自由ネコ通信

冤罪乱発の警察から強制捜査権を剥奪し、職業裁判官から市民の手に刑事裁判権を取り戻そう。予審制度と陪審制度の復活を求めます

危険な共謀罪

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政府が新設を強行しようとしている共謀罪の危険性を、具体的な例などをあげて明らかにしていきます。
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犯罪の概念変え全市民脅し政府への屈服迫る

 これまで、共謀罪の構成要件(共謀罪を適用するための条件)にいわゆる犯罪組織と市民団体などを区別する規定がまったく存在しないことを明らかにしました。
 次いで、7月12日の政府答弁が、市民団体を共謀しない「正当な市民団体」と共謀する「正当でない市民団体」に分け、後者に対して共謀罪を適用すると明言したことを暴露しました。
 しかし、法案の厳密な分析のみでは共謀罪の本質を明らかにすることはできません。現在,警察庁は、“あらゆる法律を駆使して犯罪者を摘発する”と、必ずしも違法とは言えない限界ケースでの摘発を増やしています。運動のビラを配布しただけで建造物侵入を口実に逮捕されるという状況です。たとえ有罪にならなくても,逮捕の脅しで市民の抵抗を事前抑制することが共謀罪の目的なのですから、共謀の疑いだけでの逮捕が激増するでしょう。
 そこで次に法案の分析を離れて、共謀罪適用の具体的ケースを想定し、日本の法体系と矛盾する共謀罪の導入が近代刑法の原則と犯罪概念そのものを変質させかねない点を考えていきます。

● 犯罪者だから犯罪を行うはず

 刑法の中には、発生した結果によって罪が異なるものがあります。
 例えば通常、人を傷つければ傷害罪に問われます。したがって、人を傷つけようと共謀すれば、傷害罪は15年以下ですから、その共謀の罪は5年以下の懲役か禁錮となります。
 しかし、暴行を加えても傷害に至らなかった場合は暴行罪で2年以下ですから、その共謀は罪になりません。
 合意した段階でまだ結果も発生しないのに、それが暴行にとどまるか、傷害になるか、どのように決めるのでしょう。結局、「徹底的に」と言ったから傷害罪などと、合意の際の一言半句をとらえて判断するしかありません。こんなあいまいな根拠で罪を決めるのは、罪刑法定主義の原則の否定です。
 あるいは、これまでの生活態度が良いからせいぜい暴行の共謀だろう,傷害の犯罪歴を持つから今度の共謀も傷害だろうとなるかもしれません。誰が話したかで罪が決まるわけで、法の前の平等もまったく無意味です。
 このように強引な共謀罪適用の背景には、犯罪を実行した者を犯罪者とするのではなく、犯罪を人間の性向ととらえ、犯罪性向のある人間は何もしなくても犯罪者であり,いつか必ず犯罪を行うからその前に隔離・抹殺しなければならないという、犯罪の概念についての全面転換があるのです。
 すでに刑事裁判ではそれに近い認定が行われています。和歌山カレーえん罪事件では、以前に保険金殺人を計画していたから無差別殺人もやったはずと、直接証拠もなく、事件の性格もまったく異なるのに有罪を認定しました。共謀罪はそうした傾向をいっそう促進するでしょう。
(この項目について、補足の記事があります。以下の記事も参照してください)
http://blogs.yahoo.co.jp/felis_silvestris_catus/14992053.html

● 犯罪を行う意思がなくても犯罪者に:しかたなく共謀

 これまで市民団体について検討してきました。しかし、多くの団体は市民団体のような合意による意思決定というシステムをとっていません。上から一方的に命令が下りてくるのです。
 例えば、暴力団が銀行強盗を計画した時に参加希望者を募ったりするでしょうか。幹部が出てきて、お前は運転手とか、一方的に命令するだけでしょう。それで、下っ端が自分の意志と関係なく銀行強盗計画に組み込まれ、何もしなくても強盗の共謀罪を犯したことになるのです。
 まだ暴力団の場合は、参加する時に将来の犯罪実行を覚悟していたかもしれません。しかし、一般企業などの場合はどうでしょう。幹部が粉飾決算を決めれば、ある日突然、経理課員が有無をいわせず帳簿のねつ造を命じられます。その場で拒否すれば共謀罪にはならなくとも、業務命令違反とされるかもしれません。あとでやっぱりできないと辞職しても共謀の罪は消えません。共謀罪が通れば、労働者は業務命令が600以上の犯罪に抵触しないかいつも確かめ、いつでも辞職届を用意していなければなりません。

