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電気回路において、並列回路の合成抵抗は以下のように計算されます。 例えば2Ωと3Ωを並列接続して合成抵抗を計算すると、 2//3=2×3/(2+3)=6/5 Ωとなります。 このとき用いた演算子「//」は、足し算に似た色々と面白い性質を持っています。 ドモルガンの法則に似た性質があるのが見受けられますが、 スイッチを直列に繋ぐとAND回路が、並列に繋ぐとOR回路が作れることから連想されます。 +が直列、//が並列ですので、それぞれANDとORに対応するのですね。 一次方程式と二次方程式です。どちらも通常のものとよく似ていますね。 しかし二次方程式の解の公式は係数が色々と違います。 これは次の事実に由来します: 展開公式の係数が逆数で出てくるのですね。 これは同じものの並列が半分になるためです。1//1=1/2 足し算がそのまま並列に置き換わっただけです。並列微分と呼ぶことにします。 この並列微分は通常の微分と同様、線形性を持っていますし、 合成関数・逆関数・積の微分など、通常の微分が持つ性質を多く持っています。 指数法則や、三角関数の加法定理は次のようになります。 逆数の関係になっていることに注意です。 これらを用いて、次のような並列微分公式が得られます。 逆数が入れ子みたいになって、何だか複雑な式になってしまいますね。 実はこの並列微分と通常の微分とは次のような関係式で結ばれます。 この式が並列微分で一番大事な式です。 変形して、f(x)の並列微分について解くとこうなります: これさえあれば、並列微分は全部出来るようになりますね。 これに当てはめれば、次のようなマクローリン展開を得られます: これらを用いれば、オイラーの公式も作れますね。 オイラーの公式単体なら、単純にドモルガンの法則から導くことが出来ます。 四則演算に新しい仲間が増えた感じがして何だかいいですね^^
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ZFC公理系は、数学の基礎のルールを決めるものでした。 ここで決めたのは集合に対するルールのみですが、このルールに基づいて自然数を作ることができます。 自然数はすべての数の基礎になります。早速作ってみましょう。さながら哲学のようで面白いですよ。 「無」が最初にあった・・・ 「無」に4つの心みちたりし時 クリスタルは生まれ 世界は作られた そうです。我々の心によって世界は作られたのです。 この何もない空間を「0」と名付けましょう。 このように。 こうして、何もない無の空間「0」が創造されました。 これじゃあどうやっても「0」しか作れませんね。 しかし、「0」を作ったことにより、我々は「0」を認知することができます。 「0」を認知した世界。そこに「0」があります。 な、なんと「0」があるではありませんか! そうです。「0」を創造したその瞬間、無の世界は無でなくなったのです。 「0」が存在するこの世界を「1」と名付けましょう。 こうして、何もない世界「0」と、「0」が存在する世界「1」が生まれました。 何だか騙された気になるかもしれませんが、このようにして自然数が作られるのです。 すなわち空集合φ=0とし、1={φ}というように、 空集合を要素に持つ集合として1を定義するのです。 φと{φ}は異なりますし、集合のルールに基づいて作られているので何も不思議はありません。 じゃあ今度は「2」を作りましょう。 「2」も、「1」があるではありませんか!で別にいいのですけれど、ちょっと不便なので このようにするのが一般的です。 な、なんと「0」と「1」があるではありませんか! このように、「0」と「1」が存在する世界を「2」と名付けます。 2={φ, {φ}}ということですね。 なんで2={{φ}}にしないかと言うと、こうすることで 数字の名前と要素数を一致させることができるのです。 0=φですから、要素は0個。 1={φ}ですから、要素は1個。 2={φ, {φ}}ですから、要素はφと{φ}の2個になります。{{φ}}だと要素は1個ですよね。 一般に、自然数nの後者をsuc(n)と表し、suc(n)=n∪{n}と定義します。 後者は、「次の数」のことです。0の後者は1、1の後者は2、…… すると、自然数はこのように表わすことができます。 