氏本農園・祝島だより

万葉集に詠われ歴史豊かな自然あふれる、万葉浪漫の瀬戸内海「祝島」での暮らしを氏本農園からお伝えします

営農歳時記

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 4日(火)の午後「たままつり」を氏本家の練塀蔵で開催した。
「たままつり」の趣旨は前回のブログと重複するが、死んだいのちが安らかに落ち着いてくれるよう祈り願う儀式だ。その死んだいのちとはヒトだけではない。ヒトの食べものとなっていのちをささげてくれた動植物もいのちそのものだ。
 いま、祝島では豚や牛たち家畜が耕作放棄地を再生しながら、家畜自身もお肉となっていのちをヒトの暮らしにささげてくれており、今回のたままつりはその家畜たちのいのちへの感謝をこめて行ったものだ。

 祝島未来航海プロジェクトでは島の農水産業を島外の方々にも広く理解してもらおうと、昨年から教育ファーム事業に取り組んでいて、今回の「たままつり」もその一環として開催した。
 遅い梅雨明け宣言の直後で、当日は天候にも恵まれ(すぎ)て、本土側からNPO光けんじのがっこうの子供たちや保護者、夏休み帰省中の人たち、旅行客など大勢参加してくれて大いに賑わった。

 メイン企画は、東京で活動しているTAYUTA(たゆた)という女性(ボーカル)男性(パーカション&ギター)の若者3人グループによるライブコンサートだ。
 彼らは6日の広島原爆の日の平和コンサートに参加する機会を利用して来島してくれた。 東京でも、上関原発に反対する「長島の自然を守る会」写真展に協力するなど暮らしの問題に真剣に向き合ってくれている。 レパートリーにもいのちや自然にちなんだものが多い。

 若くパワフルなライブで、いつもは夏でもヒンヤリしている練塀蔵のなかは熱気が充満し、演奏する側も聴衆も汗だくとなってしまった。
 練塀蔵の前庭では祝島放牧豚のソーセージやハンバーグの試食や冷たい飲み物が提供され、蔵の中の熱気と対照的で爽快だ。

 コンサート後半では、ちょうど観光で来島中のNHK「おかあさんといっしょ」で1980年代の「うたのおにいさん」かしわ哲さんが持ち歌で今も大人気の「すずめがサンバ」を飛び入り披露してくれたり、山口県内で活躍している兄妹デュオ「マウンテンマウス」の兄貴・マーシーくんも飛び入りするなど、子供たちも大喜びで手拍子が止むことなく大盛り上がりのコンサートとなった。

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 去年の今頃は全く雨が降ってくれずカラカラ天気が続いていたというのに、一転今年はどうしたことか豪雨が続き梅雨明け宣言も未だに出ていない。

 今朝放牧地に行ってみると、元が田んぼだったこともあって水が溜まりやすく、床上浸水状態だった。
いつもは泥でコーティングしたような豚たちがすっかりきれいになっていた。 しかしゆっくりと横臥してくつろげる水の無い場所も必要なので、そんな場所も無くなるくらいの床上浸水状態だ。
 かわいそうだが、水が引くまで頑張ってもらうしかない。 そのために日頃から十分に運動して身体を鍛えているのだ。
8月上旬に初出産を予定している雌豚は雑木林を含めた耕作放棄地にいるので、こちらは心配ない。

 最近はストレスが原因ですぐキレる感情の起伏が激しいヒトが増えているようだが、なんだか天気も振幅が激しくなっているのを実感として感じる。 天気もヒトからいろいろとストレスを押し付けられているはずだ。

