風の迷路

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並列回路演算子の性質

電気回路において、並列回路の合成抵抗は以下のように計算されます。

イメージ 1

例えば2Ωと3Ωを並列接続して合成抵抗を計算すると、
2//3=2×3/(2+3)=6/5 Ωとなります。
このとき用いた演算子「//」は、足し算に似た色々と面白い性質を持っています。

イメージ 2

∞を数として認めているのは一意T空間を考えていることによるものです。
ここでは実数に、0の逆数としての符号のない数「∞」を付け加えた体系を考えています。

ドモルガンの法則に似た性質があるのが見受けられますが、
スイッチを直列に繋ぐとAND回路が、並列に繋ぐとOR回路が作れることから連想されます。
+が直列、//が並列ですので、それぞれANDとORに対応するのですね。

方程式

+の単位元は0ですが、//の単位元は∞になりますので、
こんな方程式を考えることができます:

イメージ 3

一次方程式と二次方程式です。どちらも通常のものとよく似ていますね。
しかし二次方程式の解の公式は係数が色々と違います。
これは次の事実に由来します:

イメージ 4

展開公式の係数が逆数で出てくるのですね。
これは同じものの並列が半分になるためです。1//1=1/2

並列微分

//に対応する微分を次のように定義します:

イメージ 5

足し算がそのまま並列に置き換わっただけです。並列微分と呼ぶことにします。
この並列微分は通常の微分と同様、線形性を持っていますし、
合成関数・逆関数・積の微分など、通常の微分が持つ性質を多く持っています。

イメージ 6

指数法則や、三角関数の加法定理は次のようになります。
逆数の関係になっていることに注意です。

イメージ 7

これらを用いて、次のような並列微分公式が得られます。

イメージ 8

逆数が入れ子みたいになって、何だか複雑な式になってしまいますね。

実はこの並列微分と通常の微分とは次のような関係式で結ばれます。
この式が並列微分で一番大事な式です。

イメージ 9

変形して、f(x)の並列微分について解くとこうなります:

イメージ 10

これさえあれば、並列微分は全部出来るようになりますね。

マクローリン展開

並列微分を用いて、//のマクローリン展開は以下のように定義出来ます:

イメージ 11

これに当てはめれば、次のようなマクローリン展開を得られます:

イメージ 12

これらを用いれば、オイラーの公式も作れますね。

イメージ 13

オイラーの公式単体なら、単純にドモルガンの法則から導くことが出来ます。

他の演算子との関係性

//は、同型写像f(x)=1/xを介して+と同型です。
だから逆数が多発したのですね。
各演算子とは、次のような関係があります。

イメージ 14

四則演算に新しい仲間が増えた感じがして何だかいいですね^^

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実数のコンパクト化


実数に∞と−∞を付け加え、実数全体を閉区間にしてしまったものを拡張実数といいます。
2+∞=∞や、2÷∞=0などという計算を、便宜的なものでなく
きちんと定義して扱えるようにしたものです。
これはこれで便利なのですが、やはり∞を数として扱うことには多少の抵抗があります。
そこで、以下の関数を用いて任意の実数を有界閉区間に落とし込むことを考えます。

イメージ 1

通常の実数に対してこの写像T(x)を適用すると、その像は(−1, 1)の区間となります。
さらに、便宜的にarctan(±∞)=±π/2と表されることを利用して、
∞を表す1、−∞を表す−1をそれぞれ要素として加えて閉区間[−1, 1]を作ることで、
Tを適用した後の空間を実質拡張実数として扱うことが出来るようになります。
これなら拡張実数を表すのに∞を使わなくても済みますね。
この[−1, 1]区間のことをT空間と呼ぶことにします。
実数をT空間に落とし込むことを実数のコンパクト化と呼ぶことにします。ここではね。

拡張実数を考えるときは、まず実数にこのTを適用してT空間に落とし込んでから
T空間における四則演算を用いて計算を行い、最後にT^(-1)を適用して
通常の実数に戻す、ということをすれば良いでしょう。

T空間における四則演算は次のようになります:

