢化で将来献血による輸血が不足した場合に備え、補充するような血液製剤を提案したい」と研究代表は話す。

参考・引用一部改変
毎日新聞 2018.9.21

*関連サイト
「血小板輸血不応症を合併した再生不良性貧血」患者を対象とするiPS細胞由来血小板の自己輸血に関する臨床研究について
http://www.cira.kyoto-u.ac.jp/j/pressrelease/news/180820-170000.html

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骨髄移植、素早く

骨髄移植、素早く 患者登録から手術「100日が目標」

白血病患者らが受ける骨髄移植は、患者の登録から移植を終えるまで150日前後かかることが多い。
リスクを伴うため、ドナー(提供希望者)を含め検査や意思確認に細心の注意を要するためだ。
ただこの「コーディネート期間」はここ10年ほとんど変わらず、病状から提供を待てない人もいる。
手術を担う施設の空き状況の共有やドナーの実態調査など、短縮に向けた取り組みが広がってきた。

「骨髄バンクからの移植では間に合わない」。
大阪府に住む50代の女性は今年10月、主治医からこう告げられた。
昨年2月に白血病で抗がん剤治療を始め、約4カ月の入院の末、いったんは良くなった。
しかし再発が判明。
進行度合いから骨髄移植は選べず、やむなく治療成績が劣る別の治療法に進んだ。

欧米より長い期間
血液をつくり出す造血幹細胞を含む骨髄液を健康な人から採取し、治療が難しい血液疾患の患者に移植するのが骨髄移植だ。
リンパ腫や再生不良性貧血でも選択される。
移植後の感染症などで命を落とすこともありリスクが高い半面、根治が望める手段でもある。
ドナー由来の細胞が患者を攻撃しないよう、白血球の型が合わなければならない。
ただ親族間でも合う確率は4分の1。
このため多くの登録が欠かせず、日本骨髄バンク(東京・千代田)の仲介で親族外の移植が行われる。
街頭での呼び掛けなどに応じ、登録したドナーは10月現在で約47万人。
その中から患者と型が合う人を最大5人選び、健康状態を確認するなどして1人に絞り込む。
ドナーとその家族の最終同意や骨髄液の採取を含め、数多くの段階を経て移植に至る。
コーディネート期間は2015年度で147日(中央値)で、05年度以降、あまり変化がない。
ドナー本人が同意すれば移植する場合が多い欧米に比べて長く、厚生労働省は「100日が目標」とする。
同省は関東や中部など全国8地区で、都立駒込病院(東京・文京)など計9カ所を骨髄移植の拠点病院に指定。各地区で短縮に向けた模索が始まっている。
近畿地区では7月、骨髄採取手術を担う34病院をメーリングリストでつないだ。
3カ月先までの手術室の空きや担当医の状況を共有、仲介する骨髄バンク近畿地区事務局が確認できる。
事務局の担当者は「受け入れ可能かどうか判明するまで2週間以上かかることもあったが、2日以内に短縮された」と驚く。
「関係者に積極的に受け入れようという意識が出てきた」と、ある専門医は指摘する。

ネットで白血球型
ドナーから採血し、白血球の型などを管理する日本赤十字社(東京・港)は18年から、患者の主治医や骨髄バンクがインターネット上でこうした情報をやり取りできるシステムを運用する予定だ。
従来は郵送やファクスで行い、手続きに時間がかかる一因だった。
ドナーが登録後に病気になったり、連絡が取れなくなったりする場合がある。
白血球の型が合ったドナーへの連絡は1度に5人までだが、実際に移植されるまでには10人以上の仲介が必要とされる。
このため骨髄バンクは国と対応を協議。
1度に10人まで連絡できるよう変更を求めている。
これまでの実績を詳細に調べ、短縮に生かそうという試みもある。
国立がん研究センター中央病院では04〜13年に骨髄バンクが仲介した約22万件を分析。
連絡を受けたドナーの約6割が様々な理由で提供に至っていないことが分かった。
患者側の事情で移植しなかったが、ドナーは同意しつつあったケースもある。
それぞれの状況が分かれば効率的に仲介できる。
医師やコーディネーターら約1400人へのアンケートも実施、結果や提言を来年初めにも公表する予定だ。
患者支援のNPO法人「血液情報広場・つばさ」の代表は、移植までの期間が長いために骨髄バンクを利用できない多くの患者を目にしてきた。
「今後は短縮が実現されると信じている」と話す。

