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以前どこかの記事にしたかも知れませんが、忘れないうちに書いておきます。
ある知り合いの方に書いたものがベースです。
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ヒヨドリに関してはエピソードがあります。
だいぶ前ですが、稲城市に初めて住んだアパートが鉄筋3階建ての3階だったんですが、周りは畑がおおくて、目の前は広い空き地だったんです。
そこのベランダにヒヨドリがよくやって来ました。
かれらのために、夜寝る前に残飯などを少しずつベランダに置いておいたら、翌朝にはきれいに無くなっていました。
特に冬は自然の餌がないせいか、ベランダにおいた餌は奪い合い状態でした。
でもさすが、ガラス戸を開けて部屋から見える位置に置くとほとんど来ません。
彼らはグループでやってきます。春先いく羽も来る彼らの中に一羽くちばしが曲がっている若鳥がいたんです。
彼はそのくちばしのせいか、仲間が奪い合って餌を食べているのに、うまく食べられないようでした。
私はすこし心配でした。
・・・・彼らはなかなか食べるところを見られる位置には来ません。でもそのくちばしが曲がった一羽は見える位置にあった餌も食べてくれました。
彼らはやってくる時間が決まっています。朝方7時頃でした。
前の晩に餌をいつも置いておくのですが、たまに忘れるとベランダのガラスをつついて催促するのでした。多分そのくちばしが曲がった彼だと思いました。
半年くらい経ったころ、ちょうど秋口だったと思います、そのくちばしの曲がった一羽のヒヨドリは急に姿を見せなくなりました。
病気や、敵に襲われて死んだのかと考えました。
・・・やがて年の暮れ寒い日が続きました。
相変わらずそのくちばしの曲がった彼は姿を見せません。
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新年を迎える元日、そのベランダから初日の出が昇るのを待っていました。
ふと、すこし先のベランダの手すりに一羽のヒヨドリが止まっているのに気づきました。よくみるといつかのくちばしの曲がった彼でした。
さらに彼のすぐ脇に同じくらいの大きさのヒヨドリがもう一羽いました。
私にはすぐそれがつがいだとわかりました。
彼は伴侶を得たのでしょう。
気づくと近くの木の枝に数羽の子がいるようです。
彼はしばらくそこに留まっていましたが私に挨拶を済ますとさっと去っていきました。一緒にとなりにとまっていた彼女と近くの枝にいた数羽の子鳥も鳴きあいながら去っていきました。
不思議な感覚におそわれました。
世界が私と溶け合ったように感じました。
けっして恐怖ではありません。
大自然と一体となった満足感のようなものです。
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それ以来そのくちばしの曲がった彼には会えていません。
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