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正直、自分の手にあまる内容だとは思いつつも、やはり気になるのがこの話題。
かなりうんざりしながらも、タイトルの海外記事を翻訳してみました。

ブレグジットとは、英国(Britain)と退出する(Exit)を組み合わせた造語です。
この言葉は最近使われ始めたものですが、英国による欧州連合(EU)懐疑論は昔から存在しており、
英国は欧州連合に加盟しながらも独自の通貨制度であるポンドを維持、
国家統合を目指す欧州の方針からは一定の距離を置いています。

そんな英国の欧州連合(EU)離脱は、バイク業界にどのような影響を及ぼすのか?

拙ログに繰り返しご訪問いただいている奇特な諸氏は、イタ車を中心とする外国車が大好物かと思います。
特に国民投票で離脱派が勝利した英国のトライアンフやノートン、もはや死に体のMVアグスタ、
小排気量車の販売好調というボーナスステージを終えたKTM、
欧州の覇権国でありながらギリシャという不発弾を抱えるドイツのBMWモトラッド、
そして、もはやそのドイツの企業となったドゥカティなど、
海外メーカーのバイクにお乗りの諸氏は気が気ではないかもしれません。
今回の記事が、そうした皆さまの理解の助けになれば幸いです。

あ、でも、翻訳はいつもどおりいい加減なんで、そのあたりはお許しを…(*´Д`)



What Brexit Really Means for the Motorcycle Industry | Asphalt & Rubber



What Brexit Really Means for the Motorcycle Industry

ブレグジットに関する報道、とりわけ英国が欧州連合(EU)の一員であるべきかという国民投票は、
これまでの米国ではほとんど無視され続けてきたといえる。
それは確かに、我々の縮図であるところのモーターサイクル業界にとっては取るに足らないことだった。

しかしもちろん、我々が愛するこの小さな2輪の世界でさえも、
英国の欧州連合離脱は遠大な影響を及ぼすことになる。

あなたが我々のポッドキャストにおける最新の更新日時をチェックしているなら、
24日未明、わずか130万票差で離脱派が残留派に勝利したことをお伝えしたことがわかるだろう。

そこには多くの政治的な思惑が隠されているが、
それが間もなく米国にやってくる事象を予示するものかもしれないということを除けば、
過去の論争を蒸し返すことにさほど意味はないだろう。
英国の欧州連合脱退がモーターサイクリングの世界にどのような影響を及ぼすのか、
それが今、私が考察すべきことである。



The Long View(長期的な展望)

まず最初に、ブレグジットの影響は英国、欧州、そして世界経済に少しずつ作用し、
人々が考えるよりも長期間に渡って波及していくということを読者には思い出してもらう必要がある。

今日起こったことは単純で、国民投票で離脱が支持されたというだけだ。
英国は本記事の執筆時点でまだ欧州連合の一部であり、
島国が本土から分離されるまでにはまだまだ長い時間がかかるだろう。

米国人の読者に向けていえば、欧州連合は、アメリカ合衆国のように、
ひとつの憲法を通じて各州が団結しているのではないと理解する必要がある。

代わりに、欧州連合は、貿易、通貨、共同防衛などの問題において、
その一部を縛る条約や協定であるマーストリヒト条約やリスボン条約によって誕生したといえる。
が、ここでは議論の範囲外であるために扱わない。

ここで大きな要点となるのが、
英国が実際に欧州連合から離脱するまでには相当な時間がかかるということだ。
控えめに見積もっても、必要なプロセスを踏むと、離脱にはおそらく10年かかるという試算が出ている。

このことは考慮すべき重要な点である。
我々は今日のうちに多くの記事を目にするだろうし、
今後数週間で、今なにが起きているのかという短観が我々の前に提示されるだろうが、
そのすべてが、実際には取るに足りないということだからだ。



The Short View(短期的な展望)

この状況における近視眼的な理解はどういったものだろうか?
今、世界の株式市場は、ブレグジットの報道に反応している。そして、英国は欧州連合を脱退する。

本記事の執筆時点で、ダウ・ジョーンズ工業株価平均(DJIA)はおよそ3.2%の下落、
通貨市場も同様にダウンし、やはり記事の執筆時点でユーロに対しポンドが6%下落している。

しかし、これらは双方とも短期的な調整に過ぎない。

市場の効率性と信頼性。自由金融市場は、ふたつのフレームワークによって理解することができる。
通貨、株式、および債券市場の長期的な動きは市場の効率性によって支配されている。