イメージ 2

argは複素数の偏角を表します。
単純に、一旦T^(-1)を適用してから通常の四則演算を行い、
Tを適用して戻す、ということをしています。
その際に±1は∞に変換されてしまうことから、それを避ける目的で
通常のarctanではなくargを用いています。
T空間の積の単位元は1/2になることに注意です。1/2を実数に逆変換すると1になります。

これらは通常の実数の足し算掛け算と同型になります:
T(a+b)=T(a)+T(b)
T(ab)=T(a)T(b)
同型になるというか、そうなるように定義したのが正しいですね。
そのため、実数の四則演算はT空間の四則演算に置き換えられます。

以下に足し算と掛け算の性質を示します。
それぞれ±1を±∞に置き換えてみると、通常の実数と同じような性質であることが分かります。

イメージ 3

また、次のように逆数を定義します。
割り算は逆数との掛け算で定義することが出来ます。

イメージ 4

以上が拡張実数をT空間で扱う方法になりますが、
0の逆数が±1となってしまい、やはり積の逆元が存在しないという問題が残ります。
拡張実数を扱う分には別にこのままでもいいのですが、
次に考えることへの準備のため、以降は単調性を失わせた
新しい定義について記述していきます。

一意T空間

T空間は[−1, 1]の区間となっているため、0の逆数が2つの値を出してしまいます。
+∞と−∞を区別して考えているためですが、ここではその区別をなくし、
0の逆数としての∞という1つの数だけを付け加えたT空間を考えます。
0の逆数をT空間の1と定義し、−1を範囲から除することで実現します。

T:(−∞, ∞) → (−1, 1]

この修正方法は単純に、T変換及び各四則演算の度に次の変換をすることとします。

イメージ 5

これは任意の実数xを(−1, 1]の区間に収める変換です。
各計算毎にこの変換をして区間を改めたT空間を一意T空間と呼ぶことにします。

例えば−∞を一意T変換してみると、
T(−∞)=2/π arctan(−∞)=2/π・(−π/2)=−1
r(−1)=(−1+2)−2ceiling((−1+1)/2)=−1+2=1
となるので、1に変換されます、−∞も∞も1になるのです。

補足ですが、任意の実数を半開区間に収める変換は次のようにして記述できます:

イメージ 6

それがどうしたというのか

一意T空間により任意の実数は無限大を考慮して単なる実数で計算出来るようになりましたが、
それがどうしたということになります。

こういう演算を考えたとします:
a//b=1/(1/a+1/b)=ab/(a+b)
これは並列回路の合成抵抗を計算する演算子ですが、一意T空間によってこの演算子はアーベル群になります。

通常の実数で考えると、a//bは単位元を持たないことが分かります。
任意の実数をa、単位元をxとすると、
a//x=x//a=aを満たすxが単位元になりますが、
1/(1/a+1/x)=a
1/a+1/x=1/a
1/x=0
となり、xは0の逆数となってしまうのです。
そのため、単位元なしということで//は半群止まりになってしまうのですが、
そこで思考停止してしまうには惜しいぐらい//は色々と性質を持っていますので、
0の逆数を考えることのできる一意T空間に一度変換してやり、
一意T空間における//を考えてみると、単位元は1として扱えるようになります。
実数における∞が単位元になるということです。
確かに並列回路では∞Ωを並列に繋いでも合成抵抗は変わりません。(∞Ωは開放を表します)

さらに、単位元を考えることによって逆元を考えることができ、aの逆元は−aになります。
a//(−a)=1/(1/a−1/a)=1/0=∞ということです。
これで//は群になることができます。

次の記事でこの//演算子について色々記載していくつもりですが、
これは実数に∞を付け加えることで群になることができ、∞を付け加える操作は実は
実数を一意T空間に変換した上の操作であることを明記するために
こんなものを定義したということになります。

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本記事の内容は新ブログに転載されました:
http://fermiumbay13.hatenablog.com/entry/2017/12/05/000540

ゼロ除算は禁じられています。小中学校で習いましたね。
0÷3はできても、3÷0は出来ません。0÷0もダメです。
0で割ることを許してしまうと、例えばこんなことが起きてしまいます。

