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「ねぇ、パパぁ〜〜。このボタン押してもいい〜〜〜??」
 
家具などは一切なく、ごちゃごちゃと床にゴミが散らかる部屋の真ん中
 
そこが彼の居場所であり、彼がそこを動くことはほとんどない。
 
彼はその自己中心的な性格を、外見でもはっきりとわからせるような醜い容姿をしている。
 
彼の部屋の床は足の踏み場もないほどに物が散乱し、いつ食べたのかもわからないような食べ物のごみが悪臭を放っている。
 
しかし彼の父親は彼を叱ったりはしない。
 
けっして叱ったりしない。
 
彼と父親の関係性は一般的に想像されうる関係とは大きく離れている。
 
彼は自分の欲望を素直に周りにぶつけるし、父親を含めた周りの人間も彼の欲望をすべて満たしてあげる。
 
彼が入室許可さえ与えたならば彼の部屋が汚れることさえありはしない。
 
彼は特別な人間なのだ。
 
 
さて先ほどから父親については触れているが、母親は一体どこにいるのだろう。
 
実はこれもありきたりな常識的親子関係とはかけ離れている。
 
彼を生んだ女性はもちろん存在するのだが、彼女が母親として彼の前に現れることはない。
 
彼のまわりは世話役の女性がたくさんおり、彼女らが母親のようなものであるから、彼は自分を生んだ女性の顔を知らない。
 
しかし彼にとってはそれは不運なことではない。
 
なぜなら彼にとっては母親の顔を知らないという意識すらなく、生みの親と育ての女性達が別だというのが彼の中では当たり前のことなのである。
 
いゃ、ひょっとすると自分が女性の体から生まれてきたという知識すら彼にはないのかもしれない。
 
だから彼は性交渉をいともたやすく行うのかもしれない。
 
彼のまわりで彼を世話する女性。
 
それとは別に、彼の周りにはまだまだたくさんの女性が存在する。
 
彼女らはいくつものグループに分けられ、用途によって彼に呼び出される。
 
それらのグループの一つに彼の性生活を援助するグループがある。
 
彼は女性を自分の世話をするものぐらいにしか考えていない。
 
それは彼が悪いというよりも、彼の中にそういう常識を作ってしまった周りが悪いのかもしれない。
 
 
ただ、彼にも一つだけルールがある。
 
それは、彼の部屋にいくつもついてあるボタンを押してはならない、というルールだ。
 
彼は何もかも自由なのだが、部屋にいくつか存在するカラフルなボタンだけは絶対に押してはいけないと父親に言われていた。
 
彼の部屋の床がごちゃごちゃとしているのに対し、家具などがなく、壁がすべてあらわになっているのはこれらのボタンがふとした拍子に押されることを防ぐためである。 
 
彼の性格からすると、押してはいけないと言われたらすぐに押しそうな気がするが、すべて自由で何もかも許してくれる父親が唯一してはいけないということ、、、それはよっぽどのことなのかもしれないと思い。押すことをためらっていた。
 
しかしそこは自由気ままに生きてきた彼の本能が理性を超える日がついにきたことがある。
 
 
その日彼は朝早くから壁にくっつく赤いボタンを見ていた。
 
彼の部屋のボタンには何百もの種類があり、一言に赤と言っても血のように濃い赤から、朱肉のような明るい赤までたくさんあった。
 
また赤の中に模様が付いているものもあった。
 
彼がその時見つめていたのは赤い色にいくつか黄色い星の模様がついてあるボタンだった。
 
彼はそのおしゃれなボタンに妙に魅かれていた。
 
そしてついにボタンを押した。
 
ボタンを押す瞬間は実にあっけなく、父親からの言いつけなど全く頭になかった。
 
ただ純粋にボタンを押したかっただけであった。
 
ボタンを押すと、それと同時に轟音が鳴り響いた。
 
ゴゴゴゴゴゴゴッと大きな音が彼の耳に衝撃を与えた。
 
そしてそして窓の外からやってきた大きな光が彼の部屋を突き抜けていった。
 
彼は生れてから今までで一番の興奮を見せた。
 
初めて肉を食べたときよりも、初めて女性の裸を見たときよりも、初めて人を殺したときよりも。
 
彼は初めて押したボタンの触感とその後に起こったハプニングイベントに興奮した。
 
ただ、彼の目の前で起こったことはそれで終わりだった。
 
その後、彼の父親や周りの人間があらゆるところから非難を受けたのだが、彼はそんなこと知りはしないし、知っていたところで何も反省はしないだろう。
 
そしてこれは彼にとっても予想外だったのだが、彼の父親は彼に対して一言の注意もしなかった。
 
初めて父親に怒られるのではないかと思っていた彼にとっては、安堵とともに不安や絶望といった感情が芽生えていた。
 
もしかすると彼はかまってほしいだけなのかもしれない。
 
ボタンを押すとしっかり自分のことを見てくれる、、、そう思ったのかもしれない。
 
彼は考えた。
 
もう一つボタンを押せばいいのではないか・・・・・・。
 
そうすればみんな僕を見てくれるのではないか。
 
心の中で僕を無視しているみんなが僕のことを考えてくれるのではないか。
 
そして彼は朝から一つのボタンを見続けている。
 
白い背景に真っ赤な丸い模様が入っているボタンを・・・・・・。
 
 

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ちょっとだと思ってたら、すんごく深いね。
最後の1行で、「すんごく深い」と思った。彼の押したボタンもピンときたけど・・・。
今度は「続く」系書いてね〜♪

2011/2/8(火) 午後 8:51 モッティー

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モッティーさん
なんか最近こういう文章が書きたいなってテンションになってます。
なんの意味のない文章も大好きなんですけどね。

2011/3/4(金) 午後 7:03 [ 楽を尊ぶ鼻でか魔人 ]


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