移植件数は横ばいに
日本骨髄バンクは骨髄移植のほか、腕などから採取した血液中の造血幹細胞を移植する末梢血幹細胞移植も仲介している。
同バンクを通じた移植件数は2015年度で両方合わせて1234件。
コーディネート期間が長いこともあって近年は頭打ちの状況だ。
 
一方、あらかじめ凍結保存しておいたへその緒の臍帯血を移植する場合は期間が短い。
骨髄移植に比べ治療成績は劣るが、10年度に1000件を突破し、15年度には1311件と初めて骨髄バンクを通じた移植を上回った。  

骨髄移植ではドナーにもリスクが伴う。
骨髄液を採取する際は全身麻酔などが行われる。
国内では過去に、家族間の骨髄移植でドナーが亡くなった事例が1件報告されている。

参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2016.12.4

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手術前後、口の中を清潔に 「口腔機能管理」、合併症予防に効果

手術後の肺炎や抗がん剤使用による口内炎を防ぐため、治療の前後に口の中の清掃などを行う「口腔機能管理」の取り組みが広がっている。
合併症が減れば、患者の入院日数の短縮にもつながることから普及が期待されている。病院と地域の歯科診療所の連携が課題だ。

兵庫県西宮市の女性(69)は2014年8月、兵庫医大病院(西宮市)で、がんができた舌の左側を切り、切除部分を再建するため前腕の組織を移植する手術を受けた。
  
耳鼻咽喉科・頭頚部外科が担当する手術の2日前、歯科腔外科のS歯科医師に、口の中をきれいにしてもらった。
電動器具で歯石を取ったり、殺菌消毒剤で歯肉を洗浄したり。
S歯科医師から「誤嚥性肺炎と創部の感染を防ぐためです」と説明された。

手術後も歯ブラシや消毒用綿球を用いて週2回行われた。
女性は朝夜、自分でも歯をみがいた。
手術直後の食事は、鼻に入れた管から流し込まれる栄養剤。
術後7日目に初めてゼリー状の食事を口からとった。
9月に入ると、おかゆと通常の副食を食べられるまでになり、約1カ月で退院できた。
女性は「手術直後は痛みと食事ができないストレスで辛かったが、3ヵ月くらいになるかもしれないと言われていた入院期聞か思ったより短くてよかった」と振り返る。
 
S歯科医師によると、術後の筋力低下を防ぎ、免疫力を高めるため、なるべく早く食事やリハビリを再開することが重要。
そのためにも、手術前後は口の中を清潔に保ち、口の中にいる細
菌による術後の誤礁性肺炎や手術の傷への感染を予防する必要があるという。
 
兵庫医大病院は、手術前後の口の中の清掃や食べる機能を保つリハビリなどを行う口腔機能管理に積極的に取り組む。
主な対象はのどや舌にできたがんの手術、術後肺炎が起こりやすい食道がん手術などで年間約700件にのぼる。
  
手術に伴う合併症のリスクを極力減らすのが目的。
必要があれば虫歯や歯周病の治療を行い、手術直前に抜歯することもある。

退院後も、病院と歯科診療所の連携 重要
手術前に口腔内をきれいにすることの効果を示すデータはいくつも報告されている。
13〜16年に信州大病院で肺がんの手術を受けた。
患者457人のうち肺炎になった割合は、口腔機能管理をしなかった場合が6.8%に対し、行った場合は1.9%だった。
 
厚生労働省は6年前から、手術時などの口腔機能管理について医療機関が診療報酬を請求できるようにして、その対象を少しずつ広げてきた。
現在は、がんや心臓の手術、臓器移植のほか、がんの放射線・抗がん剤治療、緩和ケアなどが対象となっている。
手術時の請求件数を見ると、16年は12年に比べ約7倍に増えている。
 
口腔機能管理の多くはいまのところ歯科のある病院で行われている。
口腔機能管理などを行うために歯科を新設する病院もあり、信州大のK教授(歯科口腔外科)によると、長野県内の全身麻酔手術を行う中規模以上の病院で歯科があるのは、11年の18から現在は28に増えたという。
 
