自由ネコ通信

冤罪乱発の警察から強制捜査権を剥奪し、職業裁判官から市民の手に刑事裁判権を取り戻そう。予審制度と陪審制度の復活を求めます

過去の投稿月別表示

[ リスト | 詳細 ]

全1ページ

[1]

推進派のブログが示す共謀罪の危険性

 共謀罪がどのような法律か、誰を対象としているのか、知るためには共謀罪推進派が共謀罪をどのように見ているかを知るのも必要でしょう。
 そこで、比較的熱心に発信している坂東忠信さんのブログを検討してみます。坂東さんは元警視庁通訳捜査官と自称していますので、それが本当なら捜査機関が共謀罪をどう見ているのか、共謀罪でなにをしようとしているのかを知るための参考になるでしょう。

「具体的準備行為」はいらない

 同ブログに「組織的犯罪の共謀罪 〜対象となり得るケース・ならないケース〜」という表が掲載されています。
 対象となり得るケースとして
暴力団組員らが、対立する暴力団の構成員を襲って監禁した上、拳銃で射殺することを計画
など、いかにも恐ろしげな犯罪計画がならびます。
 対象とならないケースとしては
会社の同僚数名が、居酒屋で、上司の悪口で盛り上がり、「殺してやろう」と意気投合
など、この間政府が必死に対象外と言い訳している内容が並びます。一見するだけなら「『そりゃだめに決まってんだろ』と判断できるライン」かもしれませんが本当でしょうか。
 この表の直前で坂東さんは「具体的な準備行為がないと、共謀罪は成立しません」「かなりハードルは高い」と準備行為の必要性を共謀罪が乱用されない根拠としてあげています。ところが同氏が「対象となり得るケース」としてあげている例でもすべて計画で終わって準備行為は行われていません。準備行為が必要ならば「対象となり得るケース」もすべて対象としてはならないはずです。
 つまり、共謀罪を推進する坂東さんにとって、準備行為の必要性とは反対の声を抑えるための方便でしかなく、実際の摘要に当たっては考慮する必要もないものなのです。

犯罪集団と見なせば共謀罪発動

 では、対象となるならないの差はどこにあるでしょうか。なる方には暴力団、テロ組織、詐欺集団などいかにも「犯罪集団」という名前が並びます。一方ならない方には会社の同僚、労働組合の組合員などが並びます。つまり、誰が計画したかによって共謀罪が適用されるかどうかが決まるということをこの表は示しています。警察が「犯罪集団」と決めつければ話し合っただけで共謀罪が適用されるという、反対派の危惧が推進派の主張からも裏付けられています。
 では、犯罪集団と決めつけるにあたって何らかの基準があるのでしょうか。この表にはその点で一つの詭弁があります。「海賊版CDの販売を繰り返している集団」など過去に同様な犯罪を行っていることが「犯罪集団」と規定する一つの根拠であるかのように述べています。暴力団やテロ組織、詐欺集団という表現も同様です。しかし、共謀罪には過去の犯罪歴を問題にする規定はありません。
 「人気歌手の多量のCDを無断でコピーして販売を計画」すれば、それが友人数名の間の冗談で、今までそんなことをしたこともなく、実行しなくても、友人数名が「犯罪集団」を作ったと決めつけられて共謀罪で罰せられるのです。犯罪集団と言っても最初は知人数名の話し合いからです。だからこの友人数名が犯罪集団とされないという保証はありません。

政府に反対すれば共謀罪の対象

このブログの題名は

「犯罪予備集団?が必死になって反対する『共謀罪』」
というものです。そして、ブログの冒頭には

これができると事前に暴力革命計画を察知されたら逮捕されちゃうとビビる共産党や、極左とつながる革新政党が反対
という文章があります。この二つの文章が示しているのは、共産党や革新政党など共謀罪に反対している市民を「犯罪予備集団」と決めつけて共謀罪を適用しろと、共謀罪推進派が訴えていることです。
 菅官房長官が1月16日の記者会見で、共謀罪について「一般の方々が対象となることはあり得ない」と述べたのも、この文脈で見れば真意は明白です。政府に反対するものは「犯罪予備集団」で「一般の方々」ではないから対象にするという宣言でしょう。

本当に警察関係者?

