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花粉症にドライアイ 目かゆくても冷却・水洗いはNG

花粉症患者は、調査を重ねるたびに増加傾向にある。
全国でも多いといわれている東京都の2016年度調査では、東京都内のスギ花粉症推定有病率は48.8%。10年前の大規模調査よりも全年齢で有病率が上昇している。
花粉症によるくしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみに悩む人は少なくない。
「鼻」へのダメージも嫌だが、特に「目」の場合、集中力を落とし、ひどいときにはかゆみや違和感で目を開けられなくなり、ストレスの増大と仕事の効率低下を招く。
世の中には、さまざまな花粉症対策法が出回っているが、なかには陥りがちな間違いもある。

ドライアイの人は花粉症もひどい
――「実はドライアイ症状がある人は、花粉症の症状もひどい」
ドライアイというのは、涙の量が減ってしまったり、涙は分泌されるのにすぐに乾いたりすることで、結果的に目に傷などのダメージが出やすい症状だ。
パソコン作業、コンタクトレンズの装着、加齢など原因はいろいろだが、確実にドライアイ患者さんは増えている。
ドライアイ患者が増えているということは、花粉症症状がひどい人も増えているということになる。

――「理由はシンプルだ。一つは、涙の量や質が悪くなった状態のドライアイの目に花粉が飛び込んできても、涙で洗い流すことができないということ。さらに、ドライアイの人は角膜(黒目の部分)が弱っているので、花粉などのアレルゲンから受けるダメージも大きい」
つまり、洗い流す涙が少なく刺激に弱くなった目に「花粉」という大きな敵が舞い降りることで、目はダメージを悪化させる。

――「ドライアイ患者さんは集中力が低下しやすい。当然、ドライアイで花粉症もあるなら、集中力の低下とストレスを招きやすい」
まずは、この時期の花粉によるストレスをなんとかしなければならない。

――「花粉が目に入ったことによるアレルギー症状には、主に4つある。『かゆみ』『涙が出る』『目やにが出る』『充血』だ」

【花粉が目に入ることによる主なアレルギー症状】
〇「かゆみ」:目や鼻の粘膜にある肥満細胞から化学物質(ヒスタミンなど)が放出され、異物である花粉に過剰反応して発生する

〇「涙が出る」:目に異物が入ったことによって「大変だ!目を守らなければ!」と目が反応することで出る

〇「目やにが出る」:花粉が飛び込むことで、花粉を撃退するために戦った目の表面の細胞の死骸や、ダメージを受けた組織。「皮膚と同じく、垢(あか)や老廃物の一種ですね」(綾木さん)

〇「充血」:花粉との戦いの最中に出たヒスタミンなどの化学物質が血管を刺激することで起こる

・・・花粉が目に飛び込むと、目の中では激しい戦いが繰り広げられる。
目がつらくなるのも当然のことなのだと、納得だ。

NGルール(1)「目や目の周辺を手でかくのはNG」
なかでも、「かゆみ」で困っている人は少なくない。
しかし、こするのは絶対にダメだ。
ヒスタミンなどの『かゆみ物質』はこすればこするほど増えて、かゆみは広がる一方となる。これは皮膚と同じだ。

では、どうすれば?
――「花粉用メガネやゴーグルをかけるなどして花粉を寄せ付けないこと。花粉がついてかゆみを感じたら、まばたきや目を閉じて涙で洗うのが一番だ」

NGルール(2)「水道水で目を洗うのはNG」
そうは言っても、前述した通り、ドライアイなどで涙の量が少なく、うまく洗い流せない人も多い。そんなこんなでこの季節になると、目を取り出してジャブジャブと洗い流したくなる。
しかし、水で目をジャブジャブと洗うことは避けよう。

――「まぶたについた花粉を洗い流すための洗浄ならいいが、目の中の花粉なら、基本的に涙で落ちる」

水道水なら、目の中でも問題はなさそうに思えるのだが……。

――「水道水は、基本的に目には有害だ。涙とは違うので、浸透圧も成分も違う。コンタクトレンズを水で洗ってしまうと、水道水に生息するアカントアメーバがコンタクトレンズを介して角膜炎を引き起こし、ひどくなると失明の危険もある」

