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昨年は連日の降雨でコースが水浸しになるという不運に見舞われ、
聖地ボンネビルでの走行を断念した『EV-01』ですが、すでに今年後半の本番走行を目指し、
飛騨エアパークでの試走や風洞実験により仕様が煮詰められているとのこと。
また、今月末には、日本自動車研究所(JARI)の高速周回試験路にて試走が予定されています。

フロントサスはもちろん、リアサスのないリジット仕様の上に超ロングホイールベースの『EV-01』が、
全長5,500m、最大パンク角45°という未知のコースでどんな挙動を見せるのか。

とはいえ、今年2月に公開されたプロモーション映像のように、
『技術を、さらに超えていく』という信念は、必ずや道を拓いてくれることでしょう。






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今夏にも生産が開始されるというCBR250RR(仮)、そのヘッドライトの意匠特許が明らかにされました。

現時点ではあくまでも噂レベル、確定情報ではないのですが、
その攻撃的なデザインは例の『ライトウェイトスーパースポーツコンセプト』そのもの。

これだけでも、先行するライバルであるNinja 250R、
YZF-R25などを超えようというホンダの意気込みが伝わってくるようです。



Honda Headlight Patent Hints at Upcoming CBR250RR | Motorcycle.com



Honda Headlight Patent Hints at Upcoming CBR250RR

ホンダは、昨年10月の東京モーターショーで展示された『Light Weight Super Sports Concept』によく似た、
攻撃的な風貌のヘッドライトを特許出願した。
このコンセプトは関係筋の間で新型CBR250RRになると囁かれており、
ホンダの次世代ライトウェイトスポーツモデルの方向性を打ち出しているとされる。
このヘッドライトに関する意匠特許は欧州連合知的財産庁(EUIPO)に出願され、
CBR250RRが間もなく発表される前ぶれかもしれない。



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コンセプトモデルを見れば一目瞭然だが、意匠特許では、
折り重なるような傾斜がついた3連ライトが一組、その上に角度がついた一対の薄型ライトがある。



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コンセプトモデルは2つの薄いスリットからLEDが覗く形なのだが、
意匠登録されたものはこれよりかなり大きく、とはいえ多くのライトと比べればまだ相当に薄い。
そのデザインはコンセプトバイクに近く、これが市販モデルのヘッドライトユニットになるかもしれない。

出願書類には、設計者としてTakeshi Futamata(二俣健士)と、
Hirofumi Yaegashi(八重樫裕郁)の名前が記載されている。
二俣氏はデザイナーとして『CB650F』や『CB500F』といった一連の作品における意匠特許を手がけ、
八重樫氏はEVコンセプト『RC-E』の設計に携わっている。
その経歴から、2人のデザイナーが新型ライトウェイトスポーツ開発の任を負ったとしても驚きはない。

当然ながら、ヘッドライトの意匠特許は噂のCBR250RRのものではなく、
まったく別のバイクのものという可能性も捨て切れない。
しかし、ヘッドライトの攻撃的なデザインは、コンセプトとの一致を示唆している。

ちなみに、ホンダがヘッドライトの意匠特許を出願したのと同じ日、
これとは別の意匠特許が2つ出願されている。
残念ながら、ホンダはこれら2つの特許の公表を延期することにしたようだが、
少なくともそのうちのひとつが、このヘッドライトを使用したバイクに使われるのは確実だろう。



(了)



デザインが洗練されてカッコ良くなったと話題の兄貴分、
CBR400Rのフロントフェイスから『いつものCBR顔』が予想されていたCBR250RR(仮)ですが、
例のコンセプトを可能な限り忠実に再現しようというこだわりに少々驚かされます。

満を持して投入したアフリカツインも好調とのことで、
社長交代人事以降、品質やデザインの面で本来の力を取り戻しつつあるのが頼もしいですね。

実際のフェイスラインは実車を見てみないことにはなんともいえませんが、
全体のパッケージングも含め、かなり期待しても良さそうです。



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車線変更におけるミラーと目視による確認は、乗っているのがクルマかバイクかを問わず、
事故を未然に防ぐための基本ですよね。
特に、ちょっとした接触でも重大事故につながりかねないバイクはなおさらです。

