4月から始まる電力自由化は、安倍政権が進める原発推進政策に対して私たちがNOをつきつける絶好の機会となっています。原発をなくすためには原発で発電した電気を使わないことがもっとも有効な手段だからです。
逆に言えば、将来発生する第二の福島第一事故においては、推進してきた政府や電力会社、稼働を承認した地元自治体の責任だけでなく、私たち一人一人が原発をなくすために十分な努力を行ってきたかが問われることになります。
新電力をめぐる二つのデマ
なお、新電力に移行したからといって電気料金が安くならないとか、供給が不安定になるとか言って、移行をとどめようとする意見もネット上で散見されます。
確かに新電力移行で劇的に安くなることはないでしょう。ただ、どれくらい安くなるかはそれぞれ計算すればすぐ出ることです。原発の発電コストが低いという主張の裏には廃炉費用や九州電力の免震棟建設撤回に象徴される安全コストの切り捨てがあります。金のために命と未来を捨てるのかどうか、福島第一はその選択の結果を示しているのではないでしょうか。
供給不安定論はデマです。送電線は1本だから停電する時は九電力でも新電力でも一緒です。また、新電力によって電力供給は増える一方、消費がそれで増えるわけではないから供給余力は拡大します。
既成九電力会社からの離脱=原発電気不買運動の出発点
まず、東京電力をはじめとする既成の九電力会社からいわゆる「新電力」に契約を移動させること、これが全原発廃炉を目指す原発電力の不買運動の第一歩だと思います。
原発を持たない沖縄電力を別として、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力の9社は、「電気の安定供給のためには原発が不可欠」と称して、既存原発の再稼働や新原発の建設に奔走しています。だったら、九電力の電源構成に原発が占める割合以上に電力販売量を減らしてやりたいと考えています。
政府は、「2030年度の望ましい電源構成」として原発の比率を20%〜22%としています。したがって、電力の販売量ベースで九電力会社から「新電力」への移行を全国平均で22%以上実現することが廃炉を実現する途でしょう。
新電力の選択=電源構成を公表しているか
それぞれの電力会社が、火力などどのような発電所で発電した電力を販売するかを示すのが電源構成です。
政府は、脱原発の動きを警戒して、電源構成の開示を義務とせず努力義務にとどめました。そのため、新電力の中でも電源構成を公表している会社はまだ少数にとどまっています。
東京新聞によれば、首都圏で電源構成を公表しているのは11電力会社。九電力会社を除けば、JXエネルギー、SoftBank(SBパワー)、水戸電力、LOOOP、昭和シェル石油、東京ガスなどです。みんなの電力、ジュピターテレコム、東急電鉄(東急パワーサプライ)は近く公表とのこと。(東京新聞3月26日付)
新電力といっても、九電力会社から電力を購入して小売りする会社もあります。そうした会社と契約すれば原発の電力を使い続けることになります。だから、原発電力の不買運動のためには、電源構成を公表している新電力を選び、どのような電源から電力を得ているかチェックしなければなりません。
電源構成を公表している新電力に契約が集まれば、ほかの会社も公表するようになるでしょう。
再生エネではなく非原発電力を選ぶ
新電力の中には、風力など再生可能エネルギーの推進をうたう会社もあります。再生可能エネルギーは原発に対抗する電源として注目されています。でも、ここには注意すべき点があります。
現時点でそうした会社は販売するすべでの電力を再生可能エネルギーでまかなうことはできず、不足分を東京電力などから購入して販売することになります。電源構成リストでは「その他」などとあらわされている部分です。例えばLOOPの電源構成では再生可能エネルギーは半分以下でしかありません。
せっかく再生可能エネルギー推進の会社を選択しても、卸売市場を通して東京電力などが原発で発電した電力を使うのではなにもなりません。だから、再生可能エネルギーという宣伝に惑わされるのではなく、電源構成の中に原発由来の電力が含まれないかをしっかり見極める必要があるでしょう。
首都圏唯一の選択・東京ガス
以上の視点から電源構成をチェックした結果、私は唯一の選択として東京ガスを選びました。東京ガスは、少なくとも2016年中はすべての電力をLNGでまかなうと公表しています。
他には昭和シェル石油やJXエネルギーも検討しました
昭和シェルはほとんどがLNGでまかなうとしていますが100%ではないことから非選択。JXは一部を再生可能エネルギーでまかなうとしているものの、ほぼ同じ割合を、原発由来の電力を含む卸売り電力でまかなうとしているため選びませんでした。
私が検討したのは首都圏の電力会社のみですが、全国で全原発の廃炉を目指す人たちが新電力を選ぶ参考になれば幸いです。