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フランスの国旗「トリコロール」が、自由及び平等、博愛若しくは友愛という意味も有していることは知られています。この自由、平等、友愛と経済との関係を考えてみたいと思います。
平等から派生した経済は、計画システムによって国家若しくは政府によって経済活動による効果及び利潤を再分配するものです。
具体例としては大きく二つに分かれます。まずはマルクス主義思想に基づいて経済を統制したソ連等の共産主義体制です。さらに、その思想に修正を加えた社会民主主義(若しくは民主社会主義)もその系統にあるものと考えます。
もう一つは、イタリアで誕生したファシズムです。言うまでもなくドイツのナチズムや戦中の日本の1940年体制がその系統にあります。
しかし、平等に価値を求める経済は第二次世界大戦と冷戦までの歴史の流れの中で、国家による市民へ統制が厳しくものとなり、多大な犠牲をもって崩壊しました。
次ぎに、自由から派生した経済は、市場システムによって商品を交換することにより効果又は利潤を生み出します。そして、その効果等は私的所有に帰属しますが、その配分は市場によって「統制(コントロール)」されるというものです。
古くはアダム・スミスから始まったものと言えますが、ケインズやハイエク等の数多くの学者や政治家等によって修正を加えられました。
現代の経済の殆どがこの市場システムに基づいています。しかし、80年代から米英によって修正され始めて、大きく変ぼうを遂げました。そして、現在では市場の力を誰にもコントロールできなくなり、利潤は競争の勝者へ集中するようになり、経済格差が深刻な問題となっています。
日本もその例外ではありません。
最後に、友愛から派生した経済とは何かということになりますが、フランス革命以降の世界史で実現がなされたとは思えません。
先に述べました自由及び平等に基づく経済はその拡大を前提としたものですが、地球で経済活動をするため拡大には限界があります。
それに対して友愛から派生する経済は拡大を前提としないものとするのが妥当と考えます。
また、経済活動の主体は自由に基づく経済は個人や企業、平等に基づく経済は国家です。
では、友愛とはなんでしょうか?
その応えとなるものは、どこに隠されているのでしょうか?
その回答の一つが「和(やわら)ぐを以て貴(たっと)しとし」です。改めて説明するまでもなく聖徳太子の十七条憲法の一文です。
友愛の経済とは協議システムに基づくものであると思います。個人や企業は緩やかな地域コミュニティに属して、コミュニティ相互との関係は網の目状になると思います。
市場システムは市場を媒介として放射線状に伸びる形であり、計画システムは国家から枝葉条に統制される形ですから対照的なものとなります。
また、協議システムは網の目状の性格から経済活動の主体は地球を最大の限界とすることから、循環型社会を生み出して行くものと存じます。それは地球環境と人間の共存を保つことです。
もちろん、この経済は実現されたものではありませんから具体性を帯びたものとはならずに、僕たちを夢想家だと思われることと思います。
もともと市場システムによる経済も計画システムによる経済も自由や平等を究極の理想として考えられたものです。よって、友愛から派生する経済システムも理想を追求することから始まるのです。
しかし、市場システム、計画システムと同様に困難と挫折も生じてくることは間違いありません。
だから、皆様と共に考えて行きたいと思います。
まったけの今日の独り言
やはり、経済を文章だけで記して分りやすく伝えることは困難だあ!
参考文献:中村尚司『地域自立の経済学 第2版』日本評論社,1998年
内橋克人『共生の大地 新しい経済がはじまる』岩波書店,1995年
神野直彦『人間回復の経済学』岩波書店,2002年
神野直彦『地域再生の経済学 豊かさを問い直す』中公新書,2002年
宇沢弘文『経済学と人間の心』東洋経済新報社,2003年
大塚久雄『共同体の基礎理論』岩波書店,2000年(岩波現代文庫所収のもの)
J.A.T.D.にしゃんた『日本的経営は海を越えられたか!?』ふくろう出版,2006年
野口悠紀雄『新版 1940年体制 さらば戦時経済』東洋経済新報社,2002年
「まったけ日記」1〜50は、こちらまで「 http://www.geocities.jp/f4_ttm/index.html 」
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