ホンダは、自社の四輪部門で『ブラインドスポットインフォメーション』と呼ばれる技術をバイクに転用、
ライダーに注意を促すインジケーターやバイブレーション機能を活用し、
車線変更や転回時の危険をできるだけ少なくする機能の特許を出願したとのことです。



Honda Patents Blind Spot Monitors for Motorcycles | Motorcycle.com



Honda Patents Blind Spot Monitors for Motorcycles

ホンダは、ライダーに車などの車両が接近しつつあることを知らせる警告システムの特許を出願した。
このシステムは、他の車両などの対象物を検出するカメラとミリ波レーダーを組み合わせ、
ライダーがその方向へ車線変更しようとした場合に、視覚と触覚に警告を発するものだ。

センサーはバイクの周囲360°を常にスキャンしており、車両や歩行者、その他障害物の接近を検出する。
ライダーが車線変更、あるいは障害物と同じ方向へ転回するためにウィンカーを操作しようとすると、
ウィンカースイッチに抵抗がかかる感触でライダーに危険を知らせる。



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特許は、バイクを基準に、障害物がどこにあるのかを視覚的に表示する機能を備えている。
インジケーターはバイクのインストゥルメントパネルに組み込まれるか、
別体式デバイスとしてトップブリッジ上に取り付けられる。



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特許はまた、複数の小さなモーターを振動(スマートフォンのバイブレーション機能のようなもの)させ、
ライダーに危険の接近を知らせるようになっている。
図中では破線で囲まれたハンドルバーグリップ、ステップ、シートクッション、
燃料タンクのニーグリップ部に取り付け可能だ。
これらのモーターは、検出された物体がある方向に小さな振動を発生させることができる。

ホンダは特許図にVTR1200Fを使用しているが、もちろん他のモデルにも適合するだろう。



(了)






今回の記事翻訳中に思い出したのが、
2013年の東京モーターサイクルショーでモトコルセのブースに置かれていた『1199C』でした。

当時の該当車両には『電子ミラー』なるカメラ内蔵型のミラーが装着されてまして、
死角から接近する車両がある場合に警告を発するブラインドスポットインフォメーション機能のほか、
ドライビングレコーダーやナビゲーションシステムを内蔵するプランもあったようです。
いわゆるスマートミラー、アクティブセーフティへの取り組みですね。

すでにヤマハやBMWはスマートヘルメットを開発中ですし、
これにホンダを加えた3社はC-ITS(協調型高度道路交通システム)の分野における協働を発表するなど、
バイクの安全性向上へ連携して取り組んでいます。

近年は、手強さが魅力とされるスポーツバイクも電子制御技術のおかげで格段に乗りやすくなってますし、
バイクも今後は白物家電的な側面がますます強くなるのかもしれません。



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今年も例年どおり開催された東京モーターサイクルショー2016において、
全面新設計となったTEAM無限のEVレーサー『神電 伍(Shinden Go)』が発表されました。



2016年マン島TTレース 参戦車両発表 | 無限



詳細は公式プレスリリースにありますが、動力系を一新してバッテリー容量とモーター出力を向上、
それらに合わせて冷却性能を高めているそうです。
カーボンモノコックフレームも新設計され、すでにガソリン車と同様にマスの集中化、
前後の重量配分、運動性能の向上などを考えなければならない次元に突入しているようです。

フルカウリングのために内部構造は公開されていませんが、
ガソリン車ならエンジンや燃料タンクが収まる部分がバッテリーに占拠され、
モーターがリアタイヤに当たる寸前まで低く、後方に搭載されているのが見て取れます。
これを避けるためかスイングアームは大きく湾曲し、
リアサスペンションは『クロスリンクロッカー式』なる新方式を採用しているとのこと。



