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第93回パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムは6月28日に決勝日を迎え、
日本から参戦したチーム未来の『韋駄天ZERO』は10分58秒861の好タイムをマーク、
改造電動バイク(Elec - Electric Modified)クラスで優勝を果たしました!

しかも、四輪を含む総合順位でも29位、二輪部門でも13位という素晴らしい走りを披露し、
転倒の影響でクラス優勝を逃した昨年の雪辱を晴らしています。



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こちらの最終リザルトは四輪も含めた総合順位表ですが、
わかりやすいように二輪部門のライダーを水色に、日本人ライダーを赤色としています。

今回、日本人は岸本ヨシヒロ氏、新井泰緒氏、渡辺正人氏の3名がエントリー、
いずれの選手も無事にパイクスピークの頂上へ辿り着いています。



今回のリザルトで注目したいのは、四輪部門でついにEVが1-2フィニッシュを成し遂げたこと。
総合1位のリース・ミレン、同2位のモンスター田嶋氏のいずれもEVということで、
ある種の時代の終焉、あるいは新たな始まりを感じ取られた方もいらっしゃるでしょう。

二輪部門のトップは、地元カリフォルニアのジェフリー・タイガート(Jeffrey Tigert)。
昨年のジェレミー・トーイに続き、AMAライダーが勝利をもぎ取りました。
CBR1000RRによるタイムは10分2秒735でコースレコードの更新はならず。

同2位は、日本のTVアニメ『機甲創世記モスピーダ』のカラーリングを再現、
ビューエルベースの変わり種バイクであるRoninを駆ったトラヴィス・ニューボールド(Travis Newbold)、
同3位にはカワサキZX-10Rのブルーノ・ラングロワ(Bruno Langlois)が入りました。



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さて、閑話休題。このあたりでチーム未来の闘いを振り返ってみましょう。



6月28日(日)PPIHC 決勝レース | 株式開始MIRAI

6/28( 日) 未来NEWS パイクス特別 動画編 第三弾 決勝後 コメント篇 | 株式会社MIRAI

6/28(日)PPIHC 決勝レース | 株式会社MIRAI

チームMIRAIがパイクスピーク2015 クラス優勝 | 未来輪業

パイクス・レースウイーク・決勝 | ZEEZOON



パイクスピークの闘いは夜明けとともにはじまります。

というのも、パイクスピークで使用するコースは山頂へ向かう有料の観光道路の一部で、
レースウィーク中といえど完全に閉鎖されるのは日曜日のみ。
各チームは午前2時には起床し、プラクティスセッションに参加しなければなりません。

そのプラクティスにしても、全長20kmというロングコースのために全体を3つに分けての走行です。






チーム未来のライバルは、唯一の同クラスマシンとなるオハイオ大学の『RW-3』。

大学系のチームはメーカー系のチームに次いで資金力が豊富で、
オハイオ大学チームはマン島TTレースの電動バイク部門でも表彰台の一角を占める強力チームです。



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また、ライダーもマン島TTレースの電動バイク部門、
その記念すべき第1回大会で優勝したロバート・バーバー(Rob Barber)という強力な布陣。

しかし、レースはいつも順風満帆とはいかないもの。

ロブ・バーバーは練習走行中のハイサイドが原因で転倒骨折、
マシンも破損し、チームはマシン修復に追われる羽目になります。

ライダーは負傷したバーバーに代わり、ジョー・プルッシアーノ(Joe Prussiano)にスイッチ。
彼はパイクスピークの450 Pro部門で3度の勝利経験を持つベテランとのこと。
チーム未来にとってはより手強いライダーの登場になりました。






修復された『RW-3』はオハイオ大学の生徒が製作したカーボンカウルに身を包み、
7.8キロワットのバッテリーパックから134馬力を発生、
平均時速76マイル(122km/h)のペースでパイクスピークを制覇できると噂されていました。






今大会でチーム未来の目標はふたつありました。ひとつは10分台のタイムでフィニッシュすること。
もうひとつはクラス優勝すること。いずれも昨年は達成できなかった大きな目標です。

チーム未来は、
4回目となるボトムセクションの走行で並み居るスーパーバイクを押しのけて4位というタイムを叩き出し、
オハイオ大学をも上回ることに成功します。

しかし、喜んでばかりもいられません。

電動バイクならではの、モーターの熱問題が浮き彫りになったのです。
予選時、岸本氏は基本的にパワーを抑えたエコモードで走行、
ここぞという場面で本来の力を発揮できるパワーモードを使う作戦でしたが、
後半の走行でモーターの負荷を抑える緊急プログラムが作動し、出力が半分に補正されてしまったのです。