● 「うん」と言ったのが運の尽き:うっかり共謀

共謀罪の大きな特徴の一つは、いったん共謀したら撤回しても罪は消えないということです。
 ある人が,よく聞かずに何気なく「うん」と言った時に、相手が「あいつ、ぶん殴ってやろう」などと共謀罪対象犯罪の計画について言っていたら、その時点で共謀罪成立してしまいます。よく聞いていなかったからと言って撤回しても罪は消えません。

● 求職活動にも共謀の危険:なりゆきで共謀

 就職説明会に行ったら実は詐欺企業だった、というケースも考えられます。恐い顔の男ばかりで詐欺などとは言えず、一緒に「金儲けするぞー」などと気勢を上げて帰ってきます。そして家から電話で就職を断っても「金儲けするぞー」の段階で詐欺の共謀が成立し、あとは自首するか,時効までびくびく暮らすしかありません。

● 計画を立てるのも危険:間違って共謀

 計画を立てたら違法ということが分かったので撤回した。こんな場合でも共謀罪は成立します。
 後援会で公選法をよく知らない立候補者が投票依頼行動を要請し手みやげを持って回ろうとなりましたが、後から責任者が多数人買収になるからと中止させた。商品を輸入しようとしたら輸入禁制品だった。こうした場合,事前に実行の合意が行われています。「違法とは知らなかった」というのは言い訳になりませんから,いずれも共謀罪に問われる可能性が強いでしょう。
 いくら注意しても,運が悪ければ避けられないのが共謀罪です。

● 自首も早い者勝ち

 共謀罪の救済手段は自首だけです。しかも、それは最初の一人だけです。
 自分の意志に反して共謀してしまった。そこで自首してみたら、すでに相手が自首していた。相手の自首した時点で警察は共謀について知りますから,その後の出頭は自首にはならないというのが法の決まりです。

● 二人が組めば共謀罪デッチあげは超簡単

 日本の刑事手続きには,共犯者2人の証言があればそれだけで有罪判決を出しても良いという判例があります。
 宗教団体など真剣な活動の団体ほど、意見対立から人間関係が険悪化する可能性が避けられません。恨みを持つ退会者が二人で組んで、「○○会は半年前、こんな共謀をした」と警察に駆け込んだら、その会の残りのメンバーがどれほど否定しても無力です。当事者の言葉は証拠になりませんし、半年前に話した内容など正確に覚えている人もおらず、会話内容を証明する証拠もないでしょう。結局,二人が共犯者証人として法廷で証言すれば,有罪ということになります。
 それを防ぐためには,会合は録音して保存しておくとか,つねに対策をとるしかありません。
 いつも相手の発言を警戒し,共謀を強制されないかびくびくし,つねに言いがかりに対する対策をとっていなければならない,そんな人間不信と人間関係破壊の社会を生み出すのが共謀罪です。市民を個に分断し,共感と連帯を破壊し,政府権力に対する批判と抵抗の力を奪い取ることが、共謀罪導入の狙いなのです。
 共謀罪を絶対に導入させてはなりません。