3÷0=xとすると、両辺0倍することで
3÷0×0=0xになり、左辺は約分して3になり、右辺は0x=0より0になります。
よって、3=0です。これはおかしな結果ですね。
こんなことが起こるので、0で割ってはいけないことにしてあるのです。
0で割ることをゼロ除算と呼び、やっちゃダメだよ、という認識が強まっていると思います。
3/0なんて分数を見ただけで、うわぁ……と思いますよね。
でもホントに3/0は存在しないで片づけていいんでしょうか。

一方で、√(−1)も存在しません。ルートの中にマイナスを入れるのは禁止です。
ところが、これを存在すると仮定して、それをiと決めるとどうでしょう。
√(−1)=iとなることにより、√(−4)=2iとか言うことができます。虚数ですね。
虚数だって、元々答えが無かったものに答えを与えたものですから、
実数だけで考えていたときには成り立っていた色々な法則が破綻します。
√(ab)=√a√b が代表例ですね。
実数なら、6=√36=√(4×9)=√4√9=2×3=6とすることができますが、
ルートの中にマイナスを入れてしまうと
6=√36=√((−4)×(−9))=√(−4)√(−9)=2i×3i=−6
というおかしな結果になります。虚数を認めると√(ab)=√a√bが成り立たないのです。

しかし、たとえそういったいくつかの破綻があっても
虚数は便利なので色んな場面で使われています。
そう考えるとどうでしょう。別に0で割ってもいいんじゃね??と思いませんか。
0で割ることを認めれば、3÷0=xの答えを与えることができます。
その代わり、例えば0/0を約分して1にするとか、0x=0にするとか、
そういったことが成り立たなくなります。
いくらなんでも3=0を認めるわけにはいかないですからね。
他の法則を書き換えてやれば、0で割ることだって一応可能です。何でやらないんでしょう?
簡単に言えば、書き変わる法則が多すぎる割に大して役立たないからだと思います。
0x=0が成り立たないなんて、ありえなくないですか。

実際に一応ゼロ除算を認めてみた体系というのがあります。
輪(りん)という代数系です。輪の理論はWheel theoryと呼ばれています。そのまんまや。
足し算・引き算・掛け算だけが出来る代数系のことを環と言いますが、それに似たものです。
足し算・引き算・掛け算・割り算・ゼロ除算を可能とした奇跡の代数系です。

輪の定義は次の通りです。

まず、輪で使われる数の集合をWとします。
正の数に限定しても、実数全体や複素数を使っても、どうでもいいです。
このWの各々の数の間には「足し算」「掛け算」分配法則を除いて完璧に定義されているとします。
結合法則も成り立つし、交換法則も成り立ち、
0を足し引きしても、1を掛けても変わらない、というものです。
ここで、割り算を次のように定義します。
a÷b=a×(1/b)
「bの逆数」と掛け算するのです。これも普通ですね。
その上で、次のルールをすべて満たす代数系をと呼びます。

イメージ 1

(9)は、Wにマイナスの値が入っているなら引き算を定義出来るよ、という意味です。

何となく勘のよい方は気付くかもしれませんが、輪は一般に0x=0が成り立ちません。
上のルールだと0yとか0zとか残ってますものね。
x, y, zが0を除く普通の実数だとすれば、もちろん0x=0も成り立つし、
上の法則がすべて成り立つのは明らかでしょう。
0x=0が成り立たないのは、例えばx=1/0みたいな数です。
ここでは1/0などというものも数だよ、と認めているのです。
これが、輪がゼロ除算を認めていると言われる理由です。

実際一般に次の性質が現れます。
・0x≠0
・x−x≠0
・x/x≠1
引き算、割り算の結果が必ずしも単位元に戻らないことに注意です。
ではどうなるのか、というと次のようになります。

イメージ 2

これらの法則は、定義(1)〜(9)から導くことの出来る定理です。
それぞれの証明は以下の通りです。

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

ということで、
x−xの結果は0ではなく、0x^2
x/xの結果は1ではなく、1+0x/xになるのですね。
もちろんxが0以外の普通の実数なら当然それぞれ0, 1になりますが、
x=1/0とかならそうはならないぞ、ということになります。

