有川浩と覚しき人の日記

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『図書館戦争』実写化

「図書館戦争」TVアニメ化のときも、
「フリーター、家を買う。」のときも、
「阪急電車」のときも申し上げたことですが、今回も。

受け入れられない人には見ない権利があります。
何とぞよろしくお願い致します。
「人は人、我は我、されど仲良し」
永遠の真理でございます。

私は前向きに関わってくださる限り、自作に関するどのような映像化も一切否定しません。
今までもそうでしたし、今後もそれは一切変わりません。

ただし、「前向きに」というのは絶対条件ですので、皆さんの耳に入るお話は発表された時点で
制作サイドと出版サイドのマインドが折り合い、各種条件も整った幸福な企画であるということは
お約束できます。

それでもメディアミックスによる化学反応自体をどうしても受け入れることができないという方には
もちろん「見ない権利」があります。
「見ない権利」を行使したとしても、それは誰からも否定されることではありません。
ファンだからすべての派生作品を受け入れなくてはならないということはまったくありません。
同時に、「見る権利」を行使する方に対しても、同じ条件が適用されることを祈っています。

ただ、一つだけ知っておいていただきたいのは、『図書館戦争』がTVアニメ化したとき、
アニメ化に反対するたくさんの心ない声がキャストや制作スタッフに浴びせられたということです。
それでも彼らは折れませんでした。
最終回まで罵られながら、それでも温かい応援の声を抱きしめて、「いつか革命を」と
解散したのです。
折れなかった彼らの意志と、応援してくれた人の温かなお気持ちがあったから、『図書館戦争』は
劇場アニメにたどり着けたのです。
映像化の度に新しいスタッフが同じ痛みを受けなければならないとしたら、それは本当に悲しい
ことだと思います。

幸いにして今は映像化を冷静に受け止めてくださる読者さんが増え、たくさんの温かいご意見を
頂戴しています。
映像化は個人的には歓迎しないという方からさえ「映像化を機会に読者が増えることを応援したい」
とのご意見をいただき、本当にありがたく思っています。
正に「人は人、我は我、されど仲良し」の精神をありがとうございます。
やはり、作品に思いをかけてくれているスタッフに悪し様な言葉が届くと、作者としては自分が
罵られるより胸が傷みますので。


さて、『図書館戦争』実写映画は打診の段階から制作スタッフがとても前向きな姿勢を見せてくださり、
長い時間をかけて準備を重ねてくださっていました。

キャストさんもたいへん誠実にお話を受けてくださいました。

私がプロデューサーに信頼を預けた理由はたくさんありますが、その一つが稲嶺についての
処置です。
私個人の希望として、
「私にとって稲嶺は児玉清さんしかあり得ないので、図書基地司令には稲嶺でなく稲嶺の
遺志を継いだ別のキャラクターを立ててほしい」
というものがありました。
原作で人気の高いメインキャラクターの一人を敢えて封じてくれというのは、かなりの無理難題だと
思いますが、プロデューサーにはこれを快く了承していただけました。

脚本準備稿も読ませていただきましたが、原作のマインドを充分に汲み取っていただいた
熱い脚本でした。
『図書館戦争』1冊分を過不足なく映画の尺に収めていただいたバランス感覚もお見事だと
思いました。

もちろん、映像はスタートが幸せであってもその後に不幸な巡り合わせがまったくないとは
言い切れない世界です。
しかし、現時点でこれほど思いを見せてくださっているスタッフに出会えたことは、『図書館戦争』
という作品にとってとても幸せなことだと思っています。

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