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 政府・法務省は、共謀罪には「厳格な組織性の要件がかけられているから心配ない」と、共謀罪の対象が犯罪組織に限定されているかのようなイメージを作り出すことに必死です。
 しかし、それが実行されれば共謀罪の対象犯罪とされる行為について合意した場合、合意の主体が犯罪組織に関係する者か、市民団体などに関係する者かで共謀罪の適用に違いがあるでしょうか。共謀罪の条文および政府の国会答弁を詳細に検討すると、共謀罪の対象が犯罪組織に限られないだけでなく、市民団体への適用を否定する「厳格な要件」も存在しないことは明らかです。それどころか共謀罪の構成要件は、あえて言えば市民団体などへの恣意的な適用を狙ったとしか考えられない構造を持っているのです。

共謀の主体も目的も限定されない共謀罪構成要件


 共謀罪の対象が何かということは、共謀の主体が何かということです。まず、この点について、共謀罪の構成要件をみてみましょう。
 共謀罪の構成要件は、(1)長期4年以上の刑を定める犯罪について、(2)団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの、(3)遂行(実行)を共謀(合意)した者、と3項目からなっています。これを整理すると図1のようになります。
 まず、共謀罪が対象とする行為は、図1の通り“(遂行の)共謀=合意”です。「話し合いや合意も行為だから思想を罰するわけではない」などと主張する人がいます。しかし、共謀罪が問題とするのは話し合いという行為自体ではなく、ある行為の実行についての合意という人の意思内容であり、それは思想そのものなのです。
 そして、その共謀の対象である“遂行(実行)”行為の内容として“長期4年以上の…犯罪”の要件(1)が定められ、その“遂行(実行)”の態様としてa.「団体の活動として」とb.「組織により」の要件(2)が定められているというのが構成要件の構造です。

 この構造の大きな特徴は、共謀を直接限定する要件が何一つ規定されていないことです。“誰が”という共謀の主体についても、“何のために”という共謀の目的についても何も規定されていません。ただ、実行の内容と態様の要件によって間接的に限定されているにすぎません。つまり、共謀の主体が犯罪組織の関係者であろうと市民団体の関係者であろうと共謀罪適用において何の違いもありません。団体の構成員である必要もありません。もちろん団体とまったく無関係な者が「団体の活動として」の実行を共謀することはできませんが、例えばある企業の経理課員と税理士が税金を減らそうと話し合えば社員ではない税理士も“脱税の共謀”とされる可能性があるのです。
 また、共謀の目的も限定されていませんから、それが団体の本来の目的と関連する必要もありません。合法的な目的を持つ市民団体だからという言い訳は通りません。
 さらに、合意が団体の正式な意思決定である必要もありません。目的も構成員の範囲も不明確で公式の意思決定機関を持たない市民団体でも、正式な意思決定の場ではない定例会などでの話し合いでも共謀罪の対象とするために、あえて何も規定していないと言わざるをえません。

「共謀する団体は正当な市民団体でないから適用」


 共謀罪の構成要件に市民団体などへの適用を否定する直接の根拠規定がないことは以上のとおり明らかです。

 また、7月12日の衆院法務委員会の審議において、公明党の漆原議員は、「この法律の団体には、犯罪性のない株式会社、市民団体、サークル、労働組合などの組織犯罪集団でないものも含まれる」と述べ、政府はそれを否定しませんでした。団体の定義も歯止めとはならないのです。そもそも、共謀罪もそれを含む組対法にも、「犯罪組織」の意味が定義されていませんから、犯罪組織と市民団体を区別することは原理的に不可能です。

 そこで政府が目をつけたのが「団体として」という遂行の態様を示す要件です。
 では、合意の内容が「市民団体の活動として」行われる行為である場合と「犯罪組織の活動として」行われる行為の場合で違いがあるでしょうか。犯罪を行うのは犯罪組織だけではありません。時には、市民団体や会社、労働組合も「団体の活動として」犯罪を行うことがあります。したがって当然、その実行前に合意することもあります。また、犯罪組織のメンバーであっても、犯罪組織の活動とは別に犯罪を実行することがあり、その行為の前の合意もあるでしょう。前者は「団体の活動として」という要件に適合しますが、後者は適合しません。「団体の活動として」という要件に犯罪組織と市民団体などを区別する機能はありません。

