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山井のケースとは、事情が大きく異なる。
しかし、誰もが2007年の日本シリーズ第5戦で起きた事件を想起したはずだ。
8回まで日ハム打線をパーフェクトに抑えていた山井は、9回のマウンドに姿を現さなかった。
8回までの投球数は86。
余力は充分に残っていた。

落合監督は最終回のマウンドを守護神岩瀬に託した。
第4戦まで3勝1敗としていた中日は、このイニングを抑えれば53年ぶりの日本一に輝く。
スコアは1ー0
山井がパーフェクトを続行中でなければ、誰も異論を挟む余地のない盤石の継投であった。

日本シリーズほど、勝者と敗者のコントラストが如実に現れる舞台は他にない。
だからこそ、個人記録よりもチームの勝利が優先される。
その重みは、レギュラーシーズンとは比べ物にならない。
しかも、中日は半世紀以上も日本一の栄冠から遠ざかっていたのだ。
何を優先させるべきかは、火を見るよりも明らか。
私は落合監督の采配を支持する。

4月23日の楽天戦で先発した杉浦稔大は、素晴らしいピッチングを披露した。
1
軍では今シーズンのマウンドながら、5回終了時まで9個の三振を奪い、1人のランナーも許さなかった。
球数はわずかに65。
それでも杉浦は、6回のマウンドに登らなかった。

シーズン開幕からまだ1ヶ月弱。
チームの勝敗よりも、個人記録を優先していい時期である。
それなのに、栗山監督はパーフェクト続行中の杉浦を躊躇なく降板させた。
当然のことながら、栗山采配に苦言を呈する者が後を絶たなかった。
「夢を奪うのか」と。

杉浦は毎年のように肘や肩の故障に泣かされており、登板前から球数のメドは決まっていた。
この試合の前まで、今シーズンは2軍戦で4試合に登板しているが、3イニング以上投げたことは一度もなかった。
また、いわゆるスペ体質を考慮して、中10日と充分な間隔をあけて投げていた。
果たして杉浦は、快投を演じた翌日に1軍登録を抹消されている。

タラレバを述べるのが無意味であることは理解している。
しかし、あのまま杉浦が続投していたとて、完全試合を達成できていた可能性は極めて低い。
この試合の前まで、今シーズンは3イニングが最長だったのだから。
もしかしたら、栗山監督はもっと早く杉浦を交代したかったのかもしれない。
パーフェクトピッチングを続けるものだから、引っ張り過ぎてしまった可能性も否定できない。

落合、栗山両監督の決断には頭が下がる。
批判されることが明らかな道を敢えて選択した采配に賛辞を贈りたい。
NPBにおける最後の完全試合は、今から4半世紀前に遡る。
福岡ドームでの巨人ー広島で、槙原寛己が達成したのを最後にミスターパーフェクトは現れていない。
投手分業制が確立され、完投さえ珍しくなった現代の日本プロ野球。
それを分かっていながら、「そろそろ久しぶりに出るかも」と思っているのは、私だけだろうか。

MVPとは?

私の予想は外れたが、妥当な結果だと言えるだろう。
セリーグは広島の丸でパリーグが西武の山川。
両リーグとも優勝チームからMVPが選出された。
二人とも受賞に値する成績を残したが、私は鈴木誠也と浅川栄斗が選ばれるものだと思っていた。

沢村賞はチームの成績に関係なく、その年に最も活躍した先発完投型の投手が両リーグから一人だけ選ばれる。
一方MVPはセパ両リーグからそれぞれ一人ずつ選出され、優勝チームの選手がその栄誉に輝く傾向が強い。
だが私はチームの成績にかかわらず、最も優秀な成績を残した選手を選ぶべきだと、前々から主張している。
MVPの意味は、最も優秀な選手であって、優勝に最も貢献した選手ではない。
本来の意味に立ち返るならば、セリーグは巨人の菅野、パリーグはソフトバンクの柳田が相応しい。