プールに行くと、泳いだ後に水でジャブジャブ刺激を与えながら目を洗う光景をよく見かける。これはどうなのだろうか。

――「実は、涙と違う成分を水圧をかけて目に浴びせているわけだから目にはよくない。もちろん、顔を洗いゴミや花粉を洗い流す程度だったら、問題はない。でも、必要以上に水道水を目の中に入れないこと」

NGルール(3)「目薬を乱用するのはNG」
それでは、涙で洗い流せない場合は、点眼薬を使いまくるしかないのだろうか?
――「点眼薬も、何度も何度も頻繁に差すなど、使い過ぎは目に有害だ。特に防腐剤が入っている目薬は目を傷めることがある。あくまで処方通りの適量を守ろう」

では、どうしても「洗い流したい」という切実な思いを満足させるには、どうすればよいのだろうか?

――「洗い流したいのだったら、花粉やゴミなどを洗い流す洗眼薬がある。ただそれも、健常な目だったり定められた用量を守って使ったりする分にはいいが、ドライアイのように目を傷めている場合や使い過ぎには注意が必要だ」

含まれている成分によっては、目に悪影響を与える場合もある。
洗浄用の目薬が自分の目に合っていて安全かどうか、眼科医にご相談の上、用量や用法を守ること。

NGルール(4)「目を冷やすのはNG」
目がつらいときに目を冷やすと、気が紛れ、炎症を抑えられるような気もするが、これはどうなのだろうか。
――「気分転換や治療になると思い込んで、やたらと冷やすのは危険だ。気分のリフレッシュ効果はあっても、目の健康には逆効果となる。特に点眼治療中の人やドライアイ気味の人など、目が弱っている人は避けたほうがいい」

涙は、涙腺から分泌される「水分」、その水分の蒸発を抑えるために目の縁から分泌される「油」、水分が流れてしまわないようにのりの役割をしている「ムチン」が目の表面から分泌されることで構成され、目を守っている。
目を冷やしてしまうと、特に油の分泌が滞りがちになり、涙の健康的な循環に悪影響が出て涙の質も下がる。
――「特にこの時期、目を冷やしてしまうと、涙による花粉の洗浄除去が不十分になり、花粉によるダメージからの回復も阻害されてしまうことになる」

目のかゆみがとれるどころか、冷やすことでますますひどくなる可能性があるらしい。

――「逆に、目を温めれば、大抵の人は気持ちよく感じられる。滞りがちな涙の分泌も目の中での循環もスムーズになるためだ」

目のかゆみや違和感を覚えたら、目を温めることで、その不快感を改善できる。
目がふんわりと温められると、花粉によるかゆみもイライラ感も忘れてリラックスできるようになる。

――「まばたきには目の表面をきれいに拭く役割が、涙には目の表面を洗い流す役割がある。まばたきや涙で花粉を除去し、目を閉じて目を休ませることが、この時期のかゆみストレスから解放される一番のリラックス法だ。そのときに目を温めれば、さらに目が楽になる。簡単なことに思えるが、意外と、ちゃんと目を休ませている人はそう多くはない」

NGルール(5)「メガネを曇らせるマスクの装着法はNG」
――「ちゃんと正しい装着法でマスクを使っていますか? 」

正しいマスクの装着法
(1)ワイヤがついている辺を上にして耳にゴムひもをかける
(2)両手の指でワイヤを顔に押さえつけながら鼻とほほにフィットさせて隙間をなくす
(3)ワイヤ部分を片手の親指と人さし指で支えながら、残りの手であごの下までマスクを伸ばす
(4)両手でマスクを覆い、空気漏れをチェック。呼吸をしてもマスクが顔に密着するように(2)を繰り返して確認する

――「こうすれば、呼吸をしてもマスクが顔に吸い付いたままなので、メガネは曇らない」

手で鼻とほほに当たるワイヤ部分を密着させるように心がけて息漏れチェックを繰り返してみれば、なんとか曇りも違和感もない視界を手に入れることができる。

マスクは、どのタイプでも大丈夫なのだろうか?

