f1hondav6のブログはイロハの「あ」

それはねぇ、基本の基本、イロハの「あ」!
   街の犬だった、コロ
 
 子供の頃、海外ドラマにはよく名犬が登場
していた。ラッシー、ロンド、リンチンチン
などなど。画面に登場する彼等の物語は楽し
みつつも、所詮しこまれた演技をこなしてい
るに過ぎないと、冷めた目で見ていた。私が
素直でなく、かわいげのない子供であった事
もあるが、本当に賢い名犬を真近かに見て、
触れて暮していたのが最大の理由である。
 
 その名犬は街の人々にコロと呼ばれていた。
飼い犬ではなく、自由に暮す野良犬だった。
その頃多くの家庭で飼われていたスピッツか、
その系統の雑種だったと思われる。スピッツ
はよく吠えるため、番犬向きだったそうだが、
コロは違った。
 
 毎日自分なりの巡回コースを通って、我が
家界隈にやって来て、静かに休憩していた。
人はおろか、他の犬や猫に対しても、吠えた
り唸ったりした事は無かったし、当然、ケン
カや縄張り争いなどしている所なんて見た事
ある筈も無い。そんなコロだから、ご近所を
始めとする、街のみんなから大事にされる、
まさに街の犬だった。
 
 たまの日曜日、デパートでの昼食が唯一と
いえる一家の娯楽だった時代、タイミング良
くコロがやって来た時は一緒に出かけ、店内
もエレベータも共に入った。何せ街の犬だも
の、ウチの家族の誰よりも名前も顔も知られ
た有名犬。誰一人、とがめる人はいなかった
し、コロは足元から離れず、行儀良くふるま
った。テーブルについても、邪魔にならない
よう、我々の足の先で丸くなっていた。
 
 また、ご近所界隈の夕飯の準備時にやって
来たら、味見がてら、おかずの食材をひとか
けら、あげてもいた。たまたま夕方に出かけ
る用事があって何も準備してない時にやって
来たら、どこかのお宅に電話して確認した上
で「◯◯さんちで唐揚げあるって、行ってご
らん」とコロに話してみると数分後、間違う
事なく、コロはそちらのお宅に現れた。
 
 本当に街の犬だったコロ。何度かの四季を
過ごした後、コロが突然街から消えた。年老
いていたのは間違い無かった。どこかで己の
寿命を悟り、その身を隠して命を終えたのか
も知れない。急激に増えつつあった自動車に
よって事故に遭ったのかも知れない。最悪の
場合は、野良犬として収容され、殺されてし
まったのかも知れない。コロに会えなくなっ
たのは悲しかったけれど、私を含め街の人々
も時の流れに置いて行かれないよう、コロを
忘れてそれぞれの最善を尽くして日々を送り、
世紀を越えた。
 
 改めて思い起こすと不思議な事に、街の犬
コロが消えたあたりから、我が岩手県花巻市
の隆盛を支えた、カリスマ経営者が一代で興
した大きな会社の経営に暗雲がただよう最初
の時期を迎え、街全体が少しずつ輝きを失い
始めた気がしてならない。何しろ、こんな田
舎の小さな街の会社が、東京オリンピックの
情報を世界に伝えるテレプリンターを製造し
いていたのだから。現代で言うIT企業の、
はしりだったのだ。
 
 昭和30年代から40年代の、街にも人々にも
活気と向上心がみなぎりつつも、優しさやい
たわりの心を互いに抱き合って生き抜いてい
た時代と、その終焉。コロは街の犬として生
き、街の犬として時代の移り変わりを人々に
教えてくれた、どこからかの使いだったので
はないか、と思えてならない。そうであれば、
テレビ番組の主人公達より賢い事も何の不思
議もないのだから。 
   伝説の鉄火肌
 