1/0は普通の数に入ってないので、√(−1)=iと決めたように、1/0=♪とか決めてみましょう。
√(−4)は2iと表わせますが、2/0を♪を使って表わせるでしょうか?
なんと、2/0=♪になります。実は分子が非0実数ならいつも♪になるのです。

a, bを0以外の実数とし、a≠bとします。
a/0
=a・1/0
=a・1/(a/b・0)
=a・1/(a/b)・1/0
=a・b/a・1/0
=b・1/0
=b/0
となるので、a/0=b/0になります。全部同じなのです。
よって、a/0=b/0=♪になります。

また、♪は何乗しても♪のままです。

=1/0
=1/(0・0)
=1/0・1/0
=♪^2
より、♪=♪^2が成り立ちます。1/0^2も♪なのですね。

でも0/0は♪ではありません。0/0≠1/0です。
1/(1/0)=0ですが、
1/(0/0)
=1/(0・1/0)
=1/0・1/(1/0)
=1/0・0
=0/0となり、0/0≠0なので、逆数が一致しないのです。
0/0=☆とでも決めておくと良いでしょう。

☆と♪は非常によく似た性質を持ちます。
♪−♪=☆
☆−☆=☆
♪+1=♪
☆+1=☆
♪=k♪(kは0以外の実数や虚数)
☆=0♪
☆=☆♪
♪^2=♪
☆^2=☆
気付かれたかもわかりませんが、♪は「不能」を、☆は「不定」を
それぞれ数として表わすことに成功したものなのです。
1/0の結果は不能ですが、不能の結果は何乗しても不能のままだし、
不定の結果は何乗しても不定のままです。
不能+不能は不能ですが、
不能−不能は不定になります。

こういったものを扱うには便利ですね。

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自然数を作る

ZFC公理系は、数学の基礎のルールを決めるものでした。
ここで決めたのは集合に対するルールのみですが、このルールに基づいて自然数を作ることができます。
自然数はすべての数の基礎になります。早速作ってみましょう。さながら哲学のようで面白いですよ。

イメージ 1

「無」が最初にあった・・・

「無」に4つの心みちたりし時
クリスタルは生まれ
世界は作られた


そうです。我々の心によって世界は作られたのです。
この何もない空間を「0」と名付けましょう。

イメージ 2

このように。

こうして、何もない無の空間「0」が創造されました。

これじゃあどうやっても「0」しか作れませんね。
しかし、「0」を作ったことにより、我々は「0」を認知することができます。

イメージ 3

「0」を認知した世界。そこに「0」があります。
な、なんと「0」があるではありませんか!
そうです。「0」を創造したその瞬間、無の世界は無でなくなったのです。
「0」が存在するこの世界を「1」と名付けましょう。

イメージ 4

こうして、何もない世界「0」と、「0」が存在する世界「1」が生まれました。


何だか騙された気になるかもしれませんが、このようにして自然数が作られるのです。
すなわち空集合φ=0とし、1={φ}というように、
空集合を要素に持つ集合として1を定義するのです。
φと{φ}は異なりますし、集合のルールに基づいて作られているので何も不思議はありません。

じゃあ今度は「2」を作りましょう。
「2」も、「1」があるではありませんか!で別にいいのですけれど、ちょっと不便なので
このようにするのが一般的です。

イメージ 5

な、なんと「0」と「1」があるではありませんか!
このように、「0」と「1」が存在する世界を「2」と名付けます。
2={φ, {φ}}ということですね。
なんで2={{φ}}にしないかと言うと、こうすることで
数字の名前と要素数を一致させることができるのです。
0=φですから、要素は0個。
1={φ}ですから、要素は1個。
2={φ, {φ}}ですから、要素はφと{φ}の2個になります。{{φ}}だと要素は1個ですよね。

一般に、自然数nの後者suc(n)と表し、suc(n)=n∪{n}と定義します。
後者は、「次の数」のことです。0の後者は1、1の後者は2、……
すると、自然数はこのように表わすことができます。