 しかし、それでは「厳格な組織性の要件がかけられているから心配ない」というウソは貫けません。そこで、政府が行ったのは、詭弁を駆使して市民団体などについて恣意的な区別をつけることなのです。(図2参照)
 前記漆原議員の質問に対して、答弁に立った大林政府参考人は「団体が有している共同の目的が犯罪行為と相容れないような正当な団体」の場合は「共同の目的を有する団体として意思決定したとは言えないから」適用しないと言い逃れました。また、大林参考人は「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う」団体で「内部に犯罪実行部隊を持つ」団体には適用するとも述べています。

 政府の詭弁の手口は次のようなものです。
 第1に、「ある行為が団体の目的と相容れない場合、その行為は団体としての活動とは言えないのでは」というそれなりに根拠のある論理を出発点に、“個別の一般化”と“主語の転換”という詭弁手法で、ある行為を犯罪一般に、主語を団体にすりかえ、「共同の目的が犯罪行為と相容れない団体」(a)という奇妙な団体概念をデッチあげたのです。犯罪行為の摘発で目的が実現不可能になるのではないことに注意してください。「犯罪行為と相容れない目的」とは何でしょう。通常、市民団体などの目的は犯罪行為とは無関係に定められており、犯罪行為と相容れないわけではありません。
 例えば、料理研究サークルがその機関誌によく知られたキャラクターを無断でコピーした場合、この行為はサークルが団体として著作権法違反を犯したことになりますが、それで料理研究という団体の目的の実現が困難になったり不可能になるでしょうか。

 第2に、「相容れない」団体が共謀罪の適用対象でないとすれば、適用対象となるのは「共同の目的が犯罪行為と相容れないわけではない団体」(b)のはずです。しかし、政府は“対義語のすり替え”という詭弁手法で、それを「「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿う団体」(b')という概念に縮小しました。このことで、文芸サークルなどその目的が“犯罪行為”とはまったく無関係な団体(b1)の存在を隠蔽して、それが共謀罪の適用対象ではないかのような錯覚を生み出し、政府などと対立する可能性のある政治的、社会的テーマを目的とする団体(b2)のみが問題であるかのようにすり替えました。

 第3に、これらの詭弁を「犯罪行為が目的に沿う」とか「内部に犯罪実行部隊」などと「犯罪」という言葉でシンボル操作し、「相容れない団体」(a)のみが「正当な市民団体」であると決めつけ、「目的に沿う団体」(b')に切り縮められた「相容れないわけではない団体」(b)を非正当的な市民団体と非難しました。

 そして第4に、「犯罪」を論理の出発点とすることで、「「犯罪行為を行うことが目的に沿う」団体という概念を「犯罪行為を行うことが目的」とあいまいに規定した犯罪組織という概念に接近・混同させ、正当的ではない市民団体≒犯罪組織のように描き上げることで共謀罪の適用を正当化したのです。

 しかし、「犯罪行為を行うことが目的に沿う団体」(b')は犯罪組織ではありません。
 具体例で考えてみましょう。
 マンション建設反対の住民組織が、着工のための資材搬入を防ぐために座り込みの実行を話し合いで決めたとします(共謀)。座り込みはマンション建設反対という団体の目的に沿うものでしょう(団体として)。事故を防ぐために現場での指揮や連絡などの役割分担を決めれば、それが座り込みのための組織です(実行するための組織により)。座り込みが威力業務妨害など共謀罪の対象犯罪と見なされれば、住民組織は「犯罪行為(座り込み)を行うことが共同の目的に沿う」団体であり、内部に「犯罪(座り込み)実行部隊を持つ」団体として、政府答弁によれば共謀罪は適用されます。労働組合などのケースでも同じでしょう。

 結局、“市民団体がその目的の実現のために決めた行為が、日常生活のあらゆる局面に関係する600以上の共謀罪対象犯罪に抵触すると警察に判断された場合、その合意だけで共謀罪を適用されるのではないか”という当然の危惧に対し、政府はそれを逆転させ、共謀をするような団体は「正当な」市民団体などではないとして共謀罪を適用することを明言したのです。
 なお、「組織により」「犯罪実行部隊を持つ」という要件は、合意した行為が組織的に行われることを必要とするだけで、団体の中に独立した「犯罪組織」が存在するということではありませんから、そもそも市民団体などへの適用の歯止めとはなりません。

