自由ネコ通信

冤罪乱発の警察から強制捜査権を剥奪し、職業裁判官から市民の手に刑事裁判権を取り戻そう。予審制度と陪審制度の復活を求めます

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嫌疑を受ければ即、組織的犯罪集団・関係者

 共謀罪では、拡張解釈によって市民運動も対象とされるのではないかという危惧が野党議員やジャーナリスト、芸術家など様々な市民から出されてきました。
 しかし、国会審議の中で、安倍政権はそれ以上に反動的、反民主主義的な使用を想定していることが明らかになってきています。
 衆院法務委員会での
(共謀罪の嫌疑で)捜査したが、結果として組織的犯罪集団に関わりがなかったことが明らかになった場合、それは一般市民が捜査対象になったことにならないのか
などの質問に対し、政府は
捜査対象になったということは、その人間は一般市民ではない
具体的な嫌疑が生じている以上、不起訴になろうと裁判で無罪となろうと組織的犯罪集団関係者だ
と答弁しました。
 警察など捜査機関がある市民を組織的犯罪集団の関係者と決めつけるためには具体的な事実は必要ない。捜査機関が怪しいと疑うだけで関係者だと政府は言うのです。
 疑われるようなことをするのは一般市民ではない、一般市民でいたければ孤独でいるか、疑われないよう「通常の団体」に属して「通常の生活」だけをしていれば良い。これが共謀罪についての政府の本音です。

 これは、封建時代の逆心の疑いを抱かれたら無実を証明しない限り処刑というやり方、先の戦争中の怪しいと思われたらスパイとして逮捕・拷問というやり方、政府や社会秩序に異を唱えたら「非国民」という論理と共通する、疑われること自体が罪、疑わしきは罰するという、民主主義と無罪推定など近代刑事手続きの原則を否定する反動的主張です。
 治安維持法と一体で朝鮮・台湾の植民地支配、中国大陸への侵略戦争拡大が進んだように、共謀罪は安倍政権が「積極的平和主義」という詭弁を使って進める日本の侵略戦争開始と一体で、戦時体制作りのために強行されようとしているということなのです。

共謀罪に無罪推定の原則は適用しない

 「灰色無罪」という言葉があります。無罪推定を原則とする近代刑事手続きではなりたたない言葉です。無罪推定では、どれほど黒に近い灰色でもそれは白です。米国の刑事手続きで判決が「guilty(有罪)」「not guilty(有罪ではない)」と言い渡され、「innocent(無罪)」が使われないのは、黒以外はすべて白という無罪推定の原則が貫かれているからです。
 ところが国会審議で、政府は、組織的犯罪集団に属しているクロ、集団に属していないシロの他に、嫌疑を受けたグレーがいる。グレーの人は一般人、シロとは別だと明言しました。組織的犯罪集団の関係者、つまり事実上のクロだと言うのです。
 共謀罪に関しては無罪推定の原則は適用しないというわけです。共謀罪は新たな犯罪新設による弾圧手段というだけではありません。刑事手続き自体から人権を守るための諸原則を排除して、一方的に市民を断罪する前近代的、抑圧的システムに変えてしまう法律なのです。

 治安維持法もそうでした。1941年の全面改定で、新たに「第二章 刑事手続」という章を設け、検事に逮捕・勾留状の発付や強制的尋問、強制的な捜索・押収等を認め、裁判自体も三審制から二審制に変更しました。実は、戦前の刑事手続きでは、強制処分ができるのは司法権・裁判所だけという原則が貫かれ、当事者対等の立場から行政権であり一方当事者である検事による強制的な尋問や捜索・押収は認められていませんでした。
 戦後、令状発付や審制は元に戻されたものの、強制捜査権を検事に与えた規定は戻されるどころか治安維持法事件から全刑事事件に拡大されました。この戦後の準治安維持法型刑事手続きを全面的な治安維持法型に変えようとしているのが共謀罪なのです。

組織犯罪集団の認定は警察がする

 具体的に見ましょう。
 政府は、共謀罪適用には段階があると言います。
 まずは、その市民が組織的犯罪集団に関係しているかどうか。逆に言えば、その市民が属している集団が組織的犯罪集団であるかどうか。
 そしてそれを決めるは、その市民が共謀罪の嫌疑を受けたかどうかだと言っています。

 ある市民が既存の団体の属している場合。
 警察が、その市民の団体仲間と行った話し合いを団体の活動として行われた対象犯罪の計画合意だと疑えば、その時点で市民は組織的犯罪集団の関係者となり、団体は組織的犯罪集団に一変したと認定されます。
 捜査の結果、その話し合いが団体と無関係に行われた、あるいは犯罪計画でなかった、そもそも話し合い自体なかったということが分かっても認定は覆りません。
 共謀罪での処罰は免れたとしても、その後その団体は組織的犯罪集団として、市民も組織的犯罪集団の構成員として、警察の厳しい監視下に置かれることになります。

 いかなる団体にも属していない場合でも安心はできません。
 ある市民が友人と行った話し合いを対象犯罪の計画策定だと警察が疑えば、市民と友人は組織的犯罪集団を結成したとみなされ、市民と友人はその集団の構成員とされます。嫌疑が晴れても認定が覆らないのは同様です。関係を絶たない限り、交友関係は警察に監視され続けます。

 対象犯罪の計画の嫌疑だけでも団体や人と人の交流が犯罪集団とされ、市民が犯罪集団関係者とされるわけですから、対象犯罪の実行の嫌疑でも同様であることは明白でしょう。今、基地反対運動や原発反対運動に対して犯罪ねつ造と言わなければならないほどの弾圧が加えられています。共謀罪が、そうした市民運動を犯罪集団と決めつけるのに法律の解釈を拡大する必要すらないことは以上から明白です。

 しかも、共謀罪にはそうした監視下の市民の、犯罪を意図しない話し合いも強引に犯罪計画としてしまう論理が存在しています。これについてはあらためて別に論じます。

警察国家、監視国家を生み出す

 警察が噂や思い込みだけで、具体的事実も必要とせずに、ある市民やその属する団体、交友関係を反社会的存在と決めつけて監視し、口実を見つけては弾圧する。共謀罪が生み出すそうした警察国家や監視国家の例は、決してこれまでもなかったわけではありません。ナチス支配下のドイツ、スターリン支配下のソ連はその一例でしょう。
 安倍政権の中枢を占める改憲クーデター勢力が、改憲と緊急事態発動によってヒトラーのように独裁政権を樹立しようとしている過程の中で、共謀罪を強行しようとしているのは無関係ではありません。改憲の国会発議が出された時には、すでに改憲に反対する意見表明や運動が一切不可能になっている、あらかじめそうした状況を生み出すために作られようとしているのが共謀罪なのです。

 改憲クーデター勢力は決して多数派ではありません。しかし、日本版NSCによって首相、官房長官、外相、防衛相で内閣を支配し政府全体を制圧する、人事権で国家官僚トップを支配し官僚全体を制圧する、最高裁に仲間を送り込み最高裁を支配し裁判所全体を制圧する、こうした構造は国会やマスコミなど様々な分野でクーデター勢力の支配と制圧を生み出しています。こうした構造を破壊するためにレベル・分野を超えた反クーデターの運動を作り上げること、それによってまず共謀罪制定を阻止することが、今一番求められている闘いです。

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