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アッパーカウル中央にはエアダクトが確認できます。バッテリーやモーターの冷却用でしょうか。



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この角度からは、かろうじてリアサスペンションが確認できます。相当寝てますね。
シートカウルは最近のトレンドか、YZF-R1や1199パニガーレのようなエアフローを考慮した形状に。

発表された主要諸元を見る限り、最大出力は『四』の149.6psから、13.6psアップの163.2psへ。
車重は250kgのままですが、これは『參』から変化がありませんので、
おそらく正確な数字ではないんでしょう。相当軽くなっているのは間違いありません。

その他の興味深い点としては、トルクが220Nmから210Nmへ、
シート高が790mmから810mmへ変更されています。






こちらは、英国MCNが昨年11月に公開した、2015年型『神電 四(Shinden Yon)』の試乗映像。
独特の高周波音とともにスルスルと加速していく様子は圧巻です。



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現状、ライバルとなる存在がいないので、3連覇はかなり固いでしょう。
モトシズやブラモ、チーム未来など、無限を脅かすような勢力の台頭を期待したいところです。



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単に倒産したという事実を報道したソースなら巷にいくらでも転がっているんですが、
依然として公式リリースすらない異常な状況はMVアグスタらしいというかなんというか(笑)。

そんな折、いつも記事を引用しているAsphalt & Rubberでは、
今回の騒動を、過去の紆余曲折も含めて味のある表現で綴っておりましたので、
例によってこれを翻訳してみました。

なんとなくニュースサイトという体裁をとっている拙ログですが、
陳腐化しない記事というのをひとつの目標としており、その一環として意義があればと考えた次第です。

今現在の状況とは異なる部分もあるはずですし、
経済・金融関係の用語と概念が正確に訳せているのか不安ですが、賢明な諸氏は各自補完してくださいまし。



The Precarious State of MV Agusta | Asphalt & Rubber



The Precarious State of MV Agusta

モーターサイクルカンパニーとしてのMVアグスタは、特に財政上の見通しに懸念がある場合、
本質的な基礎の脆さを常に露呈していたように見える。
MVアグスタは破産を回避するべく、債務を再編する意向を示している。

この件に関する興味深い警句は、
イタリアを代表する会社の所有者がこの12年間の間に4度も代わっていることだ。
MVアグスタの負債はその資産と持ち株を上回ることがあったが、
そのうちの2度は形ばかりのユーロで買い戻されている。

MVアグスタは今、バランスシート上に4000万ユーロ(約50億円)の負債を抱えている。
要職に就いていないすべてのスタッフが一時解雇されており、ヴァレーゼの生産ラインは停止したままだ。

MVアグスタにとってはいつもの話のように思えるだろうが、状況ははるかに複雑であり、
同社の販売力を問題にするのは適切ではない。
実のところ、MVアグスタの事業は大きく成長しているのだ。その原因は、現在の金融情勢にある。

直感に反する概念のように聞こえるかもしれないが、鶏が先か、卵が先かという文脈を理解できるなら、
今のMVアグスタが陥っている状況も理解できるはずだ。

こうした難局はビジネスの世界では珍しいものではない。
しかしながら、MVアグスタの将来が不安定だという事実に変わりはないだろう。



Of Chickens and Eggs (鶏が先か、卵が先か)

MVアグスタが抱える金融危機の中心的な問題は、
イタリアのメーカーがその債務を完済することができないということだ。

MVアグスタには現金の持ち合わせがないため、その債務を完済することができない。
カネを生み出すためには、さらなる資金調達が不可欠だ。

だが、MVアグスタはすでに多額の現金を債権者から借り受けているため、これ以上の資金調達は難しい。
パートナーであるAMGの所有する株式の希釈化につながるため、
別の投資家から広く出資を募ることもできない。

MVアグスタにとってのAMGは、到底希釈化できるポジションではない。
対処しなければならない問題を増やすことにもなりかねない。
すなわち、MVアグスタはただちに債務の大部分を返済しなければならないということだ。