――「ワイヤが鼻の形に曲がらない製品は用をなさない。上端を内側に折り曲げるやり方もあるようだが、ワイヤがしっかりとしているマスクなら、不要だ。ワイヤを鼻とほほにしっかりと添わせるだけで簡単に顔にフィットさせることができる」
こうしてチェックしていくと、無意識にNG行為を行っていることに気づく。
現代人は、パソコンやスマホ操作など、何かと目を酷使する機会が多い。
目のかゆみストレスから解放されれば、視界も広がり前向きになれる。

「花粉症による目のかゆみストレス」軽減のためにやってはいけないNGルール
(1)「目や目の周辺を手でかくのはNG」
⇒「かゆいからかく」行為は、かゆみを増やすだけ

(2)「水道水で目を洗うのはNG」
⇒顔、特にまぶたについた花粉を洗うだけならいいが、目を洗うことは目によくない

(3)「目薬を乱用するのはNG」
⇒目薬の使い過ぎは目に有害。特に防腐剤が入っていると、目を傷めることがある

(4)「目を冷やすのはNG」
⇒冷やすことは、目の状態の悪化を招くことがある。温める方が目の健康には良い

(5)「メガネを曇らせるマスクの装着法はNG」
⇒マスクの装着法に気を付けるだけで、「レンズの曇りストレス」から解消される!

参考・引用一部改変
日経Gooday 2019/3/18


 
イメージ 1

2019.4.4 撮影

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体内リズム 寝起きの時間帯はできるだけ同じに


日々の睡眠不足を取り返そうと、休日には寝だめをしてしまいがちだ。
しかし、こうした生活を続けていると「体内リズム」が乱れ、かえって体に悪い影響を与えてしまう。
 
人には約24時間周期の体内リズムが備わっていて、朝に目が覚めたり夜眠くなったりするし、体温や血圧も変化している。
リズムは、光をいつ浴びるかで変わる。
朝に光を浴びるとリズムが早まり、夜に浴びると遅れて夜型化する。
体内リズムの周期は24時間より少し長いため1日の長さとずれがあるが、朝に光を浴びることでリセットされている。
 
現代は職場や自宅など同じような明るさの中で過ごす時間が長い。
光のメリハリがなく、体内リズムが乱れやすい。
特に青色を多く含む光はリズムに強く作用するという。
 
休日の朝寝坊や休日前の夜更かしで、寝る時間や起きる時間が平日とずれることでもリズムは乱れる。
こうしたずれは「社会的ジェットラグ(時差ボケ)」と呼ばれ、心身に影響を及ぼす。
 
海外の研究では、ずれが大きくなると肥満になりやすく、2時間以上のずれがあると抑うつ状態が強くなるとされる。
週末に朝寝坊する人は、翌週前半の疲労感や眠気が強いとの報告もある。
 
では、体内リズムを整えるにはどうすればいいのだろうか。
 
平日も休日もできるだけ同じ時間帯に寝起きすることが大切だ。
睡眠時間は人によって違いがあるものの、大人の場合、普通なら7時間以上必要とされる。
休日に寝だめをしている分を、20分ずつでも平日に割り振る工夫をしたい。
 
朝起きたら、まずカーテンを開けたりベランダに出たりして朝日を浴びよう。
朝食をしっかりとる、適度に運動するなどのほか、昼に10〜20分ほど座った状態で目を閉じるのもお勤めだ。
夜には、湯船でリラックスして深酒しない、照明は落とし気味にする、スマホやパソコンの使用は寝る1時間前までにやめる、といったことを心がけたい。

朝日新聞・朝刊 2019.2.9



<関連サイト>
体内リズムが乱れると・・・
https://www.otsuka.co.jp/suimin/influence.html
・体内リズムが乱れやすい人は、肥満やメタボであったり、糖尿病のリスクが高いと言われている。
・交代勤務のシフトワーカーは日勤と夜勤を繰り返すことで体内リズムも乱れやすく、日勤者より発がんリスクが高いといわれている。
・体内リズムのズレは認知機能にも影響することがわかっており、さらには起床時の憂鬱や身体の不調とも関係があることが明らかになっている。
・睡眠は、就寝時に向けて分泌されるメラトニンと起床時に向けて分泌されるオレキシンというホルモンでリズムを形成しており、メラトニンは、眠気を誘う「睡眠ホルモン」と言われている。
このメラトニンのリズムを刻む起点となるのが、朝の体内時計のリセット。
太陽の光を浴び、体内時計がリセットされてから15〜16時間後にメラトニンが分泌され眠気が生じるように体はできている。
・朝にうまくリセットが行われないと、夜間のメラトニンの分泌が遅れたり、分泌が不十分になったりする。
逆に夜間に強い光を浴びると、体は「朝が来た」と勘違いしていまい、メラトニンの分泌のリズムに乱れが生じる。