ただ、厚労省の16年の調査では、全国の一般病院(7380ヵ所)のう「歯科」があるのは15%、「歯科口腔外科」があるのは約13%。
口腔機能管理を病院と協力して行う歯科診療所を増やさないと、対象患者の増加に対応するのは難しいとみられる。
 
東京歯科大市川総合病院(千葉県市川市)の歯科・口腔外科では、手術時などに口腔機能管理を担当した患者の約7割を地域の歯科診療所に紹介し、その後の管理を依頼している。
口内炎の発症率が高い抗がん剤を長期間にわたって服用する患者など、日常的に口腔機能管理を必要とする人も増えているので、病院と歯科診療所の連携がますます重要になっている。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.6.13

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大腸がん、胃がんを上回り最多 ピロリ菌感染減が原因か

国立がん研究センターは15日、2014年に新たにがんと診断された患者数(発症者数)は、約86万7千人と発表した。
男女合わせての部位別では、大腸がんが胃がんを上回り最も多かった。
若い世代を中心にピロリ菌感染が減り、胃がんの患者が減少しているためとみられる。
 
がんと診断された患者のデータを都道府県から集めてまとめた。
13年までは推計値だったが、14年は各都道府県のデータの精度が高まったことで、初めて合計値を発表した。
14年の発症者数は男性50万1527人、女性36万5881人の計86万7408人。
13年(合計値)から1万8578人増え、過去最高を更新した。
 
部位別では男性は胃、肺、大腸、前立腺、肝臓の順、女性は乳房、大腸、胃、肺、子宮の順に多く、いずれも13年と同じ。
一方男女合計では、2位だった大腸がんが胃がんに代わり1位となった。
大腸がんが増えている要因には、食習慣の欧米化や飲酒などが背景にあるとされるが、胃がんのピロリ菌のような明らかな要因はなく、はっきりしない。
 
都道府県別に、がんと診断された人の割合(発症率)と死亡率も公表した。
全国を100とし90未満や90〜100未満、100〜110未満、110以上で4分類すると、全体の発症率が110以上は男性9府県、女性4道県。
日本海側や近畿、中国地方で高い傾向があった。
死亡率は男性は青森や秋田など4道県、女性は北海道で110以上だった。
死亡率が高い地域は、検診で精密検査が必要とされても、病院に行かずに発見が遅れる例があるようだ。
 
部位別では、大腸がんは青森、岩手、秋田の3県が男女ともに発症率、死亡率が110以上だった。
発症率が高い理由ははっきりしないが、死亡率は医療機関に通いにくい地域で高いとの指摘もある。
胃がんは発症率、死亡率が男女ともに110以上だったのは秋田や山形、新潟など。
東北や近畿、日本海側で高く、食塩の摂取量や喫煙率の高さが影響しているとみられる。
肺がんは、喫煙率の高い北海道で男女とも発症率、死亡率が110以上だった。
肝臓がんは肝炎ウイルスの感染者の多い西日本を中心に高かった。
 
18年に新たにがんと診断される患者や死亡者の予測数も発表した。
患者数は男性57万4800人、女性43万8700人の計101万3600人。
男性は胃、大腸、肺、女性は乳房、大腸、胃の順に多い。
死亡者数は37万99000人で17年とほぼ同じだった。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.9.15

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乳酸菌の効果

死菌でも起こる免疫の活性化

サラダチキンやスナック菓子、納豆、もずく・・・。
最近、思いがけない食品に「乳酸菌」が入っている。
使われているのは加熱処理して死んでいる「死菌」だ。
生きた菌(生菌)と死菌とでは、健康への効果にどのような違いがあるのだろうか。

従来、健康に良いと期待できる菌と言えば、「生きて腸まで届く」ことをうたい文句にした、ヨーグルト製品に入った乳酸菌やビフィズス菌が思い浮かぶ。

ヨーグルト製品などに使われている乳酸菌やビフィズス菌が生きたまま腸内に到達すると、腸内の栄養素や食物繊維などを分解し、乳酸や酢酸を産生する。
乳酸や酢酸には腸の粘膜の機能を高めたり、有害菌を排除する働きがある。
また、乳酸や酢酸で腸内が酸性化すると、腸壁が刺激されて蠕動運動が活発になり、便通がよくなると考えられている。