 なお、「坂東さんは元警視庁通訳捜査官と自称」と書きました。別に蔑視する意図はありません。
 確認する方法が私にはないことが理由ですが、それ以外にも捜査など法律に携わった者なら間違いようのない間違いがいくつか、このブログに見られるからです。
 「暴力革命計画」が共謀罪で初めて摘発されるかのように書いていますが、暴力革命は内乱ですからすでに内乱予備(刑法78条)で摘発できますし、破防法でも摘発できます。破防法はすでに発動されていますから捜査関係者ならそれを知らないはずはありません。
 また、「法定量刑が二年以上となっていても上限がない暴行罪」というのも間違いです。暴行罪(刑法208条)は2年以下の懲役ですから共謀罪の対象犯罪ではありません。法律に携わる者なら暴行罪は常に傷害罪とセットで考えますから、暴行罪を傷害罪以上の量刑と間違えることは考えられません。
 もちろん、ただの通訳だから捜査や法律には詳しくないということかもしれません。でしたら、「通訳捜査官」という人に誤解を生じさせる肩書きを誇示するのはやめた方が良いでしょう。
 政治家の皆さんは、共謀罪が成立したらあなた方の行う政治活動や選挙運動が犯罪とされる危険がとても高いことに気がついていますか。

違反の可能性に気がつかないと政治活動が犯罪に

 業者やボランティアに依頼した活動が、やり方によっては多数人買収や選挙の自由妨害など長期4年以上の刑罰の違反になる可能性がある場合、依頼の段階で明確に「違反しないように」と指示していなければ選挙違反の共謀を行ったとされてしまう大きな可能性があります。活動が行われる前に共謀罪で摘発されれば、業者やボランティアが「違反にならないように注意してやるつもりだった」といってもそれを証明できません。無実を証明できなければ有罪となるのが日本の裁判です。
 具体的に選挙違反になる活動を指示しなかったと言っても言い訳になりません。もしかしたら違反になるかもと知っていながら黙認したという「未必の故意による共謀」が、選挙運動でも成立するという判決が静岡地裁で出ています。

後で気がついても手遅れ

 後で気がついて「違反しないように」と注意しても間に合いません。依頼の段階ですでに共謀罪は成立しています。それを後からなかったことにはできないのは、盗んだものを返しても窃盗罪がなかったことにならないのと同じです。かえって違反を認識していた証拠とされてしまうでしょう。
 違反の可能性に気がつかなかったことも正当化の根拠にならないのは、他の犯罪で違法とは知らなかったという言い訳が通らないのと同じです。

警察の顔色をうかがいながら政治活動を行う社会

 共謀罪が成立したら、政治活動はちょっとした不注意が犯罪とされてしまう綱渡りのような活動となります。あなたが犯罪者となるかどうかは警察や背後の政権の意向しだいです。警察や政府の顔色をうかがいながら政治活動を行わなければいけないような社会を作っても良いのですか。

恣意的に使うための抑圧法

 安倍政権が国会に出そうとしている共謀罪法案には三つのウソがあります。
 
1) テロ対策、組織犯罪対策というウソ。
 安倍政権は、テロや組織犯罪対策が目的と主張しています。でも、共謀罪法案にテロや組織犯罪そのものを取り締まる規定はありません。テロや組織犯罪も犯罪の一種であり、当然今ある刑法などで取り締まり可能ですし、取り締まるしかありません。
 
 では、何を誰を対象にしているのでしょうか。テロリストや犯罪組織とその構成員でしょうか。でもすでにテロを行った者をテロリスト、組織犯罪を行った者を犯罪組織というならそれを取り締まるのはやはり刑法などです。
 共謀罪が対象とするのは、テロを行っていないテロリスト、組織犯罪を行っていない犯罪組織ということならば、テロを行っていないテロリストと、テロを行っていない一般市民つまり私たちと、どうやって区別するのでしょうか。結局私たちの会話のはしばし、何気ない行動に言いがかりをつけ、テロリスト、犯罪組織に仕立て上げるしかありません。
 マスコミは、共謀罪に恣意的に運用される危険があると言います。それは正確ではありません。
 共謀罪はテロも組織犯罪も行わない目障りな市民を、恣意的にテロリスト、犯罪組織構成員に仕立て上げ取り締まるための法律です。