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 小中学校が夏休みに入ってさっそくの18日(土)、NPO光けんじのがっこうの子供たちが耕作放棄地に開設した子豚の放牧場にやってきた。
国の教育ファーム事業に離島の農山漁村では全国唯一の実践地区として参加し、昨年から継続して取り組んでいるもので、今年は「子豚の誕生からお肉になるところまでしっかりと見とどけよう」が主要なテーマだ。
 700gで生まれた2頭の子豚は、虚弱すぎたために他の兄姉子豚とは一緒にできず母豚から離して人工的に飼育してきたが、子供たちや島の高齢者の差入れる牛乳などで元気に育って、現在は市街地から離れた耕作放棄地に引越ししている。(前回ブログ参照)
 海岸道路沿いで長い間耕作放棄地となっている場所は、空きびんや空き缶、ビニール袋や空のポリ容器、発泡スチロールの破片などが吹き溜まっていて、放牧される家畜にとっても迷惑なものだ。
 このやっかいなゴミをみんなで片付けることにした。 梅雨の合間の蒸し暑い日だったが、軍手・長靴の子供たちは汗だくになりながら指導者や保護者といっしょにゴミ集めをしてくれた。
 子供たちには何の責任もないゴミを拾わせることに、大人の一人としてとても心苦しい思いをしたが、子供たちは明るい乗りでこなしてくれた。
 ゴミの片付けが終わった段階で、目の前の海が凪いできれいだったため、予定にはなかった海水浴が許されて子供たちは大喜び。
 替え下着を持参していないのでパンツをはかないで帰るのもいとわず泳ぐという子や、こういうこともあろうかとぬかりなく海水パンツを持参してきた子などいろんな性格があらわれて面白い。
 それにしても、子供たちの浸かっている海の対岸の入り江には、上関原発建設予定地の林地が伐採されて地肌がむき出しになっているのが見える。 もし建設されればこの海域から原子炉冷却のために海水が大量に取排水されることになるのだ。
 子供たちにそのことをどのように伝えるか、大人の責任として、ゴミ以上に丁寧に伝えなくてはいけないと思う。

 そして8月4日には「たままつり(魂祭り)」を氏本家の練塀蔵と前庭で開催する。
 以下その案内文をそのまま掲載
「たままつりは、死んだいのちが安らかに落ち着いてくれるよう祈り願う儀式です。
死んだいのちはヒトだけではありません。ヒトの食べものとなっていのちをささげてくれた動植物もいのちそのものです。
西洋では古くから謝肉祭(カーニバル)、日本国内では畜魂祭として各地で行われてきています。
 いま、祝島では豚や牛たち家畜が耕作放棄地を再生しながら、家畜自身もお肉となっていのちをヒトの暮らしにささげてくれています。
 その家畜たちのいのちへの感謝をこめて「たままつり」をはじめて開催します。」

 北海道時代は牧場やと畜場主催で畜魂祭が毎年行われていたが、今回の「たままつり」はおごそかな儀式ではなく、コンサートあり、放牧豚の試食ありの収穫祭的な明るいものを計画している。
 コンサートは、東京で長島の自然を守る会写真展などに協賛出演してくれたTAYUTA(たゆた)という女性(ボーカル)男性(パーカション&ギター)の3人グループによるものだ。
 夏休み中なので、都会から里帰りの親子なども参加してくれそうだ。 都会では見えにくくなっている「いのちをいただく」ことに少しでも関心を高めてもらえればよいと願っている。 

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 出生時700gという未熟児的な体重でお産の最後に産まれてきた4頭は乳首争奪戦に加わることさえできなかった。
そのため最初の4日間しかも昼間だけ、その間は他の兄姉子豚を母豚から隔離しておいて、初乳を飲ませただけで牛乳などによって人工哺育してきた子豚2頭が幸いにもスクスクと育ってくれている。
 とはいっても同じように700〜750gで生まれた他の2頭は、母豚から授乳中に母豚の下敷きになって圧死してしまっているので、運というか持って生まれた寿命と割り切るしかないのだろう。
 
その2頭は市街地内の空き地で、教育ファームに参加している父兄児童や近所のお年寄りたちの世話で、いまでも母豚と一緒にいる11頭の兄姉豚に全くひけをとらないまでに成長してきた。
 この間、子豚たちの名前をみんなで考え(所有者の私はまったく蚊帳の外だった)、雄が「サスケ」、雌が「ミサキ」と名付けられた。
SMコンビというわけだ。

