自由ネコ通信

冤罪乱発の警察から強制捜査権を剥奪し、職業裁判官から市民の手に刑事裁判権を取り戻そう。予審制度と陪審制度の復活を求めます

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 現在公開中のシン・ゴジラをめぐっていろいろな方が語っています。総じて、ゴジラを福島第一原発の事故と結びつけて語っている方が多いようです。
 週刊金曜日の特集の中で、長山靖生さんは次のように述べています。
「そもそもゴジラは今から62年前の1954年、核の脅威を象徴する怪獣として生み出された」
「放射能を帯びた熱線を吐くゴジラは、原水爆の脅威そのものだった」
「われわれは、ゴジラに匹敵する現在進行形の課題を抱えている」
「震災とそれに続く東京電力福島第一原発」
 制作者の意図がどうだろうと、映画をどう解釈するかは見る者の特権です。だから、映画の解釈に正解はありません。しかし、この長山さんの見解には強い違和感を感じます。
 以下、第一作のゴジラは「ゴジラ」とシン・ゴジラに登場するゴジラは「シン・ゴジラ」と表現します。
 ゴジラ=原水爆と位置づけてしまうと、原水爆は人間の誤った意志によって生み出されたものではなく、突然襲ってくる自然災害のような避けられない存在になります。そしてその「ゴジラ=原水爆」の脅威をなくしたのはさらに強力な科学・兵器「オキシジェン・デストロイヤー」でした。これは、敵の原水爆に対抗するためとしてより強力な原水爆をより多く求めた冷戦の論理、軍拡の論理そのものです。第一作はそんな冷戦推進メッセージの映画だったのでしょうか。
 長山さんは震災と福島第一事故とを並列に並べています。でも、福島第一原発事故は自然災害ではありません。「シン・ゴジラ=福島第一事故」を出発点とすれば映画『シン・ゴジラ』の語るメッセージは、「シン・ゴジラ=原発事故がどれほど恐ろしく見えようと、政府が正しく対処すれば封じ込めることができる」。まさに現在、政府が原発推進の根拠としている考え方そのものでしょう。強烈な原発推進映画ということになります。

ゴジラ=荒ぶる神

 ゴジラは何を象徴していたのか。それを考える一つのヒントは、ゴジラが大戸島の伝説の中に登場する存在だったということでしょう。島民がその怒りを恐れて生け贄を捧げてきた荒ぶる神・ゴジラ。原水爆実験はその荒ぶる神を目覚めさせ、その怒りを解き放ってしまいました。ゴジラは原水爆そのものではなく、それによって破壊された自然であり地球・ガイアであると私は感じます。
 そして、人間が愚かにもガイアに向けた凶器・放射能がガイアの象徴・ゴジラの姿で人間に戻ってくる。それでも人間はゴジラに対して原水爆以上の超兵器「オキシジェン・デストロイヤー」で対抗するしかありません。だから、ゴジラの死は同時に科学者芹沢大助の死であり、科学が進歩と人類の幸福をもたらすという幻想の死でなければなりませんでした。原水爆とその民生版・原発は「人類の未来を開く夢のエネルギー」という幻想はこのとき死んだのです。

シン・ゴジラ vs

 ゴジラ映画には第二話以降、ゴジラvs怪獣という系譜が脈々と連なっています。シン・ゴジラもそうした系譜に連なるものと見ることもできます。
 映画『シン・ゴジラ』に特徴的なのは人間がほとんど登場しないことでしょう。登場するのは、内閣官房副長官をはじめ首相などの政治家や官僚、軍人という機能を持つレプリカント・人造人間たちです。映画『シン・ゴジラ』は、シン・ゴジラがそうした非人間で作られた日本国家・政府という最強、最凶悪の怪獣と衝突し、敗れさる映画です。
 シン・ゴジラとの闘いで、国家・政府はまるで消耗部品であるかのように多くの命を使い捨てていきます。そして、それが人びとを守る貴い犠牲・英雄行為として語られます。これはまさに戦争と戦争動員の論理そのものです。戦後憲法によって牙を抜かれていた日本が、再び牙をむき出しにして戦争を始めようとしている時にゴジラ映画がこのように描かれるのは象徴的ではないでしょうか。

シン・ゴジラが象徴するもの

 では、シン・ゴジラは何を象徴しているのでしょうか。映画の中でどのように描かれているか、それを手がかりにしましょう。
 シン・ゴジラはどこからともなく突然東京湾に現れ、様々に姿を変えながら圧倒的な暴力で人びとの命を奪い街を破壊する絶対悪として描かれます。それがどこから来てなぜそうした行動を取るのか、どのような存在なのか、誰も知ろうともしません。研究するのは、弱点を知って対抗し駆除するためだけです。
 今、現実世界でも無条件の絶対悪とされる存在があります。世界の様々な地域で米国を筆頭とする帝国主義諸国とその傀儡・独裁に対して自らの命を投げ出して闘っている人びとがいます。時に行き過ぎ、歪んだ思想に固執し、仲間割れしながら、それでも自分や家族、友人、故郷を守るために闘うしかない人びと、そうした人びとはテロリストと呼ばれます。
 群衆の海の中から突然現れて牙をむき、発見・遭遇したら直ちに無条件で駆除しなければならない絶対悪、それがテロリストです。シン・ゴジラとの闘いは、現実世界の反テロ戦争と同じ構図を持っています。
 行動を封じ込められ都心に残されたシン・ゴジラの姿は、テロの警戒を呼びかける駅のホームや街角のポスターです。ヤクザが用心棒代として金を奪っていくように、政府はシン・ゴジラ=テロリストから守ると称して人びとの生命と自由、人権を奪っていくのです。

究極の国策・国粋映画

 福島第一との関係で見たとき、映画『シン・ゴジラ』は、事故を自然災害にすりかえて原発推進政策を免罪し、被害拡大は初期の政府(民主党政権)の無策によるもので、現場の英雄的自己犠牲と新たに登場した有能な政府(安倍政権)によって事故は封じ込められたと描きあげ、現政権の原発再稼働政策を擁護する国策映画です。
 そしてシン・ゴジラとの闘いを現実の反テロ戦争と同じ構図で描くことで、それを口実とした政府の戦争動員、抑圧強化・人権破壊を正当化する戦争翼賛映画です。
 こうした映画『シン・ゴジラ』のナショナリズムと排外主義の鼓吹は、原水爆と冷戦に反対したゴジラ第一作も、人びとの意識の中で、原水爆とそれに象徴される米英の攻撃に対して神国日本が新たな超兵器によって打ち破るという国粋映画に変えてしまっています。
 戦争の時代のゴジラ映画『シン・ゴジラ』の中に、私は近づく戦争の足音と人びとの生命と生活を守るとして登場しようとしている強権国家、独裁政権の影を感じています

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