グチや不満を言わせない脅迫法

2) テロや組織犯罪を準備段階で取り締まるというウソ。
 安倍政権は、テロや組織犯罪をその準備段階で取り締まる、と主張しています。でも、共謀罪法案に、取り締まる会話がテロや組織犯罪のためでなければならないという規定はありません。
 つまり、その会話を行った者を取り締まらないとすぐにその犯罪が行われるとか(「緊急性」と言います)、近い将来その犯罪が行われる可能性が高い(「蓋然性」と言います)という条件はつけられていませんし、警察などにそれを立証する義務も課せられていません。被告人が無実を証明しなければ有罪というのが日本の刑事裁判ですから、例えば銀行の前を歩いたのは銀行強盗の下見ではないと証明できなければ、冗談一つで銀行強盗の共謀罪に仕立てられてしまいます。
 一つの典型例をあげましょう。
 男性であるあなたが痴漢に関する猥談をした後、満員電車に乗ってたまたま近くに女性がいれば、何もしなくてもあなたは強制わいせつの共謀罪で逮捕されます。猥談が共謀、女性の近くに立ったことが準備行為というわけです。
 もし、実際に痴漢目的で女性に1・2回触れれば、迷惑防止条例違反で6ヶ月以下の懲役・禁固か罰金でしょう。何もしなければ、1・2回で終わるつもりだったとは証明できませんから強制わいせつ罪の共謀ということで2年以下の懲役・禁固となります。しかも、一緒に冗談を言い合った仲間は、あなたが条例違反で摘発されれば条例違反の共謀罪はないのでおとがめなし、何もしないで共謀罪で摘発されれば一緒に2年以下となります。何もしない方が罪が重いというおかしな法律です、
 こうした関係は、傷害罪の共謀と暴行罪などいろいろあります。
 共謀罪をめぐるこのような構造は、共謀罪が、言葉では犯罪を語っても実際には犯罪には踏み切れない穏健な市民、グチや冗談で語っても実際に犯罪を行おうとは思わない善良な市民を取り締まりの対象としていることを示しています。
 なぜでしょうか。グチや冗談を背景には経済格差の拡大や差別の蔓延、職場のブラック化などに対する社会的不満があります。そうした不満の吐露は安倍政権にとっては脅威ですが犯罪ではないので現行法では規制できません。そのために必要とされるのが共謀罪です。
共謀罪は、グチや冗談という犯罪には結びつかない社会的不満の吐露を犯罪とするための法律です

穏健派にむけた新型破防法


3) テロや組織犯罪の脅威が高まっているというウソ。
 安倍政権は、共謀罪の新設が必要な理由としてテロや組織犯罪の脅威の拡大をあげています。しかし、現実に脅威は拡大しているのでしょうか。

 まず組織犯罪について検討しましょう。2015年の警察白書に暴力団犯罪の検挙人員の統計が載っています。1年ごとの検挙人数は2010年の25,686人から2014年には22,495に減っています。また、共謀罪法案には「テロ」の定義さえありません。
 日本でテロや組織犯罪の脅威が高まっているという事実は存在しません。では、安倍政権にとって高まっている脅威とは何でしょうか。
 最初に浮かぶのは、安倍政権の戦争法強行に抗議して国会前に集まった数万の市民でしょうか。法の枠から踏み出さないので取り締まれませんでした。しかし、共謀罪は前節に述べたように、実行されないからこそより重い犯罪を想定できるという構造があります。実行されなければ、国会への突入、放火、推進派議員への傷害などの共謀があったと言いがかりをつけて取り締まることはいくらでも可能です。
 安倍政権の格差拡大政策や福祉削減、戦争と差別の推進に対する抗議が広がっています。過激化すれば現行法で取り締まり可能です。穏健なままでは現行法では取り締まれません。そこで登場するのが共謀罪です。
 共謀罪は、穏健派にむけた新型破防法です。
 露骨に言いましょう。過激派や共産党対策として破防法があるように、社民党、民進党、そして公明党や自民党内リベラル派などを取り締まる破防法型規制法として共謀罪が出てきているのです。
 この間、釜山の日本大使館前に「従軍慰安婦」を象徴する少女像が設置されたことに対して、日本政府の撤去要求が強まっています。5日にも、菅官房長官は「極めて遺憾」「(撤去を)強く申し入れていきたい」と発言しました。