1=suc(0)=0∪{0}=φ∪{φ}={φ}
2=suc(1)=1∪{1}={φ}∪{{φ}}={φ, {φ}}

今までの流れだと3={φ, {φ}, {{φ}}}にでもなるのかな?と思われそうなのですが、
後者できちんと定義するとこのようになります。

3=suc(2)=2∪{2}={φ, {φ}}∪{{φ, {φ}}}={φ, {φ}, {φ, {φ}}}

なんでこんなまどろっこしいことするのかと言えば、こう書き換えれば一目瞭然ですね。
1={φ}={0}
2={φ, {φ}}={0, 1}
3={φ, {φ}, {φ, {φ}}}={0, 1, 2}
3は、0, 1, 2の3個の要素を持った集合、ということになります。

イメージ 6

このように決めれば、集合の包含関係を利用することができるのです。
例えば2には、0と1があります。0⊂2, 1⊂2
3には、0, 1, 2があります。0⊂3, 1⊂3, 2⊂3
ということは、0⊂1⊂2⊂3⊂……となるのですね。これ何か別の記号に見えませんか。
そうです。大小関係になっているのです。0<1<2<3<……
集合の包含関係を用いて、大小関係まで定義できてしまう優れたルールなのです。

これを繰り返して、自然数をいくらでも定義出来ることが分かりました。
自然数全体を集めた集合をNとします。

イメージ 7

ZFC公理系のときに無限公理という奇怪なルールがありましたが、
これを決めるためにあるようなものです。
自然数全部を集めた無限の要素を持つNも、集合です。

大学の数学ではよく「自然数n」のことを「n∈N」なんて書くことがありますが、
このように集合の概念にちなんでいるのですね。
集合Nの中のある要素n、ということです。


せっかくなので、足し算を定義して「1+1=2」の証明でもしてみましょう。
まず、写像を定義します。

イメージ 8

写像とは、集合同士の要素の対応関係を表わします。○は○に、△は□に、□は△に。
ところが、○が△にも□にも対応してしまっては困ります。
そこで、一つの要素につきただ一つの要素が対応するものだけを写像と呼びます。
逆に、対応先は重複しても構いません。○が○に対応した後に、△が○に対応してもOKです。

写像はいわゆる関数のことですね。
関数は、写像のうち要素として数を主に扱ったもののことを言います。
それだけの違いなので、写像=関数と捉えても問題ありません。


早速、足し算写像を定義します。
しかし足し算は二変数ですよね。2+3の場合は、2と3が入力に必要です。
そこで、どっちか固定して一変数にした写像を考えます。

ここでは、2に何か足す写像「2+」を考えます。変な書き方ですね。
「2+」は次のように定義します。

2+0=2
2+suc(n)=suc(2+n)

0に対しては2が対応し、
suc(n)に対してはsuc(2+n)が対応するというものです。
これによれば例えば2+1の場合は、1=suc(0)なので、
2+1=2+suc(0)=suc(2+0)=suc(2)=3より、2+1=3と決まるのです。

2+3の場合は3段階設けまして、
2+3=2+suc(2)=suc(2+2)=suc(2+suc(1))=suc(suc(2+1))
=suc(suc(2+suc(0)))=suc(suc(suc(2+0)))=suc(suc(suc(2)))
=suc(suc(3))=suc(4)=5 より、2+3=5となります。

イメージ 9

このように、きちんと足し算が定義できていることが分かります。

この足し算写像を用いて1+1=2を示すことができます。もう2+3とかやってますが……
1+1=1+suc(0)=suc(1+0)=suc(1)=2

何だかあっけないので、集合主体にしてやってみましょう。

定義:suc(n)=n∪{n}
定義:0=φ
定義:1=suc(0)=0∪{0}=φ∪{φ}={φ}
定義:2=suc(1)=1∪{1}={φ}∪{{φ}}
定義:x+0=x, x+suc(y)=suc(x+y)

1+1
={φ}+{φ}
={φ}+(φ∪{φ})
={φ}+suc(φ)
=suc({φ}+φ)
=suc({φ}+0)
=suc({φ})
={φ}∪{{φ}}
=2

なぜか1+1=2が何でなんだろう……とよく疑問に持たれることがありますが、
このようにしてやれば実にあっけない、何でもないことだと分かりますね。
むしろこうなるように集合や足し算のルールを決めたと考えた方が良いかもしれません。