一方、食品が大腸に到達する前に通る小腸の腸壁には免疫組織があり、そこを乳酸菌などが通過すると菌体の一部が免疫細胞に認識され、免疫が活性化する。

様々な研究から、腸管免疫の活性化は菌体の成分や構成要素によって起こるため、菌が死んでいても生菌と同じように活性化が起こるとわかっている。

森永乳業では2014年から加熱処理した乳酸菌の死菌を「シールド乳酸菌」として発売している。
死菌なので加熱して製造する食品にも使えるため、食パンや即席みそ汁などこれまでに約250種類の製品に使われている。

生菌と死菌をどう食べ分けたらいいのか。
整腸作用を期待するなら生菌の方が効果が高いと思われるが、免疫機能の活性化ならどちらも同じだ。
むしろ、多種類ある乳酸菌すべての健康効果が確認されているわけではないので、効果が検証された「特定保健用食品(トクホ)」「機能性表示食品」かどうかなどをチェックして選ぶ方が賢明だ。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.10.6


<関連サイト>
乳酸菌 生菌と死菌の作用
https://wsnoopy.wixsite.com/mysite/blog/乳酸菌-生菌と死菌の作用

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分子標的薬

分子標的薬でがん細胞狙い撃ち 増殖信号を止める

生涯のうちに2人に2人がかかる「がん」。
治療技術の進歩などで、長くつきあう病に変わってきた。
その立役者が新しいタイプの抗がん剤「分子標的薬」だ。
従来の抗がん剤よりも比較的副作用が少なく、通院治療ができるようになり、仕事や生活と治療の両立が可能にった。

1980年代以降、遺伝子解析技術が発達し、がん細胞に特徴的な分子を標的とした分子標的薬の開発が劇的に進んだ。
がん細胞を狙い撃ちするため、正常な細胞への影響が従来の抗がん剤よりも少ないことが特徴だ。
 
体の中で細胞が増殖するときには、必要に応じて増殖を指令する信号が出て、異常があったら増殖を止めたりする機能が備わっている。
しかし、がん細胞は遺伝子を次々に変異させ、自分で勝手に増殖信号を出したり、増殖を止める機能を失わせたりして、猛烈な勢いで細胞を増やそうとする。
 
現在主に使われている抗がん剤は、こうしたがん細胞の異常な増殖を止めようと働く薬だ。
大きく分けて2種類。

従来型と呼ばれる「細胞障害性抗がん剤」は、細胞分裂に必要なDNAなどの合成を阻害する。
分裂している細胞を攻撃するため、同じ過程で増殖している正常な細胞にも影響が出てしまう。
分裂が活発な臓器ほど影響を受けるため、白血球などが減少する骨髄抑制や、脱毛、下痢や嘔吐などの副作用が起こる。
 
一方、分子標的薬は、細胞核に「増えろ」と分裂を指令する信号を細胞の内外で止める役割がある。
分子標的薬にも大きく二つの種類があり、分子量が大きく、細胞の外で増殖因子を受け取って信号を細胞内部に伝える受容体をブロックする「抗体薬」と、細胞内で増殖信号の通り道を妨げて信号が伝わらないようにする「低分子薬」だ。
抗体薬は点滴で投与し、低分子薬は錠剤タイプが主流だ。
国内では50種類以上の分子標的薬が使われている。
 
今、薬物療法の7割以上が外来治療。
この20年で明らかに変わった。
従来型の抗がん剤だけでは副作用が強く治療を継続できない人もいた。

      □   □

こうした分子標的薬が攻撃するターゲットになるのが、がん細胞の目印になる「分子」だ。
例えば「EGFR」。
遺伝子の変異で、がん細胞の表面には、増殖を促す信号(シグナル)を出すEGFRというたんぱく質が過剰に現れることがある。
薬は、このEGFRに結合するなどして、信号を伝えられなくする。
ただ、EGFRは皮膚の細胞にも存在するため、これを持つ正常細胞にも作用し、皮膚障害など薬ごとに特徴的な副作用も出てしまう。
 
これまで、増殖信号を伝達する経路の上流にある一つの分子を標的とする薬が多く開発されてきた。
しかしがん細胞は、遺伝子変異を繰り返し、薬に妨げられた分子を避けて、シグナル伝達経路の途中から増殖の信号を出すようにも変化する。
このため現在は、複数の分子を標的にした分子標的薬も開発されている。
 
