4月は中国や北海道への用務で不在が長期にわたったが、この間氏本農園の家畜たちの世話をしてくれていたのは実習生の芳川太佳子さんだ。
来島時、迎えに出た定期船乗り場ではバックパックを背負ったジーンズ姿に地下足袋を履いていたのでおもわずたじろいだが、行き交う人たちに片っ端から大きな声で挨拶の声掛けをする明るさは島向きだった。
帰島してみると島の人たちからは「太佳ちゃん」と呼ばれてすっかり馴染みになって受入れられていた。
ティラー(小型トラクタ)で毎日野菜くずなどを運搬して豚や牛の世話をするだけでなく、その合間にヒジキ採りなども手伝ったらしい。
島の人からはお返しにいろんな食材の差し入れを受けたり食事にも呼んでもらえたのだそうだ。
氏本農園の正規従業員であるマキをもすっかり手なずけて毎日太佳ちゃんの運転するティラーで一緒に放牧場へ通っていたという。
実習最終盤では母豚クルリ1号の出産に立ち会った。
目の前で次々に生まれてくる新しいいのちに感動している太佳ちゃんを見る私は、豚の出産と合わせて二重の感動を体験させてもらった。
隣の農家のハヤシさんご夫婦は「こんな働きも者の娘さんは珍しいで。黙って帰すのはもったいないけぇ誰か島の中で嫁にもらいてはおらんかのぅ」。
辛口のタミちゃんからも「よう働いて日焼けし顔がヒジキと同じ色になった。」と異例の評価を受ける一方、私に対しては「長ちゃんよりぁ太佳ちゃんのほうが豚の世話は向いちょる。オトコはつまらん(役立たず)。」とバッサリ!
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