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(旧記事)ZFC公理系

本記事の内容は新ブログに転載されました:
http://fermiumbay13.hatenablog.com/entry/2018/01/03/175902

数学は、何か定義をして、そこから得られる結論を
定理としてまとめていくことで築いていく巨大な論理の集大成といわれています。
足し算を定義したから、それを発展させて掛け算を作り、
さらにそれを発展させて累乗を作ることができます。
高校数学で色々複雑なものが登場しますけれど、実は結局小学中学の延長であることがほとんどですよね。
微分だって、もとは割り算です。対数も掛け算からできています。
では、定義のもとになった理論のそのまた定義の、その根っこの部分はどうなっているでしょうか?
言わば数学の始まり、すべての基礎です。
何だか哲学みたいになってしまいますが、いくら数学でもこの始まりの部分は決めなければなりません。
これを公理といいます。すべての議論の前提となる、決めごとです。
これ以上細かく証明できないよ、というスタートの部分は自明であるものとして、
そのルールに基づいて得られるものを数学による理論とすればよいのです。
というか、そうしなければ何も議論ができません。スタートが必要なのです。

この公理をどのように決めてやればよいかというのは昔からよく考えられてきました。
ユークリッド原論や、ペアノの公理はその代表例です。
前者は幾何学の公理、後者は自然数の公理となっており、
そのもとでは正しく理論を構築していくことが出来ます。
でも、公理はなるべく少ない方が良いですし、同じ数学ですから、
同じ公理からすべてを導くことが出来た方が理想です。
そこで、現在では集合をベースとしたZFC公理系と呼ばれるものが一般的な公理として採用されています。

ZFC公理系

論理式のルールはすでに定義されているものとします。
そこから次に述べる公理をセットにしたものをZFC公理系と呼び、これらをすべて満たすものを
数学的思考の対象として扱おう、と決めるのです。つまり、これらがいわゆる数学のすべての基礎です。

イメージ 1

ただし、1〜8のみをZF公理系と呼び、これに選択公理(A)を付け足したものをZFC公理系と呼びます。
選択公理があるとおかしな議論ができてしまうのではないか?と思われるようなことが多々あるため、
(例えば、同じ大きさの球をバラバラにして組み立てなおせば、もとの球とまったく同じ大きさの球が
2個作れてしまう、という結論が導かれます(バナッハ=タルスキーのパラドックス))
この公理を外した場合の公理系としてZFが挙げられています。
しかし、基本的にはZFC公理系が採用されており、数学の基礎公理といえばZFC公理系と言われています。
直観には反するけれど、別に矛盾はしないので、それで正しいと言って差し支えないためです。
また、分出公理(B)はもともと公理系の仲間でしたが、これを発展させて
置換公理(7)が作られたので、置換公理を認めたものがZFの仲間となります。
分出公理は置換公理から導くことができるので、定理と言えます。

ZFC公理系をすべて満たすものを、集合と定義します。
つまり数学の基礎は集合なのです。この見方による数学を公理的集合論と呼びます。
高校数学では集合がわずかにしか登場せず、印象も薄いですが、
集合は非常に大事な概念だったのです。集合をベースにして数字とか足し算とか出来てるわけですからね。

以下ではそれぞれの公理を集合の図を用いて表わし、説明しています。

イメージ 2

二つの集合A, Bがあったとき、その中の要素がまったく同じだったなら、
二つの集合は等しいと定義します。集合の等しさの定義です。当たり前ですね。

イメージ 3

要素を全く持たない集合が存在するという公理です。
これを空集合と呼びます。φと書かれるあれですね。空集合は特別な集合です。

イメージ 4

二つの集合x, yがあったとき、それらをまとめて保持するより大きな集合Aが存在するという公理です。
これを、集合x, yのと呼び、{x, y}で表わします。
対が必ず存在すると言い切る公理ですので、二つの集合があればどんなものでも対を作れる、
ということになります。まどろっこしい言い方ですが……
また、同じ集合の対{x, x}は{x}と書き、これをシングルトンと呼びます。

イメージ 5

集合の中にさらに集合がいくつかあったとき、その中の要素それぞれを取り出した集合が
存在するという公理です。これを和集合と呼びます。
集合x, yの和集合を特にx∪yと書きます。

