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▼田中将大(楽天)が登録抹消。夕方のニュース番組で耳にしたショッキングな知らせ。小宮山悟(ロッテ)と長谷川滋利(オリックス)以来の開幕から4連続完投勝利。16年振りに達成された偉業の代償は大きくなってしまうのか。再登録が解禁される5月10日には復帰する見込み。ホッと一安心すると同時に、無理は禁物との思いが胸をよぎる。今シーズンも、彼の現役生活も先は長い。焦らずに、じっくりと回復に努めてもらいたい。

▼抹消の原因は右肩の張り。確か昨年も北京五輪前に、同じ箇所の痛みで戦線を離脱したはずだ。益々もって、急ぎ働きでの治療は慎むべき。ダルビッシュ(日本ハム)から伝授された「キレのある真っ直ぐ」の投げ方を自分のものにしつつあるところでの休養はもどかしかろうが、休む勇気もプロとしての大事な資質である。しかしながら、血気盛んなハタチの若者に、休むことの大切さを理解させるのは困難だ。周囲にいる大人たちの、心身に渡るしっかりとしたサポートが欠かせないことは言うまでもない。

▼完投した4試合の球数が多過ぎたわけではないだろう。やはり、WBCに照準を合わせて例年とは異なるペースで仕上げたことによる疲労が、肩の張りという形で表れたのに違いない。とは言え、クローザー不在も悲劇の一因だ。抑えを任せる予定だった川岸が開幕早々に故障。それ以来、代役が立たぬまま楽天はペナントレースを戦っている。完封した2試合以外はともに1点差。そんな場面でマーくんからバトンを受け取れる投手は今の楽天にはいない。ジャイアンツのような豪華リリーフ陣を誇るチームに所属していたならば、今回の抹消は避けられたであろう。

▼ノムさんに史上5人目となる監督通算1500勝をプレゼントした直後に明かした肩の疲労。ドラフトで自らを引き当ててくれた野村監督へ恩返しすべく、疲れた肩に鞭打ってきたのだろう。泣かせる子弟愛。昨日(4月29日)のヒーローインタビューで、田中投手は『プロ入りして、初めての監督が野村さんでよかった』と話している。これはおそらく本心だ。1500勝がもっと早く達成されていたなら、その時点で肩の張りを訴えたのではなかろうか。

▼往年の大投手 稲尾和久に準(なぞら)えて『神様、仏様、田中様』とするのは些(いささ)か大袈裟だが、エースの品格を徐々に備えつつあることには疑問を挟む余地がない。超一流への階段を登り初めている。これは万人が認めるところだろう。田中将大は球界の宝だ。だからこそ、目先の1勝、いや仮に優勝がかかっていても無理はさせないでもらいたい。次回WBCでの18番奪取宣言はダルビッシュに唆かされての発言だったようだが、この4試合のピッチングを見るに、決して夢物語とは思えない。だからこそ、しつこいようだか、焦らずゆっくりと休んでもらいたい。


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