忙しさにかまけて「祝島だより」がおろそかになっている間に、4月も残り少なくなって、世間はゴールデンウィークに突入してしまいました。 子牛も豚も順調に育っています。アウトドア雑誌ライターのHさんが撮ってくれた、私と子牛の写真ですが、もう子牛というには大きくなり過ぎです。
4月18〜20日
一年以上ぶりに上京してきました。 祝島の地域興し活動「未来航海プロジェクト」が活動助成を受けるトヨタ財団の助成金伝達式と、昨年から祝島ブースを出展しているアースディ東京の開催がうまく重なってくれました。
アースディ東京は、NHK渋谷放送センター足元にある代々木公園のイベント広場で開催され、天気にも恵まれて、環境問題に取り組む多くの団体が出展し、多くの来場者で賑わいました。(画像参照)
祝島未来航海プロジェクトのブースでは、伝統行事の神舞、上関原発への反対運動、自立のための島興しの取組みを写真や資料で展示したり配布したりしました。
祝島出身で東京在住のHさんと、祝島出身ではありませんが隣接田布施町出身のYさんが準備から当日のブース説明役まで大車輪の活躍をしてくださり、その故郷のためにという熱い思いと頑張りにはただただ感謝以外にありません。
島民が自力で千年以上神舞を継続できているのも、農水産業で生活基盤を作って最低限の経済力と労力、島出身の島外在住者の愛郷支援を確保できてきたからです。
そして上関原発の建設はその農水産業の立脚基盤である豊かな自然生態系を壊そうとしているだけでなく、原発持参金で住民の自立・自活心を減退させ依存心を増長させてきています。またそのことは、町在住者の転出増加や町出身者の愛郷心の減退にもつながっています。
電気をふんだんに使った利便性を享受する都会の人たちにこそ、原発問題は都会からはるか離れた過疎の田舎の地域限定問題ではないことを伝える必要があります。 田舎では原発に依存しない自立した地域づくりの取組みをしているので、都会住民も都会の利便性を支える電気使い放題の現状に問題意識を持って欲しいというのが、祝島ブースの出展趣旨でした。
祝島ブースの両隣は、石垣市の白保のサンゴとジュゴンを守る活動団体と、遺伝子組み換え作物と環境問題に取り組むグリーンピースジャパンのブースでした。
原発に依存する電力と遺伝子組み換えに依存する食糧は、どちらも都市住民が最大ユーザーでありながら、生産現場から遠隔故に関心が低いという点でも類似性が高い問題です。
ただ、アースディ東京会場に足を運ぶのはもともと環境問題などに関心の高い人々です。本当に関心を持ってもらいたくて働きかけるべき相手は、代々木公園に隣接の山手線原宿駅横にたむろしているパンクファッションの若者たちではないのかという気持ちも強くなっています。
久々の上京ということで、18日の夜には元農水官僚で大学客員教授のMさんが学習会と称した交流会を設けてくださり、輸入資材会社経営のMさん、商社のKさん、農水省から大学教授へ転身した若手のSさんなどと知的刺激の強い楽しいひと時を過ごしました。
S教授の、農地のCO2吸収機能を活用した民間主導の自主的排出権取引き(オフセットプロジェクト)や、Kさんの商社マンの視点での農業・農村のあり方など、レポートを持ち寄っての熱心な意見交換会です。 真面目な意見交換が盛り上がりすぎ、肝心な?飲み会の時間が足りなくなって、少し残念な気がしましたが、胃腸はホッとしていたかもしれません。
私からは離島型有畜農業の意義を祝島放牧豚を通じて紹介したところ、皆さん面白がってくださりうれしく思いました。
また、高校同期や北海道時代からの仕事仲間、アースディ東京祝島ブースのHさんなどと、祝島放牧豚を扱い始めた西麻布のフレンチレストラン「エピスカネコ」を貸切って、祝島放牧豚のお披露目の懇親会を開きました。
そもそもエピスカネコとの取引きのきっかけは高校同期のKさんの紹介によるもの。そのKさんの開会挨拶、前日の学習会で飲み足りなかったMさんの乾杯の音頭により思い切り話し飲み食べて、終電で止むなくお開きになるまで、頭にもお腹にも心にも楽しいひと時を持つことができました。 もちろん祝島放牧豚のお料理は、これぞプロというもので、一同納得の味でした。
4月27日
衆議院山口2区補欠選挙は全国から注目を集めていました。
保守系候補は私の高校1年先輩で、同級友人の親戚でもあり昨年の同窓会で友人と一緒に出席していて紹介されていました。保守勢力の強い地域であることに加え、年齢的に地域経済界で役割が大きい我々の年代で、地元の高校同窓会が応援にフル回転したようです。
「ようです」というのも、上関原発の推進を掲げている保守系候補を応援しない立場がはっきりしている私には何の連絡もなかったからです。
開票結果を見ると、敗れた保守系候補が62%の得票で圧勝したのは我が上関町だけでした。これまで保守系候補の牙城といわれ、県議選でも保守系議員の無投票が四半世紀続いた周防大島町でも52%の得票率という辛勝でした。
上関町の保守系候補得票率は、過去の上関町議選の原発推進派と反対派の総合得票率と完全に合致します。
マスコミ関係者も上関町は政策の如何に関わらず保守系集票システムが依然と機能しつづけている特異な町だとコメントしています。それは公共的事業に依存する地域産業体質に関係し、公共事業に代わるのが原発だと断言します。
昨年の町長選挙で、原発推進派町長の選挙パンフの「地元産業の育成・活性化」という欄が、タイヤショベルなど建設機械が工事をしている現場のイラストだったことが象徴しています。
複数のマスコミ関係者が、今回の選挙取材を通して周辺地域の住民のなかでは上関原発建設に反対する人たちは確実に増えていると教えてくれましたが、原発反対の祝島へのお世辞でもないようです。
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