氏本農園・祝島だより

万葉集に詠われ歴史豊かな自然あふれる、万葉浪漫の瀬戸内海「祝島」での暮らしを氏本農園からお伝えします

営農歳時記

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教育ファーム活動

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 立春にふさわしい好天に恵まれた4日、教育ファーム活動として祝島小学校児童を受け入れた。
ミサキ(4年生)、リュウマ(2年生)、カズマ(入学心構え中)の3人が事前に担任のウエシゲ先生と相談して決めたチャレンジテーマは5つ。
1.自分たちで調理用カマドに火を点けて起こす。 2.昨年10月に植えたジャガイモを収穫する。 3.豚肉と野菜を調理してポトフを作って昼食にする。 4.昼食の飲み物も自分たちで枇杷の葉を採取して即席の枇杷の葉茶を作る。5.先日生まれた子豚をダッコする。
 カマドへの点火は、新聞紙とダンボールと薪のなかでどれを点火材にするか自分たちで相談して決め、マッチを擦るところからスタートした。 煙に目をしょぼつかせながらダンボールの切れ端をうちわ代わりにして交代で扇ぎ続けて何とか火起こし達成。
 お湯を沸かしている間は、ジャガイモ掘り、イモ洗い、ニンジンや玉ねぎなど包丁を使っての下ごしらえと、遊ぶ暇はないが3人とも真剣そのもので集中力がとぎれない。 味加減だけは大人に任せたが、ソーセージのカットなども3人が全てやった。 特に苦手な玉ねぎはできるだけ煮崩れしやすいように、涙目でみじん切りにしていた。
 次のチャレンジは枇杷の葉茶づくりだ。棚田の側に自生する枇杷の木から葉を摘んできて火であぶり、そのままヤカンのお湯のなかで煮たたせれば、即席の枇杷の葉茶は出来上がるので、比較的達成は容易だった。 しばらく煮沸させると枇杷の葉茶独特の肌色のお茶ができてきた。かつて農作業時にはこうして手軽な枇杷の葉茶を楽しんでいたという。
 ポトフを煮込んでいる間に、みんなで10日前にお産をした親子豚のところに対面に行く。 とりわけミサキちゃんは昨年の子豚見学の際にはビビッて子豚を抱くことができなかったので2年越しのチャレンジだったが、今年はまったく抵抗なしに3人ともすんなりとダッコできた。 子豚の感触は「あったかくてやわらかい」だそうだ。
 今回の教育ファームで子供たちに最もしんどいチャレンジは昼食のポトフの野菜を残さず食べることだった。
 

『子豚誕生』

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 クルリの妹分、第2クルリが出産予定日ぴったりの24日、氏本農園に隣接するキシタさんの休耕田で無事に出産した。 初産なのでクルリ同様に予定日より数日遅れるかなぁと少し油断していたら、律儀に予定日ぴったりに産んだ。

 しかも頼りがいのない飼い主をあてにはしていないと言わんばかりに、飼い主が顔を出す前に自力でさっさと産んでしまった。 私が顔を出したときには、同じ牧区に寝起きしていた姉貴のクルリはそんな第2クルリのそばで、生まれたばかりの子豚にちょっかいを出すでもなく、先輩らしくおとなしく見守ってくれていた。

 弁解がましくなるが、お産の前日に最初のクルリはせっせと産床づくりに精を出したのだか、第2クルリはそんな作業を手抜きして、以前に放牧されていた別の豚たちの寝床を臨時の産床にしてお産をしていた。
 ただその日の朝は胸騒ぎがして空が明るくなるころ早めに放牧地に行った。 その日のうちにクルリと分けて、休耕田の側に建っているキシタさんの納屋を分娩房にして収容する予定だった。

 生まれていたのはオス4頭、メス2頭の6頭だったが、一番小さいオスは結局体温が上がらず間もなく息を引きとってしまった。 一日早く納屋に収容し、納屋の中でお産させていれば助かったかも知れないと考えると、死んだ子豚に申し訳ない気持ちが膨らんでくる。

