氏本農園・祝島だより

万葉集に詠われ歴史豊かな自然あふれる、万葉浪漫の瀬戸内海「祝島」での暮らしを氏本農園からお伝えします

営農歳時記

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『摘果ミカン』

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 祝日を利用しNPO光けんじのがっこう一行が来島してきた。 今回は教育ファームの一環として、氏本農園に隣接する大井オバサンのミカン園で摘果してあるミカンを集めて子豚にあげる作業を体験した。
 小粒なミカンや表面に傷のあるミカンは買ってもらえず、収穫するだけ骨折り損というわけで、収穫直前の熟れたミカンでも摘果してしまう。 拾い上げて食べてみるととても美味しい。運ぶ作業に耐えられず摘果してしまう口惜しさを思うと胸がつまる。
 大井家はオバサン一人でがんばっているが、棚田状のミカン畑やビワ畑の石段の上り下りでオバサンのヒザはとうの昔から悲鳴をあげている。先立たれたオジサンとがんばって世話してきたミカンやビワをとても放り出せないのだろう。

「豚ちゃんたちに食べさしゃぁ喜ぶじゃろう思うちょっても腰やヒザが痛うてよう拾わんのじゃぁ」とオバサンが言ってくれるので、元気な子供たちに枝の下に落ちている摘果ミカンを拾わせたいと提案すると、オバサンも大喜びだ。 そのお礼にりっぱな売り物になるのに収穫しきれないミカンも好きなだけもいで帰ってよいともいってくれた。

 こどもたちは夏休み合宿で人工哺育してきた、現在は放牧地で兄弟たちと暮らしている8月生まれ子豚「ゆうきだいきち」にお腹一杯甘いミカンを食べさせようと一生懸命に摘果ミカン拾いをしてくれた。
 そしてゆうきだいきちが兄弟たちとおいしそうにミカンを頬張っているのを確認し、たくさんの兄弟に混じって元気に暮らしていることへの安堵とうれしさでいっぱいのようだった。
 そのあとの家に持ち帰るミカンもぎは、むしろ子供たちに同行してきたお母さんたちの方が枝によじ登るなどしてよほど真剣だったように見えた。

 普段ひと山いくらで買ってきて何気なく食べているミカンも、このようにお年寄りが石段を上り下りすることで自分たちの口に入ることが分かればミカンの味もまた違ってくるだろう。
 抜けるような青空の下で初冬のやわらかい日差しが心地よい教育ファームのひと時だった。

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 中国寧夏回族自治区への出張は、クルリ1号の出産予定日までに十分な余裕をもって日程を組んでいたはずだったが、帰島当日10日ぶりに放牧地に顔を見せた私の目の前で分娩を始めてしまった。
 これまでの母豚はすべて夜中から未明にかけて分娩していたのに、クルリ1号は定期船が到着する朝10時30分ころからという異例の分娩だった。
 留守の間、家畜の世話をしてくれていた民宿経営のクニヒロのター坊は「飼い主を待っちょったんじゃねぇ」と安堵のコメント。

 午後3時ごろには手作りのススキの茎葉でしつらえた産床の中で無事出産を済ませたが、出産頭数は何と17頭だった!
前回は子豚の頭数をかぞえ間違えて、タミちゃんに「氏本の息子は大学を出ちょるのに数をようかぞえれん」と突っ込まれたので、念入りに数えたがやはり17頭だった。
 完全な放牧飼育で健康だからなのだろうが、自分の乳首は16個しかないのだから、もう少し考えて子作りすればとも思う。

 分娩直後の3日間は子豚を2群に分けて、半日ずつ交互に初乳を確実に飲ませるようにする。
親から隔離しておく半分には子ネコ用の小さな哺乳ビンで牛乳を飲ませることになるので、牛乳消費拡大にわずかだが貢献できる。

 ちょうど、持続可能な社会を提言するドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転(仮題)」の取材撮影で来島滞在中の鎌仲ひとみ監督にクルリ1号とのツーショットを撮ってもらいました。
 (この映画のオフィシャルブログ http://888earth.net/index.html では上関原発問題なども鋭い切り口でコメントしていますので、ぜひご覧ください。) 

島の稲刈り

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 お隣のハヤシさんの水田では28日から早稲米の刈取り作業が始まっている。
暮れなずむ小祝島を背景にした稲架けのある光景は、郷愁という感慨だけでは表現しきれない、もっと奥深く強い思を私のなかに呼び起こす。
 それは手塩にかけて育てた大切ないのちを無事に収穫できた安堵感や、いのちを育んでくれたお天道さま(自然)への素直な感謝などが総合された厳かな感情で、家畜の出荷にも通じるものだ。

