アマミノクロウサギ 「アマミノクロウサギが近くにいますね。でも、犬に食べられなければいいのですが。」東大生命科学研究科博士課程の亘悠哉さんはそう不安を口にした。
鹿児島県・奄美大島。年間の平均湿度が70%を超え、冬でもめったに気温が10度以下にならない。約40キロにわたり、奄美中央林道が貫く。道の周辺には常緑広葉樹が広がり、木のように大きく育つヒカゲへゴと呼ばれるシダが点在する。見晴しのよい道の真ん中に目をやると、干し草を丸く固めたようなアマミノクロウサギの黒いフンがたくさん落ちていた。 マングースの移入から駆除までこの特別天然記念物である夜行性のウサギに、新たな危機が忍び寄っている。 亘さんが、2000年から2006年に島内の林道に見つけた犬のフン135個を調べたら、約45%にこのウサギの毛や骨が入っていた。アマミトゲネズミやルリカケスといった貴重な動物も食べられていたが、ウサギが一番多かった。 このウサギの天敵はハブ対策で1979年に移入され、野性化してしまったマングースだ。2004年に2,500から6,000羽いたとされるアマミノクロウサギは、10年ほどの間に約2割減った。マングースは危険が伴うハブを襲うより、アマミノクロウサギを襲うことは当然のことだろう。 その後、地元と環境省がマングースの駆除を始めたところ、最近、ようやくウサギのフンが見つかり始めた。 捨て犬が新たな天敵そこに、犬が現れた。奄美哺乳類研究会で活動する獣医師の半田さんは「ウサギを食べる犬は、飼えなくなって山に捨てられたペット」と断言する。都市部から島に来て、犬を飼い始めた人たちが都市部に戻る際に、連れていけなくなり、山へ放ったとみられる。 山で捕まった犬はみな人慣れしている。野性化した犬は、人に寄りつかないため、明らかに捨て犬とわかるそうだ。「犬は、ウサギから鳥やカエルまで襲ってしまう。責任をもって飼ってほしい」と半田さんは訴えた。【『朝日新聞大阪本社夕刊』「環境エコロジー」,2007年7月25日】 アマミノクロウサギとレッド・データ・カテゴリーアマミノクロウサギは、奄美諸島の奄美大島と徳之島だけに生息する、ウサギ科アマミノクロウサギ属の動物である。アマミノクロウサギ属にはアマミノクロウサギ1種のみが属している。耳が短く、後足も短いため、外見はウサギらしくない。500万年前から160万年前までの鮮新世から変わらない、ウサギ科では最も原始的な種とされる。 アマミノクロウサギは、奄美大島と徳之島の孤立した環境におり、ハブ以外には特に天敵がいないため、数百万年にわたり変わらぬ生態を続けてきたと考えられている。これらの島のうち、奄美大島にはハブ退治のためにマングースが人為的に移入されて定着し、アマミノクロウサギの生存を脅かしている。また徳之島ではマングースは定着していないが、野犬・野猫などの移入動物によって捕食される観察例がある。それと両島共に車に遭遇した事故も報告されている。参考サイト *アマミノクロウサギ観察日記 *奄美群島国定公園鹿児島県ホームページ お時間がありましたら…。 *まったけ日記308―『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』に捏造疑惑― *まったけ日記303―我が家のミニ・ビオトープの訪問者ー *まったけ日記300―スマトラゾウの不都合な真実ー *まったけ日記296―滋賀県庁食堂でブラックバスを食べよう!― *まったけ日記294―カンサイタンポポを探そう!― *まったけ日記287ー京都府レッドデータブック「オオミズナギドリ」― *まったけ日記284―カブトエビを探す団塊ジュニア― *まったけ日記243ーサルと会話ができるか?− *まったけ日記238ー地球最強の猛獣とは?− *まったけ日記234ー38度線は「野生の王国」 *まったけ日記227ー日韓両国の都合で絶滅した『ニホンアシカ』ー *まったけ日記226ーホオジロザメの天敵は人間!ー *まったけ日記162ー京都府レッドデータブック「キョウトゴキブリ」ー *まったけ日記151ーオニバスの花が咲く池ー *まったけ日記150ーアユモドキの棲む水田生態系の調査ー *まったけ日記142ーアユモドキを知っていますか? *まったけ日記136―メダカ再発見 in 亀岡ー *まったけ日記78ー入梅と蝉しぐれー *まったけ日記58ー絶滅危惧種・その名も「キョウトゴキブリ」ー 注目ブログ *みんなで作る知恵の詰まった環境ブログ ご意見下さい *いわれひこ様BBS *京都亀岡国際秘宝館・本館 |
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2007年07月26日
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