薬のターゲットが決まっていることで、手術や検査で採取したがん細胞を詳しく調べると、薬が効きそうかどうかを事前に判定することもできる。
その時点で自分にとって最も効果の高い治療法を選ぶ手助けにもなる。
 
最近では、100種類以上の遺伝子変異を一気に検査し、自分に合った薬の有無を調べる「ゲノム医療」の研究も進んでいる。
血液型を調べてその型に合った輸血をするように、効率的に個々の患者にとって使える薬の組み合わせを選べるようになる可能性がある。

参考・引用一部改変
朝日新聞・朝刊 2018.10.6

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がん免疫療法を開発 画期的新薬 実用化も 抗体使い体の真価発揮 ノーベル生理学・医学賞

自然科学分野の2018年のノーベル賞を受賞する科学者が出そろった。
生理学・医学賞は、京都大学の本庶佑特別教授が米研究者と共同受賞する。
がん細胞が、体に備わる免疫を逃れている仕組みを解明し、新しい治療薬の実用化に道を開いた成果が評価された。
同賞を受賞する日本の研究者は1987年の利根川進・米マサチューセッツ工科大学教授以降、5人目となる。物理学賞は、レーザーの新しい応用開発に功績のあった米国とカナダの3人の研究者に決まった。
1人は女性で、物理学賞では63年の受賞者以来3人目だ。
また化学賞は、生物進化の手法をまねてたんぱく質を人工的に改変する技術を開発した米英の3人の研究者が選ばれた。
抗体医薬品やバイオ燃料などの開発に応用されている。

生理学・医学賞には、本庶特別教授と米テキサス大学のジェームズ・アリソン教授の2人が選ばれた。
体に備わる免疫を利用してがんを攻撃する仕組みを解明し、一部のがんを効果的に治療する新薬開発につながった成果が高く評価された。
「がん治療の全く新しい原理を確立した。世界で年数百万人もの命を奪うがんとの闘いで、極めて高い効果を示した」。
ノーベル賞の選考を担うスウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、両氏の業績をこうたたえた。

がん細胞は体内で1日に数千個生まれているという。
抗がん剤を使う化学療法は外科手術、放射線治療と並ぶ治療の柱だ。しかし抗がん剤は正常な細胞にも作用し、嘔吐や脱毛などの副作用を起こす。
特定のがん細胞だけを攻撃する分子標的薬が登場したが、次第に耐性が出てくるうえ転移や再発を抑えられない限界もみえてきた。

一方「体に備わる免疫力を高めて治療すればいい」という発想も古くからあり、がん免疫療法が試みられてきた。病気にかかったと勘違いさせて免疫細胞の働きを促す「がん免疫薬」の歴史は、ほぼ半世紀に及ぶ。だがはっきりした効果を確認できなかった。
ある免疫研究者は「がん免疫薬は眉唾物という時代が続いた」と振り返る。

1990年代前半、本庶特別教授らが見つけた免疫細胞の表面にある「PD―1」という分子と、アリソン教授らが機能を調べた「CTLA―4」がこの状況を変えた。
がん細胞が免疫を逃れる際にこれらの分子をうまく使いこなしていた。

PD―1分子ががん細胞の表面にある分子「PD―L1」と結合すると、免疫はがんを攻撃しない。
PD―1につく抗体を使うとこの結合を抑え、がんへの攻撃が始まる。
CTLA―4の仕組みも基本的に同じで、CTLA―4につく抗体を使うと、がんへの攻撃のスイッチが入る。

各分子を標的にした薬は、免疫のブレーキを解除するわけだ。
その働きはPD―1の方がCTLA―4より強い。
自動車に例えるとPD―1がブレーキに、CTLA―4はサイドブレーキに相当する。

私的コメント;
誰しもが思うことですが、PD―1とCTLA―4の両者に作用するようにすればいいのではということです。
後述される「ヤーボイ」と「オプジーボ」との併用はいかがなものでしょうか。
(薬価は目の玉が飛び出るほど高いのですが)
もう一つの疑問はPD―1とCTLA―4に作用する薬剤そのものの副作用です。