1=suc(0)=0∪{0}=φ∪{φ}={φ} 2=suc(1)=1∪{1}={φ}∪{{φ}}={φ, {φ}} 今までの流れだと3={φ, {φ}, {{φ}}}にでもなるのかな?と思われそうなのですが、 後者できちんと定義するとこのようになります。 3=suc(2)=2∪{2}={φ, {φ}}∪{{φ, {φ}}}={φ, {φ}, {φ, {φ}}} なんでこんなまどろっこしいことするのかと言えば、こう書き換えれば一目瞭然ですね。 1={φ}={0} 2={φ, {φ}}={0, 1} 3={φ, {φ}, {φ, {φ}}}={0, 1, 2} 3は、0, 1, 2の3個の要素を持った集合、ということになります。 このように決めれば、集合の包含関係を利用することができるのです。 例えば2には、0と1があります。0⊂2, 1⊂2 3には、0, 1, 2があります。0⊂3, 1⊂3, 2⊂3 ということは、0⊂1⊂2⊂3⊂……となるのですね。これ何か別の記号に見えませんか。 そうです。大小関係になっているのです。0<1<2<3<…… 集合の包含関係を用いて、大小関係まで定義できてしまう優れたルールなのです。 これを繰り返して、自然数をいくらでも定義出来ることが分かりました。 自然数全体を集めた集合をNとします。 ZFC公理系のときに無限公理という奇怪なルールがありましたが、 これを決めるためにあるようなものです。 自然数全部を集めた無限の要素を持つNも、集合です。 大学の数学ではよく「自然数n」のことを「n∈N」なんて書くことがありますが、 このように集合の概念にちなんでいるのですね。 集合Nの中のある要素n、ということです。 せっかくなので、足し算を定義して「1+1=2」の証明でもしてみましょう。 まず、写像を定義します。 写像とは、集合同士の要素の対応関係を表わします。○は○に、△は□に、□は△に。 ところが、○が△にも□にも対応してしまっては困ります。 そこで、一つの要素につきただ一つの要素が対応するものだけを写像と呼びます。 逆に、対応先は重複しても構いません。○が○に対応した後に、△が○に対応してもOKです。 写像はいわゆる関数のことですね。 関数は、写像のうち要素として数を主に扱ったもののことを言います。 それだけの違いなので、写像=関数と捉えても問題ありません。 早速、足し算写像を定義します。 しかし足し算は二変数ですよね。2+3の場合は、2と3が入力に必要です。 そこで、どっちか固定して一変数にした写像を考えます。 ここでは、2に何か足す写像「2+」を考えます。変な書き方ですね。 「2+」は次のように定義します。 2+0=2 2+suc(n)=suc(2+n) 0に対しては2が対応し、 suc(n)に対してはsuc(2+n)が対応するというものです。 これによれば例えば2+1の場合は、1=suc(0)なので、 2+1=2+suc(0)=suc(2+0)=suc(2)=3より、2+1=3と決まるのです。 2+3の場合は3段階設けまして、 2+3=2+suc(2)=suc(2+2)=suc(2+suc(1))=suc(suc(2+1)) =suc(suc(2+suc(0)))=suc(suc(suc(2+0)))=suc(suc(suc(2))) =suc(suc(3))=suc(4)=5 より、2+3=5となります。 このように、きちんと足し算が定義できていることが分かります。 この足し算写像を用いて1+1=2を示すことができます。もう2+3とかやってますが…… 1+1=1+suc(0)=suc(1+0)=suc(1)=2 何だかあっけないので、集合主体にしてやってみましょう。 定義:suc(n)=n∪{n} 定義:0=φ 定義:1=suc(0)=0∪{0}=φ∪{φ}={φ} 定義:2=suc(1)=1∪{1}={φ}∪{{φ}} 定義:x+0=x, x+suc(y)=suc(x+y) 1+1 ={φ}+{φ} ={φ}+(φ∪{φ}) ={φ}+suc(φ) =suc({φ}+φ) =suc({φ}+0) =suc({φ}) ={φ}∪{{φ}} =2 なぜか1+1=2が何でなんだろう……とよく疑問に持たれることがありますが、
このようにしてやれば実にあっけない、何でもないことだと分かりますね。 むしろこうなるように集合や足し算のルールを決めたと考えた方が良いかもしれません。 |