 昨年6月のクルリの子豚より全体的に小柄だ。 冬季間は母豚自体が身体の維持に栄養を取られるので、子豚に回せる栄養が相対的に減ったためだろう。 その分安産だったかも知れないが。

 お産した日の夜半から本格的な降雪があって山の木立もこの冬初めて雪化粧した。 納屋の中のその夜の気温は5度くらいまで下がったが、生存している5頭の子豚は母豚にピッタリくっついて体温をもらい、オッパイへの吸い付きも強くてすこぶる元気で飼い主を安心させてくれた。

 私が「よう頑張ったな!」と母豚の顔をなでてやるとうれしそうに喉を鳴らすような声で応える。 第2クルリが寒波の襲来を感じとって、子豚たちの安全を考えてサッサとお産を済ませたとの考えはそう外れてはいないだろう。

 放牧地から我が家までの帰宅途中、何人もの人から「子豚がうまれたんね。」と声をかけられたが、誰がアナウンスしているのだろうか? 私以外には子豚の誕生を知らないはずなのに、ここでも祝島独特のネットワークの存在に不思議さが増す。



『心づくしの差し入れ』

 その日は子豚の誕生で終日バタバタした一日だったが、帰宅したとたんこれから夕食の支度では大変だろうし子豚の誕生祝だからと、あちこちからうれしい差し入れが相次いだ。 島の方々の心づくしに胸がいっぱいになる。

 ヤズとタイのお刺身はマツムラさん、サヨリの焼き物はタケタミさん、そのほか天ぷらや野菜の煮付けなども近所のオバちゃんから差し入れられ、おまけに先日放牧豚の見学で来島された広島県似島(にのしま)の方から大粒の生牡蠣まで届いた。 母は魚介類が苦手なので全てが私の晩酌用となる。 

瀬戸内圏産食材率は100%、島内産食材率は広島の生牡蠣を除く80%、但し氏本農園産食材率すなわち真の自給率は今夜に限れば0%だが、すこぶる豪勢な晩酌のメニューではないか。

新豚田兵の参戦

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 デュロック種(通称はD種)の種雄豚が祝島に渡ってきた。 「参戦」といえば平和な祝島に不似合いな物騒な表現だし、いかにも即戦力のようにも聞こえるが、昨年生まれのルーキー(新兵)で実力は未知数、つまり筆おろしが終わっていない。
 画像のように赤茶色の剛毛に身を包み、目も濃い茶色でエキゾチックな雰囲気を漂わせている。 当歳のくせに立派な一物(二物?)を股間に備えて、二段腹ならぬ二段尻に見えるほど種雄の特徴を出しているが、気性はいたって温順なようだ。 出生地の県畜産試験場スタッフが十分に可愛がって育成してくれたのだろう。
 いかつい風貌に似合わず、いままで海を渡った豚たちのうちでいちばん乗り物酔いが激しかった。 放牧場で腹ばっている様子はまるで掘りたてのサツマイモのようだし、くつろいでいる際にチョコンと舌の先を出すのが癖で仕草はまだじゅうぶん子供っぽい。 接近画像でも耳の陰から見つめる目とチョコンとだした舌先のミスマッチな雰囲気が滑稽だ。
 人工授精を目指してはいるが、県外産精液からの産子は出生後に伝染病予防のためのやっかいな全頭採血検査があり、離島での防疫上の観点で種雄豚の活用を決めた。
 D種にふさわしい貫禄のある愛称を考えてはみるものの、目にする仕草が邪魔して「でんすけ」のようなおちゃらかした名前しか思い浮かばないので、読者の方々には母豚の「くるり」のような素敵な名前を考えていただけないでしょうか?

