美しく歳を重ねるために

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中国新聞 連載記事「森をゆく」(ジャーナリスト・米倉久邦)


●この連載物も、もう27回になる。
るはなさんのところの<白神山地>が終了してからは
次第に遠ざかっていたが、新聞記事をちゃんと切り抜いてはいた。
しかし、どんどん専門的になっていくので
理解能力を超えてきて、ついていけなくなっていたのだ。

●最近は、宮脇昭さんのことを書いた「魂の森を行け」に感動し読み深めた。
知識だけは少しずつではあるが、増えてきている。
でも、専門家の宮脇さんに言わせたら、
「知識ではなく現場に行け」ということになるだろう。
しかし、私は植物学者ではないので、知識だけでもないよりはましだと勘弁してもらおう。

●さて、新聞連載の方だが、

16回〜22回は「東京都水道水源林」についてだ。

(以下は7回分の記事を簡単にまとめたもの)

巨大都市東京の水がめの一つ、奥多摩湖に注ぐ水源域の森についてだ。

古く江戸時代の歴史にまで遡っている。
明治時代には山林が荒れ、尾崎行雄東京市長が危機感を抱き、森再生へ動き出した。
将来の東京の水需要を予測した尾崎市長と、
日本最初の林学博士、本多静六東京帝大教授は、森林経営の膨大な赤字を私財で弁済した。
この二人のパイオニアは水源林の恩人とされる。

しかし今でも、森の再生を阻むシカの群れに苦闘している。
奥多摩の森林に住むシカは推定で2000頭だそうだ。
シカとの共生は容易ではないようだ。

東京都水道局は2003年に森林隊を作っている。
ボランティア登録者は600人にもなるということだ。
様々な作業を行っているが、人気なのは枝打ちだ。

環境省2003年調査の巨樹の数では、4152本で、東京都が日本一だ。
これを支えているのが、奥多摩町なのだ。996本で、全国市町村の一位である。
巨樹は、地上130cmの所の幹回りが3m以上あるものだ。
北海道ですら、934本だ。
巨樹の60%は神社やお寺にある。

筆者は、奥多摩の森でミズナラの巨樹に出会った。
樹齢500年。幹回りは7メートル近くあるというものだ。

●以上、文章の紹介だけになったが、それだけで何か学んだ気分になっている。

23回〜27回は 「木曽赤沢自然休養林」だ。
これはまだ連載途中なので,またの機会に書いてみたいと思う。

▲写真は、筆者が出会った金袋山のミズナラの巨樹。

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エコロジカルな公共輸送機関

路面電車 花の都に新たな風 フランス・パリ 阿部明日香

かつてパリに路面電車(トラム)が走る時代があった。
1854年に開設され、その後80年以上にわたって、市民の足として活躍していたが、
1937年、自動車に場所を譲って引退した。
そのトラムが昨年12月16日、パリに復活した。 
 
トラムは近年、ヨーロッパの各都市でエコロジカルな公共輸送機関として再び注目されている。
フランスも、その例にもれず、
昨年はトラムの年といってよいほど各地でトラムの敷設、増設が相次いだ。
パリでは、交通渋滞と大気汚染が深刻化するなか、
市内を走る自動車の数を減らすべく、この古くて新しい乗り物の導入に踏み切った。 

しかし、それだけではない。
パリ市は、トラム開設にあたって周囲の景観整備に非常に大きな注意を払っている。
線路には総面積3600平方メートルにわたって、
ベルト状に芝生が植えられ、沿線には1100本の木が植えられた。
将来的には遊歩道や自転車専用道路の整備も予定されている。

さらに400万ユーロ(約6億円)を投資し、クリスチャン・ボルタンスキーはじめ、
欧米の著名な現代美術家の九人に作品の制作を依頼し、作品を沿線に設置した。 

トラムが開通したのは、観光客はまず足を運ばない中心から離れた地域だ。
ルーブル美術館やノートルダム寺院に代表される「美しい」パリ中心部と、
文化面で立ち遅れた周辺部。
このあまりにも大きな格差を縮める第一歩を、トラム導入を機に踏み出そうというのだ。 

今後、トラムはパリの外周を一周するように延長することが予定されており、
郊外のトラム各線とリンクすることも検討されている。
一昨年、パリ郊外でおきた暴動事件に象徴されるように、
貧困や治安の悪化など、さまざまな問題を抱えるパリ周辺部と、
中心部との格差が顕在化するなか、トラムに期待される役割は小さくはない。 

70年ぶりのトラムに、パリジャンはまだ慣れていないとみえて、
試運転期間にはヘッドホンステレオを聞きながら歩いていた女性が
トラムと軽く接触するという事故もあったが、
過半数がトラムの開設を好意的に受け止めているようだ。
トラムはパリの新しい顔となってゆくのか。今後が期待される。 
 
あべ・あすか パリ第一大学博士課程。CNRS(社会史研究所)所属。
20世紀の異文化受容が専門。1974年、埼玉県生まれ
(中国新聞 1月26日掲載記事 「世界の街角から」より)

●以前、広島の路面電車の記事を書いたことから、
この記事に大変興味を持った。
以前書いた記事はこちら


車社会の排気ガスのことを考えれば、
環境問題の点でかなりいい乗り物であると思われる。

パリに復活したということからも、まさに現代にマッチした乗り物であるようだ。
スピードは車やバスに比べて劣るが、軌道を走るのだから交通渋滞にはならない。
排気ガスを出すわけではないので、大気汚染の心配もないのだ。
広島の電車は、運賃だってバスより安いのだ。

●こうしてみると、路面電車も、長い歴史を経て、
また今の時代で活躍の場を与えられたことになる。

最近では、外観も工夫され、しゃれたものが走っており、
このパリの電車の写真を見ても、現代的な外観のように見受けられる。

これからの世の中は、スピードを競うのではなく、
暮らしの中で、人間にとって悪い影響を与えるものでないことが重要だ。
「環境に優しい・人間に優しい」ものであるべきなのだろう。

▲写真は、パリ南部を走る路面電車(パリ市提供)

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