イメージ 6

要素を無限に持つ集合が存在することを保証する公理です。
集合Aの中に空集合φがあれば、その空集合を使ってφ∪{φ}という新しい集合を作れます。
その集合も要素に持つよ、ということになります。
上の図で言うと左の○が空集合で、そのすぐ右上にあるのがφ∪{φ}です。
これが新しい要素としてAに属されましたから、これを使ってさらに
(φ∪{φ})∪{φ∪{φ}}=φ∪{φ}∪{φ∪{φ}}
という新しい要素を作ることができ、これもAに属されます。これが右側のキモイ○です。
さらにそれを使って新しい要素を作れて、……というのを無限に続けることができます。
このような集合Aが存在してもいいよ、という公理になります。
なかなか奇怪なルールですけれど、これは実は自然数を作るときに重要な公理になります。

イメージ 7

集合の各要素の取り出しパターンすべてを列挙して、それぞれを要素として持つ新たな集合を
冪集合と呼び、冪集合が必ず存在するということを表わした公理です。
すべての部分集合を持った集合、と言っても同じことです。
集合Xの冪集合は2^Xという累乗のような表記をします。

イメージ 8

多分、一番直観的でない公理だと思います。
まずψ(x, y)は論理式を表わします。例えば、
ψ(x, y)=「xはyを食べた」だったら、ホントに食べたなら真となります。
ある論理式ψが、任意のx, y, zに対して(ψ(x, y)∧ψ(x, z)) ⇒ y=zを満たすものと仮定します。
つまり、前の変数に対する後ろの変数はただ一つですよ、ということを表わします。
実はこれは関数を意味していて、xに対してyが決まるという関係をψで表わしているのです。
関数は変数に対して値がただ一つに決まりますよね。f(x)=yかつf(x)=zなら、y=zです。
ここで言う論理式ψはそういう、関数としての働きのある論理式ですよ、ということを前置きで述べます。

次に、集合Xを考えます。
このXの中にはいくつか要素がありますが、その要素が例えばxだったとします。
ψ(x, y)を満たすようなyは必ず集合Aに属しますし、
Aに属しているすべての要素yには必ずψ(x, y)を満たすようなxが対応して存在します。
ψ(x, y)はy=f(x)のことでしたので、Xは関数の定義域、Aは関数の値域のことを言っているのです。
要するに関数の値域は集合になるよ、という公理です。

イメージ 9

こんなものは集合とは認めないよ、という公理です。
上の図では要素が無限に入れ子になっていますけど、つまり自分自身を要素に持ったものを表わします。
無限集合に似ていますが、あっちは要素が無限にあるというものであって、ちょっと違います。
どうしてこれを集合とは認めないかというと、色々問題があったためです。
自分自身が属するような集合は存在するか?
すなわち集合AがA∈Aを満たすことはあるのか?ということを考えたとき、
実は真とも偽とも証明できてしまい、矛盾してしまうのです。(ラッセルのパラドックス)
これではマズイので、そんなものは集合とは認めないとしたのです。

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ZFC公理系のCは選択(Choice)公理のCです。一般に、この公理は正しいと認めます。
集合Xの中にいくつか集合があって、その中に要素が色々あったとします。
ただし、それぞれの集合は交わり部分を持たないことを条件とします。
(一つ目の集合に○があったら、二つ目の集合に○があってはいけない)
このとき、それぞれの集合から何でもいいので一つ要素を選んで取ってくることができます。
そうやって選んで包んだものを集合Aとし、これを集合Xの選択集合と呼びます。
条件さえ満たしていれば、任意の集合に対して選択集合を作ることが出来るというのが選択公理です。

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分出公理は置換公理から簡単に示すことが出来るので、あってもなくても変わりませんが、
置換公理がややこしいので、分出公理を使って考えた方がわかりやすい場合があります。
分出公理は非常にシンプルであり、ある集合Xの各要素のうち、
条件ψを満たすものだけを集めた集合Aを作ることが出来る、という公理です。
この条件ψ(x)をx∈Yとすると「集合Xに属する要素のうち集合Yに属する要素を集める」
という意味になり、これをXとYの共通部分と呼んでX∩Yと表わすことにします。


以上で集合のルールが定義され、これらに基づいて自然数や図形が作られていくことになります。

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