製薬業界の期待は膨らみ、米大手のブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)が先陣を切った。
アリソン教授の成果をもとに2011年に米国で「ヤーボイ」(一般名イピリムマブ)を発売した。
日本では小野薬品工業がBMSと協力して14年、本庶特別教授の成果をもとに「オプジーボ」(一般名ニボルマブ)を日本で発売した。

オプジーボは従来の抗がん剤が効かない末期がんの患者でも高い効果を示した。
皮膚がんの一種から肺がん、腎臓がんへと適用を広げた。
他の薬と併用する試みも広がっている。

課題もある。
効く患者の割合が2〜3割にとどまる点だ。
なぜ7〜8割の患者で効果が出ないのか原因は不明で、研究者は解明を急いでいる。
正常な細胞を攻撃する自己免疫疾患の副作用も報告されている。
また薬価が年1000万円以上と高く、闇雲な投与は医療財政に打撃を与えると懸念されている。

がんは日本人の半数が患い、3人に1人が亡くなる。無駄な投薬を省いてより効果を高める研究が重要になる。

参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2018.10.8

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白血病の薬、やめる選択

分子標的薬の登場で、画期的な効果が出るようになった慢性骨髄性白血病。
健康に近い状態になった人たちで、一生飲み続けるのが原則の薬をやめる臨床研究が進められている。
薬には副作用があり、薬剤費も高額なためだが、中止すれば再発する危険がある。
2年後で約65%が再発せず、再発した人も薬を再開すれば、ほぼ元の状態に戻ったとするデータも出ている。

副作用や薬剤費軽減
慢性骨髄性白血病は、赤血球や白血球などをつくる造血幹細胞が、がんになる病気。
日本には約1万人の患者がいると言われている。
ほとんどの患者は、ある特定の異常な遺伝子が原因となる。治療しないと5年ほどで急激に白血病細胞が増え、命にかかわる。
 
2001年、白血病細胞の増殖を止める分子標的薬「グリベック」が承認された。
飲み薬で、原因遺伝子が高感度の検査法でも検出されないなどの「寛解」状態を維持でき、治療の主流となった。
数千人が使っているとみられる。
基本の1日1回4錠では1日の薬価が約1万円となる。
 
効果のある人は原則、生涯飲み続けなければならない。
検査で原因遺伝子が検出されなくても、体内にはわずかに残っている可能性があるためだ。
 
ところが、フランスの研究グループが10年、グリベックを中止した研究結果を発表した。
原因遺伝子が見つからない状態が2年以上続いている患者が対象で、服薬をやめて2年後の時点で約40%が再発しなかったという。
これを受けて、日本でも複数のグループが同様の臨床研究を始めた。
 
この病気の患者や家族でつくる「いずみの会」(相模原市)代表のTさん(66)は、交流があった秋田大の高橋直人教授(血液内科学)を中心とする研究に参加した。
 
Tさんは03年に診断され、グリベックを約10年飲んできた。
原因遺伝子が見つからない状態を保っている一方、副作用とみられる足のつりや吐き気、腎機能の低下に悩まされていた。「毎日薬を飲むのはつらいし、経済的な負担も不安でした」と振り返る。
 
研究に参加する東京医科歯科大病院でチェックを受け、14年4月から服用をやめた。
原因遺伝子の有無を調べる検査を最初の半年は1カ月ごと、次の半年は2カ月ごと、1年後からは3カ月ごとに受けた。
全身のだるさが消え、腎機能もよくなった。
3年近くたった今も原因遺伝子は見つかっていない。
 
秋田大などの研究にはTさんを含め68人が参加。
中止から1年後で約70%、2年後で約65%が再発していない。
また、1年目で再発した患者は、グリベックを再び飲み始めることなどで、原因遺伝子が検出されないか、ごくわずかな量に抑えられているという。
 
慶応大の同様の研究では、1年で約55%が再発しなかったという。
 
グリベックより効果が高いとされる新薬でも、中止の研究が実施されている。
佐賀大などでは「スプリセル」をやめた半数近くが半年以上再発しなかった。
秋田大などは今年1月から、2種類の新薬それぞれを中止する研究を始めた。
国内外の研究ではこれまで、中止後に急激に悪化した例はほとんどないという。

