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健康と安全に対する脅迫にも似た思想が支配するこの世のなかにあって、
四輪ではエコカーが持て囃され、環境性能というお題目の前では誰もがひれ伏さざるを得ない昨今。

スポーツカーやスーパーカーといった言葉がすっかり死語と化し、
その基準が1億円超、1,000馬力超の"民芸品"になり下がり、
とても一般のドライバーには手が届かない世界に去ってしまったとしても、
二輪の世界では純粋に走行性能を追求する気風がまだまだ生き残っているのは心強いところです。

それでも、環境問題対策のアピールや『市場と直結していない』という商業的な理由により、
2ストロークから4ストロークへ、ロードレース世界選手権がモトGPへの変革を余儀なくされたとき、
二輪もやがて四輪のあとを追うことになるのかと暗澹たる思いを抱いたあの日を、
僕らは忘れることができません。

だからこそ、ドイツの会社が、
GP500クラス最後のチャンピオンとなったNSR500にオマージュを捧げるマシンのリリースを発表したとき、
拙ログの記事ですらSNSで爆発的な反響と拡散があったのだと思うのです。

あの日失われたと思っていたGP500レーサー、すべての2ストローク好きが待ち望んだマシンが、
周回遅れながらも僕らの前に現れたというところでしょうか。



ドイツのロナックス社(Ronax GmbH)は、6月8日に登場を予告していた公道走行可能なGP500マシン、
バレンティーノ・ロッシが乗った2001年型のNSR500にオマージュを捧げる、
かつての2ストローク、V4、排気量500ccというフォーマットを踏襲した限定マシンを発表しました。



Ronax GmbH



80度の挟み角を持つ2ストロークのV4エンジンは、
ふたつの逆回転クランクシャフトを装備したアルミニウム削り出しという逸品。

排気量は当然ながら499cc、ボア×ストロークは54×54.5。
160hpの最高出力を11,500回転で発揮します。

公道走行可能を謳うだけあって電気式スターターも装備しており、
日常の使い勝手(?)もいくらかは考慮されている模様。



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また、今日的なスポーツバイクのトレンドに沿い、
スポーツとレイン、ふたつのインジェクションマッピングも用意されています。
一部の人々はキャブ仕様ではないことに落胆するかもしれませんが、
自前のワークスチームが用意できないほとんどのライダーにとっては、
パドックで大して登場しないジェット類をズラーッと並べる必要がないのは朗報かもしれません。

もちろん、そのV4エンジンからはそれぞれ4本のチャンバーが伸び、
カーボンケブラー製のサイレンサーからは甲高い2ストサウンドが吐き出されます。
その官能的なサウンドは、本記事中のティザー映像でご確認を。



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シャシーは、アルミニウム製のフレームとスイングアームを中心に、
可変ステアリングヘッドアングルにオーリンズのφ43倒立フロントフォークを、
リアに同じくオーリンズTTXという組み合わせ。ステアリングダンパーもオーリンズとなります。

フロントキャリパーはブレンボの4ピストン鍛造モノブロックに320mmディスク、
リアキャリパーも同じくブレンボの2ピストン鍛造モノブロックに210mmディスクを採用。

ホイールは前後17インチと標準的ですが、リム幅はフロント3.75インチ、リア6インチとのこと。



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多くのライダーにとって気になるのは車重ですが、GP500レプリカの名に恥じない乾燥145kgを達成。

外装類はフルカーボン、ステップやシフトレバー類はすべてアルミ削り出し、
トップブリッジと三叉も同様に削り出しで、コスト度外視の贅沢な造りになっていることを伺わせます。



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サーキットでさえ乗りこなすのは難しそうなロナックス500ですが、
公道走行に必要な各種の保安部品も用意されており、ラムエアダクト中央に小さな丸形2灯ヘッドライト、
ウィンカーが埋め込まれたミラー、ナンバープレートホルダーなどもオプションで用意されます。



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ここで当然出てくるのが、どうやって排ガス規制を突破しているのか?という疑問。

どうも、EU圏では生産台数の少ないバイクには規制をおまけしてくれる制度があったはず、
という話を複数のブロ友さんからご提供いただきまして、
ロッシのゼッケンに由来するという46台の生産台数にはそういう意味もあるのではないかとのこと。






また、この手の限定マシンの例にもれず価格もスペシャルでして、
その正式価格は、100,000ユーロ+消費税、日本円で13,980,000円と発表されました。

マシンには夢があるのに、価格には夢も希望もありませんな(´・ω・`)ショボーン

日本からの輸入には当然ながら輸送費もかかりますし、
プレオーダーには前金として購入価格の30%+消費税が必要になり、納期は6か月とのこと。

購入にはそれなりの財力やある程度の語学力、パーツ供給に不安があっても口に出さない胆力(笑)、
最低でも公道用に別の信頼できるバイクがあること、サーキットで遊ぶ際のトランポなど、
いくらかの条件をクリアーする必要があるかもしれません。
最も必要なのは、この『狼の皮を被った狼』を手懐けられる資質なのはいうまでもないことですが。



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まだ見ぬロナックス500がどれほどの怪物なのかは想像するしかありませんが、
その片鱗を知るのにぴったりな、梨本圭氏による2002年型ワークスNSR500試乗記のご紹介を。



NSR500 - I can't そして俺は何も出来なかった。 | 『エッジで走れ!!』2002 HONDAレーサーのすべて



ちなみに、ワークスNSR500は185馬力以上(モデル末期の2000年以降は200馬力とも)、
重量はレギュレーションで131kg以上とされていた時代。

それを考えると160馬力、145kgというロナックス500がどれほどの怪物なのか、
それと対峙したことがない僕らでもある程度までは想像できそうです。






関連記事はこちら

ロッシのNSR500が46台限定で復活!? 2スト500ccのV4レーサーは公道走行可能! | 感染帝国

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これ乗ってるのローブ???
彼何でも上手やもんな。
デスモセディッチよりとっても魅力的!!

