氏本農園・祝島だより

万葉集に詠われ歴史豊かな自然あふれる、万葉浪漫の瀬戸内海「祝島」での暮らしを氏本農園からお伝えします

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『自立とは』

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 10月2〜3日は、秋に恒例となっている大手IT企業主催の小規模なフォーラムへの出席で、北海道の夕張市に行っていた。
 異なる分野の方々が肩書きを外して1泊2日で夜を徹して「北海道のありよう」を議論し、毎回刺激的な時間を体験できる。 北海道という特定地域に関する議論ではあっても、その本質はほとんど普遍的だ。

 今回のフォーラムのテーマは『北海道の自立とは』だった。
先般地元で上関原発に関して中国電力側が「一次産業では地域の自立は無理でしょう」と発言したこともあって、私自身が「自立」という言葉により敏感になっていた。
 
 私が司会を仰せつかった分科会は、瀕死の旭山動物園を劇的に再生させた前園長の小菅さんや夕張市の財政再建団体指定下で夕張ファンタスティック映画祭を自主運営するNPO夕張ファンタ代表の澤田さんなど、まさに自立を論じるにふさわしい方々で論議も弾んだ。

 我々の分科会の論議は、自立とコミュニティ(地域社会)と社会教育と子供が強い関係性を持つという意見に集約された。
 旭山動物園の小菅さんの「ヒト(彼はチンパンジーやオランウータンも含めた霊長類をヒトと呼ぶのだが)は他の動物と関係することではじめて正常に育ち、健全に暮らせる」という趣旨の発言も「コミュニティ」への関心を触発させたと思う。
 また小菅さんは「本来ヒトは群れ全体で子供を育て、子供を中心に置くことで群れが安定化する。」「群れが大きくなりすぎて不安定になれば群れ分かれする。」などの示唆に富んだ発言で、しばしば議論を刺激してくださった。
 
 今回のフォーラムで私が確信できたことは多い。
個人の自立とコミュニティの自立は相乗的で、相互に不可分なこと。 本来コミュニティは個人を次世代につなぐための仕組みであり、子供はコミュニティ全体の大切な次代に受け渡すべき宝として、その教育はコミュニティ全体の務めだということ。
 換言すれば、子供を中心に置けない、コミュニティ全体で子育てに取り組めない、コミュニティを構成する個人が十分にコミュニケーションをとれないほどコミュニティが大きくなりすぎれば、むしろ弊害が多くなること。 
 この視点に立てば、現在多発している都市型の問題の本質がよく見えてくる。 規模を大きくすることで財政危機を乗り切ろうとした平成の市町村大合併への疑問も再燃する。

 前回のブログにも書いたが、民俗学者の宮本常一氏が記した『日本の海を拓いたのはまったく無名の人々であった。〜肩をよせあって生きてきた彼らは、みな内からあふれるエネルギーを持っていた。〜人々は貧しさに汚れまいとして、心だけは高く清いものにしようと努力し、どんな辛さにも耐え、克服するものを持っていた。〜彼らは未来を信じていた。彼らにとっての未来とは子供であった。〜』をあらためて思い起こす。
 宮本常一氏は無名の農漁民の暮らしの中に真の自立を見出していたのだと思う。

 個人にとっての自立とは、誰の世話にもならず一人で生きてゆくという強さを目指すことでなく、他の人々や地域の自然などさまざまな存在のおかげで生きてゆけているという、謙虚な気持ちで支えあって生きてゆくことなのではないかと思う。
 そう考えれば、自分たちの暮らしさえ便利であればと原発をつくり、建設地の自然生態系を損傷させ、燃料副産物で作った兵器で紛争国の民衆を殺傷し、廃棄物の処理を後世に押し付けている原発推進の立場をとる人々こそ、驕りにあぐらをかいて全く自立できていないのではないだろうか。
 
 フォーラム終了後、フォーラムで一緒だったランドスケーププラニング代表の高野さんの車に便乗して帯広に向った。
 高野さんは社名のとおり景観づくりを世界各国で手がけ、NHK日曜術美術館でも紹介されるなどその作品は高い評価を得ていて、オフィスは帯広郊外にある。(http://www.tlp.co.jp/
 もう一人の便乗者のワイズスタッフ代表の田澤さんは、ITを活用して地理的遠隔をカバーしテレワークという新しいビジネスモデルの先頭を走る若いママさん社長だ。

 道東自動車道を走行中に弾んでいた車内の会話が突然とぎれ、田澤さんが「スゴ〜イ!」と感嘆の声を上げた。 その方向に目をやると十勝平野に180度の見事な虹が架かっていた。
 ここに、田澤さんが撮った「すごすぎる虹」を彼女のブログ「空飛ぶ由利ママの社長日記」http://yuri.blog123.jp/archives/2009/10/post_224.html から拝借し、皆さんにもご紹介します。

 それにしてもさすがに高野さん!こんなすごい虹をお膳立てしてくれるなんて、ランドスケーププラニングという社名に違わぬ粋なおもてなしでした。

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