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7月12日、衆議院法務委員会で、話し合っただけで処罰する「共謀罪」新設を柱とする刑法・組織的犯罪対策法改悪案の実質審議が始まった。 午前中には与党から自民党の田村議員ら3人と公明党の1議員が質問を行い、午後は自民党1議員の後、民主党の4議院が質問に立って人権を踏みにじる「共謀罪」の危険性を追及した。 審議は、民主党が「法務副大臣の不在は違法」と追及し、しばしばストップしたということだ。 質疑の中で、共謀罪の危険性がますます浮き彫りになっている。 7月13日付の朝日新聞の報道によると、民主党の津川祥吾議員が「ある集団が殺人の共謀を重ね、でも最後には話し合ってやめた。それでも共謀罪の対象か」と質問したのに対し、政府は「対象となる」と答弁した。これまでは、共謀罪の適用には犯罪の実行の合意が必要とされてきたが、この答弁によれば合意せずに中止しても話し合っただけで犯罪とされるのだ。 この点は非常に重大だ。実際に犯罪を行うつもりもない、あるいは行う意志を棄てた市民が、社会に何の危険も与える可能性がないのに、過去の言葉を理由に犯罪者とされるのだ。 また、13日付日本経済新聞によれば、南野法相は、「具体的かつ現実的な合意がなければならない」と述べて「一杯飲みながら意気投合しただけでは要件に当たらない」と説明した。 この答弁が示す共謀罪の危険性の第1は、南野法相が、会社の同僚による意気投合について、組織性ではなく、「具体的かつ現実的な合意」を理由にあげて要件に当たらないとしていることだ。 私たちは、組対法が夫婦に適用された事実を紹介して「団体」や「組織」の規定のあいまいさ、広範さを批判してきた。南野法相の答弁によれば、会社の同僚が飲み屋で一緒に飲んでいるだけで犯罪集団とされることがありうるというわけだ。話し合いは2人以上の人間がいなければできないから、話し合えばすべて「団体」や「組織」ということになり、「団体」や「組織」が何の歯止めにもならないことが明らかだ。 危険性の第2は、必要とされる要件が「具体的かつ現実的な合意」であって、「具体的かつ現実的な危険」ではないということだ。つまり、話の内容がある程度具体的かつ現実的であれば、それが実行される可能性がなくても共謀罪が適用される。 例えば、会社員が飲み屋で意気投合し、一人が「課長はひどい奴だからぶん殴ってやろうか」と言ったのに対し、相手が「そうだ、そうだ。ぶん殴るなら、会社の裏が人通りがなくていい」などと答えれば、それだけで「具体的かつ現実的な合意」となってしまう。 犯罪取り締まりを口実に、犯罪と無関係の市民を犯罪者にしたてあげる共謀罪を、絶対廃案に追い込まなくてはならない。
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