決勝レースに向けて、より繊細なスロットルコントロール、
あるいは新しいマッピングのエコモードを追加する必要がありました。



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いよいよ迎えた決勝レース。

今年はレースウィーク中に雹が降るなど、
変わりやすいパイクスピークの天候に悩まされる場面もあったようですが、当日は朝から快晴。
予定から10分遅れの8時39分に岸本氏がスタートしました。






パイクスピークの闘いはタイムトライアル形式、かつ周回コースを使用しないので、
一度スタートしてしまうと無事を確認できるのはライブタイミングモニターのみとなります。

チームスタッフが固唾を呑んで見守るなか、
岸本氏はセクター1を1分59秒699、セクター2を2分25秒970でクリアーとの報が。

セクター3、3分8秒422のタイムが表示されると他チームからも驚きの声が。
この時点で二輪部門総合2位という好タイムです。

そして、セクター4の3分14秒750、総合10分58秒861のタイムが表示されるやいなや、
周囲には大きなどよめきが起こったといいます。

なんと、暫定で二輪部門1位というとんでもないタイムだったのです。



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上位クラスの走行がはじめるとさすがに順位は下がりはじめるものの、
コースレコードから約1分遅れという好タイムがそうたやすく破られるはずもなく、
『韋駄天ZERO』が叩き出した記録は総合29位、二輪全体でも13位という望外の結果をもたらしました。
オハイオ大学チームに約14秒差をつけてのクラス優勝です。



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レース終了後の17時過ぎ、パレードランを兼ねて山頂から下りてきた岸本氏を、
メカニックの山内氏と奥様が迎えます。感動の瞬間!

実はセクター2でモーターに補正がかかってしまい、
以後は全開にすることはかなわず、半分の出力で走らざるを得なかったとのこと。
それでも当初の目標だった10分台のタイムとクラス優勝を果たすことができたのは朗報でした。






『韋駄天ZERO』の勝因はチーム未来のウェブサイトでも分析されていますが、
やはり軽量コンパクトという明快なマシンコンセプトが第一にあげられるのではないでしょうか。

NSF250Rをベースにした車体は装備重量で100kg強、最大出力は明らかにされていませんが、
TT零13改を上回っているという関係者の証言を信じれば100馬力は軽く超えているはず。
パワーウェイトレシオは1に限りなく近いか、あるいは下回っているでしょう。

対してライバルの『RW-3』は134馬力とチーム未来をおそらく上回りながら、
重量はマン島TTレースの電動バイク部門で表彰台を獲得したマシンで267kgという重量級で、
まさに軽さはすべてに優先するという真理を体現する形になりました。

また、原理的にはスロットルを開けた瞬間に最大トルクを発揮する電動バイクの特性、
軽さを活かしたコーナリングスピード、
気圧によるセッティングの変化がないところも地味に美点といえますね。

昨年の同大会で伊丹孝裕氏がMVアグスタF3でマークした10分58秒580というタイムを見れば、
これらの事実はより鮮明に浮かび上がってきます。



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岸本氏は、すでに来年のマン島TTレース、電動バイク部門へのエントリーを表明しており、
参戦資格を満たすべく8月にはマンクスグランプリ(マン島TTレースのアマチュア版)を走る予定で、
早くも来年のパイクスピークも視野に入れているとか。

岸本氏の夢である『世界一のバイクを作る』という夢はまだまだ続きますが、
ひとまずは一ファンとして今回の勝利を喜びたいと思います。



おめでとう、チーム未来!
これからも彼のチームの活躍を期待しております。



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なるほど、11分弱って、昨年の伊丹選手のタイムとほぼ同じなんですかー
そした現地体制はったの3人。
未来の成績は快挙ですねー 削除

2015/7/4(土) 午後 7:45 [ talkriver ] 返信する

なるほど、そういわれてみればマシンもチームも最小構成ですね。
選択と集中とかいうアレでしょうか。
MVアグスタのタイムについてはソース元に記載があってはじめて知りました。
そう考えるとあらためて快挙だと感じますね。

2015/7/6(月) 午後 10:05 vyrus_empire 返信する

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