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 初めて訪ねる友人の部屋。あなたなら、まずどこを見ますか?
 僕は迷わず本棚を見てしまいます。会話では解らなかった友人について、思わず新たな発見ができることがあります。

 自分は文学が大好きだと語っている友人の本棚に文学全集の一巻しかなかったり、全く純文学と縁がなさそうに見える友人の本棚に「おフランス」の岩波文庫が揃っていたり・・・。

 今まで友人の本棚を見て驚いたことが2度ばかりあります。

 一人は大学の同級生で下宿を訪ねたら、座れる場所は彼の畳一畳の広さもなく、万年床のみでした。あとは、全て本が山のように積んであるだけでした。洗面所や流し台も本の山で、物理的に驚きました。
 親しくしていた友人なので、彼の趣味が歴史と城が好きなことは知っていました。また、読書家であるので文学作品そして経済学部なので学術書に「+α」として、一般的な本があるのかなあと思っていました。
 ところが、SF小説やハヤカワ・ミステリー等が所狭しと山のように積んでありました。
 彼に実家の部屋はどうなのか訪ねると、同じような状況とのこと。2年後の卒業を考えると頭が痛いと言っていました。
 どうも、彼は一度、購入した本は古書店に売ったり、捨てることができない性格のようでした。

 いま一人は大学の先輩です。まるで「知識の泉」のような人でした。

 例えば、

 「『カラマーゾフの兄弟』のこの場面で、アリョーシャはなぜこのようなことを言う心境になったのですか?。」

 と、質問すると即座に丁寧な解説をしてくれます。
 文学に限らず、人文科学・社会科学・自然科学そして芸術の分野までありとあらゆる質問をしても即座に解説してくれます。
 この先輩は、下宿を転々とするのが癖があり、なぜか大学から遠い場所に下宿をすることが好きでした。
 だから、皆はどんなにたくさんの本があるのだろうと想像していました。

 大学卒業後に、一戸建てを建てたとの連絡があり遊びに行きました。当然のように、どのような本棚だろうと楽しみにしていました。

 すると、『聖書』とマルクス『資本論』のみ・・・。

 先輩曰く「他の本は捨てても構わないけど、この2冊はそうもいかないんだよね。」

 あまりの凄さに唖然とした・・・。

「まったけ日記」1〜50は、こちらまで「http://www.geocities.jp/f4_ttm/index.html

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