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大豆イソフラボンからとれる「エクオール」 更年期症状改善に一役 半数が作れず サプリで補充も

更年期症状の対策として大豆イソフラボンを摂取する女性は多いが、実はイソフラボンが体内で分解されてできる「エクオール」という成分が鍵を握る。
ただ日本人でエクオールを作れるのは2人に1人で、若い女性はさらに少ない。
サプリメントの種類が増えており、更年期症状や生理不順の改善に効果があるとされるが、効果には個人差がある。
従来のホルモン補充療法を含め、どの手法がよいのか医師と相談して決めよう。

40代女性はパソコン作業中に指の痛みを感じた。
最初はしびれだけだったが、次第にこわばりなどを感じ始めた。
骨の変形もあり、整形外科では治らなかった。婦人科を訪れると「更年期症状」と診断され、エクオールを含むサプリを飲んで女性ホルモンを補った。

更年期になると女性ホルモンの一種である「エストロゲン」が減り、閉経の前後5年ごろから様々な症状が現れる。
エストロゲンが足りないとき、代わりに働くのがエクオールだ。
大豆製品に含まれるイソフラボンを摂取すると腸内細菌で分解され、エクオールができる。
エストロゲンと構造や働きが似ている。

エストロゲンの減少でほてりやのぼせなどの更年期症状が出る。
手のこわばりもその一つ。
7〜10年ほど放置すると、手指の関節が変形する「ヘバーデン結節」などを発症することがある。
だが多くの女性は女性ホルモンの急な減少に伴う更年期症状と気づかず、整形外科などを訪れがちだ。
エストロゲンが不足しても、必ずしもエクオールで不足分を補えるとは限らない。
名古屋大学発ベンチャーのヘルスケアシステムズ(名古屋市)の研究では日本人のうち、エクオールを作れる菌を保有するのは約半分。
作れない人はイソフラボンの一種であるダイゼインがそのまま吸収されるとみている。

若年層の豆離れ
20〜30代の若年層でエクオールを作れる人は欧米並みの30%程度に減ったという。
豆類を食べる量が減ったのが原因のようだ。
厚生労働省の調査では、20〜30代の豆類摂取量は政府が定めた目標に対して達成率が約5割にとどまる。
60代の約8割を大幅に下回る。
更年期症状をきちんと改善させる手法では、病院での注射などによるホルモン療法が主流だ。
ただ欧米に比べ日本では乳がんリスクが高まるとの見方が強く、普及が進んでこなかった。
ほかの病気との関連からホルモン療法を受けられない人にとって、エクオールの摂取が選択肢に入る。
大豆製品からイソフラボンを摂取してもエクオールに分解できない体質の人にとっても、サプリなどで直接、摂取することができる。

手の変形が進むと手術が必要になることもある。
「手の変形に伴う痛みがひどくなる前に、エクオール検査やサプリメントによるエクオールの補充などを始めるとよい」とエクオールの効能を話す医師もいる。

注意すべき点はある。
体質や体調によって効き方に差があり、ホルモン療法に比べ効果が表れるのに時間がかかる。
人によってはホルモン療法との併用がよい場合もある。
決められた量以上を摂取し続けると、乳がんを発症するリスクも指摘される。
病院で処方される薬剤はないので、ドラッグストアなどで購入する。
どの手法を選ぶかは医師と相談して慎重に決めたい。
最近はサプリの種類が増えており、品質にばらつきがあるので見極めが難しい。
合成ではなく天然由来の成分を発酵させて作ったサプリの方がよいという。

検査キットを活用
一部のクリニックで体内でエクオールを作る能力があるか検査できるが、郵送でも手軽に分かるサービスもある。
ヘルスケアシステムズは、イソフラボンをエクオールに分解できるかどうかを簡単に調べられる検査キットを販売する。
尿などの検体を同社に郵送すると、しばらくして分析結果が文書で送られてくる。
豆類をたくさん食べるなど食生活を見直すきっかけにする人も多い。

ホルモン作用の研究 課題多く
最初にエクオールが発見されたのは1930年代。
妊娠中の牛の尿から取り出された。
80年代に人の尿で見つかり、イソフラボンの代謝物だと分かった。
90〜2000年代にかけて米国の研究チームで研究が進んだ。
東京医歯大などが、ホルモン関連の病気はエクオールの産生体質に関わることを解明した。
人への影響など臨床に近いデータはここ数年で急激に増えた。
まだ歴史が浅いともいえる。
 
