愛川今生の演劇・映画世界

演劇って、ほんとうに楽しいですね。

栗原小巻論

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一九八〇年、ブレヒト『コーカサスの白墨の輪』(内垣啓一訳)。千田是也が演出、俳優座第百四十四回公演で、立花一男、武内亨、栗原小巻(グルシェ役)、中村美代子、可知靖之らと全国各地を巡演した。ドイツの劇作家ブレヒトは、一九三〇年代に、アリストテレス以来の西洋の伝統的な演劇を批判して叙事演劇を提唱した。役者が舞台を通じて出来事を説明し、観客に批判的な思考を促して事件の本質に迫らせようとするものである。それを実現するために「異化効果」が利用される。これは日常において当たり前だと思っていたものにある手続きを施して違和感を起こさせることによって、対象に対する新しい見方や考え方を観客に提示する方法である。このブレヒト研究の中心人物が、小巻が師事した千田是也である。小巻は一九八〇年前後にいくつかのブレヒト作品を演ずるが、俳優座では一九六〇年代に研究会などをつくり彼の演劇理論を徹底的に研究したようだ(劇団俳優座HP)。ブレヒトとしては、このような理論をたて、演劇が単に感情移入や心理的高揚の道具ではなく、もっとより社会的な力をもつものにしたかったにちがいない。

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