沢村賞と同じく、MVPを両リーグから一人だけ選ぶとしたら、誰になるだろうか。
私は、鈴木啓示(近鉄)以来40年ぶりとなるシーズン8完封を挙げた菅野の右に出る者はないと思う。
打高投低が進み、投手の分業制が確立した現代プロ野球において、先発投手部門で40年も前の記録に並ぶのは至難の業だ。
打者部門では、王貞治(巨人)の打ち立てた868本塁打を除けば、更新が不可能な記録は見当たらない。
金田正一の通算400勝、稲尾和久とビクトル・スタルヒンのシーズン42勝、そして江夏豊のシーズン401奪三振は永遠に破られないと断言できる。
今シーズンの菅野は、正力松太郎賞に選ばれてもおかしくはなかった。

日本シリーズのような短期決戦では、勝ったチームからMVPが選ばれて然るべきだ。
先の日本シリーズではソフトバンクの甲斐捕手がMVPに輝いた。
もちろん私に異論はない。
むしろ、よくぞ甲斐を選んでくれたと感心している。
広島の機動力を完璧に封じ込めた「甲斐キャノン」は、世が世なら新語・流行語大賞も受賞していたであろう。

甲斐キャノン

世が世なら、「大迫ハンパない」を余裕で捲ったに違いない。
時代に恵まれていたら、発表まで残り1カ月を切った今からでも、新語・流行語大賞の最有力候補に躍り出ただろう。
「甲斐キャノン」
先の日本シリーズで、ソフトバンクの甲斐捕手がMVPに輝いた。
シリーズでの盗塁阻止率100パーセント。
6度企図されて、6度とも刺した。
しかも、そのほとんどが余裕でアウト。
ランナーがスライディングの体勢を取る前に、甲斐の送球がセカンドベースに達していた。

かつて日本シリーズは、国民的な関心ごとだった。
当時はまだ日本代表がサッカーワールドカップに出場したことがなかった。
だから、日本国内が最も盛り上がるスポーツイベントとして、プロ野球の日本シリーズが群を抜いていた。
それが今や、地上波での放送がないことさえあるのだから驚きだ。
日本シリーズの期間中は、試合結果が気になって、授業が身に入らなかった。
それは教師とて同じだった。

かつて日本シリーズは、デーゲームで行われていた。
この時期の夜は寒くなるから、ナイターでの開催は困難と考えられていた。
しかし、温暖化やドーム球場の増加で寒さの問題は解決された。
また、平日のデーゲームともなると会社や学校を休まないと観戦できないことから、1995年から現行の形になった。
デーゲームだった頃は、教師の目を盗んでラジオを聴いているツワモノがどのクラスにも必ずひとりはいた。
あの時代にスマホがあったとしても、バレずに画面を見つ続けるのは至難の業であったに違いない。

野球人気の低下が叫ばれる昨今、日本シリーズの扱いが極端に少なくなった。
かつてはシリーズが近くなると、テレビを始めあちこちで勝敗予想が賑やかに行われていた。
どれだけ賑やかだったかを例えるならば、ロシアワールドカップの開幕直前を思い返すと分かりやすい。
評論家からにわかファンまで、日本国中がまるで我が事のように熱く語り合っていた。

今年の新語・流行語大賞は「大迫ハンパない」でほぼ決まりだろう。
ワールドカップ期間中は、日本全体が「大迫ハンパない」一色に染まった。
「甲斐キャノン」も、ベストテン入りはならなくとも、候補語にはノミネートされるだろうか。
日本シリーズでの6連続盗塁阻止は、掛け値無しにハンパない。
川島永嗣が1試合で、PKを2本続けて止めるぐらいの価値がある。

ドラフトのトレンド

日本ハムのドラフト戦略は単純明快だ。
ポジションにかかわらず、その年のナンバーワンを1位指名する。
引き当てることはできなかったが、今年は大阪桐蔭高校の根尾を1位指名した。
昨年は7球団競合の末、超高校球級スラッガーの清宮幸太郎を獲得。
過去に遡ると、大リーグ挑戦を表明していた大谷翔平や伯父の原辰徳が監督を務める巨人の単独指名が濃厚だった菅野智之を果敢に指名した。