サプリメントの発売は10年代になってからで、まだ人の健康への影響に関するデータは十分と言い難い。
臨床の現場で治療指針を決める際によく使われる書籍などに、エクオール摂取に関する解説が加筆されたのも最近だという。
ホルモンの作用は非常に複雑なことも多く、研究課題は多い。

「長期的な摂取の影響をみることやデータを積み上げていき、今後の経過を丁寧にみる必要がある」と専門家は言う。

参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2018.10.15

関連サイト
イソフラボンを摂取すると体内でエクオールが作られる
https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/195

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早期発見が最大のカギ

洋の東西を問わず、社会の成熟は少子化につながる。
移民などの形で若い労働力を導入しなければ、経済成長も社会保障制度の維持もままならない。
これまで移民をほとんど受け入れてこなかった日本では、高齢になっても働く必要がある。
実際、65歳以上の高齢者が全就労人口に占める割合はドイツが2%、フランスは1%程度にしかすぎないが、わが国では12%にも達する。
そして、がんは細胞の老化といえる病気だから、日本では働く人にがんが多発することになる。
まさに「がん社会」で、仕事とがん治療の両立は、働き方改革の大きなテーマだ。

「がんを働きながら治す」ためにもっとも大切なことは早期に発見することだ。
私自身がぼうこうがんを早期に発見して、2018年12月末に内視鏡治療を受けた。
自分で超音波検査を行い、無症状のぼうこうがんを早期に見つけたのは、正直「医者の役得」であり、一般化はできない。

しかし18年12月28目に手術を受け、大みそかに退院できたのは事実だ。
東京大学病院で治療を受けたから、手術翌日の29日から自分の部屋で雑務もこなした。
早期発見が功を奏し、「治療と仕事の両立」を文字通り実践したわけだ。
もちろん、正月明けからは普通に仕事をしてきた。
 
もし発見が遅れ、がんがぼうこうの筋肉の層にまで及んでいたとしたら、ぼうこうを全摘することになる。
そうなると入院期間は3〜4週程度になり、退院後もすぐにフルタイムの勤務に戻れないケースも少なくない。
 
ぼうこうがんに限らず、早期の胃がんや大腸がんなどに対する内視鏡手術でも入院期間は数日で、薬物療法は不要だ。
早期がんに対する放射線治療は外来通院が原則で、東大病院の場合、肺がんは4回、前立腺がんの場合は5回の通院で済む。
一回の照射時間はたった90秒だから、もちろん仕事の合間に治療を受けることができる。
進行がんでも時短勤務などのフレキシブルな対応によって、治療と就労の両立は十分に可能だ。
とはいえ、両立を実現する最も大切なポイントは早期発見なのだ。

執筆 東京大学病院准教授・中川恵一先生

参考・引用一部改変
日経新聞・2019.3.27

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カフェインとりすぎないで

錠剤やエナジードリンク普及で中毒者増加 酒と同時摂取も注意
カフェインの過剰摂取による急性中毒が増えている。
カフェインは依存性があり、短時間に大量に摂取すると、めまいや過呼吸などの中毒症状が出て死に至る恐れもある。
近年は眠気覚ましや疲労回復のため、若者を中心にカフェインを含む錠剤やエナジードリンクが広まっている。
国は市民向けの勉強会を開くなどして過剰摂取への注意を呼びかけている。

2016年10月、ある大学病院の高度救命救急センターに20代の女性が急性カフェイン中毒で運ばれてきた。
女性は意識不明となり心肺停止の状態に。
救命医らが心臓マッサージや電気ショックなどの処置に当たって一命をとりとめた。
女性はその後、治療のため約2週間入院した。

