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俺は今、幼女に押し倒されている・・・・・・。正確に言えば幼女じゃなくて妖怪だけど。しかも押し倒されているのではなく、食べられそうになっているんだけど。
というか、なんで俺が妖怪なの?少年漫画でよくある選ばれし者みたいな何かなの?ありえへんやん。
「まあ、食べられそうだからいっか〜。いただきま〜す」
あ、妖怪だろうとなんだろうと食べちゃうのね。じゃあさっきの助かるみたいな下りなんだったんだよ!思わせぶりかよ!
ルーミアの小さな牙が俺の背中に突き刺さろうとした、その時、
ビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウン
とてつもなく速い何かが、俺たちのすぐ上を飛んで行った。そしてその風圧で俺たちは2メートルほど吹き飛ばされた。その衝撃でルーミアから解放された俺はここぞとばかりに逃げ出した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!俺は生き抜く!生き抜いて見せるぞおおおおおおおおおお!」
というわけのわからないことを叫びながら、俺は森の中を全力疾走した・・・・・・。
どこまで走っただろうか。気が付くとそこにはばかでかい館がそびえ立っていた。
もしかしてここは紅魔館だったりするのか?吸血鬼が住んでたりメイドが時を止めてたり魔法使いが引きこもってたり門番がシエスタをしているあの紅魔館なのか?
とか思っていたら目の前で門番が案の定眠っていた。とりあえず、事情を説明してここで休憩させてもらおうかな。
「あの、すみません。門番さん?」
俺が話しかけると門番がビクッ起きてあわてたように言った。
「あ、は、はい。門番の紅 美鈴【ほん めいりん】です!今まで決して寝てたわけではありませんよ!はい!」
なんてわかりやすい門番なんだろうか。
とりあえず、事情を説明する。
「はあ、なるほど。ちょっとお嬢様に聞いてみますね」
美鈴がそう言って館に戻って数分後、美鈴と一緒に銀髪のメイドらしき人が現れた。
「初めまして。十六夜 咲夜【いざよい さくや】と申します。貴方のお話は美鈴から聞きました。お嬢様から伝言をお預かりしたのでお伝えしたいと思います」
俺は息をのんだ。この答えによって俺の運命は決まる。相手は普通の人間じゃとてもかなわないほど強いのだ。機嫌を損ねれば殺されてもおかしくない。
「今日一日、泊まることを許す、だそうです。どうぞ、お上がりください」
「あ、ありがとうございます!」
相手の答えは俺にとってありがたいものだった。俺は意気揚々と紅魔館に入っていった。
しかし、俺はとんでもないことを忘れていた。 @続く
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【幻想入り】俺と悪友が幻想入り
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何も知らずにルーミアに向かっていく根越。もういっそそのままルーミアにいただきますされればこちらとしてはありがたい。俺は遠いところからルーミアと根越のいきさつを凝視していた。
根越はルーミアに何事か話しかけていたが、しばらくするとルーミアからもわもわと黒いもやのようなものが出てきた。これが、ルーミアの能力、闇を操る程度の能力だ。これを使った時が捕食の合図だと俺は勝手に判断している。
すると根越しが一目散にこちらに駆けてきた。ボルトもびっくりの逃げ足の速さだ。あっという間に俺の横をすり抜け、森の彼方へと消えてしまった。
そしてルーミアがその後を追ってこちらに来ている。
あれ?これってまずくないか?下手するとここでゲームオーバーじゃないか、これ?
「ん?別の人間の匂いがする。さっきの人は逃げ足速かったけど、こっちの人間は食べられるかも〜」
闇の中から声が聞こえる。これはまずい。このままでは食べられてしまう。あ、でもルーミアに食べられるなら本望かも・・・・・・。いやいやいや!俺は幻想郷に来たら俺の嫁と結婚すると前々から決めていたんだ。絶対にここで死ぬわけにはいかない!