 たまたま本土に渡って農村部を車で走っていたら、何棟もの立派な大型の園芸ハウスがその中に雑草を茂らせたままで放置されていて、その入り口には、国内農業の国際的コスト競争力をつけるための規模拡大を狙いとした「ガットウルグァイラウンド対策〜」という高率国庫補助事業で建設した旨の表示板が掲げられているのを目にした。
 国内農業の体質を強めるという名目で実態は農業資材企業など関連業界を支援したといわれてもしかたない。 同じ構図がまたぞろ、環境対策名目のエコカー減税で政治が自動車の販売促進をして自動車業界を支援していることで繰り返されているように思える。

 いのちを育む生業への畏敬や謙虚さを失ってまでコスト競争だけのために農業を大規模にし、経営形態を株式会社などの法人経営にする必要性を、私は感じない。
 軽トラックも通行できない離島の零細農業だからこそ大切なものが守られているのではないかと思うことがしばしばある。

 私と同じ思いの国民(消費者)も少なくないのではないかと思いたいが、今回の衆議院選挙に際しての自民党や民主党のマニュフェストからは国内農業へのそんな視点が私には読み取れなかった。 ということは彼らにとっての国民・有権者はそれでよしとしているという判断なのだろうか?
 
 もう数時間もすれば今回の選挙の大勢が判明するが、離島農業(というより離島そのもの)を切り捨てる方向が少しでも修正されることにせめてもの期待をしたい。

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 姓は「ゆうき」、名は「だいきち」というのは子豚の名前だ。
 今月4日に生まれた11頭の子豚のなかで500gにも満たずとびきり小さく生まれ、母豚の乳首に吸い付くこともできずにぐったりしていて、我が家に連れ帰って牛乳で育てている雄の子豚のことだ。

 昨日まで祝島で夏休み合宿をしていたNPO光けんじのがっこうの子供たちに預けて世話をしてもらっていたが、名前をつけてあげたいということになって、合宿中の子供たちと祝島小学校のこどもたちが一緒に考えてくれた。
「ゆうき」は勇気の勇と希望の希、「だいきち」は大吉で「勇希大吉」くんというわけだ。

 最初は名前だけの予定で、「ゆうき」くんが良いと主張する子と「だいきち」くんが良いと主張する子に二分された。
「ゆうき」を推すこどもたちの理由は、お母さんと離れてかわいそうだけど勇気と希望をもって育って欲しいということだった。
「だいきち」を推す子供たちは、未熟児の子豚でも元気に大きく育つようにということと、おみくじの大吉の幸運にあやかってのことだ。
どちらも、子供たちが一生懸命に考えた愛情あふれる名前で、その理由を聞いた私の胸も熱くなった。

 けんじのがっこうの指導者は、できるだけ多数決では決めないようにと子供たちをリードし、知恵を絞って姓と名の両方をつけてあげることで全員の希望を満たすことにした。

 現代の社会では、金力で多数派裏工作をしておいて民主主義の名を借りた多数決で強引にものごとを決める乱暴な手法がまかり通っているが、我々は「ゆうきだいきち」くんと名付けてくれた子供たちと指導者の姿勢に多くを学ばなくてはならないと思う。

 ゆうきだいきちは、母豚の初乳を全く飲んでおらず病原菌への抗体を受け継いでいないことを本能的に自覚しているのか、我が家の庭の隅でしきりに土を食べ雑菌を体内に取り込んでいるようだ。 その間はマキが四六時中付き添ってくれているので安心していられる。

モチベーション

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 お盆が過ぎたのに、長梅雨で自分たちの出番が少なかったのを埋め合わせるかのように残暑が居座っている。
それでも離島ゆえに、衆議院議員選挙の騒々しさからはまったく無縁なだけでも相当にうっとうしさが軽減される。

 子育てから開放された母豚・第1くるりは、放牧地でせっせと背丈の長い野草を食いちぎっては野積みにしている。その中に潜りこんで強い西日やうっとうしいアブから身を守るためだ。(掲載画像は野積みにした草の中から鼻先だけ出して気配をうかがう母豚)
 国内で一般的な畜舎飼育ではぜったいに見られない(見せたくても見せられない)そんなブタたちの習性を見学するため、島外からフリースクールの一行や夏休みで帰省中の親子が毎日のように放牧地にやってくる。
 その対応は大変ではあるが、ブタたちがイキイキと生活することの意義、ブタたちにそんな生活を提供できる祝島の自然環境の意義を説明するのも、国内農業(の課題)に関心を深めたり祝島への理解者を増やすために、一祝島農民としての使命ではないかと考える。

 教育ファームに参加している「NPO光けんじのがっこう」では18〜23日の祝島合宿中は、朝夕にブタの世話を毎日の日課にしてくれている。
 そして夜のミーティングでは指導員が、食肉センター(と畜場)で働く父親を描いた「いのちをいただく」という本を子供たちに読み聞かせをしてくれた。(本を提供くださった農文協のKチーフに感謝です)

 自分の周囲でこのような真面目な食育の取り組みがされていると、私のモチベーションはすごく高まるが、今回の衆院選挙での与野党のマニュフェストを読んでも私のモチベーションが刺激されないことは、ちょっと問題だ。


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