2014/6/9(月) 午後 0:30 よっし〜だ!

エッジで走れ!! は、すごく面白かったです。読み始めから、イヤらしさは微塵も感じなくて、すがすがしいです。
イヤらしい、って言う概念はうまく説明できないですけれど。
ロナックス、いいですね〜 凶暴そうなところが魅力的です。2スト、チャンバー\(^o^)/ 誰か、すごく上手な人が乗ってる動画を見たいですねー。

2014/6/9(月) 午後 8:52 フランチェスカ

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えー?!! 160馬力 で 145kg ですか。確かに怪物です。

2014/6/9(月) 午後 10:42 [ talkriver ]

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≫甲高い2ストサウンド・・その官能的なサウンドは・・

最後の動画・・・何度も何度も再生しました(*σ_σ)

胸が高鳴ってドキドキ。サイコーですネ。

2014/6/10(火) 午後 3:57 yuamin

いや〜やはり2ストは良いですね。
エキゾーストノートに胸が高鳴ります。
それにしても13,980,000円とは・・・(^_^;)

2014/6/10(火) 午後 9:10 edge

>>よっし〜だ!さん

え?と思って調べてみましたら、確かにクリソツですね…。
セバスチャン・ローブの名前は知ってても、顔はよく知りませんでした。

でも、動画でも突っ込まれてないし、
あのセバスチャン・ローブが!みたいな記事も見当たりませんね。
そっくりさんなのかなぁ…謎です(笑)。

2014/6/10(火) 午後 10:59 vyrus_empire

>>フランチェスカさん

『エッジで走れ!!』は、
雑誌『モーターサイクリスト』誌上で氏が連載していたインプレ記事のタイトルでもあります。
2000年以降に発売されたほぼすべてのスポーツバイクに、
自身のホームコースでもある茨城県のトミンモーターランドでガチ試乗、
タイムとセッティングも晒すという珍しい連載です。

梨本氏はとてもユニークな方です。
フランチェスカさんもお感じになられたように文才もピカイチですし、
確か小説も発表されてましたね。インプレも的確、業界人的な匂いもあまりなく、
二輪業界では稀有な方です。

数々の伝説も残されてまして、その一部は以下で。

http://blog.livedoor.jp/tokyospeed/archives/51277171.html
http://kei74moto.client.jp/nashijuku.html
http://kei74moto.client.jp/2010prof.htm

上記のトミンで初心者上等の講習会もやってますよ。
氏に興味がおありならいかがですか?

2014/6/10(火) 午後 11:23 vyrus_empire

>>talkriverさん

2002年のモトGP元年は2スト500cc、4スト990ccでしたからね。
それを考えるととんでもないスペックです。

日本だとさすがに認可が下りないでしょうけど、
せめてサーキット走行とか、音ぐらいは直に聴いてみたいです。

2014/6/10(火) 午後 11:25 vyrus_empire

>>ゆあみんさん

ロナックス500は、ナストロ・アズーロかハイビスカス柄に塗って、
ダイネーゼのレプリカスーツで乗るべきバイクですね。

ゆあみんさんのために、2000年にロッシが初優勝したときの動画を入れときました(笑)。
懐かしいサウンドですよね。

このバイク、ロッシ本人はどんな感想を持つかな。試乗してみて欲しいですね。

2014/6/10(火) 午後 11:29 vyrus_empire

>>edgeさん

記事の資料を集めてましたら、edgeさんのブログに辿り着きましたよ。

しかしよくもまあ、こんなバイクを今さら作ろうと思ったものだと(褒め言葉)。
スロットルを全開にしたら、
何処に飛んでいくか分からないような代物ですよね(;`ω´)ゴクリ

1,400万円はさすがに手が出ませんし、
お金を工面できても争奪戦に勝てそうもありませんが、
せめて走ってるところと2ストサウンドは聞いてみたいです。

2014/6/10(火) 午後 11:33 vyrus_empire

はじめまして、ロナックス500かっこいいですね(^O^☆♪凄く乗ってみたいですね

2014/6/11(水) 午後 4:30 [ かつちん ]

かつちんさん、はじめまして!

僕はライダーとしては遅咲きだったんで2ストはほとんど知らないんですが、
さすがにここまでやられると溜息しか出てきませんね。
日本でもインプレ記事を掲載してくれるところがあればいいんですが。

2014/6/12(木) 午前 2:41 vyrus_empire

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ロッシとかシューマッハもそうですが、乗り物の天才は何でもこなすんですよね。
ローブもKTMでサーキットやMX、トライアルまでやってるのをyoutubeで見たことがあります。

2014/6/13(金) 午前 11:57 よっし〜だ!

ほほう、それは興味深いですね。あとで調べてみましょう。

ところで、映像のライダーですが、やはりローブではなかったようです。
最新記事のPVに名前があったんですが、ロン・シェーンフェルダーなる人物でした。
調べてみても名前が出て来ないので、
少なくとも世界選手権などで走ってる人ではないのかなぁ。

ちなみに、実際の走行シーン担当はユルゲン・フックスでした。懐かしい。

2014/6/16(月) 午前 2:37 vyrus_empire


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