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
俺は全速力で森の中を駆け抜けた。だが、帰宅部所属の俺の体力なんてたかが知れている。追いつかれて食べられるのが落ちだ。
「ああ、待って〜」
さっきよりも声が近い。どうやら俺とルーミアの差はどんどん縮まっているようだ。このままでは・・・・・・確実に死ぬ。
このまま逃げてもだめだが、かといって妖怪相手に戦うなんてもっと危険だ。何よりもルーミアを傷つけたくない。
俺は必死に考えた。ルーミアを傷つけずにこの場を打開する方法を・・・・・・。
ルーミアは暗闇の中では自分も見えない。闇を張っても俺を追いかけてこれるのはおそらく匂いと音を辿っているから。つまりは匂いと音をどうにか誤魔化しさえすれば何とか逃げ切れるはず・・・・・・。
それにしてもリュックが重い。学校帰りにこっちに飛ばされてきたのだから仕方ないが、こんなときに時に制服にリュックは邪魔になるだけだ。
この中にはろくなものも入っていない。俺は走りながら肩からリュックを降ろした。
すると、
「あたっ!」
後ろから声が聞こえた。ルーミアが俺が降ろしたリュックに躓いたのだ。
「危ない!」
俺はとっさにルーミアが転ぶのを支えようとした。これで幻想入りあるあるの一つ恋愛フラグを立てることができる!
が、現実はそう甘くはなかった。俺も木の根っこに躓いたのだ。
「あべしっ!」
俺が転んだ直後にルーミアがその上に重なるようにして転んできた。
「ぐへぇ」
転んだ拍子に闇が解けたらしく、俺の目の前が真っ暗になることはなかった。
幼女なのでそこまで重くはなかったが、さすがに痛かった。それと同時にルーミアに触れられることができたことに猛烈に感動し、頭が真っ白になっていた。
「はあ、やっと捕まえたぁ」
ルーミアの声が間近に聞こえる。やばい、超かわいい。走っていて荒かった自分の息がさらに荒くなっていくのが分かった。
「じゃあ、このままいただきま〜す」
ああ、俺はルーミアに背中をかぶりつかれてこの短い生涯を終えるのか。人生悪いことばかりであったが、ハッピーエンドで終えられるようで本当に良かった。嫁よ、貴方以外の生き物に殺されて死ぬことを許してくれ・・・・・・。
しかし、ルーミアの歯が俺の背中に触れたと思ったら。そのまま口を離してしまった。
「あれ?人間の匂いはするけど妖気がある・・・・・・。もしかして貴方妖怪なのか?」
え、どういうこと?昔そういう妄想したことあるけど、中二病って幻想郷では現実になったりするの?
@続く
あとがき
HAHAHA☆ なんか予定したストーリーと全然違う動きになりそうだぜぇ!
どうもこんにちは。そこちょ。です。
なんか知らないけれど、主人公に能力があるっぽいことが判明しました。本当は根越君に活躍してもらってルーミアを追っ払ってもらう予定だったんですが、そんなことしたら後悔で自分で自分を殴り続ける羽目になるのでどうにかしようと思ったらこうなりましたとさ。めでたしめでたし(全然めでたくない)。
まあ、こんな感じで即興で物語を書いていくのが僕の小説(苦笑)ですので暖かい目で見守っていただけると嬉しいです。計画なんてなかった。
なので次に更新するまでに主人公の正体と能力を考えておかないといけませんね。
でも主人公が普通の中学三年生であることはぶれさせたくないので、まあ、妖気を放つ程度の能力とかそんなあたりでいいでしょ(適当)。
では、次回がどうなるかお楽しみに?
ご愛読ありがとうございました。
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何でこいつがこんなところにいるんだ。いや、まてよ・・・・・・。こいつが妖怪だとしたらおかしくはない。
そうか、こいつは元々幻想郷の妖怪で人間に嫌がらせをするために人間のふりをして俺たちの世界に来たってわけか。人の不快感を食料にしているんだな、こいつは!