加害者の卑劣な居直り

 街を歩いていると、時々道ばたに花束が置かれているのを見ます。たぶん交通事故の現場なのでしょう。被害はどれくらいだったのか、ドライバーはどれくらいの罰を受けたのかなどと考えてしまいます。
 ところで、法廷では「深く反省しています」などと述べて刑罰の減免を受けたドライバーが、裁判所の帰りに事故現場の花束を踏みにじったとしたら、そうしたドライバーを私たちは卑劣な人物と非難するのではないでしょうか。
 御巣鷹山という山に慰霊碑があって慰霊登山などが行われています。1985年に発生した日航ジャンボ機の墜落事故の被害者を慰霊する碑です。加害者・日本航空が資金を出して建設されました。
 もし、日本航空が慰霊碑建設を拒否するだけでなく、補償はしたからと言って、被害者の建てた慰霊碑の撤去まで要求したら、日本航空に対するごうごうたる非難が巻き起こらないでしょうか。
 「従軍慰安婦」に関する日韓合意で当時の岸田外相は「日本政府は責任を痛感」「心からおわびと反省の気持ちを表明」と述べました。合意に対する批判・評価はひとまず置いて、少女像撤去を要求するなどということが責任を痛感し反省したという日本政府の取るべき態度なのでしょうか。卑怯・卑劣としか言いようがありません。

「謝罪」を逆効果とする無能

 本当に反省し、謝罪の気持ちがなかったとしても、少なくとも日本政府は「謝罪」という態度を選択しました。被害者の怒りを弱め非難を鎮めることで、「従軍慰安婦」問題の外交的比重を下げようとしたのでしょう。だったら最後まで謝罪の態度を貫くべきです。
 日本政府は、頭を下げた直後に後ろを向いて舌を出してみせることで、「謝罪」を逆効果にしてしまいました。「加害は認めるが反省はしない」という、誰に対しても正当化できない居直りを行ったのです。その結果、被害者の怒りに油を注ぎ、非難を強めるだけでなく、中立的立場の存在まで非難する側に回してしまいました。
 日本政府が撤去を要求すればするほど、韓国だけでなく米国など多くの国で日本政府の卑劣さを示す少女像の建設は拡大するでしょう。卑劣さだけでなく、政治的無能を示しているのが少女像撤去要求です。
 そしてそれは、そうした政府の存在を許している、私も含めた日本人の卑劣さ・無能を示していることにもなるのです。
 やってしまった愚かな行為は無視し否定してもなくなりはしません。直視し、反省し、謝罪することだけが新たな道を開くのです。少女像を、日本政府あるいは日本国民の資金と責任で日本国内に建設することが、再び反省と謝罪を受け入れてもらうための唯一の道です。

全1ページ

[1]


.
自由ネコ
自由ネコ
男性 / 非公開
人気度
Yahoo!ブログヘルプ - ブログ人気度について
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

ブログバナー

過去の記事一覧

検索 検索

スマートフォンで見る

モバイル版Yahoo!ブログにアクセス!

スマートフォン版Yahoo!ブログにアクセス!

よしもとブログランキング

もっと見る

[PR]お得情報

ふるさと納税サイト『さとふる』
11/30まで5周年記念キャンペーン中!
Amazonギフト券1000円分当たる!
いまならもらえる!ウィスパーWガード
薄いしモレを防ぐパンティライナー
話題の新製品を10,000名様にプレゼント
いまならもらえる!ウィスパーうすさら
薄いしモレを防ぐ尿ケアパッド
話題の新製品を10,000名様にプレゼント

その他のキャンペーン


プライバシー -  利用規約 -  メディアステートメント -  ガイドライン -  順守事項 -  ご意見・ご要望 -  ヘルプ・お問い合わせ

Copyright (C) 2019 Yahoo Japan Corporation. All Rights Reserved.

みんなの更新記事