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映画「人生フルーツ」に感動した後、すぐに図書館に関連本を予約したが、
今頃になってやっと貸し出しが可能となった。
その映画の私のブログ記事⇒
◆<映画についての記事。毎日新聞・中村秀明・2017.11.8>
映画の舞台は、愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウン。日本住宅公団職員としてこの団地を設計した90歳の建築家、修一さんと、87歳の英子さんを描く。
2人はゆっくり、流れるように暮らす。四季の移ろいや台風など、自然がもたらす変化はあるが、何か事件が起こるわけでもない。こつこつと土を耕しながら、日々を重ねていくだけだ。
そんな日常を伝えた作品を20万人以上が見た。1月の公開以降、地方都市も含めた各地で順次上映が続き、自主上映会やアンコールに応えた再上映もある。
多くのドキュメンタリーを手がけ、夫妻を約2年間追いかけたプロデューサーの阿武野勝彦さん(東海テレビ報道局)は「桁違いの動員力でびっくりしました」と語る。映像を通した、ある問いかけが人々を動かしたのかもしれない。
修一さんはニュータウンの中に「風の通り道」を設けるなど自然や地形を生かした構想を打ち出した。しかし、掲げた理想は高度成長期の効率優先の波にのまれ、大都市近郊にどこでもある画一的な大規模団地になった。
2人の暮らしぶりは、そんな現実と、今でもそうした方向に走りがちな世の中に「本当にいいのですか」と問うているようだった。
映画公開後の変化といえば、多くの人、とりわけ若い世代が緑に囲まれた自宅を訪ねてくるようになったという。時に「おとうさん、お茶にしましょうかね?」と声をかけ、日々、夕食を修一さんに供えている。
最近の喜びは、孫の花子さんが歯医者となり、「60歳になったら受け継ぐね」と言ってくれたことだという。次の、またその次の世代へ耕した土をつなぐことができるとわかって、本当にうれしそうだった。
時間をただ消費して生きるのではなく、時を重ねながら、たくわえて生きていく。人にも家族にも地域にも、そういう道があるのだということを知った。(論説委員)
◆さて今回の本だが、もうかなり経っているので、当時の感動が少し低下してきてはいる。
人気本の予約は往々にして待たされ待たされ、やっと手にした時には感動も薄れていることがある。
『なつかしい未来のライフスタイル』〜続・はなこさんへ、「二人からの手紙」
津端修一/津端英子、ミネルヴァ書房、1998年8月第1刷発行
「はなこさん」とは2人の孫のこと。この本はもう20年も前のものだ。
津端修一さんはもうすでに亡くなっているので、今読めば不思議な感慨もある。
●前半は「おばあちゃまからの手紙・私のクラインガルテン12か月」
クラインガルテンとは「小さな庭」を意味するドイツ語。
「土と家族をテーマとする欧州市民運動のシンボル」
300坪の敷地内にある畑は200坪あり18区画に分かれ、
年間70種を超える野菜作りをしている英子さん。
その他果樹もたくさんある。それを料理して食べたり、
ジャムなどに加工したりして子や孫に送って楽しむ。
合間には機織りもする。とにかく手作りが好きなのだ。
●後半は「おじいちゃまからの手紙・拡散する自由時間の旅」
修一さんは、東大を卒業後、住宅公団や地域公団に努め、広島大学にも勤務した。
その後フリーの評論家になり、自由時間評論家としての活動をした。
「自由時間の旅」としてスペイン、ドイツ、イタリア、ポリネシアなどを旅し
「農村休暇」(農・牧畜業を営む者が農場や住宅家屋を改装して、
都市家族の農村家族用の宿泊サービスを提供すること)のヨーロッパの様子を見て回っている。
そういえば、私がドイツを旅した時にも、このような宿を利用した。
「ドイツは1936年に労働基準法が制定され、長期有給休暇制度の国内議論が高まった。
1963年にはバカンス法が出来た。」「ドイツ市民の関心で最も高いのがバカンス。
自由時間をお金よりも大切にしているのがドイツ市民。そのバカンスも
農村で休暇を過ごす市民たちが年々増えてきた。」
日本より何十年も先を行っている。
そして修一さんはヨット大好き人間。若い頃は家族でよくヨットに乗っていたが、
英子さんはそう好きではなかったようだ。後年は夫を快く送り出している。
東京、名古屋、広島の家で暮らす中で、現代・田舎暮らしへの挑戦を始め今に続く。
しかし今はもう夫はいない。それでも実りある豊かな暮らしを共にした事実は残る。
こんな生活があるのだ。真似をしたいが、簡単には真似のできないものだ。
夫の修一さんも偉大だが、何より妻の英子さんの偉大さには目を見張る思いだ。
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