金融市場の価格は、今日の市場に存在する景気見通しや要因を反映し、
少なくともそれを長期的に見て知覚できるという点で妥当であるとされている。

株式市場のようなものが完全な効率性を備えているという考えに立つならば、
実際の事象が起こる前に市場が反応し、ブレグジットのような変化を反映したときから、
株価指数を超えて投資する意味はないだろう。

今日の株価を見てもわかるように、こうした理屈は現実よりも教室でうまく機能する。
それは、経済学者が世界最高峰の金融地区であるウォール街ではなく大学で働く理由でもある。

これは、市場の不確実性と憶測が金融機関の行動に大きく作用するからだ。
今日の株価や通貨価格はその最たるものだろう。

現実には、今日なにかが変わったわけではない。

英国は依然として欧州連合の一部であり、なにかが起こるまでには、少なからず年月がかかるだろう。
英国経済は昨日と比べて特に弱体化したわけではないが、認識の変化と不確実性は加わったといえる。

投資家が嫌うものがひとつあるとすれば、それは不確実性であり、
今日、我々が目撃している経済情勢の変化を引き起こしているものである。
長い目で見れば、ポンドの価値はユーロに対して変動するだろうか? ほぼ確実だろう。

月に6%の切り下げが行われたとして、実際に長期の取引に影響を及ぼすだけの時間があるだろうか?
答えはノーだ。それどころか、ポンドは過去24時間で2%反発している。



Currency Exchange, A Very Sexy Topic(為替、という挑発的な話題)

貨幣価値の背後にあるドライバーは多様かつ複雑であるが、要約すれば取引と経済力ということになる。
国が輸出入に赤字を抱えていようといなかろうと、その経済が他と比較されるとき、
その通貨が他国と比較してどれだけの購買力があるかが大きく影響する。

個々のパーツがいくつかの国で過剰に生産され(そのうちの一部は英国とEUに輸出される)、
それらは組み立てのためにさらに別の国へ輸出される(英国とEUもまたここに含まれる)。
こうして完成した製品は、販売のために世界中へ出荷される(やはり英国とEUも例外ではない)。
これはモーターサイクル業界にとって、明らかに効果的な施策である。

私の同僚であるマーク・ガーディナーは、
モーターサイクル業界と通貨の関係性が生み出す効果について素晴らしい考察をしている。
彼の記事はここ(訳注 : この参考リンクも拙ログで翻訳しました)で読むことができるので、
ぜひとも目をとおしていただきたい。

彼の言葉に唯一付け加えるなら、私が前述した長期的・短期的展望の間にある微妙な差ぐらいのものだ。

英国が欧州連合離脱の意向を発表した1時間後、マークが将来の経済環境を楽観的に思い描く一方で、
私は長年に渡って英国が異常な状態にあるというのが適切ではないかという見解を持っている。

通貨がモーターサイクル業界に正しく作用するように変えるには、
業界における購買、生産、製造のサイクルに良い影響があらわれるまで、
長期間に渡って適所にとどまり続けることが求められる。



Visa Problems, And No I Don't Mean Like MasterCard(VISAに問題があっても、マスターカードというわけにはいかない)

欧州連合が英国の居住者のために作った主な利点のひとつが、欧州大陸の国境を開放したことである。
モーターサイクル業界における当面の問題は、ブレグジットに起因する人々の移動に帰着する。

影響は旅行だけにとどまらず、労働にも波及する。

英国を除外すれば、現在の欧州連合には27の国が加盟している。
その27か国のモーターサイクル業界で働く上位の英国人駐在員が数人、思い当たるふしがある。

彼らが自分の仕事を維持しておきたい場合、
これらの国外居住者は、欧州連合で発行される就労ビザを申請しなければならない。
または、当該国の帰化市民になるという選択もある。

モナコやアンドラのようなタックス・ヘイヴン(租税回避地)に住んでいる英国市民を考慮すれば、
この問題はさらに複雑になる。
スーパーバイク世界選手権やモトGPのパドックにいるライダーを片っ端からリストアップしてみよう。
これが真っ先に影響を受ける人々である。

同じことが旅行にも当てはまる。
もはや、英国の市民は気軽に欧州へ出かけていくことはできなくなる。

英国スーパーバイク選手権のカレンダーにアッセン(*1)が組み込まれていることを考えると、
モーターサイクル業界ではより大きな問題になるかもしれない。
おそらくレースがカレンダーから外されるまで、国際選手権の物流における頭痛のタネになるだろう。