はじめての遠征

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 わが家の道路向かいの善徳寺さんでは練塀をはっている蔦がきれいに紅葉しています。 練塀の白や内庭のソテツの緑、初冬の青空、瓦屋根に光る朝日などとのコントラストがあざやかで、農作業に向うわたしの目を楽しませてくれます。

 豚田兵たち(牛たちも)はそれぞれが適宜新しい入植地に移動転戦します。単純に農道でつながっていれば距離が数百m離れていても移動は容易です。 私が先導してそのあとに豚や牛が続き、最後尾を牧用犬のマキが見張りながらトコトコと歩いて移動できます。
 しかし沢をまたいだ移動などは一筋縄ではいきません。 家畜たちは一様に警戒心が強くて慎重なので、仮設の橋などを強制的に追いたてて渡すという強引な手法は通じません。
 彼らが自発的に渡る気になるまで気長に待つしかありませんので、一日で移動が完了するとは限りません。その場合は振り出しにもどって前の放牧地に引き返し、あらためて最初から行軍を仕切りなおすことになります。

 今回、沢向かいキシタさんの水田跡地へは昨年6月に生まれた3頭を派遣することにしました。 彼らには初めての遠征ですし、未体験の渡橋や沢伝いの滑りやすいコンクリート細道の行進があります。
 案の定、住み慣れた放牧地を出てすぐの仮設橋でさっそく集団行進が頓(豚)挫してしまいました。
何事にもいつも挑戦心のある姉豚は餌で釣ると数分で橋を渡りましたが、弟豚が渡ることができたのは2日目の午後、妹豚にいたっては5日目の朝に行ってみるとやっと渡りきっていました。
 添付画像は、おそろしくて橋に足をかけることさえできない臆病な妹豚の表情です。不安や恨めしさが眼差しによく現れていると思います。

 この間、橋を渡れた姉、兄豚2頭は、橋を渡って行ったり来たりで、目的地の途中にあるキシタさんの枇杷畑を頼まれてもいないのに適当にめくりかえして下草や枯葉を処理するなど時間つぶしをしながら、妹豚が渡り切るのを気長に待っていました。
 さすがにこれ以上表土をめくると枇杷の根に悪い影響がでるかと心配になった5日目に妹豚が勇気を振りしぼって渡ってきました。

 5日がかりで約40mを移動してやっと目的の水田跡地についた3頭はさすがにホッとした様子ですが、私も同様です。マキもいい加減吠え疲れましたゎといったところです。
 この場所は南西斜面で暖かく広さも十分なので、生まれて初めての越冬にはもってこいだと思います。

秋の放牧風景

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 温暖な瀬戸内海の島もさすがに冷え込んできて、山の木々もあちこちに紅葉がみられるようになってきました。日中の最高気温も20度を下回る日が出てきはじめました。
 そんななかで氏本農園の家畜たちもそれぞれに島民から秋らしい差し入れをもらいながら元気に放牧生活を送っています。

 朝夕の冷え込みへの対応が素早いのは、祝島での放牧歴が2シーズン目に入るベテランの繁殖雌豚たち2頭です。さっそくカヤなどの干し草を集めてフカフカのベッドを自作しました。
 そのベッドを島の人たちが入れ替わり立ち代り芋づるや屑イモ、傷ものミカンなどを手土産に見学にきますので、豚たちもご機嫌です。
 6月生まれの3頭の子豚たちも不器用な形ですが、がんばってそれなりのトリプル用ベッドを作りはじめています。

 4ヶ月齢の子牛3頭は枇杷畑に放牧されて下草の採食を担当しています。 枇杷にはいっさい農薬散布はしないので家畜たちにとっても安全な放牧環境ですし、ちょうど枇杷の花が満開でひだまりには強い芳香がたちこめていて、幸せな放牧生活です。 

 8ヶ月齢の子牛2頭はお隣のハヤシさんの水田で稲の刈り取り後に再生した(野良生え)の採食を担当しています。 2番穂もそれなりに実をつけていて氏本農園の牛たちにしてみれば贅沢なごちそうです。

 人間の側は、甘藷(サツマイモ)の収穫、早稲ミカンの収穫、枇杷の摘房(蕾)、枇杷の葉茶原料となる葉の収穫など、それぞれに秋作業に励んでいます。


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