三歳上の姉の誕生日は今から五十数年前の
一月十七日。その日の前後、家族の住む岩手
県花巻市は記録的な大雪に見舞われていたの
でした。父方の祖父母は地元に、母方の祖父
母は関東に住む中、私の両親にとって初の子
宝になる姉の誕生に向けて、子沢山だった両
方の祖父母はあれこれ心配しながらも、楽し
みに姉の誕生を待ち構えていてくれました。
 
まだ予定日まで数日あるという事で、花巻
の祖父母は孫の無事な誕生の祈願を兼ね、子
宝を招くと言われるご神体を祀る神社近くの
山沿いの温泉宿に宿泊する事になりました。
そこで大雪に見舞われてしまい、風情の面で
は満点でありながら、積雪がメートル単位に
なった頃、事件になってしまった訳です。
 
母親が予定日より早めの出産になりそうな
気配になったため、母方の祖父母に連絡をし
て、祖父母は急ぎ特急電車に乗って花巻に向
かう事になりました。一方、同じ花巻に居な
がら雪に遮られ、身動きの取れなくなった父
方の祖父母は、何とかして病院のある街中へ
向かう術を考え始めました。
 
温泉街と街中は細い線路を走る、馬面(う
まづら)電車の愛称を持つ、小さな路面電車
でむすばれていました。が、あまりの積雪の
ため、運行もままならない状況に陥っており、
いつどこで運行が取りやめになってしまうか
定かではありません。
 
それなら、とタクシーの手配を考えたので
すが、大雪は当然、道路も覆い尽くしており、
どこのタクシー会社にも往来を断られてしま
いました。それくらい当然の、雪国の皆にと
っても未曾有の、本当に激しい雪の降り方だ
ったのです。
 
八方塞がりの父方の祖父母でしたが、そん
な状況下で、お客様のために何とかしなけれ
ば気が済まない、とばかりに、一人の仲居の
姐さんが意を決し、獅子奮迅の大活躍を始め
てくれました。
 
祖父母に代わって電話の受話器を握ると、
改めてタクシー会社の番号をダイヤルし、
担当者相手に
「あんたら、クルマ転がす玄人だったら、
お客様が来い、と呼んでる以上つべこべ言わ
ずにとっとと来な!来られないなら、来られ
るような手立てを考えるのが、あんたらの仕
事だろ!」
と、小気味が良くて威勢の良い、啖呵を切っ
てくれたのでした。
 
とは言え、雪の勢いは衰えを見せる事も無
く、積雪はドンドン増すばかり。祖父母はし
ばらく温泉宿に滞在せざるを得ない事を覚悟
し始めていたのですが…。
 
 くだんのタクシー会社から温泉宿に電話が
入り、なんとかなりそうなので、一台そちら
に向かわせました、との連絡。その事を仲居
さんから聞いたものの、本当だろうか?と半
信半疑のままで荷物の支度をしながらタクシ
ーの到着を待つ事にした祖父母でした。
 
待つ事しばし、次に仲居さんが部屋に現わ
れたのは、喜色満面にタクシーの到着を告げ
るためでした。聞けば、仲居さんにハッパを
かけられたタクシー会社では、皆で知恵を絞
った末に、最も大切で直接的な除雪の手段を
使うのが早い筈と気づき、除雪車を管理する
市、業者始め関係各所に手当たり次第に電話
をかけまくり、とうとう一台の除雪車の手配
に成功したというのです。
 
こうして除雪車が市街地と温泉街をつなぐ
道路で作業を開始し、その背後にぴったり着
いてタクシーが追走、とうとう温泉宿まで辿
り着いてくれた訳です。諦め半分で待ってい
た祖父母でしたが、無事にタクシーに乗り込
み、姉の出産までに余裕を持って病院へと到
着する事ができたのでした。
 
大変な事態の中で、プロの方々がそれぞれ
の立場でお客様のために最善を尽くす姿勢を
しっかり見せてくれ、違う職業の方々がチー
ムワークで達成して下さった素敵な出来事で
す。
 