俺の頭の中で今までの根越の行動が駆け巡った。そういう理由だとすればすべて納得がいく。
「やっぱりお前は妖怪だったか。俺が幻想郷に来たのがお前の運のツキだったな」
「はあ?」
そういって根越は怪訝そうな顔をした。
「しらばっくれるな!お前が幻想郷の妖怪だってんのは、もうとっくにバレてるんだよ!天地に代わって俺が成敗してくれるわ!」
そう言って俺は根越めがけて殴りかかった。
しかし、根越は俺の拳をするりと抜けて、俺の後ろに回り込んだ。
そして背中にとてつもない衝撃を感じた。その衝撃で俺は勢いよく倒れこんでいた。
「ああ、久しぶりにやったけどドロップキックは決まると気持ちいいな」
こうして俺の妖怪退治はあえなく失敗に終わった。
「んで、妖怪とか幻想郷とかなんなのさ。僕は虫取りに来ただけなのに」
「受験生にもなって虫取りかよ」
俺は地面にひれ伏しながら言ってやった。
「自由研究の為だよ。なに、蝶と毒蛾の鱗粉を比べるだけだからさ。終わったら毒蛾を君の家のポストに入れようかなって考えてたとこだけど」
「おいやめろ」
自由研究でも俺への悪戯を怠らないとはなんて邪なやつ。
「でも、ここがどこだがよく分からなくなっちゃってね。この森は何度も来ていて、歩く道とかはわかってるんだけど、いつもの道を歩いてて見覚えのない場所に来ちゃったんだよね。そんで途方に暮れてたら君に会ったってわけ」
なるほど。じゃあこいつもここがどこだか知らないのか。これは幻想入りの線が強いかもしれないな。ただ、よりによってこいつと幻想入りするのってのがな・・・・・・。
「なるほどな。よっこらせっと」
そう言って俺は立ち上がり伸びをした。
「いてっ!」
どうやら背中に受けた衝撃が相当なものだったようだ。背中を動かすと痛みが走る。
「自業自得だね」
根越が冷やかに言った。
「おや、丁度いいところに人がいる。その人に道を聞いてくるか」
根越が誰かを見つけたらしくそちらに駆けていった。
根越が駆けていった先を見据えると人影が見える。どうやら女の子のようで黒のスカートで金色に輝く髪にちょこんと真っ赤なリボンをつけていた。
その子は紛れもなく幻想入りで最も身近にして最大の死亡フラグ、宵闇の妖怪、ルーミアであった。
俺は幻想入りを確信したと同時に自分の未来が途絶えたことも確信した。
続く@
あとがき
どうも、作者のそこちょ。です。
毎度毎度こんな支離滅裂とした文章を読んでいただきありがとうございます。
まあ、今回のお話でやっと東方のキャラが登場しました。正直登場するタイミングがつかめなかったのでここで出せてよかったです(汗)
そして根越君の必殺技がドロップキックに決定しました。やったね!
では、今回はこの辺で。
ご愛読ありがとうございました。
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いつもと変わらない退屈な学校がようやく終わり、俺は一目散に家へと向かった。
家に着いた瞬間から俺は自由を手に入れることができる。両親は共働きで遅くまで帰ってこないからとやかく言われる心配もない。
学校では授業は退屈だわ、休み時間は根越にラノベ読むのを邪魔されるわで散々だったが、これからパソコンを開けると思うとそんな不満は一瞬で吹っ飛んで行った。
すると、やけに新しい赤レンガの家が見えてきた。俺の家だ。
さあ、今日はどんな動画や画像を見ようか。
そんなことを考えながらそくささと玄関の鍵を開け、扉を開いた。
すると、目の前に現れたのは見慣れたフローマットではなく、広大な森であった。
俺は一瞬目を疑った。夢ではないかとほっぺをつねったり、何かの見間違いではないかと目をこすった。
しかし、懐かしいような土の香り、時折風にざわざわと揺れる木々、さえずる鳥たちは変わることは無かった。つねったほっぺは痛かった。
何かの間違いだ。一旦落ち着こう。
そうして引き返そうと振り返ると、入ってきたはずの扉がどこにもなかった。
「おい、これはどうなってるんだよ・・・・・・」
どうやら完全に俺はどこか見知らぬところへ来てしまったみたいだ。まるで某スキマ妖怪に連れ去られたように・・・・・・。
ここで俺の脳内に電撃が走った。
もしかして俺は幻想入りしているのではないのか・・・・・・?
