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井の中の蛙、大海を知らず 私たちが良く知っている故事成語ですが、 面白い解説文を見つけました。 ある古井戸に一匹の蛙が住んでいた。 蛙が井戸のそばで遊んでいると、一匹の海がめに出会った。 蛙は得意げに海がめに言った。 「僕が住んでいるこの井戸は楽しいとこだよ。 井戸の縁からジャンプして遊ぶんだ。 ひとしきり遊んで疲れたら井戸の中の壁の窪みで休めばいい。 鼻だけ出して、水にぷかーと浮かんでいるのも悪くないね。 やわらかい泥の中を散歩するのなんて、ほんと最高だね。 他の、蛙やオタマジャクシは僕にはかなわない。 なんてたってここは僕の井戸なんだから、自由自在なんだ。君もいつでも遊びに来てよ。」 ところが、海がめが井戸に左足を突っ込んだだけで、もう右足はつかえて入らない。 彼はためらって後ずさりすると、海について蛙に語った。 「海はどこまでも広くて、どこまでも深い。 昔禹王の頃、 10年間に9年もの間、大雨が降りつづいたけど、海の水はほとんど増えなかった。 それから後湯王の頃、8年間のうち7年間もひでりが続いたけど、海の水はちっとも減らなかった。 海に住むのはほんとに楽しいよ。」 蛙はびっくりして、口もきけなかった。 【荘子・秋水】 最近、地方の少子高齢化が深刻な問題になっています。 普通の社会生活を維持することの出来ないくらいの偏った人口分布になっているところも少なくないでしょう。 長い地場産業の歴史があったり地理的に有利であったり、 その地域が他の地域より有利な条件を揃えている産業を強化する方向で 地域を支える世代の流出を防ぐというのが常套手段のようですが、 はたして、当の社会進出を目前にした世代はどのように考えているでしょうか? 地方から輩出される、新卒世代がその地域で就職する。 若しくは、最終学歴にあたる時代などを都会で過ごし地元に就職する。 この比率がそこそこのところを維持できていれば、現在問題視されているような現象にはならなかったと思います。 地方が元気にならないといけない!中央一極集中主義からの脱却!は、 ごもっともだと私も思うのですが、 それを唱えている方のご子息の多くは、中央で活躍されているのではないでしょうか? ご子息が、志ややりがいを他地域で見つけてきた時に地元に残れと説得する術が無いのではないでしょうか? 正直な話、地元に留まる事しか選択肢のない者を除いては、自由選択なわけですから 家庭の意向も含めて、本人の志ややりがいを実現させることの出来る環境整備こそが地方の課題だと思うのです。 児童期における刷り込み形の地域振興や、伝統文化の継承を特別枠で見守ることは悪いことだとは思いませんが 精神性(例えば、神事ならお囃子や舞いの一つ一つの意味を含めて継承する。)が大事で、 ご褒美で参加者集めをするようでは、すでに崩壊しているような気がしてなりません。 もっとも、 私の例を挙げれば伝統行事の参加スタンスについては、ギャラリー参加までで、 イベンターの側の意識が今は無いといえますし、仮に参加比率が高くても絶対数が少ないので そこまでしなければ、毎回のイベント実現に足る人数の確保がすでに難しくなってきているのかもしれませんね。 地方の伝統的な祭りは、スピリッツを感じるときは感動します。 頑張って継承していただきたいものです。 ただの馬鹿騒ぎみたいなのは、やってるもの達が楽しいだけで見るに耐えません。 話が逸れましたので、蛙の話に戻ります。 今回は地方が井戸です。 過疎化に向かう地方地域の課題は、 自由意志における選択においても「我が故郷で活躍したい!」「故郷を盛り上げる役を担いたい!」 という出身者が輩出できるようなあらゆる面における環境整備ではないかと思います。 また、それを推進するがために、 中央志向でしか遂げられない研究や志の芽を摘むような発想で 強引に地域振興を進める姿勢は、 次の世代にどんな才能が隠れているか判らないので慎まないといけないと思います。 いつも犬の散歩をしていて思うのですが、 紐をつけて一緒に歩いていると、少し苦しいくらいの紐の張りの距離を我が家の犬は歩きます。 ですが、紐を外しても、声をかけて戻ってくるくらいの距離を散歩します。 自由意思で歩いていると思わせることができれば、案外一目散にどこかに行ってしまったりしないものです。 世界は広い!知りたいこと、経験したいことがあれば若いうちは何処までも納得いくまで突っ走った方が良いと私は思います。 地元で実現できれば良いが、必ずしもそうでなくても良いと個人的には思います。 地域社会は、彼らの思いを実現させる受け皿を用意してやることが、ひいては全ての世代の生き残りに繋がっていくものと私は思います。 地方出身者が、地元に戻れないし戻る気もなくても、自分が育った地元を忘れることは有りません。 彼らを地元志向にさせないのは、今の地域のあり方や、縦型の発想でやりがいや志を摘む仕組みが 根強く地方にあるから避けているのだと思うのです。 インターネットには、あなたの地方をスレッドにした掲示板などがあったりします。 地方出身者が、外から自分の出身地を見て沢山のコメントを残したりしています。 こういったフリートークに目を向けて本気で考えるべきです。 地域にいる者たちの頭では、利害などが絡んできて道がぶれてしまうからです。 長くなってしまいました。 さてと、井の中に戻ってきた蛙としては、空の高さでも感じてみるかな。
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