心臓への刺激作用
女性は自殺目的で数時間のうちにカフェイン錠剤を200錠以上飲んでいた。
摂取量に換算すると23グラムだったという。
担当医は「服用後すぐに家族に発見されて病院に運ばれてきたため助かった。カフェインを大量に摂取した場合は一刻も早く治療することが重要だ」と説明する。
同病院では10年までの5年間に急性カフェイン中毒の患者を受け入れたことはなかったものの、11〜18年には7人が救急搬送されたという。
コーヒーやお茶、医薬品など幅広く含まれているカフェインには中枢神経系を興奮させて眠気を払う作用のほか、疲労軽減の効果もある。
ただ心臓への刺激作用もあり、短時間で1グラム以上摂取すると動悸や過呼吸、不整脈、吐き気などの中毒症状が現れ、5グラム以上が致死量とされている。
厚生労働省などによると、カフェイン濃度は粉から抽出するドリップコーヒーや顆粒を湯で溶くインスタントコーヒーでも100ミリリットル当たり60ミリグラム程度とほとんど変わらない。
紅茶やほうじ茶、ウーロン茶は同20〜30ミリグラムだ。
13年ごろから日本国内で販売が拡大したエナジードリンクや眠気覚まし用飲料では、100ミリリットル当たり300ミリグラム含む製品もある。
カフェインの取り過ぎで吐き気やめまいなど軽い症状であれば治療は薬の服用と点滴で済むが、重症の場合は体内への吸収を抑えるため、多くの物質と結合する吸着剤「活性炭」を投与したり、血液透析をしたりする必要がある。
コーヒーやお茶、エナジードリンクによる中毒例はほとんどないが、会社員や受験生らが眠気覚ましでコーヒーと併せてカフェイン錠剤を飲む人もおり、全国でも救急搬送されるケースが増えている。

若者中心に広がる
日本中毒学会が救急医療機関38施設から回答を得た調査によると、11年度から15年度の間にカフェイン中毒で救急搬送された患者は101人で、このうち3人が死亡していた。
97人が錠剤を服用し、患者の年齢の中央値は25歳だった。
13年度以降の搬送が86人で全体の85%を占めたという。
カフェイン錠剤はドラッグストアやインターネット通販で手軽に買えるため、若者を中心に広がっている。一度に大量に摂取すると死に至る危険性があることが十分に認識されていない。
1日当たりの摂取量については、「日本では個人差が大きい」などとして、明確な基準を設けていないが、中毒患者の増加を受け、国はリスクも知ってもらうため対応を強化している。
内閣府の食品安全委員会はホームページ(HP)でカフェインの影響などを解説する「ファクトシート」を公表。
17年度にはカフェインの安全性をテーマに市民向けの勉強会を東京、大阪、札幌で計4回開き、約180人が参加した。
勉強会ではコーヒーやお茶に含まれるカフェインの量や、海外で示されている適切な摂取量などを説明し、19年度にも全国での開催を計画しているという。
厚労省もHPで、いずれもカフェインを含む医薬品と飲料の併用を避ける必要があるとして、医薬品の使用方法などを記載した「添付文書」をよく読むよう呼びかけている。
このほか、カフェインを多く含む飲料と酒を同時に摂取すると、アルコールによる健康への悪影響を受けやすくなるとする米国疾病予防管理センター(CDC)の指摘も紹介している。

海外で錠剤購入規制 成人「コーヒー3杯分」推奨
海外では一部にカフェインの摂取量の推奨基準があるほか、錠剤の購入量を規制する動きもある。
カナダ保健省やドイツの研究機関は、健康な成人の1日当たりの最大摂取量として400ミリグラム(コーヒー3杯分程度)を推奨している。
子供はカフェインヘの感受性が高いとして、カナダ保健省は大人よりも摂取量を制限する基準を定めている。
 
特に注意が必要になるのは妊婦だ。
 
英国食品基準庁は2008年、カフェインを過剰摂取すると流産や胎児の発育の遅れを招く恐れがあるとして、妊婦の1日の最大摂取量を200ミリグラムにするよう求めた。
世界保健機関(WHO)も胎児への影響は確定していないとしながらも16年に妊婦の1日の摂取目安を300ミリグラムと示している。
 
一度にカフェイン錠剤を大量に飲んで死亡するケースが相次いでいることを受け、欧米の一部の国では一度に購入できる量を制限している。
 
日本では薬剤師の説明がなくても、ドラッグストアやネット通販などでカフェイン錠剤を簡単に購入できる。
医療関係者からは「一度に購入できる量を制限すべきだ」との声も上がっている。

参考・引用一部改変
日経新聞・朝刊 2919.3.18

参考
1 日当たりのカフェイン摂取量の目安
https://wordpress.com/post/aobazuku.wordpress.com/183

<関連サイト>
カフェインの健康リスク、世界で関心 摂取量に目安も 各自で適量見極めて
https://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/43832072.html



カフェインの鎮痛効果
https://blogs.yahoo.co.jp/ewsnoopy/30838175.html

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