そう、俺がドアを開けた瞬間にあのスキマ妖怪がスキマを使って俺をここに拉致したとしたら、ここは当然幻想郷と言うことになる。
そう考えるとテンションが上がってきた。可愛い妖精さんや妖怪ちゃんが現れたらどうしよう。
そんなことを妄想していると人影が現れた。第一村人発見!キタコレ。
誰であろうか、どんな挨拶をしようか。
よし、誰が来ても紳士的に対応しようと心に誓ったのもつかぬ間、人影の主が姿を現した。
「おや、奇遇だね。こんなわけのわからない場所で会うとは。それにしても、4時間放置したうどんみたいに鼻の下が伸びっぱなしになってるけど、何妄想してんのさ」
現れたのは確かに妖怪だったが、可愛さのかけらも感じられない。
そう、言わずと知れた極悪妖怪、根越であった。
続く@
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俺の名前は火鳥 菅太【かとり かんた】。御年15歳。バリバリの受験生だ。
俺はどういう人かと言うと、一言で形容するのなら「オタク」という言葉が適任だろう。
小学校低学年のときに家にたまたまあったパソコンから東方Projectというものを知り、そこからドップリ二次元の面白さに浸かってしまった。
そして「オタク」と言うのは傍から見るとやはり変わり者であり、変わり者は叩かれるのが関の山だった。低学年の頃に皆には分かるはずもない事を喋りまくったおかげで、痛々しい目線が常時付き纏い、俺に話しかける者は誰一人として居くなった。
こうして最悪の小学校を終え、中学校に入った。
中学校は周囲の小学校からいろんな人が入ってくる。つまり、俺を知らない人も居るのは当然。そこで俺がオタクなことをばれないように、「普通」に接していけば周りの人達と友好関係を築けるのではないかと思った。もしかしたら同志もいるかもしれない。そんなことを考え、期待に膨らんだ胸が踊り狂った。
しかし、そんな夢は儚く途絶えた。
俺の同級生が要らないことを喋りまくってくれたおかげで、痛々しい目線が常時付き纏い、俺に話しかける者は誰一人として居なくなった。
・・・いや、正確には一人いた。
頭脳明晰、スポーツ万能、コミュニケーションもお手の物。皆の優等生、根越 英太【ねごし えいた】。
俺の噂が学校中に蔓延したころ、唯一話しかけてくれたのがこの根越だった。
根越は俺に近寄り
「元気なさそうだけど大丈夫?」
と優しく声をかけ、その後とあるゲームの話で意気投合したことをよく覚えている。今思えば、奴の話術に嵌められたという敗北感が否めない。
そう、根越は学校内では言うこと無しの模範生だが、その正体は悪戯が大好きで人の不幸を餌とする妖怪だったのだ(妖怪と言うのはもちろん比喩だが、妖怪であってもそうたいして不思議でもない)。
奴の悪行はとどまるどころを知らない。
恋人同士の縁切り、人の恥ずかしい秘密の公表、空き地でエアガンの銃撃戦をやっているグループの飲み物を全てメントス入りコーラ(コーラにメントスを入れるとありえない量の泡が噴き出す)にすり替えるなど、俺の知っている限りでも数えきれないほどの意味のない行動を行っている。
奴は胸ポケットに入るぐらいの小さなノートを片手に始終街を出回っている。そのノートには学校の教科書を遥かに凌駕する個人的な情報が詰まっており、今年でもう10冊目に突入するとか。まさに閻魔帳である。
そしてもっとも怖いのが誰も悪戯を奴がやったこととは夢にも思ってないことである。奴は俺にしか本性を晒してこないし、学校の生徒や先生からも信頼が厚いのだ。
奴は俺にも悪戯をしてくるし、減らず口を叩いてくる。通常なら早急に関係を断ち切るところだが、俺は他に話しかけてくれる人がいない。どんなに悪戯をされようが、減らず口を叩かれようが、俺に話しかけてくれるのは根越だけであった。
続く@
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