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纐纈(はなぶさ)あやさんの初監督ドキュメンタリー作品「祝(ほおり)の島」が祝島公民館で封切り上映された。
30年近くに及ぶ上関原発反対運動を背負いながらも、自然の恵みを受けた農水産業でしたたかに明るく暮す祝島の島民たち〜氏本農園の放牧豚も出演させてもらっている〜を描いてくれている。
そして同時進行的に撮影されていたもう一つのドキュメンタリー作品は、鎌仲ひとみ監督の「ミツバチの羽音と地球の回転」だ。
こちらの作品は一足先に全国展開がスタートしていて、東京の知人からは前作「六ヶ所村ラプソディ」以上だとの高い評価が伝えられてきている。(「ミツバチの羽音〜」については農文協の季刊誌「地域」(現代農業増刊が衣替え)5月号に、役不足ながら私が作品紹介記事を書かせてもらっている。)
奇しくも二人の女性監督が違った切り口からそれぞれの感性で祝島を取り上げてくれていてメッセージ性も強い。 皆さまにはぜひ両作品ともご覧くださるようお奨めします。
そんな中、NHK総合TVで「いつも笑顔のシャッター通り」というこれもドキュメンタリー番組が放映された。
北九州市門司区のある商店街は通りの半数以上が閉店してシャッターを下ろしているのに、残った商店は何故かシブトク営業を続けながら笑顔が絶えないのは何故だろうか?とリリーフランキー氏が案内役となって切り込んだ番組だった。
祝島との共通点が多いのにたまげた!
元気の主役はオバンたち。多くのオジンたちは先立ち、残ったオジンもオバンの引き立て役で、それを良しとしている。
そして店の売上額〜霞ヶ関的表現ではGDP(国内総生産)〜以外のモノサシで暮らしている。
おそらくそのモノサシとは「関係性の豊かさ」といった類のものだろう。
先日の氏本農園ブログに登場した実習生の太佳ちゃんは、祝島にはたくさんの「つながり」があってそれが魅力だと言っていた。
私が若い頃ホームステイしたニュージーランドの片田舎の農家のオバチャンは、田舎での農業の魅力をオポチュニティ(出会いの多さ)だと私に語ってくれた。
そのオバチャンにとっては人との出会いだけでなく、季節のうつろい、作物の作付け収穫、家畜の出産、日々、時々刻々全てが新鮮な出会いであり、それが暮らしの豊かさ〜クオリティ・オブ・ライフなのだ。
鳩山内閣でもGDP以外に国民の「幸福度」を測る指標を検討するとかニュースになっている。
数日前の日経新聞経済教室欄にも「研究進む幸福の経済学」とか、国民の暮らしの豊かさはGDPでは表現しきれないという認識の記事が遅ればせながら出てきはじめた。
祝島をGDPだけで評価し「吹けば飛ぶような島、カネを見せれば簡単に落ちる」と舐めてかかった認識の甘さから、30年近い年月をかけても上関原発についての対話集会さえ実現できない中国電力。
暮らしに不可欠なエネルギーを地域独占的に委ねられた企業でありながら、その企業感性はあまりにも地域住民の暮らしから乖離している。
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