A Problem Long in Creation (企業創出における長期的課題)

MVアグスタが陥っている状況を理解するには、
同社がハーレー・ダビッドソンに売却されたときまで時間をさかのぼる必要がある。

バー&シールドのロゴを持つブランドは、MVアグスタを手に入れるためにありとあらゆることをやった。
その行為は称賛に値するほどだ。

ハーレー・ダビッドソンはMVアグスタが抱える債務を帳消しにし、ヴァレーゼの施設を近代化し、
3気筒マシンをラインナップに加えるためのR&D部門の勘定を受け持った。

ハーレーはさらにMVアグスタの財政を健全化した。
当時のどさくさのために詳細はわからないが、およそ2000万ユーロ(25億円)もの大枚を叩いたという。

この25億円という数字は、MVアグスタの運営予算の12ヶ月分をカバーするものだった。
それがハーレーによる寛大な処置であった一方で、
掲げられた達成目標に込められている数字のあやについて思慮をめぐらすことができる。

非常に大雑把な数字ではあるが、欧州で新しいモーターサイクルの製造会社を興すには、
およそ1億ユーロ(126億円)が必要になるとのことだ。



Cash is King (現金の持つ影響力)

MVアグスタは米国の巨大企業に買収されていた時代より遥かにマシなポジションを手にしたが、
同社が抱える根源的な問題は、その来歴に由来するものであるといえる。
イタリアのブランドは、成し遂げなければならなかった仕事に反して資本が極めて不足していたからだ。

時期的な問題もあって、MVアグスタは部分的に資本が不足していた。
2010年、米国および欧州の両方において、良好な信用履歴を持つ借り手が多数いたため、
機関投資家資金へのアクセスは事実上存在しなかった。

特にカスティリオーニの管理下、金融不安の申し子だったMVアグスタのような企業についていえば、
同社の将来のために主要な貸し手から資金を調達するアイデアは、
ウォール街の金融関係者が午後のスカッシュゲームでやり取りするジョークのようなものだった。

しかし、カスティリオーニのそうした創意工夫を称賛するならば、
MVアグスタはAMGとの契約を成立させ、戦略的パートナーとしてだけではなく、
モーターサイクルブランドの少数投資家をも手にすることに成功したといえる。

AMGはMVアグスタの株式の25%を取得しただけでなく、
直接の資金注入(噂では2000万ユーロ(25億円)ともいわれている)をもたらした。
しかしより重要なのは、ドイツの企業がAMGブランドの威厳を放ち、
これに不本意な資本家の抵抗をやわらげたことだ。

AMGの関わりによって、銀行の視点におけるMVアグスタの仮想クレジットスコアは上昇した。
それはそれとして、ポポラーレ・ディ・ミラノ銀行(BPM)と対話の扉を開き、
1500万ユーロ(19億円)の融資を受けられたわけだ。

その後、MVアグスタは4000万ユーロ(50億円)の現金を手にすることになり、
サプライヤーに2500万ユーロ(30億円)の債務を支払った。



You Have to Spend Money to Make Money (利益を生むための投資)

経営学修士(MBA)を考慮したとしても、これは複雑な金の問題だ。
結局のところ、まだ芽を出したばかりの、
輝かしい成長が約束された企業にはどんな金の問題がついて回るのだろうか?
これは直感でわかるようなものではない。
いくつかの理解を得るために、これらの要素を煮詰めていくことにしよう。

最初に理解すべきは、MVアグスタのような企業は、モーターサイクルの製造に現金を費やし、
それを販売して売上を回収するまでに12ヶ月から18ヶ月の時間差があるということだ。

十分な資金力があるか、あるいは名の知れた老舗企業でもない限り、
企業は売掛金の回収に期待して借りた金でパーツを購入し、従業員の賃金を支払っていることになる。
欧州のモーターサイクルメーカーにしてみれば、あなたがいつもそうしているように、
サプライヤーからクレジットでパーツを購入するのと同じだ。

