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「アメリカ合衆国軍」http://www.defenselink.mil/。 世界の中で唯一、全地球規模で軍事作戦を展開できる最強の軍隊である。その強さの秘密は強大な米国の経済力だけでなく絶え間ざる変革の歴史にあったと言えるだろう。1991年の湾岸戦争でハイテク兵器の能力を世界に知らしめた米軍は、2003年の第二次湾岸(イラク)戦争でハイテク戦争への対応を急ぐ各国をあざ笑うかのようにRMA戦争がなんたるかを示した。そして、第二次湾岸戦争の戦訓も含めた米軍の変革がトランスフォーメーションなのである。本書は我が国随一の軍事評論家である江畑謙介氏が本年6月に「ビジネス社」http://www.business-sha.co.jp/から出版したものである。米軍再編は日本にも大きな影響を与えているのは周知の通りだ。横須賀への原子力空母「ジョージ・ワシントン」の配備、沖縄の海兵隊再編、米軍第一軍団の移転、横田基地への「航空自衛隊」http://www.jda.go.jp/jasdf/index.html指揮機能の移転…etc。これは米国が「不安定の弧」と呼ぶ極東から中東にかけての21世紀の軍事緊張地帯へ対応する事を意図して行われているものである。 日米合同演習から対テロ戦争支援等を通して生み出される日米の軍事協調関係(これは日米に限らず同盟国との新たな協調関係が進んでいる)が存在し、盾たる軍隊である自衛隊が米国の軍事力を矛として活用しなければならない現状を考えるならば日本だけの問題として米軍再編を考えるのではなく、世界規模で米国が何を志向しているのかを考えてみる必要があるだろう。その為にも世界的視座に立って米軍再編を分析した本書は極めて有益である。 |
惰眠発見簿
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太平洋戦争それを如何なる名称で呼ぼうと、その戦いが我が国にとって絶望的な戦いであった事は疑う余地がない。日本が経済大国として頂点を極めているとも言える現在においても(誰もが忘れているが、バブル経済が崩壊しようと日本が経済大国である現実は変わっていない)、米国の経済力(GDP)は日本の1.5倍ある。今から60年以上前のそれは10倍以上も存在していた。その超大国へ挑んだのが大日本帝国であった。 あの戦争を経済的な側面から著されたのが本書であり、「PHP研究所」http://www.php.co.jp/bookstore/index.htmlの新書から先月の新刊として刊行された。RMA(軍事革命)の進展によって、戦争が情報力の有無によって定まると言われる現在でさえも戦争に経済力は欠かせない。国家総力戦であった60年前ならばそれは尚更であったと言えるだろう。経済力が足りない事が分かっていたからこそ、日本は精神力と言う虚無な存在に頼らざるを得なかったのだろう。 それは今でも同じだ。正確な数字は嘘をつかない。日本が今後歩んでいく道を考えていく上でも本書が示す大日本帝国敗北の数字的根拠を考えておくのは悪くないかも知れない。 |
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つい先(2003)年まで日本という国家に有事法制というものは存在していなかった。その背景にあったのは憲法第9条を有する非戦国家「日本」という空虚な自信であったが(1970年代後半から「防衛庁」http://www.jda.go.jp/は有事法制の研究自体は始めていたが)、21世紀に入り仮想敵が国家というある意味で共通の政治論理が通じる相手から論理が通じないテロ組織等へと変遷していく中で我が国も有事法制を急速に整備する事になった。そして2003年の有事法制(武力攻撃事態対処法他)に引き続き昨年には国民保護法が成立した。現在はこの国民保護法制を基に各地方自治体が国民保護措置の為の体制整備を進めている。 今月、「PHP研究所」http://www.php.co.jp/bookstore/index.html新書から出版された本書はこの国民保護法制がどのようなものであるのかを分かりやすく解説している。著者の一人である森本敏、浜谷英博両氏の前作である「有事法制」(PHP研究所、2004)と共に一読すべき書と言えるのではないだろうか。 |
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サブカルチャー評論の旗手である大塚英志が昭和初期の東京を舞台として民俗学者の折口信夫を主人公に据えて展開する小説が、'''「角川書店」’’’http://www.kadokawa.co.jp/から2003年に出版された本書である。オカルティズムやナショナリズムに覆われていた昭和初期の日本には様々な混沌が存在していた。その混沌と言う素地を使ってロンギヌスの槍や偽天皇、ユダヤ人満州移住計画と言った虚実を織り交ぜて展開するのがこの小説の愁眉だろう。この時期を舞台にした伝奇小説は多い。同じ角川書店から刊行された「帝都物語」(荒俣宏)等もその先鞭をつけた作品として知られている。戦前と戦後は継続した歴史である筈だが、現代を生きる我々にとって戦後の東京と現在は連接しているように思われるのだが、戦前との間には分断があるという幻想を抱きやすい。その幻想を上手く利用したのが本作のような昭和前期を舞台にした伝奇小説群であると言えるのかも知れない。 |
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今年は太平洋戦争の敗北から60周年に当る。その為に世間一般では太平洋戦争というものについて考え直す動きが進んでいる。中国や韓国が小泉首相の「靖国神社」http://www.yasukuni.or.jp/index2.html参拝について懸念を示してくるのもこの60年という節目である事と関連しているとも言う事は出来る。「保阪正康」http://www.aya.or.jp/~hosaka-m/氏が「新潮社」http://www.shinchosha.co.jp/新書から今月の新刊として刊行した本書は、太平洋戦争において今まで定説とされていた事柄について真相というものは果たしてそうだったのかという踏み込んでいる。特に本書において面白いのは、太平洋戦争開戦の最後の一押しをしたのは陸軍ではなく海軍であるという見方を示している事である。確かに、これは一理ある見方である。満州事変から日中戦争にかけて中国大陸での戦争の拡大を実質的に進めてきたのは陸軍であった。しかし、対米戦は海軍力の戦争であり海軍が開戦に賛同しなければ、理論的には戦争が行えなかったからに他ならない。 太平洋戦争については60年間続いてきた各種の言説というものが存在している。しかしながら、詳細に分析していくと言説が必ずしも真相であるとは限らないのは事実である。本書は新書でありながら、その言説への懐疑とその帰結を分かりやすく示しており、太平洋戦争について再考する端緒となる一冊と言えるのではないだろうか。 |