 以上のことは、政府の言う「厳格な組織性の要件」が共謀罪の市民団体などへの適用の歯止めとはならないことを示しています。政府は、“反戦や人権など、時に法律の枠を踏み越えても人には守るべき大切なものがある”、“悪法には従ってはならない”という思想とそれによって活動する市民団体などに対して“犯罪行為が目的に沿う”という言葉で犯罪組織のように描き上げて市民の敵意をあおり、それ以外の市民団体などと分断して共謀罪に対する当然の危惧と反対を解体し、まとめて共謀罪の対象にしようとしているのです。

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 共謀罪は危険ではないと主張する人びとがいます。

 例えば、ニックネームti2669という方は、自身のブログで「人権擁護法案と違い,この法律は安全ですから,賢明な保守及びその同調者の皆さん,安心して結構です」と訴えています。
 その主張をみると、共謀罪は(1)「犯罪を行うことが団体の目的に反しない集団で,内部に犯罪実行組織がある集団」であること、(2)その団体が具体的に犯罪の共謀を行ったことの二つの要件が必要だから、犯罪組織以外には適用されないということにつきます。(全文は、当該ブログを参照してください)
http://plaza.rakuten.co.jp/shousimin/diary/200507260000/
 まず、指摘しておかなければならないのは、「犯罪を行うことが団体の目的に反しない集団」(正確には「犯罪行為を行うことが共同の目的に沿うような団体」)というのは、犯罪を目的とする団体や犯罪を主要な活動とする団体いわゆる「犯罪組織」とは異なり、より広い概念です。
 次に、共謀の主体が団体でなければならないという規定はありません。単に共謀の内容が「団体の活動として……行われるもの」である必要が規定されているだけです。

 ti2669さんは、「公害被害者団体や支援する会などが企業に対する抗議行動を計画すれば、「組織的な威力業務妨害共謀罪」とされるおそれがあります。」という自由法曹団の訴えを取り上げて、「上記の行為が「団体の活動として」かつ,「当該行為を実行するための組織により」行われたならともかく,そうでないならばいずれも共謀罪の適用対象になりません」と反論したつもりになっています。
 では、公害被害者団体が企業に抗議するのは「団体の活動」ではないのでしょうか。また、抗議行動を行う際には、抗議の手はずや準備のための仕事の割り振りなど指揮命令系統も任務配置も必要でしょう。抗議行動を行うためには、抗議行動を「実行するための組織」が必要なのです。とすれば、上記の行為は「団体の活動として」「当該行為を実行するための組織により」行われるしかありませんから、ti2669さんの主張にしたがってもその計画が合意された段階で共謀罪適用というわけです。なお、抗議行動というのは日時も場所も具体的に決められますから、具体性の要件も満たすでしょう。

 ti2669さんは、「それにしても市民団体とか労働組合って犯罪を行うことが,団体の目的に反しない集団で,かつ内部に犯罪実行集団(正確には「犯罪実行部隊」)がある集団なんだ?初めて知った」と書いています。
 おそらく、皮肉のつもりなのでしょう。しかし、多くの市民団体などは「犯罪を行うことが団体の目的に反する」わけではありません。しかも、団体の目的に沿った活動を合意した場合にその活動が共謀罪対象犯罪とされたら、事前の合意段階で共謀罪が適用されるのではないかと危惧している時に、それが「団体の目的に反していれば適用されない」と慰められても無意味です。
 また、多くの市民団体などが内部に事務局や執行部、世話役といった活動のための組織を持っていますから、ある活動が犯罪とされればそのための組織は犯罪実行部隊とされるでしょう。
 だからこそ、多くの市民団体や労働組合が共謀罪に反対しているのです。