「野球は守りから」言われるためか、ドラフト1位指名は投手になることが多い。
ところが今年のドラフトでは、3人の高校生野手に1位指名が集中した。
西武を除く11球団が根尾、藤原(大阪桐蔭)、小園(報徳学園)のいずれかを1位指名。
球団のドラフトに対する考え方が変わったのかもしれない。

先述のとおり、日ハムを除く球団はこれまで投手をドラフト1位指名する傾向が強かった。
野球の中心は投手であり、好投手の獲得が勝利に直結すると考えるからだ。
この考え方は決して誤りではない。
しかし、好投手は毎年現れる。
一方で、レギュラークラスの野手はさにあらず。
もし私に決定権があったなら、その年のナンバーワン野手をドラフト1位で指名する。
現在のレギュラーとポジションが被ったなら、いずれかをコンバートすればいいのだから。

今から40年近く前、父が得意げに言った。
「原辰徳が入ったら、巨人は優勝するぞ」
4球団競合の末、ドラフト1位で原を引き当てた巨人は翌81年、8年ぶりに日本一を奪還した。
甲子園通算13本塁打の記録を引っ提げてプロ野球界に飛び込んだ清原和博は、西武に黄金期をもたらした。
夏の甲子園で5打席連続敬遠の伝説を作った松井秀喜は、巨人に4度日本一をもたらしたのみならず、ヤンキースでもワールドシリーズ優勝に貢献した。

好投手は毎年多数輩出されるから、2位以下でも充分に獲れる。
だから、ドラフト1位は野手で行くべき。
今年のドラフトは新時代の幕開けを予感させた。
「2018年がドラフトの転機になった」と言われる日が後年やってくると、いち野球ファンに過ぎない私は確信している。

これぞ快刀乱麻

菅野智之がクライマックスシリーズ史上初となるノーヒットノーランを達成し、ジャイアンツをファイナルステージへと導いた。
惜しむらくは、7回ツーアウトから山田哲人を迎えた場面。
フルカウントから投じたインコースへのスライダーはキャッチャーの手前でワンバウンドし、大記録への道は断たれた。
このフォアボールがなければ、完全試合だった。

なぜ、ボール球が許されない場面で、難易度が高いインコースへのスライダーを選択したのだろうか。
私には解せない。
悔やんでも悔やみ切れない。
それまでの二打席、アウトコースの球で山田から三振を奪っていたので、裏をかいたのだろう。
それは理解できる。
しかし、真っ直ぐでよかったのではなかろうか。

レギュラーシーズン最終戦でリリーフ登板した菅野は、中4日でこの試合のマウンドに上がった。
球数が100球に近づいた7イニングス目、それまで完璧だったコントロールに若干の乱れが生じた。
相手が3度目のトリプルスリーを達成した山田とあって、警戒もしたのだろう。
この日の菅野を支えた右打者への外角スライダーが決まらず、カウントを整えることができなかった。
そして運命の一球は無情にも低めに外れた。

パーフェクトは逃したが、素晴らしいピッチングだった。
とりわけ、スライダーのコントロールが完璧だった。
この試合に限らず、今シーズンの菅野は神懸かっていた。
沢村賞の選考基準7項目を全てクリアし、最多勝を含む三冠を達成した。
中でも特筆すべきは、鈴木啓示(近鉄)以来40年ぶりとなるシーズン8完封。
不惑を超えて久しい私でさえ、鈴木啓示の全盛期を知らない。
平成最後のシーズンに、伝説級の大投手と肩を並べた。

クライマックスシリーズのファイナルステージは水曜日に開幕する。
菅野が先発として投げられるのは、おそらく1試合。
金曜日の第3戦に中4日で先発すると私は予想する。
本来であれば中5日開けたいところだが、広島に1勝のアドバンテージがあるため、3戦で決着がつく可能性もある。
菅野を先発させないまま、敗退するわけにはいかない。

このところ野球中継とはご無沙汰だった私も、歴史的快挙を見逃すまいと、液晶画面にかじりついた。
賛否両論あるが、これだからクライマックスシリーズはやめられない。
菅野の快挙で勢いに乗ったジャイアンツがこのまま日本一になったら、辞任を表明している高橋監督はどうなるのだろうか。
非常に興味深い。

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