クレジットカードと同じで、利用限度額に達してしまえば、もはやそのカードは使えない。
そして、手持ちのクレジットカードすべてが限度額に達してしまえば、別のカードが発行されることもない。
少なくとも、それがいかなる妥当な利率でも、だ。

つまり、これがMVアグスタの陥っている状況である。
MVアグスタは銀行のクレジットカードを限度額いっぱいまで引き出してしまい、
サプライヤーから発行されたカードも同様に使い果たした。
信用供与を再び受けたければ、MVアグスタは債務を即金で支払う必要があるわけだ。

企業が債務を引き受ける場合、通常は返済計画を考慮するものだ。
あなたが契約しているクレジットカード会社が支払い明細に記載している"最低返済額"と同じである。
最低返済額は、あなたがクレジットカード会社からいくら借りているかに基づいて決定され、
定義上、過去の購入履歴もベースにしている。

あなたが賢明な人間なら、以前の支払い履歴を考慮しながら将来なにを買うか考えるはずだ。
すなわち、あなたが食料品やらなんやらで来月に500ドルを支払うことになると知っていれば、
今月の支払いは現金で済ませて、クレジット枠を来月の支払いに回そうとするだろう。

厄介なのは、支払額が返済額を上回るような場合である。
つまり、あなたは今月、食料品の購入に500ドルを支払ったが、
来月、自宅へゲストを招くようなことがあれば、支払額は1,000ドルを超えるかもしれない。

MVアグスタの場合は、貸し手に返済された金額より高い金利の出費があり、
担保権のついていないクレジットライン(信用与信枠)を維持するには不十分だった。
時間には限りがある。収益をあげるまでには12ヶ月から18ヶ月の遅れが生じることを思い出してほしい。

これは、キャッシュフローの問題と呼ばれている。ビジネスの問題に関する限りは、
ほかにもっと酷いケースもあるだろう(あなたが利益を生むために投資をしているなら特に)。
もちろん、MVアグスタの投資家名簿にあなたの名前がなければの話ではあるが。



The Poison Pill (毒薬条項)

イタリアの銀行から1500万ユーロの融資を受けた話を覚えているだろうか?
実は、これには裏があった。

SACE(イタリア外国貿易保険株式会社)およびBPMとの取引における特約条項のひとつは、
AMGは少なくともその20%を所有する株主としてMVアグスタに留まらなければならないというものだった。
そうでなければ、銀行側はただちに融資の返還を要求できたのだ。

この特約条項は、これらの銀行がMVアグスタにおけるAMGの役割をどれほど評価したかという証左だが、
同時にMVアグスタが直面している苦境の決定的要因でもあり、
ジョバンニ・カスティリオーニは進退窮まっている。

AMGがMVアグスタとの関係を清算するということは、会社の解体をも意味するからだ。



The Rock and the Hard Place (進退窮まる)

キャッシュフローの問題は、一般的にブリッジローン(短期融資)で解決される。
貸し手は、あなたが今必要としている金と今後稼ぐ予定の金とのギャップを"橋渡しする"わけだ。

特に、あなたの企業の売上高が急上昇しているならば、ブリッジローンで融資を受けるのはかなり簡単だ。
結局のところ、売上高の急成長はなによりも雄弁ということだ。

ただし、あなたの会社が破たん寸前で、所有者が次々と交代し、
財務諸表に巨額の負債を抱えているのであれば、ブリッジローンの融資交渉は厳しいものになる。

またクレジットカードの例を持ち出すなら、あなたが別のカード会社にカードを申請しているとき、
限度額まで使い果たしたカードで財布があふれているようなものだ。あり得ない話である。