 結局、政府やti2669さんのような共謀罪推進派の多くが主張しているのは、犯罪行為を共謀するような団体は「正当」な市民団体でも労働組合でもないから共謀罪適用は当然、犯罪行為を絶対に共謀しない「正当」な市民団体などには共謀罪を適用しないから安心しろ、というものでしかありません。そのために、「犯罪組織」という概念よりはるかに広く多くの市民団体なども含む「犯罪を行うことが団体の目的に反しない集団」などという概念を作り上げたのです。

 共謀罪の背景には、市民団体や労働組合がその目的を実現するために時に法律の枠も超えて闘うことに対する敵意や、人には法律に抵触しても守らねばならない大切なものがあるという思想に対する憎悪が存在するのです。法の規制を超えて、政府の悪政に反対する者、社会の不正に抗議する者の連帯と団結自体を、共謀という犯罪として抑圧し、圧殺しようと狙う共謀罪の導入を、市民と労働者の団結で阻止しましょう。

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すべての市民・団体を犯罪者視する共謀罪


 衆議院解散のために共謀罪導入法案も廃案となりました。しかし、政府が法案の再提出を狙ってくることは間違いありません。共謀罪を完全に廃案に追い込むためには、気を抜くことなく、共謀罪反対運動をさらに広げていく必要があります。そのために、もう一度原点に戻り共謀罪の反人権性について明らかにしていきましょう。

“市民団体などが対象”示す共謀罪の構成要件


 国会審議の中で、法務省は、共謀罪が対象とするのは犯罪組織のみであって、一般の市民団体や労働組合などに適用されることはないと繰り返しています。
 しかし、法律要件(原因)があれば法律効果(結果)が生じるのが法律です。刑法では原則として、ある行為が犯罪構成要件にあてはまれば犯罪として刑罰が科せられます。では、共謀罪の構成要件の中に、犯罪組織のみが対象とか、市民団体などは対象外などという規定が含まれているのでしょうか。
 共謀罪の条文の構造は上図のようになっています。上の3項目の構成要件があれば、下の刑罰が科せられるわけです。市民団体などは対象外という規定はどこにもありません。
 では、構成要件の中の団体や組織の規定にそのような内容が含まれているでしょうか。
 共謀罪の対象とする団体や組織の規定は、組対法の規定そのままで、下図のようになっています。対象団体とは、・共同の目的を持つ、・二人以上の、・継続的結合体で、・目的を実現する行為がa.指揮命令に基づき、b.任務分担に従って、c.一体として行動する“組織”によって反復実行されるものということになっています。ここにも、犯罪組織、つまり例えば“経済的利益のためにもっぱら違法な活動を行う団体”に対象を限定する規定はどこにもありません。
 それどころか、団体の規定の中の“共同の目的”ではそれが違法である必要はありません。また、共謀の内容が団体の目的と関連する必要も、犯罪を実行する予定の組織が団体の目的を実行している組織と同一である必要もありません。
 つまり、この構成要件の構造は、犯罪組織がその目的を達成するために行う犯罪計画を取り締まるのではなく、合法的な目的を持つ労働組合や市民団体がたまたま違法な行為を行おうと話し合ったケースを摘発することを目的にしていることを示しているのです。