中でも特に、粋な啖呵で気合を示してくれ
た仲居さんと、それぞれの祖父母達の愛情と
温かい想いが事態を打開してくれたものと信
じています。
 
この出来事をスポーツにたとえるなら、ま
さにMVP(最優秀選手)と言えるのが仲居
の姐さんでしょう。この仲居さんと我が家は
ご縁が続き、今もご近所で小意気な姐さん姿
を思い起こさせるたたずまいで、元気に息子
さん夫婦と営む店で、粋な料理と酒、そして
啖呵を振る舞い続けていてくれます。とても
頼もしい限り、この上ありません。
 
姉の誕生の際の出来事ですから、私がその
場に立ち会っていなかった事は言うまでもあ
りません。しかし、沢山の方々の縁、そして
想いの絆によって私自身もこの世に生まれ出
で、見守られながら成長し、今に至った事は
想像に難くありません。いつかは私が、どな
たかが生きる上での支えになれるような存在
になり、強い絆を築けるようになりたいもの
だと思うのです。
   神様からの罰(バチ)
 
 あれはまだ、私が幼稚園にも通わぬ頃の事
でした。いつも隣に住む一つ年上の、直(な
お)ちゃんの後に、どこに行くにも金魚のフ
ンのようにくっついて遊んでもらっていた私
です。
 
 普段はバラ線、いわゆる鉄条網で周囲を囲
まれた、とても小さな神社さんが近所にあり
ました。その小ささのためか、手を合わせた
り頭を下げて挨拶をする対象として意識でき
ていませんでした。
 
 それでも親を始め、ご近所のおじさん、お
ばさん達は皆「神社さんのそばで遊ぶのはい
いが、いたずらなんかしたなら神様から、怖
いバチを当てられるぞ!」と、異口同音に注
意されていたものです。
 
 しかしある日、直ちゃんと私は大人達の忠
告を忘れ、バラ線をくぐる事を思いついてし
まいました。より体の小さい私が先にバラ線
の下に潜り込み、ほふく前進で、中へ入ろう
としたのです、が…。
 
 動けません!前にも後ろにも。もがけばも
がくほど、母親の手編みのセーターがバラ線
にからまり、苦しくなって来る始末。直ちゃ
んが必死で私の足を引っ張るものの、どうに
もなりません。意を決して、助けを呼びに行
ってくれた直ちゃんが、母親を連れて来るま
でのたかだか三分間、私は神様にバチを当て
られ、異次元空間に引きずりこまれるような
怖さに見舞われ続けました。
 
 駆けつけた母親達に助け出されるまでの時
間は、本当に数時間にも感じたものです。私
の人生における最初にして最高に怖い経験だ
った事、言うまでもありません。
※.亡くなった友人の事についての想いと、少し日が経過しましたが、
  3.11とも関連する想いを綴る文章です。
 
   約束の彼方に
 
 同級生の友人は、晴れて医師となり、家で
代々続く産婦人科医院を継ぐため大学病院の
勤務を辞めて帰って来た。彼の口癖は2つあ
り、ことあるごと熱く語ってくれていた。
 
 1つ目は「医者の不養生と言うけれど、真
剣な医者なら常に患者さんの健康第一の生活
だから、自分自身は不規則で不養生にならざ
るを得ないんだ」という言葉。彼の、仕事に
向かう決意の厳しさだった。
 
 2つ目は「病院の門をくぐる時には1つし
か無かった妊婦さんの命を、2つ以上に増や
して笑顔で病院から帰ってもらえるのが、産
婦人科の喜びなんだ」という言葉。彼を支え
る仕事へのモチベーションだった。
 
 彼は1年365日を言葉通りに過ごしてい
た。預かった妊婦の皆さんの体調を気遣い続
ける毎日。結婚した同級生達も大勢、彼の世
話で新しい家族を迎える幸せを贈られた。彼
はまさに自分自身の言葉との約束を果たすた
めに毎日を送っていた。
 
