Colour Me Pop

名古屋を拠点に活動しているバンド「ユーズドライヴズ」のベース・アキライシカワのブログ

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三.「再会」

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“麗君”は“家能”の手を取り最終ゲートを見ながら俺の左手からやって来た。
俺の方が最初に気が付いた。

黒いポロシャツにジーパン。パーマをかけた髪のせいか、少し雰囲気が変わった様に見えた。

再会。

向こうも俺が髪を短くしたのに気付いたらしく、少し戸惑った表情だった。
少し元気が無いのかな?
お互い何だかよそよそしい感じだった。
最初「Hi!」と声を掛けたのは俺だった。

続いて、初めて動く“家能”と話をした。
俺の「Hello!」に対して、彼は“麗君”に促される様にして、小さく「・・Hello」と答えてくれた。
彼は俺が初めて喋った中国の男の子だ。多分。しかも英語だけど。

話はそこからすぐに動き出した。どうやら彼女は俺に今夜深圳に来いとの事だ。

暫くの日中英語バトルの後、やはり俺は彼女に言い負けた。
いや、負けても良かった。

考えずとも広州の一人旅なんぞいつでも出来る。
泊まる場所が安いのも相まって、俺はすぐに頭を切り替える事が出来た。

男二人は“麗君”に付き従うがまま、バスに乗り込んだ。

初めて乗り込む広州のバス。
周りの俺に対する目は、今日以降始まるであろう熱ーい視線の序章だ。
彼女はそこでMP3を取り出して俺に渡してくれた。
あの曲だ。
“Take me to your heart”
俺は大体の歌は一度聞けば分かるのだが、この曲は彼女に何度も聞かされている。
彼女は相当好きなのは分かるが、この曲には何か意味があるのだろうか?
ふとそんな思いが頭をよぎり、帰国したら意味を調べてみようと思った。

“家能”の5歳児らしい、落ち着きの無さは、日本の子供と何ら変わりは無かったが、
初めて見るであろう異邦人を前に口数は少なかった。
空港では俺が出したチュッパチャップスも軽く拒否したくれた。
これって反日の現れ?(笑)

バスは高速を経由して広州の中心へと入ってきた。

都会だ。
それもかなり大きい。

意外な程高く並んだ高層ビルの林立する街には高速が何本にも折り重なり、想像していた以上だった。

ただ汚さは深圳とどっこい位だろうか。
中国とはこういう所なんだろうな、と俺は考えていた。
真新しいビルと汚さの中にごったがえす人の群れ。

“麗君”の顔が冴えない。
話をすると彼女は3年前にこの地に居たと言う。
この地に良い思い出が無いのだろうか?

日本から来た俺は“食在広州”にすごく惹かれていたし、
当然、今夜の食事はこの地で、と思っていたので、肩透かしを食らった。
どうやらすぐに深圳に戻るらしい。

バスはどこぞのターミナル(今、考えるとどうやらホテルの前の様だった)に到着し、
その前にけたたましく蟲くタクシー、バイクの集まる場所にやって来た。

“麗君”は何人かのタクシーに交渉し、その先頭にいる車に乗り込んだ。

この子は強い子だと俺は改めて思った。

驚いたのは広州のタクシーは動物園ばりの鉄格子が背面、側面にあり、
治安の悪さをすぐに連想させた。
タクシーは前回、深圳に来た時に初めて乗った車と
相変わらずのボロさでガタガタと市内を走っていった。

お金は相変わらず“麗君”が払っている。

何故だか分からないが、いつも言われるのは

「ここは中国だから」と。

相変わらず、立ち打ちの出来ない俺はこの時、
既に帰国の前に何とかして金を渡さねばと思っていた。多目に両替をしたのが幸いだ。
タクシーは何やら駅らしき場所に着き、降りた僕達が入っていくとやはり駅だった。

“麗君”に導かれるがまま、一つの売店で立ち止まった。
彼女が説明した。私の友達だ、と。

はにかんだ女の子は可愛らしい顔立ちをしていた。俺は軽い会釈と「Hello」で返した。
スタッフは気遣い、俺達にドリンクを差し出した。勿論、金など要らない。
“麗君”は丁重に断り、話もそこそこに切符を受け取り、ホームに入っていった。

俺は流されるがままに様子を見ていたが、券売窓口は全て閉まっていた。
先に買っておいてくれたみたいだ。
勿論、“麗君”が指示をして。

広深列車。そう、電車だ。
そしてここは広州東駅。

切符を見て、ようやく今どこに居るのか理解出来たわけだ。
中国の電車は自動改札では無い。

やがて“麗君”が売店でコーヒーを買って来てくれた。
前回2回目のシンセン突撃後の朝、上水で飲んだ、雀巣=ネスカフェを再びチョイスした。

・・・甘い。

やがてゲートが開き、列車に乗り込んだ。
座席指定なのだろうか、なかなか“麗君”は座ろうとしない。
暫く歩き、“麗君”がここに座ろうと言って座った席は4人が座れるテーブル席だった。
既に女の子が座っていた。

俺と“麗君”が二つのシートに座り、“家能”がその間に入った。
列車が動き出す。東莞を経由して深圳着の列車だ。

俺と“麗君”、“家能”はたわいも無い会話をしながら深圳に向かっている。
途中、“家能”の名前を漢字で書いて貰ったり、“家能”と落書きしたり、お菓子を食べたりと。
“家能”がパンケーキの上の部分だけを食べていて、それをネタに話をしたり。

大分、俺の英語も通じて出して、“麗君”の表情も明るくなった。俺の思い込みだろうか?
いつの間にやら電車も広州を出ていた様に思う。

と、突然、携帯をいじってばかりいる目の前に座っている女の子がすすり泣き出した。
俺は表情にこそ出さなかったが驚いた。
携帯を2個取り出し、泣いている。
周りから見ればそれは不思議な光景だろう。

何だか複雑な気持ちにさせられた俺は、深圳の眩い光を見ながら
“麗君”や“家能”との会話を続けた。

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こんにちは。はじめてお邪魔します!! 初広州はいかがでしたか?どきどきだったのではないでしょうか? 僕もこの一年のあいだに広州や深センに何回か行ってるんです。 そのときの記事、トラバさせてもらいますね。

2006/5/4(木) 午前 10:25 こんちゃん

>こんちゃん様 はじめまして♪ご訪問有難うございます。早速ブログにジャンプさせて頂きましたが・・・凄いの一言です!こちらにTBも有難うございます!またお伺いさせて頂きますね!

2006/5/7(日) 午後 11:41 Mr.Bassman

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