居酒屋での意気投合は対象外というのはウソ


 法務省は、「漠然とした相談や居酒屋で意気投合した程度」では共謀罪は成立しないなどと批判の打ち消しに躍起となっています。03年4月23日の衆議院外務委員会で、河村法務省大臣官房審議官は、・居酒屋の意気投合では「団体の活動として」など「組織性の要件」を満たしていないこと、・「酔余の座興的な発言」では「現実的危険性」が存在しないこと、を理由に共謀罪は成立しないと答弁しました。
 しかし第一に、この答弁は、居酒屋での意気投合でも逆に「組織性の要件」が満たされれば共謀罪が成立することを意味します。
 具体的に考えてみましょう。
 居酒屋でたまたま、隣のテーブルの人と「あいつ生意気だからやっつけてやろう」と意気投合した場合。二人以上という条件は満たしますが、二人は共同の目的を持った団体とは言えません。
 たまたま一緒に飲みに行った人の場合。酒を飲むという“共同の目的”はありますが、“継続的結合”ではないので団体とは言えません。
 職場のいつも一緒に飲む同僚がたまたま行った居酒屋での場合。“継続的結合”はあっても、実行のための“組織”がありません。
 しかし、職場の飲み会(共同の目的)などメンバーが固定されて何回か行われ(多数人の継続的結合)、あらかじめ決められた幹事役がいつも予約していた(目的を実行するための組織により反復実行)場合などでは対象団体となります。
 構成要件の「団体の活動として」はクリアしたので、次に「組織により」が問題になります。単に「気に入らないからぶん殴ってやろうか」では組織的とは言えなくても、「体格がいいから最初にぶん殴るのはお前」とか「俺は後ろから」などと盛り上がれば、冗談でも「指揮命令に基づき、任務分担に従って、一体として行動」ということで、“ぶん殴るための組織により”という「組織性の要件」を満たしてしまいます。
 このように人間関係と会話内容によっては、居酒屋で意気投合しただけでも適用されかねないのが共謀罪なのです。
 第二に、今年7月12日の衆院法務委員会の審議で政府は、話し合いをして最後にこれはやめようとなっても「いったん共謀が成立していれば成立する」と明言していることが重要です。
 つまり、「現実的危険性」とは会話内容がある程度具体的でなければならないにすぎず、実際に犯罪が実行される可能性や危険性は必要ないと言うのです。「殴ってやろうか」だけでは成立しなくても、「明日会社で会ったらぶん殴ってやる」なら成立するということなのです。
 このように、市民の会話をその言葉尻をとらえて犯罪にしようというのが共謀罪です。結局それは、違法なことは考えるのも許さないということであり、反戦や人権などたとえ悪法に反しても守るべき大切なものがあるという思想そのものの取り締まりを目的としているのです。  (つづく)

朝日新聞への投稿

 以下は、朝日新聞7月22日の朝刊・声欄に掲載された私の投稿です(見出しは編集部)。投稿による字数制限や朝日新聞と言うメディアの性格から内容を十分に展開できているわけではありませんが、一人でも多くの市民に、現在「共謀罪」という問題法案が審議中であることを知らせる効果はあると思います。
 「共謀罪」は労働運動、市民運動にかかわる市民だけでなく、あらゆる市民を犯罪者としてしまう法律です。戦前には趣味のサークルまでもが治安維持法で摘発された事実もあります。ぜひ、多くの方が自らが購読しているメディアへ投稿をしましょう。

******

市民への抑圧心配な共謀罪


 重い犯罪の計画を話し合っただけで、実行しなくても罪に問われる「共謀罪」を盛り込んだ組織的犯罪処罰法の改正案が衆院法務委員会で審議されている(2日、13日朝刊)。成立すれば、捜査当局が市民生活に一層踏み込むことになりかねないと私は危倶(きぐ)する。
 12日の委員会で、「殺人の共謀を重ね、最後には話し合ってやめた。それでも共謀罪の対象か」と尋ねた民主党委員に、法務省側は認めたという。殺人を実行する危険性がなくなっても犯罪と認める法案だ。
 共謀罪を設けるのは、既に発効した「越境的組織犯罪の防止に関する条約」の加入に必要な国内法整備だと法務省は説明する。だが日本弁護士連合会は、予備行為にも至らない段階で犯罪とみなせば、思想の処罰になりかねず、越境的組織犯罪を対象とする条約の要請も超える、と共謀罪成立に反対している。同感だ。
 私は殺人事件の被疑者と疑われた体験から、治安や冤罪を考える市民運動にかかわっている。そのような立場から、改憲の動きが表立っている現在、反戦の世論を抑えようとする当局を勢いづかせる法律になると考えるので、反対である。
(朝日新聞 7月22日付朝刊)

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