スーパーバイク世界選手権やモトGPのように、
欧州を中心としたレースシリーズに参戦する英国人ライダーは今後、
税関を通過するのにいささか苦労することになるかもしれない。
が、もっと大きな問題は、ビザが再び下りるかどうかわからないということだ。

ブレグジットの発表以後、欧州連合による報復次第では、
英国から欧州連合加盟国への旅行や貿易の取り扱いは乱雑になる可能性がある。
また、英国からの就労ビザや旅行許可要件の審査はより厄介になるかもしれない。



*1 レースファンにはいうまでもなく、アッセンはオランダに位置するサーキットである



About Norway and Cutting in Line(ノルウェーという国、割り込みという行為)

ゆくゆくは英国と欧州連合で起こるであろう、とてつもない報復の連鎖の内容は不透明だ。

ブレグジットは、欧州連合非加盟国でありながら、
地理的にそれらの国々と近いという特権と利点を享受しているノルウェーの脚本に着想を得ている。

これもまた、Asphalt & Rubberの力量が及ばないところにある、新たな厄介ごとである。
しかし、英国はノルウェーほどの石油備蓄量(*2)があるわけではないし、
釣りもまた輸出できないことを指摘しておこう。

実際には、あらゆる意味で、英国のほうがノルウェーよりもEUを必要としているのである。

欧州連合にしてみれば、英国からの輸入は経済全体の1.5%に過ぎない。
それに対し、英国の経済はおよそ1/3を輸出に頼るほど活発である。
そして、その約半分ほどが欧州本土に渡っている。
考えればすぐにわかることだが、英国経済のおよそ15%は欧州市場に依拠しているのだ。

その経済の一部であるモーターサイクル業界、トライアンフやノートン、その他多数のメーカーは、
英国の全人口である6400万人(*3)よりも多くの人々が生活する市場へ頼らざるを得ない。

私はあいにく、GATTとWTOの紛争に関する研究家であり、
その歴史が懲罰目的以外で課された関税にまみれていることを知っている。
世界中のどの国でも嫌われることがひとつあるとすれば、それは列への割り込みである。

英国がEUから脱退したあとも貿易における恩恵を享受できると考えているなら、それは幻想に過ぎない。

モーターサイクル産業においては、
貿易協定が小学校の校庭で磨かれてきたような原則に支配されているため、
逆に英国から出荷されるモーターサイクルやパーツに関税が課されることを意味している。



*2 ノルウェーは漁業国で、天然ガスや油田などの資源も豊富なため、EU加盟によるメリットがない

*3 2016年、欧州連合(EU)加盟国の人口は5.08億人である



Regulators, Mount Up(立ちふさがる規制)

より巨大な報復合戦に巻き込まれていくであろうモーターサイクル業界を予測しつつも、
我々が愛する2輪の世界でより重要な課題になるのは、排ガス規制の流れがどうなるかであろう。

英国がユーロ4排出基準に対応できる体制が整うまでは欧州連合を脱退することはないだろうが、
さらに厳しいユーロ5排出基準は、おそらく英国のモーターサイクルには適用されないだろう。

どのような種類の排出ガス基準を適用、発布するかは英国次第である。
英国は必然的に欧州連合における基準となるものはなんでもコピーしようとするだろうが、
幸運はそうそう長くは続かない。

もうひとつの国内排出ガス基準に対応するために、
モーターサイクルを開発するメーカーにはさらに多くの時間とリソースといったコストがかかるわけだ。

最終的に、英国はOEMが最も厳しい国の排出要件を採用するしかないだろう。
それがグローバルモデルを構築する際のポイントだからだ。
英国には排出ガスの単位体積に及ぼす影響力があるが、それもいつかは破たんするときがやってくる。

さらに、英国が将来の自律走行車や相互接続された車両のアイデアに取り組むとき、
欧州連合から開発に必要な声が届かないという意味の懸念もある。

このテクノロジーは、ドライバーによる成功例を積み上げて均質化することが大いに必要であり、
こうした要素は欧州連合を束ねる官僚の強さに左右される部分でもある。

このシナリオでは、英国と欧州連合がそれぞれ独自路線を歩み、互換性のないシステムを作り出し、
そのために市場に混乱をもたらし、メーカーにもかなりの負担を強いることになる。



Closing Thoughts(最後に)

唯一無比であれ、孤高であれ、というのはロマンチックなアイデアだ。
それは米国の精神に深く根ざした流行語である。
しかし、人はひとりでは生きていけないという発想もまたあるわけで、
それはAsphalt & Rubberの読者をはじめとするすべての米国人が理解できることだろう。