しかしながら、次なる手がないわけでもない。出資者を通じて融資を受ける道である。
資本注入と引き換えに、別の企業に所有権の一部を移譲するものだ。

MVアグスタの場合、50億円近い債務の帳消しと引き換えに、
株式投資家はモーターサイクルカンパニーが所有する株式の45%の取得を求めているとされる。

より現実的なのは、出資者が会社をコントロールするために株式の51%以上を取得し、
彼らの投資を保護する目的でその取引を価値に見合ったものにすることだ。

まず、この手の買収における最も基本的な次元の話として、
MVアグスタにおけるAMGのポジションは、20%以下のしきい値に希釈化されることを意味している。

実際に、MVアグスタに投資された金がどれほど意義のあるものだったとしても、
AMGの持ち株が20%以下になるようなことがあれば、記事の前半部で言及したとおり、
MVアグスタにさらなる問題を引き起こし、雪崩を打ったように財務上の危機を誘発する懸念がある。
イタリアのモーターサイクルカンパニーは、その種の余剰資金を一切持ち合わせていない。

すべての仕上げとして、ジョバンニ・カスティリオーニは会社の経営権を失うことになるだろう。

35歳の最高経営責任者(CEO)が文字どおりMVアグスタとともに育ち、
ブランドとジョバンニの亡き父、クラウディオと深いつながりがあることを忘れるべきではない。

カスティリオーニ家にとって、これはビジネスと同じように彼らの信念の問題でもあるからだ。



Show Me the Money (カネを見せろ)

AMGはイタリア企業を救済することにさほど熱心ではなく、カスティリオーニもまた、
この取引を実現させるためにMVアグスタの経営権を手放す気はないと噂されている。

一般的な認識の観点からいえば、AMGはMVアグスタにおけるポジションを放棄し、
モーターサイクルブランドを救うための手段をなんら講じていない。
AMGがこのままMVアグスタに留まったとしても、
MVアグスタの経営基盤が不安定なままなのはいうまでもないだろう。

加えて、このようなシナリオでは、
取引で現金を手に入れるのはAMGで(おそらくAMGが投資した3000万ユーロ(38億円)より少ない)、
MVアグスタではない。

再建計画の詳細が明かされなかったにも関わらず、MVアグスタは債務を再編する意向を発表した。
現実的に考えて、債務の再編は、AMGを含む関係者の利益を考えたとき、
MVアグスタにとって唯一の解決策といえるからだ。

MVアグスタは、従業員組合、パーツサプライヤー、そして出資者たちと協力し、
債務の再編計画を構築し、単にその生産スケジュールに沿うだけではなく、
開発およびブランドの長期的な成長を目標に掲げることで、
会社自身とその債権者のために財政的に健全な環境を確保することを望んでいる。

それをどのように成し遂げるのか、はっきりしたことは誰にもわからない。
ひとつだけはっきりしているのは、それを成そうと試みるべきだということだ。
この問題に関わる当事者ひとりひとりが意識を変えていく必要がある。
これもまた、鶏が先か、卵が先かということだ。



(了)



MVアグスタといえば、ソース元記事にもあるとおり、
先代クラウディオ氏のアクロバティックな経営再建策(笑)も語り草ですが、
現CEOのジョバンニ氏は影響力の低下を懸念しているのか、身売りには難色を示しているようです。

今にして思えば、今季の世界選手権に参戦しているレーサーからはAMGのロゴが消えていたので、
その時点で今回の事態は予測できたはずなんですよね。

ただ、これもソース元記事で指摘されているとおり、昨年は+30%という高い成長率を記録し、
経営は盤石とはいえないまでも、2000年代のような明日をも知れぬ身とは無縁だと想像していたので、
またかと思った反面、意外でもあったというのが正直なところです。

MVアグスタのことですから、どこに身売りすることになってもまたしれっと復活するんでしょうが、
今やどんなエキゾチックメーカーでも大資本を背景にしないと食っていけない時代ですから、
より大きなグループに再編されるのが幸せなんでしょうね。

さもなくば、CR&Sのように、
小規模メーカーのメリットを生かしたワンオフモデルに特化するのもひとつの手かなと。



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