 その子豚のSMコンビを、梅雨の合間をぬって市街地から1.5km離れた海沿いの耕作放棄地に引越しさせた。アマチュアカメラマンのハシベさんが所有するかつての水田跡地に、みんなで電気牧柵を敷設して作った放牧地だ。(新しい放牧地内で子豚と一緒にリュウマがなぜ剣玉を持って放牧されているのかよく解らない)

 それにしても、この子豚たちを見ていると、子供というものは愛情で育つものだとあらためて思う。
母豚は自分の身を削ってやせ細りながらも母乳を通して子豚たちを育て、この2頭は母豚の愛情は無くても島民たちの愛情で、とりわけお年寄りたちがわずかな年金を使って差入れしてくれる1リットル300円の牛乳をたくさん飲んでりっぱに育っている。

 市街地内の空き地で暮らしていた間は、いつも仮設のベンチにすわって子豚たちの仕草を見て楽しんでいるお年寄りたちの姿があったので、引越しした後にお年寄りから「子豚たちは元気かのぉ。遠くなったら歩けんけぇよう見に行かん。寂しゅうなったのぉ。」と言われるのが辛い。

 余談だが、空き地で飼っている間に、空き地所有者のおばあちゃんが空き地に隣接しているわけではない漁師の住民から「市街地で豚を飼うなどけしからん!」と怒鳴り込まれたことがあった。
 いろんな考え方の人がいるだろうし、動物好きの島民ばかりでもないのも当然だと思うが、責任は空き地所有者のおばあちゃんではなく子豚の飼い主である私なので、その男性に釈明に行ってきた。

 もうすぐ市街地から離れた場所に移すことになっていることや、子供たちやお年寄りたちに可愛がってもらっていることなどを彼に説明したのだが、彼曰く「この環境問題がうるさくなってきている時代に、祝島で豚を飼うなどもってのほかだと、みんなが言ようるど!」と、要は市街地内だからということではなく、祝島で豚を飼うことがけしからんという話だ。

「貴方以外のみんなって誰ですか?」と私。 「東の浜に集まる者らじゃ」と彼。 彼も含めて東の浜に集まる者らとは、上関原発推進派の漁民のことだ。
 そこまで聞いて私は「そんなに環境問題に熱心な漁師さんたちなら、豚と比較にならないくらい環境に大きな影響を及ぼす上関原発になぜ反対の声をあげないんですか?」と、つい売られた口げんかを買ってしまった。

 こうなってはもうらちが空かないので「豚も上関原発も環境問題で論議したいのならいつでも私のところに直接来てください」と言って帰ってきたが、こんなところにまで上関原発問題が影を落として感情的になり、お互いが冷静に島の暮らしについて建設的な話ができないこと自体すごく残念なことだ。

 それとも単に私が短気だというだけのことなのだろうか?

『親子豚のその後』

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『親子豚のその後』
6月後半の祝島だよりがおろそかになってしまったが、この間も5月に生まれた子豚たちは母豚の頑張りのおかげで、雨がちの梅雨時期にも泥んこになりながら順調に育ってくれている。
 成長に従って食欲もどんどん旺盛になってゆく。授乳の時間は壮絶ともいえる乳首の奪い合いがはじまり、喧嘩腰ですさまじいばかりのわめき声があたりに響き渡る。
 こんな子豚を11頭も授乳させていたら母豚もたまったものではないので、すでに離乳食も与えて離乳訓練をはじめていて、今月中旬には親子分けの予定だ。

 島内でカメラマンとして知られるハシベさんから豚の親子の写真をいただいた。
子豚たちのしぐさがイキイキとして可愛く、私だけで見るのはもったいないので、この祝島だよりで紹介させていただく。

 なお、親から離して育てている未熟児だった2頭も、市街地の家庭菜園の一角で、教育ファームの教材?として、島の子供たちや島外のNPOの親子だけでなくお年よりたちにも可愛がられて、今では見違えるように大きく元気にそだっている。こちらの2頭はあらためて祝島だよりで紹介します。


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