英国は欧州連合に残留すべきであると主張する人々は、
なにかの一部に属していることがより良いという意見のもとに議論の基礎を形成し、そこで声を上げる。
対話から自分自身を除外し、他者の意思を受け入れることができる。

同じことは、モーターサイクル業界にも当てはまる。

ブレグジット以後のモーターサイクル業界における最大の障壁はエントロピーの増大につながり、
これを英国のモーターサイクリストに当てはめるとするなら、
欧州の二輪車市場において、彼らは二級市民に格下げされるということを意味する。

今は、しばし待つときだ。歩みは遅くなりそうだが、これもまた試練である。



(了)



翻訳が正確かどうかはともかく(笑)、
欧州連合(EU)はドイツとフランスの力で強引に拡大してきたという下地があり、
それだけ加盟国に貸し込んでいる資金も大きいため、いちぬーけたっ!というわけにはいきません。

そのため、ドゥカティなどは真っ先に売りに出される可能性が高くなりますが、
それを察したのか、アウディの幹部は『ドゥカティは売らない』という公式声明を出すハメに。



Audi Says “Ducati is NOT FOR SALE” | Asphalt & Rubber



あ、MVアグスタ? もう死んでるから関係n(ry
こうなったら、ドゥカティとまとめてフィアットグループで面倒見てくれませんかねえ(便乗



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お疲れ様でした♪Brexitをきっかけに二輪四輪業界にも地殻変動が起きる可能性は大きいと思いますが、各社ブランド力が強固だから、資本が変わるだけなら実感がないかもしれませんね。

ボルボのように中国資本のドゥカティ、とか・・(笑。

2016/7/12(火) 午後 9:14 DUCA6868

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中国によりかかる英国ですから、トラも中国資本になったりしてw

イタリアメーカーはもう全部FIATでいいんじゃないですかー(ホジホジ

2016/7/12(火) 午後 10:18 [ yukina_chan2002 ]

予想だにしない方向からの円高でビックリしましたが、基本的にユーロの旗振り役はドイツなんでイギリス以外のメーカーにはチャンスなのかも…ユーロ側の制裁みたいなの有ると思うし、各国がイギリスとの交流が難しくなりますもんね。
たぶん、離脱はしないとおもいます。

2016/7/13(水) 午前 11:35 [ Iwa ]

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翻訳ありがとうございます。

「拙ログに繰り返しご訪問いただいている奇特な諸氏は、イタ車を中心とする外国車が大好物かと思います。」

笑いました。そのとおりですね。

MVアグスタの引き受け先がいまだわからないので、まとめて引き取ってほしいです。

2016/7/13(水) 午後 8:26 [ - ]

>>DUCA6868さん

今後の動きは予測がつきませんね。勢力図がまったく塗り替わる可能性もあるし、
案外なにも変わらないかもしれないし。

ベネリなんてすでに中国資本ですからね。
ドゥカティも故郷イタリアに帰ってきてほしいものです。

2016/7/14(木) 午後 10:34 vyrus_empire

>>yukina_chan2002さん

中国に寄りかかってるのはドイツやフランスもですけどね。
対外債務返済のためのドルが不足しているという点では、
欧州連合も中国も同じ爆弾を抱えてますから。
中国がドルを揃えてくれないと破たんするってんで、AIIBに揃って参加してるわけで。

ちなみに、元記事からリンクしてあるマーク・ガーディナー氏のブログによると、
トライアンフはすでに2/3がタイで生産されているそうで。
やっばり、次世代の主役はインドネシアを中心としたASEANですね。

2016/7/14(木) 午後 10:42 vyrus_empire

>>Iwaさん

そもそも離脱するつもりなんてなさそうですもんね。
離脱派を主導した政治家は公約破って即辞任、
議会は2度目の国民投票について9月に議論するなんていってるし(笑)。

離脱をチラつかせて譲歩を引き出す算段でもあったのか、
国民投票の結果に一番慌ててるのは英国だったりして。

2016/7/14(木) 午後 10:48 vyrus_empire

>>motoiさん

真面目な話、同郷のフィアットグループで引き取ってくれれば一番いいんじゃないかと。
MVアグスタはどうなるのかわかりませんが、
あの会社は、こういう修羅場を何度も経験してますからね(笑)。
早く片付いてくれるといいんですが。

2016/7/14(木) 午後 10:52 vyrus_empire


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