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間に色々な本をはさんだしまったせいか、ずいぶんと時間がかかって何度か貸し出し期限延長をした
Jiang Rong という作家の"Wolf Totem"を昨日とうとう読み終えました。中国語で書かれた小説の英訳本なのですが、文化大革命の頃にeducated youthとして北京から内モンゴルに移住した時の作家自身の体験を元にした小説。同じ頃に再教育ということで北京から遠隔地に送られた世代の小説は以前にも読んだことがありますが、この本は家畜を襲われながらも狼と共存し、崇拝してきた放牧民たちの風習、生活を尊敬し、学んでゆくという視点を持つ若者が主人公で今まで読んだ同世代の中国の作家たちとは赴きが異なる本でした。狼がいることでさまざまな自然のバランスが保たれてきた草原の何百年も(何千年?)も続いてきた生命の鎖を農耕民たる漢族(=支配階級にもなるわけですが)が、銃と爆薬であっという間に壊してしまい、豊かな草原が砂漠化するエンディングでは、涙がぼろぼろこぼれてしまいました。今まで全く知らなかった狼の習性や、その知恵の高さにも驚きました。虎やライオンや象はサーカスで人間のために演じさせるほど手なづけることが出来るが、狼は決して人間の思うとおりにはいかないとも書いてありました。鳥葬ならぬ狼葬(文字にすると残酷ですが、亡くなった人の体を狼に食べてもらうことで、空へ召される信じる風習)もあったそうです。
歳時記の「霾」(つちふる)あるいは「黄沙」の項には
中国では、3、4月頃になると、蒙古風という黄塵を交えたものすごい風が吹く。内、外蒙古の方面で竜巻のために上空に舞い上がった黄塵が、季節風に吹き流されてくるのである。
と説明してあります。最近、北京に出張した東京の俳句仲間のメールにも「北京では黄砂が舞ってました」とあったことをふと思い出しました。
つちふるや風に逆らふ空に抗(あらが)ふ 飛
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この小説を日本でも探せますかね。図書館を探してみますか。
2011/4/28(木) 午前 6:32