丸2日寝てばかりいたが、どうにか体は快復した。 ほとんど動いていないので、少し体がふらふらはするが。 一体何だったのだろう。夫と電話で話をしていると、電話の向こうで娘の声がする。 「お母さんはまたしても<なんちゃってインフル?>!」 前にも同じようなことがあった。いきなり熱っぽくなって体がだるくなったのだ。 インフルエンザに罹ったかと慌てて病院へ行き、点滴を打ってもらったら治って、 翌日は普通どうりに仕事へ出かけたことがあった。 いつも騒ぐ割には本物には罹っていない。 ともあれ、ぼちぼち平常生活へ始動だ。 札幌在住の小説家・原田泰子さんが10月20日に81歳で亡くなったとの新聞記事を読んだ。
この人の作品の「挽歌」を読んだ記憶があるが、かなり前だったので忘れたほどだ。 北海道の<Copanさん>が関連記事を書いておられたので、懐かしくもあり、 それをきっかけに再度この作品を読んでみようという気になった。 2日間ずっと休んでばかりだったので、本もいくらでも読めた。 昭和30年に同人誌に発表し、単行本化された後「第8回女流文学賞」を受賞している。
私の持っている本は昭和35年初版発行、昭和60年49版発行の角川文庫だ。 今から25年位前に読んだことになる。本は70万部のベストセラーになったとか。 確か・・テレビドラマか映画の再放送を観て、その後本を読んだような気がする。 映画も2本、テレビドラマ化も4本なされているのだ。 主演は久我美子、秋吉久美子、稲垣美穂子、亀井光代、木村夏江、平淑恵などが演じているが、 今ではもうほとんど知らない人ばかりだ。 私の観たのはどうも秋吉久美子・仲代達也コンビのものだったようだ。 作者は東京出身の釧路育ち。その釧路が舞台だ。札幌も出てくる。 私は北海道といえば札幌雪祭りと小樽くらいしか知らないので、その舞台へのイメージはないが、 これはやはり映像で見るほうが印象が強いだろう。 何よりも心理描写の細かいこと。 主人公の女性の揺れる思いがこれでもかというくらい深く描かれている。 これはやはり文字の中での表現に負うところが大きいだろう。 これだけの心理描写を巧みに演じることははなはだ難しいと思われる。 「戦後の釧路を舞台に不倫の愛を描き、既成の価値観にとらわれないヒロインの生き方が共感を呼んだ」 という文があったが、その時代だからこそ受けた内容でもある。 高度成長期に差し掛かった頃に出てきた西欧的な文学世界の斬新さが注目を浴びたのだろう。 しかし、今読んでも揺れるヒロインの思いは決して古くはない。 舞台の釧路も注目を浴び、その後都市化へと変革していくのだ。 「白鳥の羽根のそよぎにも似た若い女性の微妙な心の動きを追って北国の風景の中に展開する愛と死のロマン」と本のあらすじにはあったが、 「挽歌」という題名が示すように、一人の「死」をもって結末部分へと一気に引っ張るのだ。 その死がもたらす意味は・・・・残された者のそれ以後の生き方へも影響するものとなる。 私は読んでいないが「海霧」でも吉川栄治文学賞を受賞し、 「繊細な恋愛を描いた小説などで高く評価された作家」だという文もあった。まさにそうだ。 |
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2009年10月26日
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