参考・引用一部改変
朝日新聞 2017.2.22



【ノバルティス】CML治療薬「タシグナ」、患者の半数が治療中止後も3年間寛解を維持
スイスのノバルティスは、BCR-ABLチロシンキナーゼ阻害剤「タシグナ」の治療を中止した慢性期フィラデルフィア染色体(Ph)陽性の慢性骨髄性白血病(CML)患者を対象に、144週時点の無治療寛解(TFR)率を評価した第II相試験「ENESTop」「ENESTfreedom」で、患者の約半数がTFRを達成したと発表した。
寛解後に治療をやめても3年間寛解が持続する患者が半数に上る優れた結果で、CMLが命にかかわる疾患から治癒を目指せる疾患になりつつあることを示す。
また、TFRを喪失した患者のほぼ全員が治療再開後に分子遺伝子学的大寛解(MMR)を再達成した。
今回のデータは、米シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)の第54回年次総会で発表された。

「ENESTop」「ENESTfreedom」は、タシグナで寛解を達成したPh陽性のCML患者の治療のやめどきを評価する試験。
「ENESTop」は、先行品「グリベック」からタシグナに切り替え、3年以上タシグナを投与し、分子遺伝学的寛解(DMR)を達成した18カ国63施設のPh陽性CML患者126人に対し、治療中止を評価した。
48.4%の患者で144週間後にTFRを維持できていた。
また、MMR喪失によりタシグナによる治療を再開した24人中、95.8%にあたる23人が分子遺伝学的効果(MR)を回復した。

参考・引用一部改変
https://www.yakuji.co.jp/entry65702.html
(2018.6.22)




薬でコントロールできる猖性疾患瓩了代へ
第3世代の新薬も登場! さらに進化する慢性骨髄性白血病の最新治療
2001年のグリベック登場で、これまでの治療環境が一変した慢性骨髄性白血病(CML)。
昨年(2016年)には新たに第3世代の新薬も登場し、治療選択肢はさらに増えている。
慢性骨髄性白血病は、爐ん瓩箸いΔ茲蠅癲¬瑤妊灰鵐肇蹇璽襪靴動貔孤佞合う猖性疾患瓩了代になってきたと言える。

21世紀以前、CMLはまだまだ怖い病気だった。
抗がん薬やインターフェロン(IFN)による治療が行われていたが、これらの治療では白血病細胞の数を減らすことはできても、フィラデルフィア染色体を持つ細胞の割合、つまり病気の根本的な性質は変えられなかった。
フィラデルフィア染色体を持つ細胞に次第に遺伝子異常が積み重なり、発症から4〜5年経つと患者さんの約半数は急性白血病のような状態(急性転化)になってしまう。
急性転化は、移植など強力な治療をしても再発率が高い致死的な病気だ。
ところが、21世紀の初頭、2001年に我が国でもグリベックが保険承認されて使えるようになり、その様相はガラリと変わりった。

グリベックの登場以前には致死的な病気と考えられていたCMLが、予後良好な穏やかな病気へ変貌し、CMLの予後は劇的に変化した。
しかし、その一方で、最初から薬が効かない治療抵抗性の患者さんや、最初は薬が効いていたのに途中から効かなくなってしまう(獲得抵抗性)患者さんも少数ながらいる。
白血病細胞も賢いので、遺伝子変異を起こして、薬を効かなくさせてしまうのだ。
患者さん全体のうち約20%弱が、グリベックが効きにくい、または副作用のため服薬を続けられないことがわかっている。
この状況を打開すべく開発され、2009年に承認されたのが、第2世代といわれる*タシグナと*スプリセルという分子標的薬だ。
グリベックと同様の作用機序をもつ2剤だが、第2世代とあって、グリベックと比較するとその効果も強力だ。
当初は、グリベックに抵抗性であったり、副作用で服用ができなくなった場合の2次治療として使用されていたが、その後、タシグナ、スプリセルの2剤とも、1次治療からの使用が認められている。
効果が強く、フィラデルフィア染色体を持つ細胞をより早く減らせることから、日本では最初から使うケースが増えている。
第2世代のタシグナ、スプリセルの登場により、十分な治療効果を得られる患者さんは、さらに上乗せされた。
*グリベック=一般名イマチニブ *タシグナ=一般名ニロチニブ *スプリセル=一般名ダサチニブ

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