轟猫的徒然網録

今や、純粋無垢とはその名の通りではない。不純である事こそがその名の示すものなのだ。

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 「失われた10年」――ある小説家が使い出したと言われる否定的用語(最近の景気回復であまり使われなくなったが)は日本人の内面を変な方向へ捻じ曲げてしまったのかも知れない。今の日本は誇るべき祖国ではない。それが人々の心のどこかに鬱積している。大人たちはバブル経済へ至る高度経済成長の(日本が世界経済の頂点へ上り詰める)姿を鮮明に記憶しており、そこへの郷愁を持っているし、子供たちは不況で喘ぎ細切れにされていく社会しか見ていない。そこには希望が無かった。だからこそ、希望を模索するための「建設」の前の「破壊」が主題してとして近年急速に浮上してくる事は驚くにはあたらない。
 ここまで極めて抽象的な事を書いてしまったが、これは今年公開された3本の映画の共通する要素なのだ。今年は何故か、戦争をテーマとする映画が多かった。現在公開中の「男たちの大和」http://www.yamato-movie.jp/に限らず福井敏晴が何らかで関与した「亡国のイージス」http://aegis.goo.ne.jp/「戦国自衛隊1549」http://www.sengoku1549.com/pc/「ローレライ」http://www.507.jp/index.html等がそれだ。無論、背景としては戦後60年という節目が存在しているのかも知れない。しかし、それにしてはテーマは日本と言う国家のあり方に収斂され、最終的には未来の為に生きよという方向性に進んでいるのは何故かを考える必要はある。「亡国のイージス」におけるイージス護衛艦「いそかぜ」宮津副長、「戦国自衛隊1549」の的場第3実験中隊長、そして「終戦のローレライ」の朝倉大佐、その全員が現在の日本に失望している。だからこそ、宮津副長は最新鋭イージス護衛艦の反乱によって日本に戦争の情景を見せ付け、的場隊長は「軟弱な」現代日本を戦国時代から改めることによって変革しようとする。朝倉大佐も東京へ原爆を投下させて二本国家の中枢を破壊し、日本を根本から変革しようと企図する。
 「変革」――あるいは「改革」と言い換えられる行動は現代日本を象徴する用語である。まれに見る長期政権を樹立した「小泉純一郎」http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiprofile/首相は就任以来一貫して「聖域無き構造改革」を標榜してきたからだ。多くの特殊法人が解体され、「郵便局」http://www.japanpost.jp/も民営化される。「自衛隊」http://www.jda.go.jp/の海外派遣は常態化、その方向はさらに拡大するであろうし、歴史問題へも「靖国神社」http://www.yasukuni.or.jp/参拝と言う姿勢で挑戦する。日本が戦後60年余りの間で澱んできた事象を次々と破壊して行っている。そして、国民はそれを支持した。違うと言う異見もあるかもしれないが、小泉首相は今年9月11日の「衆議院」http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index.htm選挙は言うまでも無く就任後の数々の選挙で実質的勝利を収めてきているのである。これは国民が小泉首相を支持したと言う証左である。
 ならば、変革しようとする彼らの意思は「正義」である筈である。しかし、彼らの意思は敗れ去る。個が生きる事が国家云々より重要であると言うのがこれらの映画に共通したテーマであるからだ。冷戦構造の崩壊はフランシス・フクヤマに言わせれば「歴史の終わり」であった。それは民主主義の時代が到来したというよりもイデオロギー時代の終焉と言えるだろう。もはや、国家に絶大な求心力は無い。急速なインターネットの普及に象徴される情報技術の進展とあいまって個人の裾野は急拡大を示しているからだ。国際政治上でも国家の力学関係に規定される旧来モデルに束縛されない、個人の存在を含めた新たなモデルの提示が必要とされているのもその為である。個人が個々の緩やかな結合体として社会を形成することが今後の社会の根幹になる事を暗示しているわけでもある。
 そしてこれらの戦争映画は二つの意思を我々の前に示している。一つは「改革」の真偽を見極めよと言うものである。彼らの主張した日本国家の変革は間違った発想ではない。正しい発想を間違った手法で行ってしまっているのである。それは現在の日本においてはどうであろうか?それが疑問の提示であろう。もう一つが、この国の戦後と平成は「失われていない」という点である。ストーリーは最終的に個へ帰着する。「個」それが戦後日本が作り上げてきた価値であった筈であるし、それは「失われた10年」でも着実に育まれてきた。経済的地位の喪失にしか目を向けにくい我々に、あの時代が失われたものではなかったというものを提示しようとしているのである。各映画の個々の描写がいかなるものであり、「失われた10年」へ価値を付与しようとする方向性には一定の評価は与えられると言えるだろう。

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