 そんな彼が、周囲の誰よりも濃く実りある
毎日を過ごし続け、駆け足で人生を走り抜け
て、クリスマスイブの朝に突然の心臓の病で
逝ってしまった…。
 
 彼はお医者様の息子として良い意味での
坊ちゃんだった。小学生の頃から体格も立派
で、まさに「気は優しくて力持ち」。中学校
でも共にクラブ活動を剣道部に選び、たいし
て強くなれなかったが心身を鍛えて頂いた。
私が下手だったのは怠け者で稽古に身を入れ
なかったせい。彼の場合は優しい性格が災い
し、他人と戦う事が苦手だったからだった。
 
 高校も同じ学校に進む中、彼は古き良き伝
統を誇りにし、ボロボロの学生服を身にまと
うバンカラの応援団員となり、学生達のリー
ダーの一角を担う存在となった。おっとりで
優しい本質はそのままに、たくましさを身に
着ける事となった経験が、彼を大きく成長さ
せていた。そして夢であり宿命でもあった医
師となった彼は、自分自身との厳しい約束に
命懸けで臨み、沢山の命をこの世に送り出す
務めを果たし続けたのだ。
 
 あまりに早くに逝ってしまった彼を見送っ
た後、残された我々同級生達は皆、同じ事に
想いを馳せた。「彼のように立派な人生を送
れるだろうか?」と。
 
 恥ずかしいが、私が難題に直面した際の口
癖は「なあに、命に関わる問題じゃなし、何
とかなるさ!」だ。しかし、彼は毎日「命に
関わる問題」に直面し、命を守り、乗り越え
て生きていた。その中でどれだけ己の命を磨
り減らしていたか、私には想像すら出来はし
ない。
 
 だから、私には彼の真似は無理。せめて、
生き方をしっかり見張ってもらうため、まず
は彼に約束して生きていく事にした。では、
何を約束するか?こんな私が歩む人生の約束
の彼方には、いったい何があるのか?まだま
だおぼろげにしか見えていない時だった。ま
ずは自分自身に何を約束出来るか?自問自答
を繰り返す中、ようやく自分なりの小さな答
えに行き着いた。
 
 きっかけは2011年3月11日の、あの
東日本大震災だった…。私の人生で初めて、
本当に生きるか死ぬか、という状況に遭遇し、
近隣には、家族を失った人、親類が半分にも
減ってしまった人を大勢、目の当たりにした
日々だった。
 
 被災後の日々を経て、私が彼にする約束は、
今後の人生、毎日を「今日が人生最後の日」
と全力で生きる事。そして私の小さな力でも、
世のため他人(ひと)様のため、生きている
限り力を尽くし、命を守る事。そのために自
分自身が強く生きる事が、最も大切な約束に
なる筈、と決めたのだ。
 
 私の残る人生を含め、同級生達の生き様を、
空の上から見続けている彼に笑われ、呆れら
れないよう生きていく。それが、人生を半世
紀過ごし、既に50代を生きる私が、彼と約
束し、自分自身と約束する未来である。
 
 今はまだ言葉でしか無い約束だが、己の歩
みで自分自身の本物にしていく覚悟。これが、
まだまだ行き先の見えない、この道の彼方を
歩み続け、いつか辿り着く筈の約束の彼方に
旅する事が私の決意であり、彼との約束なの
イメージ 1
腰の治療で通っている病院近くに、まだまだ新雪っぽい広場があって、ちょっと思い
ついてやってみたのが、これなんですがね…。タイヤの跡の1本分を赤でなぞって
みました。
もっと高い足場があれば良かったのですが、2mくらいの雪だまりの上しか無くて、
あまりキレイには見えませんが…。
一応、クルマでハートを描いてみたつもりだったのさ…。腰の骨にヒビ入ってる身で、
木登りして撮影するワケにもイカンよね、やっぱし。
きっと、2階の窓くらいの高さから眺めたら、そこそこに、ハート模様には見えたの
ではないかな?と、自分ひとりで思っておきませう。誰のためのハートなんだか、
知らないけどね…(-_-)

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