愛川今生の演劇・映画世界

演劇って、ほんとうに楽しいですね。

栗原小巻論

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一九八一年、チェーホフ『桜の園』(宮沢俊一訳)に劇団東演の俳優陣として出演。同年、俳優座は千田是也演出で俳優座劇場でこの作品を上演している。南ロシア地主ラネーフスカヤは夫と死別後、愛人とパリで暮らしていた。しかし、愛人に裏切られ経済的にもゆきづまり古い領地に帰ってくる。だが、領地の「桜の園」も抵当に入り、破産寸前である。旧地主や貴族階級の没落とそれに取ってかわる新興ブルジョワジーの台頭を描く。世界的演出家アナ―トリイ・エーフロスの演出で、小巻は新しいラネーフスカヤ像を創造したといわれる。これがソ連演出家による日本初の舞台公演である。エーフロス演出は、チェーホフ戯曲の悲劇・喜劇の両面を鮮やかに描き、好評を博したという。近年の研究で、チェーホフはこの劇を「喜劇」として書いたという。このような学術的研究をまつまでもなく、チェーホフの劇はすべて「悲喜劇」だと私は思っている。舞台に登場する人物は、劇中のできごとで自分が悲劇的存在だと思うにちがいないが、劇を観ている観客からすると、ばかげた理想やかなわぬ夢を無性に追いかけ舞台のうえで右往左往する姿は喜劇としかいいようがない。そして、あとで述べるように、これが近代劇の真髄なのかもしれない。蛇足ながら、呉服橋三越劇場開場一周年記念として上演された。

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