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あの夢を見てから一ヶ月が経過していた。
妙な違和感を覚える夢で不気味だった事から、今でもハッキリとあの時のやり取りが蘇るが何事も起きなかった。ストレスによる情緒不安定か何かだったのだろうか?
母親には気を失った事や様子が変だった事を何度か追求されたが適当に流しておいた。
軽度のもので心配するような事でないという風に。
……そんな事よりも朝ご飯を食べにいこうか。
布団から体を起こし、寝間着から部屋着に着替えて部屋を後にした。
階段を降りていくと父親と顔を合わした。
「おはようユウヤ」
「おはよう」
いつものように挨拶を交わしながら二人揃ってリビングに行く。
気の所為かもしれないが、やや表情が曇っているようにも見えた。
でも、何ら不思議な事はない。どんな人間でも気分のいい時や悪い時はあるものだ。
「おはよう」
「おはよう」
リビングに着くと珍しく母が椅子に座っていた。
いつもは朝食を作りながら最後に席に着いていたのに。
「なんだか珍しいね、一番最初に席に着いてるの」
「そうでしょ?大事な話があるから」
大事な話?
これといった心当たりはないが、自分に何らかしらの問題がないか記憶を辿っている。
「家族全員揃ったし、始めましょうか」
「そうだな……」
「うん」
父の表情が暗い事から、父の問題だろうか?
何度か父がどうしても欲しいものを通販で黙って買い、小さな口喧嘩になったことを思い出す。
でも、それなら僕も呼ぶ必要は無いはずだ。
「単調直入に言うわね、私達別れようと思うの」
「え?」
自分の耳を疑った。
そして、その言葉を処理しようとした脳が今度は混乱している。
「お前ももう大学生だ……一人で生きていく力はあるだろ?」
母の次は父が口を開いた。
「え、あ、まあ……そうだね」
緊張で言葉が上手く発せられない。
呼吸が乱れる。
心臓の鼓動も早くなる。
「どうしても反対って言うなら、もう少し先送りにしてもいいんだけど……」
「言わなくても分かると思うが、できれば引き止めて欲しくはない」
「……」
言葉に詰まる。
「……何が原因だったの?」
「特に無いわ」
「強いて言うなら、お互いが飽きたんだ」
確かにネット上でも離婚の話はよく耳にする。
1/3が不満だとか言うデータも目にした事はあった。
「離婚届けも書き終えてるの。あとはいつ提出するかだけ」
テーブルの上に離婚届が置かれた。
どうする?時間を巻き戻すか……?
でも、この様子だと解決策が浮かばない。
―――そもそも何で引き留めようとしている?
本人達が合意の上でしていることだ。
口出す権利なんてないんじゃないのか?
「その様子を見ると分かってなかったのね」
「うん?」
「てっきり夜遅くまで出歩いたり、倒れた事をうやむやにしているのは気付いているからだと思ったわ」
かなり遅れましたが七話の投稿です。
本当は二週間前ほどにここまでは書いてたんですが、あまりにも短いので続きを書いてから投稿するつもりでしたが、いい話の持って行き方が浮かばないので上げました><
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